Beñat Labaien氏(元徳島ヴォルティス監督)のPodcastゲスト出演について

冒頭挨拶/前置き

新年明けましておめでとうございます。能登半島震源とする地震の知らせ、大変悲しく思います。能登半島は何度も訪れた地で、風光明媚で大好きな場所の一つです。被害のさらなる拡大が起こらない事を祈っております。

今回はヴォルティスサポのぽかすたんさん(X:@pokastan)がご自身のブログで紹介されていた、Beñat Labaien氏(徳島ヴォルティス元監督)が出演したPodcastの内容の翻訳に挑戦しました。興味深いコンテンツを紹介いただいたぽかすたんさんに、この場でも御礼申し上げます。そして、いつもヴォルティスについてのご発信、興味深く拝見しております。重ねてありがとうございます!
ぽかすたんさんによる元記事は此方から。

note.com

Podcast / Corpholisticについて

本題に入る前に、Labaien氏がゲストとして出演したPodcastの概要に触れておきます。彼が出演したPodcastは、Corpholisticというグループが提供しているものです。同グループは2名の専門家 Alain Sola Vicente氏、Yolanda Valdivieso González氏が運営しています。両名は強度の高い運動後の回復 / 負傷からの回復等を目的とした水中(プール)での活動セッションの活用の発展に従事しており、Alain氏は、フットボール界でも活躍され、以前はLa Realでもフィジカルスタッフとして働かれ、現在はReal Madridの技術チームの一員として活躍されている方です。Corpholisticの詳細は以下ページからご参照ください。

Corpholistic - Terapia y ejercicio

今回Labaien氏がゲスト出演したPodcastのリンク(Spotify)を貼付します。

open.spotify.com

 

Podcast内容

以下、Podcastを自分なりに聞き取った内容を以下記していきます。スペイン語の習得レベルが低いので、上手くできていない事をご容赦ください。

・EPISODIO内容

総体的に、個人の経験は年齢に比例して増えていくものですが、この法則性に当てはまらない人物としてBeñat Labaienが挙げられます。

このエピソードの生みの親であるBeñatは、我々にスペインのフットボールに関する経験を語った他、日の出ずる国、日本での生活に関する話題で我々を驚かせました。

Beñatはフットボールの理解の仕方、その感性、フットボール界の未来に関して明解なアイデア、確固たる根拠を持ち併せ、個人的にもプロフェッショナルの1人としても自身を成長させる新たな挑戦にオープンな姿勢でいる人物です。

・本題

¡Hola! 私達のPodcast”Corpholistic”(*)の新エピソードにようこそ。これまでとは別のアプローチかもしれませんが、(本日のゲストは)皆さんが好きになるだろう人物で、多くの点で私達に貢献し、フットボール界でも異なる視点を以て取り組む人物です。取り分け、彼の知識の泉は興味深いもので、多くの方が気に入るでしょう。

*治療(回復)とスポーツ、両分野に関連した新たなアイデアを生成する事を目的としたPodcast

 

彼の名前はBeñat Labaien。彼は好奇心旺盛で、また辛抱強い人物であり、日々より良いフットボールの指導者になろうとしています。
フットボール界に監督は多くいますが、異なる視点を持った人物という事でBeñatをゲストとして招聘しました。彼は他の者には不可能なものを、私達に容易にもたらし得る。それを(Podcastの場で)共有する事は興味深い事と考えます。彼と数時間仕事をともにし、彼の頭脳がどのように物事の分析を独特な方法で行っているのか、確かめました。彼はスポーツ物理を学んでおり、それ故「フィジカルコンディション能力(速さ、出力、持久力、柔軟性等)」という視点を常に持っている。先述した通り広範な知識を持った人物で、今からそれを披露してくれるでしょう。また聞き手の皆さんは、彼が何故日の出ずる国、日本に滞在したのか、その国の人々のあり方を知っていますでしょうか。

 

Alain Sola Vicente)Beñat、私達の招待に応じていただきありがとうございます。
Beñat Labaien)ありがとうございます、Alain。貴方と再びご一緒できて嬉しいです。それでは本題に入りましょう。

A)(ゲストには)毎度の事ですが、Caña(ビール)をどうぞ。今やほぼ2m級の身長の貴方ですが、幼少期がありましたよね。小さい頃、貴方は何になりたかったですか?
B)小さい頃から監督になりたかったです。フットボールが大好きでたくさんプレーしました。そして未だ小さかった14歳の頃、兄弟がプレーする村のチームを監督として率いるようになりました。

A)既に回答の一部を得ているところですが、どこで、そしていつフットボール界でのキャリアをスタートさせたか聞きたいです。貴方は若くして長い間業界に従事してきましたよね。
B)私はBergaraという、バスクのあらゆる都市(ビルバオビトリアサン・セバスティアン)に車で40分で行ける距離の内陸の村に生まれました。指導者としてのキャリアは早くに始まりました。弟は1990年生まれ、即ち私の3歳年下で、彼のチームの監督が私が12~13歳の時にいなくなりました。その当時、私が熱中していたのはフットボールをプレーする事でしたが、同時にチームを率いる事にも興味を持っていました。

 

A)監督になりたかった事は理解しました。しかし、後に学問としてスポーツ物理を修め、その上分析官としても働かれています。どうしてフィジカルトレーナーでもアナリストでもなく、監督になりたかったのですか?

B)小さい頃から夢見ていた事でした。スポーツ物理を学ぶためにMadrid のUniversidad Camilo José Celaに行ったというのは(一側面としては)事実ですが、両親に進学理由を聞かれた時の良いexcuseになってくれました(笑)。私の進学理由は、同大学がスペインのフットボールと提携関係を持っていたからでした。大学にはフットボール指導者養成クラスがあり、指導者としてのキャリアの走り出しを行える場でした。21歳の頃、NIVEL3(通称UEFA PRO)を取得しました。色々な知識を得たとはいえ、私が学生としてMadridを訪れたのは、指導者になる為、そのために成長する為です。

A)そしてそれを成し遂げたと。

B)その通りです。

A)私がレアル・マドリーで働いていた時、2009年、2010年のおよそ2年間をともにしましたよね。同クラブでの数年間について話してください。Fernando Morientesの下第2監督として働いていましたが、レアル・マドリーという要求レベルの高いクラブで何をしていたか話してもらえますか?
B)レアル・マドリーでは1年間をCadete A、2年間をJuvenil B担当コーチとして過ごしました。日々パフォーマンスに関する要求レベルを感じ受けていました。特に強く覚えている事として、同クラブでは全ての試合、練習がとても重要なものという事。レアル・マドリーが負けてしまえば、若い選手達でも責任を問われる。(貴方が知っている通り)同クラブでの日々の要求レベルの高さ、重要性は他では見つける事が難しいものでした。

A)貴方にとって役に立つ情報か分かりませんが、今日も同クラブの要求レベルの高さに変わりありません。
B)そうでしょうね。

 

A)Fernando Morientesとともに仕事をされていましたが、貴方が当時分析という世界にいたのも確かです。当時そうだったかは知り得ませんが、後にはより優れた指導者となるべく働いていました。F.MorientesやLuis Miguel Ramis , Alberto Trilとともに働くようになる前の段階の話をしてくれますか?

B)はい。レアル・マドリー入団以前に、スペインのアンダー世代代表チームで、初めて分析という世界での仕事を始めました。当時はFernando Hierroが監督を務めていました。また、私に声を掛けてくれた人物であるGinés Meléndezもともに働いていました。レアル・マドリー入団後、偉大な友達であるMorientesが同期になりました。そしてRamis、Trilもいました。そしてAlberto(Tril)とはBチームであるCastillaでもともに仕事をしました。私は分析官として。

このように第2監督として前進する機会を与えられ、アナリストとしての仕事も経験しました。その後以前Elche CFを率いていたVíctor Ortaに呼ばれてLeeds Unitedでアナリスト兼第2監督として働き、その後La Realで4年半分析部門に従事しました。いつも(私が)言っている事ですが、その4年半は監督としての一人立ちを目指す自身にとって大きな助けとなったものでした。アナリストとしての従事は自分をより良い監督にするのに役立ち、異なる視点からのフットボールの理解を学ぶ事ができました。監督の中には、アナリストを単に仕事に従事する責務を負う者として見る者もいて、それを経験してきました。私はアナリストである事の大変さを知っています。アナリストの仕事は美しい一方長時間の従事が必要なハードなものです。その為、アナリストとしての経験は私を大いに助けており、そのおかげでより優れたプロフェッショナルというものを理解しています。

 

A)スポーツ物理、(Beñatの)大学での成長、指導者、分析業の大変さといったテーマについて沢山の事に触れてきました。Elche CF、Leedsでの事含め。
貴方はLeeds Unitedではアナリストとしても、アシスタントコーチとしても働いていたんですよね?

B)はい。アナリストとしてはThomas Christiansenとともに、その後現シェフィールド・ユナイテッド監督のPaul Heckingbottomとともに働きました。彼の下アシスタントとして働いた経験は私にとって忘れられないものです。ピッチ、ベンチともに私が経験したかった地での仕事であり、私に力を与えてくれました。

 

A)イングランドでの経験は、貴方のサッカー選手の見方を変えましたか?

B)いいえ。プロとしてのストレスに晒されるサッカー選手は、アナリストのように監督に対しても責任を果たす存在ですよね。Bプランの一員として構想された時どのように感じるか、何を好んで何を好まないか、という事を(同じく責任を果たす立場故)理解する助けになりました。厳密には、イングランドでの経験そのものが、別の角度から選手の事を把握する助けになったと言えるわけではありません。キャリア全体が選手の把握を助けています。

A)しかし、イングランドフットボールはスペインのそれとは異なりますよね?

B)はい。違います。情熱、ファン...home/away問わず、首位/最下位相手全ての試合でフットボールがどのように息をしているかという点が明白に異なります。

 

A)ファン、選手双方が違う生き方をしているとの事ですが、インテンシティ―という点、フットボールの展開のあり方も異なりますか?

B)はい。ゲーム/試合における最も大きな違いは全くクローズな展開にならないという事です。スペインでは恐らく、80分に2-0の試合があったとすると、残り10分でもう何点かどちらかのチームに入るかもしれないという事で終盤観客は雰囲気をがんがん盛り上げます。その為80分以降+ATに退屈な展開になる試合がかなり少ないです。間違いなく、観に来た観客の熱がプレーを左右しています。

 

A)興味深い観点ですね。私にとって同様に気になるのは、貴方がLa Realではどのように働いていたのかという事です。自チーム(La Real)同様、対戦相手のチームの分析も行っていたのですよね。そして、どのように真に重要な観点を抽出する事ができたのでしょうか。私にとっては、情報というのは極端に多い量あるもので、重要なものを抽出するのは非常に難しいものと思われます。整理された方法で行っていたのではないでしょうか。

私に分析においては何が重要なのかを教えてください。

B)私にとっては、今日では(全員が持っている)情報を抱える事、何があったか確認する事自体は重要ではありません。貴方が話したように、重要項目に見える情報を選択する事、取り分け選手との関連付けを行う事が重要です。どのように、各々必要とするものが違う選手達一人一人に適した情報を渡すか、それが私にとって最重要です。
そして、どのようにその選別を行うかも重要です。

A)例えば、情報をチーム、スタッフがよく与えられている組織がある一方、連携があまりなく個々人で取り組む組織があったとしたらどのように調整しますか?

B)先ずはImanol Alguacil監督を長とする指導者チームで話し合います。各々が大変明確な役割を持っています。幸運な事に良い監督(Imanol)に巡り会え、彼は当初から私を信頼してくれました。そのためチームの前で、(自身を持って)試合ごとの準備に関する話をする事ができました。そうした日々の中で私は経験値を蓄え、指導者としてのステップアップに備える事ができました。彼なくしては経験は積めても、此処まで完璧でポジティブなものにはなりませんでした。

A)最終的にLa Realではどれだけ過ごしましたか。5,6年でしょうか?

B)4年半です。

 

A)直接的な質問をします。価値という観点で、貴方はLa Realにどのような貢献ができたと考えていますか?

B)数年間責任を伴って貢献できた事はポジティブな事です。取り分け分析の仕事に関する貢献には付加価値を与えられたと思います。今日では重要且つ基礎的なものになっている分析に私が影響を与えました。そして、分析という分野/部門に従事する人には、他の全ての人が敬意を持っていますよね。分析スタッフはメソドロジーに関する仕事をこなし、異なる専門家がいる。

 

A)的を射た意見だと思います。フットボールそのもの、フィジカル面の準備は明らかに最重要な事柄ですよね。他の全てはその近くを埋めるもので、疲労/過負荷からの回復や適応、分析は選手達がより良いパフォーマンスを発揮するのを助けてくれる要素です。それらの要素をフットボール界にも導入する事は重要です。
(話題を変えて)Roberto Olabeからは何を学びましたか?印象に残っている事を教えてください。

B)彼からは特に働き方、仕事を良く整理して取り組む事を学びました。そして自分が達成したい事に関してとても明確なビジョンを持った人物で、その規模は大きいです。La Realのスタッフには野心的な人々です。野心はとても重要で、彼らのものは明解でしかと持っています。
然し(Robertoは)特に仕事の能力、忙しくしながら日々抱えるタスクをコントロールする能力に長けた人物です。そして3~4年の計画を持っているとすると、その中で上手くいく事いかない事があっても、自分達の目標を達成する為に軌道修正をうまく行う力、自分達で定めた道のりを進み通し続ける力に長けています。

 

A)SDを務めるRobertoは他の人物より日々多くの仕事量を抱えていますよね。また、貴方が仰った彼の長所はmultitaskingと言われていますよね。一度に20だとかどれだけ多くの仕事を同時進行できるか、というものでは無く、問題が生じた場合にもそれに対応しつつ、一つずつ仕事にあたっていく能力の事で。

B)その通りです。

 

A)一方Imanolからは、意識して、もしくは無意識にどのような事を教わりましたか?

B)Imanolは際立った人物です。私は多くの監督と働いてきました。F.Morientes, Thomas Christiansen, Paul Heckingbottom…アトレティコ・マドリーでキャリアを始めて以降、彼らから多くを学んできました。然しほぼ5年をともにしたというのは事実ですが、最も際立っていたのはImanolです。彼のアイデアは整然としていて、彼の考えるフットボールに私は好感を抱いています。フットボールの考え方は個性が出るもので、皆が同意するフットボールの取り組み方があるかどうかは私は知りません。ただ総じて、Imanolは自身が持つアイデア、私が感じた事を全て整理していたという印象を受けました。そしてチームをmanagementする事、フットボールの理解…あらゆる面に優れていて、何か一つを上げる事ができません。「成功を収めている監督」と呼ばれている人物で、チームのmanagementが上手くリーグも上位でフィニッシュしている。選手達は彼の指揮下で、より整った準備をして試合に臨み、多くのものを見てきた。賢く、あらゆる面で私に多くの事を教えてくれた監督です。

 

A)(良い結果を残すには)あらゆる面に秀でていなければなりませんが、それを忘れてしまいがちですね。また、貴方が同意するかはわかりませんが、私はLa Realに関して最も恋しいのはJhonny Porto(Zubietaで選手達への食事を作る料理人)です。

B)ああ、他の人も私の妻に向かってそう言っていました(笑)。私はLa Realのフットボールのプレーを観るのが大好きですが、食事面を離れた今恋しく思っているかと言うと、そうではありません。ですが、Johnyの愛情がこもったご飯が好きな事は確かです。

A)チームが遠征で離れた時、負傷離脱中の選手とともにシュラスコを食べた時もありましたよね。

B)ありましたね(笑)。

 

A)食事の話はこの辺りで。一つの腰を落ち着けた段階を終えた貴方は、アジアの国、日本のフットボール界から声を掛けられ、国外に活躍の場を移しましたね?

B)はい。1年前に日本のフットボールクラブ、徳島ヴォルティスから、私の代理人経由で声が掛かりました。周囲の環境はそれまでの数年間と決定的に変わりましたが、La Realを出て挑戦するタイミングにいると捉えました。ただLa Realでの数年間が経験した中で最も美しく、濃密な時間で、今復帰したいと思っているのは事実です。

 

A)La Real退団は痛みが伴うものだったのでしょうが、日本での経験はその痛みに見合うものでしたよね。貴方にとって、日本のどのような点が関心を惹きましたか?文化、物事の取り組み方等について教えてください。

B)日本ほど私達の国と慣習が異なる国に巡り会う事は無いと思っています。(例えば)COVID-19のワクチンを接種しました。物事の考え方は私達のそれとは全面的に異なります。フットボールの取り組み方、食事の仕方、1日の過ごし方、仕事における責任、勤務時間…その全てが違います。

 

A)仕事における規律/秩序、勤務スケジュールが特長的とよく言われていますよね。

B)はい。想像していたよりも。優れた点に関して言うと、私のあり方を変えるようなものもありました。監督を大いにリスペクトし、あらゆる事に関して沢山の質問をされます。彼らはよく学び、向上しようと心がけています。そして大変長い時間働きます。映画で観たことがあるようにスターバックスのある公園で車中泊をする人も見ました。喫茶店で眠る人もよく見ます。車で定期的に寝ているような人もいて、スターバックスに行けば、駐車場で10台の車を、そしてその内4台では車中で生活している形跡があるという光景を見られます。

色々な発見がありましたが、私は日本の文化が大好きです。此方より好ましい点、学ぶべき、此方でも導入すべき点が沢山あると思っています。

 

A)良いですね。フットボールについては、日本のフットボールそのもの、そして日本の選手達のどのような特徴が目を惹きましたか?

B)技術的に大変優れています。此処ではM.Oyarzabal, R. Le Normandといった選手達とともにいました。日本ではどのチームも40mの距離のキックを練習します。小さい頃からの反復練習の蓄積の賜物だと思います。時間を費やした上で、分析のツールも向上に使われています。選手達の技術は際立った特徴で、身体に染みついています。

 

A)選手達が持っていない素養は何でしょうか?

B)mentalityの部分です。スペインではそこが強い。例えばPKの判定に抗議しないという光景が見られます。選手達の競技レベルは世界の舞台で戦えるものと思います。日本人選手は欧州のほぼ全ての地域でプレーしている事がその表れと言えますよね。mentalityは欠けている部分です。

 

A)少し規律/秩序から外れるべきではないですか?

B)そうなればよりクリエイティブな存在になれるかもしれませんね。彼らは自分達の定めた秩序に沿って行動していて、それにより多くの選択肢が閉ざされています。safetyに行うという文化があり閉鎖的で、負ける(失う)事、失敗する事に心を痛めています。彼らに欠けた点にはそうした背景があります。

 

A)その欠点は指導できる点ですか?

B)はい。私はそれを行うプロセスにいました。彼らには学ぶ環境が揃っていますから。彼らは賢く、外向きのビジョンも持ち併せ、自分達を指導する外国人を招聘しています。また、我々が学ぶべき長所も沢山持っています。今Jリーグは発足から30年という所です。私達は彼ら(の強さ)をW杯で見ています。多くの解決を導きながら彼らは歩んできました。日本は良い未来に向かっていると言えると思います。その道の途中にいる彼らには熱意と手段がありますから。

 

A)試合終了後、ファンにはどのような事を話しますか?

B)(先ず)挨拶しますよね。日本のファンの熱意、人間性等全てにリスペクトを持っています。道は綺麗でゴミが無く何も落ちていません。試合後には自分達の取り組みをスタジアムのあらゆる席のあらゆる人に向けて話します。負けてしまった時には彼らの声を聞きます。負けてしまえばファンはきつく詰めてきます。話す前からかなり怒っていて、言われている内容をスタッフ達が汲めない時もありました。怒ったファンと話す事は何度もありました。

A)翻訳機を持つ事が必要ですが、言われている内容を理解するために、通訳を伴う事が大切ですよね。そして怒っているファンにも良い方法で伝える事が。

B)はい。ヴォルティスは厚いスカッドを持っていて、37人の選手がいる中で通訳の方がいた事は幸運でありがたい事でした。負けた時、引き分けた時はファンの声を聞きます。

 

A)37人は多い数字ですが、全員を同時に指導していたのですか?

B)はい。その通りです。日本では多い人数でチームが構成される事は普遍的ですが、ヴォルティスは中でも特別でした。とは言え、どのチームにも、少なくとも30人の選手がいました。保険を兼ねていると感じます。日本のクラブにはBチームがなく、選手達は18歳の頃に、直接トップチームに行くか、もしくは大学に行くかします。大学に入ってしまえばトップチームには行く事ができません。

そしてクラブは、日本の文化からか、負傷離脱者が出る事に大いに恐れを抱いています。万全を期す為に行うのが、選手数を更に増やす事です。このような慣習があります。慣れたものの、私は約20人のチームを指導するのが常でした。

 

A)そうした経験を経て、秩序が守られ、規律立った仕事をするのに慣れましたか?

B)はい。日本ではトップチームに18歳の選手がいたりしますが、スペインでは通常20歳頃の選手が多いですよね。日本では規律正しく、選手達は働き者で、試合に出られている時もそうでない時もよく練習します。然し、スペインと同様、ロッカールームのmanagementをよく行わなければなりません。選手達はプレーするのが好きで、プレーできないと怒りが沸く。その点に国は関係ありません。

 

A)短期的な視点で、人生のプランを教えてください。

B)指導者として日本に戻りたいと考えています。日本には家族と訪れ、そこには違う文化がありました。言語は異なり、人々は英語を話さない。私は日本でのプロセスを続けたいと思っていました。日本の文化を知り、理解する事は難しい事ではありませんでした。日本での経験をもっと積みたいと考えています。私は世界にオープンな姿勢でいますし、成長できる人間でまだ若く野心的な人間です。将来どうなっているかはこれから見ていきましょう。

 

A)私はフットボールの事はそんなに多く知りませんが、Beñatのチームはどのようなものか、どんなフットボールをするのか教えて貰えますか?

B)既に話しましたが、私はImanolのフットボールが好きで、La Realのプレーのあり方が大好きです。なので、自分のチームに勇気、判断力、ボールの上手な扱い、積極的に戦う事、球際の競り合い、GKも使ってピッチの深さを取ること…を伝えたいと考えています。私は激しく戦うチームが好きです。

 

A)DFは4人、5人どちらで構成しますか?

B)適応という観点で、日本では4人で始め、5人に変化しました。システムより遥かに、アイデア、スタイルが肝要と理解しています。うまくプレーする、私が望むようにプレーするチームが好きです。

大切な事はチームのあり方を持つこと、良いアイデンティティーを持つこと、それからプレー原則を持つことです。仕事を通じてそのようなチームを作っていきたいです。

 

A)とても大切な事ですね。好ましく思います。私は将来システムも重要なファクターになってくると思いますが。全面的に貴方に同意します。選手達に問題を解決する為のツールを授ける事が必要です。そして監督の仕事がチームの性質に影響を与える。

B)仰る通りです。

 

A)私が言及するのを忘れている事で、フットボールの世界で重要だと思う事があればコメント願います。

B)ここではありません。これからも話す機会があると思います。多くの事を話してきました。私の経験をお伝え出来て満足しています。

 

A)沢山の質問をしてきました。このPodcastでは専門家間の交流を通じて新たなアイデアを生み出す事を目的としています。私はフットボールに関して質問をしてきましたが、私達に向けた質問はありますか?

B)貴方は回復の為の水中での仕事に関するpioneerです。既に長い間従事されていますよね。2010年にはもうレアル・マドリーで水中でのセッションに従事していました。10年以上という時間を通じて世界中に知られている事も多いと思います。

少し抽象的ですが、貴方が従事している、水(プール)のフットボールにおける活用の現状は、各クラブ、各国でどの様か、という事をお聞きしたいです。貴方にとっては馴染み深いものでしょうが、大多数の人にとってはそうでは無いと思います。将来をどのように見据えているでしょうか?

 

A)良い質問ですね。追って回答したいと思います。質問を考えて下さった事を通じて、貴方は私の分野にも思いを巡らせてくださったところです。ここからアイデアや感想を生み出しましょう。聞き手の皆さんに向けてお願いします。Beñat。

B)私はフットボールの世界からの観点を提供できます。私は監督達が(度が過ぎて)好まれざる状況に身を置かれるのが好きではありません。相手チームでなく、自チームのファンがあらゆる変化、あらゆる判断の事で監督を執拗に批判するというケースを多く経験してきました。私達がもう少しリスペクトを持って、誰よりチームを良くしたいと思っているのは他ならぬ監督だという事に意識を向けたらどうなるでしょう。この点について私達はよく考えねばなりません。好ましくない状況を何度も見てきています。避けなければなりません。

 

A)素晴らしい反芻になると思います。批判されうるのも建設的な方法でチームを支えるのも構いませんが、そのような好ましくない状況の事を耳にする事が元でフットボールを観ないという人もいます。ここから呼びかけを発信していきましょう。
(以降終わりの挨拶)

 

後書き

如何でしたでしょうか。Labaien氏のキャリア含め、知らない事が多かったです。彼がフットボールをどれだけ愛しているかという事や、学生時代から一貫して監督業を志していた事が伝わってきました。また、日本の特徴として彼が語った「秩序や規律を守る事を重んじ、失敗を恐れて選択肢を閉ざされる」という指摘はサッカーに限らず、読んでいて身につまされるものがありました。
そしてImanol監督への賛辞はかなりの度合いのものでしたね。皆をハードワークして"戦う"集団に鍛えて、ピッチ内外でも模範的な姿を示してくれる正真正銘のリーダーだと僕は思ってきましたが、一緒に働いた人物がここまで称賛する働きぶり、益々感謝の念を積もらせざるを得ません。

徳島ヴォルティスではうまく行きませんでしたが、チーム作りのビジョンを確かに持っている人物だと思います。いつか監督としての経験値を積んで、もう一度ヴォルティスを、またはLa Realを率いる姿を、そしてその時どのようなチームが出来上がるかを見てみたいです。

La Real創立期の史実について(Ciclista Foot–Ball ClubさんのWebページから)

La Realは創立100年を超えるクラブです。クラブの創立は本拠地・Donostia-San Sebastiánにおいて、どんな経緯を経て成し遂げられたものなのでしょうか。
ご縁に恵まれ、WebサイトやTwitterを通じて、主にクラブの歴史にスポットを当てて紹介されているCiclista Foot–Ball Clubさん〔Ciclista Foot–Ball Club - Ciclista Foot–Ball Club〕のWebサイトの内容を、本ブログで公開させていただける事となりました。

本記事では、上リンク元ページの内容を日本語で紹介させていただく形で、La Realの創成期について綴っていきます。本記事内容は中段の写真を除いた全ての画像、文章はCiclista Foot–Ball Clubさんの提供(上記URLのWebページ)に依拠するものです。この場でも今一度多大なる感謝の意を表します。
Twitterhttps://twitter.com/CiclistaFC

Real Sociedad発足までの歴史

上記訳:
全国選手権を制したLa Realの前身たるクラブ(:"Ciclista Foot-Ball Club")のエスクードを紹介します。このエンブレムは今日に至るまで知られていませんでした。このクラブは我々「Txuri-Urdin」の前身たる組織です。

San Sebastián Foot-Ball Clubについて

現在のLa Realの生みの親たるチームは、1905年にSan Sebastián Foot-Ball Clubというクラブ名で始動し、以後現在に至るまで試合を戦っています。発足当時はクラブ名のイニシャルである「SS」の青字のロゴが入った白色のシャツ+青いパンツという姿でプレーしていました(下記事/ロゴ画像参照)。

San Sebastián Foot-Ball Clubは、San Sebastián Recreation Clubに所属していた若手選手が分離する事により、創立されました(下記事参照)San Sebastián Recreation Club1903年創立のVasconia Foot-Ball Clubに続き、Donostia-San Sebastiánにおける2番目のチームとして成立しています。

San Sebastián Recreation Clubは、元々は当時テニスクラブとして既に設立されていたReal Club de Tenis de San Sebastián( https://rctss.com/)のサッカー部門として発足したものでした。1905年には全国選手権(現在の国王杯)にも出場を果たしています。このチームは緑及び黄色のユニフォームを着てプレーしていました。

San Sebastián Foot-Ball Clubはスポーツ面で成長を続けていました。然し1908年の終わりに、少なくとも向こう1年間は(出場資格を有するチームとして、)政府を通じた認証/登録を受ける為の必要条件を満たせないため、翌1909年の選手権には出場する事ができない旨が明らかになりました。

Ciclista Foot-Ball Clubについて

この問題を解消するため、Club Ciclista de San Sebastián(政府を通じた認証/登録を受ける要件を満たす組織)とSan Sebastián Foot-Ball Clubの、両組織の統合が計画・実行されました(上記事参照)。Club Ciclistaとしての登録という形式は維持しつつ、新しいクラブとして名称の変更を経ています。

このようにして1908年11月29日にCiclista Foot-Ball Clubが発足しました。この統合の趣旨は、Club Ciclistaがこのサッカークラブの認証/登録をサポートし、且つクラブの収入面を支援する事でした。この結果、(Donostia-San Sebastiánにおいて、)サッカーがより人気を博するスポーツとなり始めました。

画像提供元: GipuzkoaKultura

[San Sebastián : carnaval] | GipuzkoaKultura | Flickr

エスクードについて

1909年2月21日、20世紀初頭の有名且つ壮大なカーニバル祭のパレードが催行されました。パレードの2番目に、「Caravana ciclista」と名付けられた一隊の行進がありました。このCaravana ciclistaは、Ciclista Foot-Ball Clubからの代表参加者が自転車に乗ったものでした(下記事参照)。

ペダルを漕ぐ若者達の中には、後の国王杯優勝メンバーであるMariano LacortTxomin Arrillagaも含まれていました。彼らは2つのCとFの文字を組み合わせてできた《CFC》のエンブレムを伴っていました。

《CFC》のモノグラム(:組合せ文字)はCiclista Foot-Ball Clubのイニシャルを示すものです。1909年、誤ってClub Ciclista de San Sebastiánが国王杯のタイトルを獲得したとされていますが、私達はCiclista Foot-Ball Clubこそが、当時国王杯のタイトルを獲得したチームの正式名称である事も主張したい意向です。

このCaravana ciclistaの写真(下参照)は私達が把握する限りで今日に至る迄、Ciclista Foot-Ball Clubエスクードが映る唯一の写真です。原型を参照した再生プロセスが、愛好家達の手で、再構築の為の計画を練る所から着手し、エスクードの復活/回復に向けて取り組みました。

2つのCの字のデザインについては、当時の他のモノグラムエスクードから把握する事ができます。一方、両端の形が明白に不均衡で、上部が誇張され、下方は細くなっていく形のFの字はそうはいきませんでした。

私達のクラブが創設された時代、エスクードモノグラムが含まれている / モノグラムそのもので構成されているのは一般的な事でした。(かつてのエスクードについて)存在が維持されてきたものがあれば、後に回復 / 再解釈されたものもあります。また、最近創成されたものもあります。

Ciclista Foot-Ball Clubエスクードの再構築に取り組んだ当初は、同時代のチームのいくつかのエスクードの様式に沿って行う事を考えました。然し後になって、カーニバル祭における山車の写真に載っている実物の解釈に取り組む事で、他チームのエスクードの参照の程度を低減させる事としました。

1905年以降の《Txuri-Urdin》について

Ciclista Foot-Ball Clubは、San Sebastián Foot-Ball Clubと同じカラー(白地に青色のボーダーラインが入り、胸にモノグラムエスクードが入ったシャツ&青いパンツ)のユニフォームを着て、プレーし始めました。

1909年3月、チームは現在私達が知っているものにユニフォームを変更しました。Txuri-Urdinとして行った最初の試合は、同年3月7日に、Racing Club de Irún(現在のReal Uniónの前身)を相手にVelódromo de Atotxa(当時のホームスタジアム)で開かれました。

以下の2点を明確に示す事は重要なことです。
⦿Ciclista Foot-Ball Clubが1909年に国王杯のタイトルを獲得した事。
⦿1928年にLa Realが現在のスペイン1部リーグの、10クラブから成る初期メンバーの内の一つになる権利を得た事。

Sociedad de Foot-Ballの創設は自転車競技選手とサッカー選手の分離により起こりました。その11ヶ月前に統合した彼らは再び分離する事となりました。但し、新生組織においてもCiclista Foot-Ball Club時代から引き続きSociedad de Foot-Ballのサッカー部門の選手、クラブ役員として前身たる在籍し続けています。

CFCのモノグラムに加え、再生プロセスにより、私達はSan Sebastián Recreation Club及びSan Sebastián Foot-Ball Clubの両クラブのエスクードを”享受/発見”しました。
上画像最下部のエスクードは、おそらく1909年のSociedad de Foot-Ball創設以降La Realの私達のクラブ旗にあり続けています。

Caravana ciclistaが写された写真に引き続き、私達は自分達がLa Realの成り立ちについてより多く、そしてより良く把握するのを助ける新たな写真 / 文書が現れる事を期待しています。

私達はこのWebページという空間を開設しました。Twitterの一連のツリーでも同内容を紹介しています。然し、今後更なる紹介、拡張を予定しています。

 

上記訳:
クラブ(La Real)同様ファンの皆さんが、私達の物語 / La Realの歴史の一部を成す1909年の国王杯タイトルを獲得したチームのエスクードに思いを馳せるようになれば、それは素晴らしい事です。

後書き(本ブログ主筆

いかがでしたでしょうか。クラブが創設された事が100年以上前という事に今一度思いを馳せると、当然感慨深く感じます。テニスクラブや自転車競技クラブからLa Realの母体が枝分かれして生まれた事もそうですし、現在Donostia市内の図書館から借りているLa Real創立100周年記念誌に目を通しても、1909年に国王杯を優勝したCiclista Foot-Ball Clubの選手達の中に、統合前の片割れであるSan Sebastián Foot-Ball Club所属選手が含まれており、明確に母体の一つである事が追認でき、また100周年記念曲であるEhun urteの歌詞に現存するReal Club de Tenis de San Sebastiánの本拠地直ぐ近くのOndarreta beachでプレーを始め、その後Atotxa、Anoetaへと活躍の場を移していった事が記されています。

今後もCiclista Foot–Ball Clubさんを通じてLa Realのクラブ史を学び、皆さんにも共有できたらと考えています。Eskerrik asko, Aupa Real!!!🔥

~参考図書~
タイトル:El libro del Centenario Real Sociedad 1909-2009
編  集:Diario Vasco
ISBN:978 84 613 3920 4

【23-24 国王杯 1st Round】 La Real対CD Buñol について

今季も国王杯が開幕しましたね。La Realの初戦の相手は、日本でも名高いトマトにまみれる奇祭・Tomatinaの街で知られるBuñolに本拠地を構えるCD Buñol。
チームバスを大勢で、そして笑顔で出迎えてくれる様子にほっこりしました。↓

僕が契約しているDAZNでは放送が無かったので、市内のバルに出掛けて観戦しました。最初に訪れたバルではMovistar+の契約が無くて、移動している間にKOしてしまい、前半20分前後から観始めたのですが、観られなかった方に試合の概要や自分なりに感じ取った事をお伝えしたく、ブログとして残します。

スターティングイレブンについて

スターティングイレブン

ずっと守護神レミーロに蓋をされていたマレーロが今季初出場🎉
Sanseの正GKは現在アジェサが務めていて、番号こそマレーロの方が大きいものの、トップチームでの序列はマレーロが上である事が窺えます。
パチェコのLI起用はアイエンを休ませる為と思います。過去にも何度か務めていました。また、久々に観るウルコのCB起用。近年はPivoteを務める事が多かった彼ですが、CBとしてもプレー可能。配球と恵まれた体格を活かした当たりの強さは非凡なものがあると思います。
ザカリャン、オラサ、トゥリの中盤3枚はここで実力をアピールして重要戦力たる足掛かりを掴んで欲しいですね。

試合内容について

前半

La Realが終始ボールを握って攻撃の糸口を探る展開。CD BuñolはLa RealのCBにはあまりプレスに来ず、その先で圧縮して奪う構え。

La Realの左サイドはSBのパチェコがハーフスペース下がり目辺りに構えて配球役を担い、大外はモモに任せる立ち振る舞い。元中盤で捌きが上手いパチェコがこの役割を担うのは分かるけど、モモは利き足サイドという事もあり、複数人で対応されると単独では中々こじ開けられず。ザカリャンもサディクも自分の持ち場に拘ってあまり関わりにいかないのも左で詰まる要因の一つと見受けられました。

右サイドは、パチェコが内寄り下がり目に絞る関係でアリツ‐ウルコのCB2枚+パチェコで3枚気味になる兼ね合いからオドリは高めに位置。然しボールを持って違いを生むタイプでは無いEDのマグナと、使われるのが得意なオドリ、そして圧縮されてボール循環が厳しい中でトゥリの補助に忙しいオラサ、やはり中央に拘るサディクという面々で中々ハーモニーを生み出せず此方も停滞。

結果スペースにパスを出してもマークが着いたアタッカーに出すのでしっかり潰され、WGの突破に頼るためにサイドに出しても出した先で詰まって奪われるか、一度戻してまたボールが左右を行ったり来たりと、敵陣深くに攻め入る気配も無い寂しい攻めに。
La Realの攻めが不甲斐ないのもありますが、1部のチーム相手にもしっかり連動して対応し切るCD Buñolの守備の頑強さも感じました。
自分が観始めてからは放ったシュートの殆ど全てがブロックに侵入できずに放つミドルばかりでした。

一方CK以外は相手を早い段階で弾き返し続けた守備陣は良い仕事をしてくれたと思います。

後半

HT明けに2枚交代。
ED:#28 マグナOUT→#38 A.ダディエIN
CFW:#19 サディクOUT→#9 C.フェルナンデスIN

A.ダディエ(2002, Donostia)はこの日がトップチームデビュー🎉
Cチームに在籍していた時からプレーをちょくちょく観ていた選手で、La Real印の【敵陣深く攻め込む】を体現してくれる順足サイドアタッカー。ポジショニングの工夫と仕掛けの速さでサイドを活性化してくれる大好きな生粋のウィンガーです。

結果、この途中で入った2名がゲームチェンジャーとしてチームの攻撃を活性化してくれました。
 CFDEZはスペースを攻撃するのに長けているという特長を生かし、前半から再三突破を仕掛けて相手の注意を引いていたモモが引きつけて空けたスペースに入って左サイドの攻撃を活性化。
 一方ダディはただ大外に張るのではなく、オドリとの関係性を強く意識。これで前半はややマグナとスペースを喰い合ってしまっていたオドリとお互いを活かして攻められるように。また、持ち味の思い切った仕掛けは右サイドを深く抉った他、可能な時には斜めに持ち込んで行く事で、
・オドリが空いた外を使える。
・元々中にいるCFDEZやIH達との連携が使える。
というグループによる攻めを実現してくれました。
両者ともこの日の殊勲弾の立役者に。ダディはやや遠目から強いシュートを相手GKに撃ち込み、CFDEZはそのこぼれを押し込んでくれました。
得点関与を除いても、前述のような貢献でチームに勢いをもたらしてくれました。

また、言及を欠く事ができないのはトゥリエンテスの剥がし&前進。パチェコが後ろに残る事を頭に入れてか、前半よりも積極的にボールを握り、自慢の両足の技術ですいすい前進。前半には正対せずに1,2タッチで逃がしていたあの姿とは丸で別人。アンカーの位置から1人2人剥がして味方に渡す存在感は抜群。
また、守備でもブライスブスケツを彷彿とさせるような即時奪回の瞬時のアプローチで相手の攻撃を何度も封殺。驚くべきパフォーマンスでした。

また、77分からオドリと交代で同じLDに入ったJ.アランブル(2002, Venezuela)もトップチームデビューを果たし、チームの勝利に貢献しています🎉
ダディと同じく普段はSanseでプレーしている彼はベネズエラのフル代表でもプレーしており、ハードワークと球際の強さで貢献してくれるファイターです🔥

2人の活躍もあって勢いづいたチームは多くの決定機を生み出しましたが、枠に嫌われたり仕留め切れなかったりで追加点は生まれず。
但し、後述の理由で自分はこの試合を肯定的に捉えています🔍

この一戦に感じた「課題」

クラブとしては負けられないこの一戦、HT明けに切った交代の攻撃のカードが主力でなく寧ろSanseの選手だった事等から、自分はImanol監督が以下の課題を掲げて望んでいたと考えています。

🔹主力及び独力による打開を持った個人の力に頼らず、チームとして攻撃して得点を挙げる
🔹(可能な限り)主力の力に頼らずに勝利を挙げる。
🔹普段出場機会が無いが将来有望な若手に経験を積ませる。

近頃はモモを左サイドで起用する事が多かったものの、限られた手札で手堅く勝とうと思えばカットインから決定機創出を狙える右サイドで起用したと思います。そうすればチームとしてもアイソレーションなり最低一つは相手に脅威を与えられる攻撃の形ができる筈。
また、後半頭に入った2人のアタッカーは個人打開と言うより、チームの中で役割を発揮してこそ生きる選手。

この試合、前半は本当に苦しみましたが、後半絶対的主力達に頼らず普段は出場機会が限られる若手主体でもチームの連携で相手を崩せた事は、大きな事だと僕は捉えたいです。

イマノル監督は試合後以下の様に語っていました。

「Buñolは守備面で高いパフォーマンスを発揮し我々は苦しんだが、いつもと異なるプレー環境にあっても主力を休ませ、3名をトップチームデビューさせるなど若手を使いながら勝利を収める事ができた。1-0という僅差での勝利ながらチャンスを数々創出した。目的を達成できた。」

最後に

試合を観られなかった方に、少しでも雰囲気が伝わればと思い、ここに残します。
6部相手に1-0はどうなの?と思われる方もいるでしょうが、僕はイマノル監督が個人の力に頼らずあくまでチーム全員で戦うLa Realの戦い方を主力抜きでも張った事や、その中で苦しみながらも選手達が力を発揮し、最後には形にしてくれた事を肯定的に捉えたいです。
沢山の試合を戦う中でサブ組の力も必要不可欠。彼らにとってこの試合が良いきっかけ

となる事を願って止みません。

~Zubieta探訪記~

こんにちは!只今Donostiaに一時滞在しています。DonostiaはGipuzkoa随一の都市であるにも関わらず緑に恵まれ、小鳥が多くて、観光客が近い海が近いParte Vieja(旧市街)やCentro、Grosの各地区付近から離れれば、落ち着いた空気が流れている様に感じます。(※試合のある日のAnoeta付近は例外とさせてください。)

本記事ではLa Realの練習施設であり、女子チーム、男子のSanse以下カテゴリの各チームにとっては公式戦のホーム競技場でもあるZubietaについて残したいと思います。
明るい時間に長く滞在される方は、水分や帽子、サングラス等を持っていく事をおすすめ致します。

Donostia市街地からのアクセス(電車)について

※バス経由では訪れた事が無いので、説明を割愛します。

Donostia市街地付近のEuskotrenの各駅

ここではEuskotren(地方鉄道)を用いたアクセスについて記します。
サン・セバスティアンの字の直ぐ南にあるのがDonostia-Amara駅。Reale Arenaの直ぐ前にあるのがAnoeta駅。Crstina Enea公園の南東にあるのがLoiola駅。Donostia市街地からだとこれらの駅からZubietaの方へ向かう事になると思います。
Zubieta最寄りのEuskotren停車駅はLasarte-Oria駅。この3駅の内、一番停車駅の多いLoiola駅-Lasarte-Oria駅間の経費は片道1.85€でした。Mugiというチャージ式の交通ICカードを入手すると、もう少し安く乗れます。自分は比較的長く滞在する予定の為、6割以上の割引が得られる写真付きのMugiカードをAmara駅の2階で発行手続きして手に入れました。

Lasarte-Oria駅からZubietaまでは徒歩15分程です。駅から坂を下って橋を渡った後、左折するとホッケーの競技場と競馬場が見えてきます。

先日、8時KOの試合を観た後、忘れ物を取りに戻って日曜の帰り(Lasarte-Oria→Donostia)の終電(22:30)を逃してしまいました。幸いLasarte-Oria鉄道駅の近くからDonostia方面に発車するBU04便が出ていたので、それに乗る事ができました。バスの方が最終便が遅くまで出ています。

Zubietaの各施設について

巨大な競馬場脇の一本道を抜けていくと、いよいよ右手にZubietaが見えてきます。
女子チーム、男子のSanse以下の試合やトップチームの公開練習がある日は一般の人も入る事ができて、ゲートから中に入れます。ゲートをくぐると2番目の写真のGorabide棟とその奥にピッチの一つ、Z4が見えます。

施設地図(2023.10)
ピッチについて

現在Z1(José Luis Orbegozo:初代La Realクラブ会長の名)から時計回りに円を描くようにZ7まで7つのピッチが設けられています。10月の訪問時点では未だ未着工との事でしたが、後々第8のピッチがZ7の奥に建設予定であるようです。
主なピッチとしては、
Z1:トップチームの練習場。
Z2, Z3:Cチームの試合会場。
Z7(2,000人を収容、以後4,000人以上収容となるよう改修予定):
女子トップチームやSanseが試合を行っているようです。Z1でも、芝の状態によっては他カテゴリのチームの試合が行われる模様。

また、この他の発表されている改修予定の情報については、以下の記事をご参照ください。

www.noticiasdegipuzkoa.eus

各棟について

Zubietaには、現在以下4種の建物(棟)があります。
Gorabide:年少カテゴリチームの為の施設
Garatu:Sanse(Bチーム)の為の施設
Gainditu:男子トップチームの為の施設
Izan:女子チームの為の施設

10/3、Peñaの皆さんと見学させていただいた際、上の内、GorabideとGaindituの中に入れていただきました。
内装の様子は会長のTwitterからご覧いただけます。

Gorabideは新築の状態のものを見学する事ができました。スペースのゆったり具合はトップチームの施設のGaindituに劣るものの、室内トレーニングエリアの機器、運動後のクールダウンの為のプール、マッサージ室、ロッカールーム等の充実はトップチームのものに引けを取らず、案内して下さった方もその点を強調されていました。廊下も広々としていて明るく、館内の往来がスムーズになる様、エレベーターがありました。一角には過去Cadete年代からLa Realのトップチームに到達した選手達の写真が。現ユース所属選手達にとっては憧れと呼べる存在だと思います。

一方、広々として現代的な空間が広がるGaindituの施設は最早住みたいと思ってしまう程でした✨ Youtube公式チャンネル(RS tv)のINSIDE動画でも内装を見られますね。食堂やトレーニング室、シャワー室や回復の為のプール→サウナ→マッサージ、食堂...etc 高額なホテルかの様な一連でした。
将来はトップチームが過密日程時、選手達が練習後そのままZubietaで寝て、翌朝共に試合会場に向けて出発できるよう、宿泊するための設備を増設するようです。

入構の可/不可について

練習場/男子トップチーム以外のチームの試合会場として機能しているZubietaですが、男子トップチームを除くチームの試合が無い日は原則一般の方は入れない様ですのでご留意ください。練習が公開されている日は入れますが、そうでない日の練習は基本的に非公開である事と紐づいていると思われます。

RS fanの特典について

僕が初めてSanseの試合を観た時、観客席への入り口にRFEFのビブスを着た兄ちゃん達がいて、入場券が必要である旨説明を受け、隣の窓口で12€を支払い、中に入りました。(Webサイト経由でも購入できるようです。)その日はSanseの試合前に女子D、Cチーム、男子Cadeteの試合を観ましたが、其方は若い年代のカテゴリという事もあってか、入場料の支払いは求められませんでした。
ただ、翌週にRS fanというものに加入してからは、加入者特典として追加の支払い無で男子Sanse以下の試合やCチームの試合、女子トップチームの試合など、Zubietaで行われる全ての試合(男子トップチーム以外)を追加支払い無で観戦する事ができます。
その他にもショップでの10%割引など特典がありますので、現地で試合を多く観られたい方にはおすすめできるサービスです。(年額59.95€)詳細は以下Webページからご確認ください。

www.realsociedad.eus

結びの挨拶

ゴリゴリ書きたいなと思っていましたが、薄い内容になってしまい申し訳ありません。他の情報にありつけましたら、皆さんにもお伝え出来たらと思います。GipuzkoaやLa Realの魅力を伝えられる人間になる事が今のもう一つの夢です。ぼちぼち頑張ります!

【2023年夏 移籍市場クローズ後】記者会見🎙 / ロベルト・オラベSD (2023.9.4)

2023年夏の移籍市場閉幕後の標題の日時において、ロベルト・オラベSDによる記者会見が行われました。その様子を拾える範囲で、本記事に残します。

YouTubeのクラブ公式チャンネルの会見動画を観て自分なりに訳した内容に加え、補足として動画では割愛されているコメントを含めてまとめたものである、Noticias de Gipuzkoa社の記事を訳した内容を併せて綴ります。現地報道各社の、取材対象の熱量まで伝えてくれる行き届いた記事提供には頭が下がります<(_ _)>
其々のリンクを以下に添付します。

YouTube会見動画

www.youtube.com

・Noticias de Gipuzkoa社 関連記事

www.noticiasdegipuzkoa.eus

冒頭挨拶

初めに、6月限りでのLa Real退団を決意した選手達、加えて各々の目的を胸に今夏のloan移籍を決心した選手達に感謝の意を表します。昨シーズンチームが残した成績への貢献、結果という面に留まらず、チームの成長、団結をもたらした重要な貢献にクラブSDの私並びにアペリバイ会長から感謝を申し上げます。

⦿La Realの目標

(質疑応答に移る前に、)クラブの目的は、多大な困難を含む環境に置かれている我々のモデルをより強固なものにする事、独自のアイデンティティーでもあるモデルを持続可能なものとする事です。
現在私達は、欧州のコンペティションという舞台に出るという難易度の高い目標の達成を自然なものとして成し遂げられています。繰り返し欧州の舞台に出て行くには、当然毎年リーグで好成績を挙げていかねばなりません。今、CLという最大の影響を有する舞台への挑戦に注力するのに良いタイミングを迎えています。どの様な方法で高い競争力を保ち続けられるかは、アペリ会長が言う様に、月曜から金曜まで、どの様にトレーニングを積めるかに因っています。目標に向けて(日々の努力を)続けていく事が大切です。

今夏移籍市場について

⦿総括コメント

今夏の移籍市場という局面はとても長く、それ故多くの事が起こった。これまでは規格外の選手であるダビド(・シルバ)の存在込みでスカッド構成を決めていました。そして彼は(ご存知の通り)クラブの選手ではない。(彼の引退を受け、)私はクラブの三本柱(:アペリ会長・SD(自分)・イマノル監督)が主に関与する今夏の移籍市場を、長い上に、責任重大な局面であると捉えました。今夏の移籍市場におけるLa Realの動きにかかる責任は大きい。スカッド構成については、三本柱の合意があり、地元選手を含み、経理担当者は給与面をウォッチした上で進めなければならない。

今夏の移籍市場について、エリック(・ブレトス / 採用ユニット[Unidad de Reclutamiento del fútbol profesional]の部門長)と大いに協力して事を進めた。彼と、他の同ユニットの面々が、アペリ会長、イマノル監督とやり取りを交わしつつ今夏の選手加入(補強)の為に果たしてくれた献身に感謝する。(彼ら採用ユニットの仕事の中には、)毎週日曜日にクラブ幹部の判断材料になるレポートを用意してくれる、等のものがある。彼らの仕事の結果、選手スカッドがバランスが取れ、整理され、色々な状況に対処できるもの(:昨季終了時点で我々が追い求めていた要素を満たすスカッド)となった。スカッドを構成する選手達は各コンペティションを戦う上で必要なタスクを熟せる面々である。

こうして組まれたトップチームのスカッドを構成するのは、24名+育成過程の終盤にある2名:ガイスカ(・アジェサ)、パブロ(・マリン)である。また、loan移籍で出た者が2名いる(←来期以降のloan backが濃厚なR.ナバーロとA.ソラ?)。若いスカッドだが競争力があり、契約面は強固。
1月、2月にはアジア、アフリカでナショナルチームの国際大会がある。我々は(トップチームの選手に不足がある場合、)いつもSanse(Bチーム)を頼る。そのSanseもサイクルの変遷により若返りを伴うスカッドの刷新があった。15名が抜け、10名が下部カテゴリから昇格、4名の新加入(I.カマラ、J.アランブル、M.ゴティ、B.フィアベマ)があった。14名の新顔に加え、10名の昨季からの残留したメンバーがいる。彼らは必要に応じてトップチームの力になってくれる面々。
今季は、CLという要求レベルが最大級のコンペティションに我々がどう立ち向かうか、同舞台への出場が我々にどのような影響を及ぼすかという面でとても重要なシーズン。La RealがLa Realであり続けるために、そして前へ進むために。期待を抱き、また精力的にシーズンに臨む。

⦿移籍市場における契約の特長について

全ての選手契約の可能性は、最終日、殆どそのラスト15分になるまで固まり切らない。これはクラブ、選手、その周囲の思惑に左右される為であり、比較的容易に決まる時とそうならない場合がある。
最終日に交わされる契約の全てに言えるのが、どれも最終日に着手されたものではないという事。最善の選択を導出する為、全関係者に注意を向けて事を進める必要がある。

⦿買取OPの付帯、その有無について

改善を求めていた点について、状況を改善できた事に満足している。これまでクラブのアイデンティティーとチームスカッドの構想について話してきた。

その一方でクラブは予算面、補強に要する費用面をウォッチし、給与体系に一貫性を持たせなければならない。CLに出場するからという理由で(これらの点において)過ちは犯さず、全ての事に責任を果たせるよう人事を執り行う。
ポテンシャルが並外れた3名(A.ソラ、R.ナバーロ、J.カリカブル)をloan移籍で出した。これは彼ら3名の成長を期すオペレーションである。ソラとナバーロは買取OPが付帯せず、カリカブルは買取OP及び買戻しOPが付帯している。
(loan移籍により)獲得した2名について、A.シルバは買取OPが付帯し、K.ティアニーは買取OPが付帯しない。彼ら新加入の2名は、今夏やって来てLa Realというクラブを肌で感じ、我々に今までなかったものをもたらしてくれる。

⦿D.リコの放出(Getafeへの買取義務付帯のloan移籍)

ディエゴに対し、昨季+この度の移籍が決まるまでのプロセスに至るまでに渡り、我々は感謝する必要がある。常にベストなものを我々にもたらしてくれた。

⦿A.ソラ、R.ナバーロについて

並外れたポテンシャルを誇る2名。我々は彼らが自身のクオリティーを高め続けていく事を望む。

⦿J.カリカブルについて

将来彼がチームスカッドの一員でいられるよう、育成/成長プロセスの一環としてのloan移籍である。(このようなloan移籍は)La Realが頻繁に活用するアプローチである。我々は選手達が自身の成長に、プレー時間 / 刺激 / 各々の目標  を必要とすると理解している。それがイマノル監督及び我々全員の考え/狙い。私達はヨン(・カリカブル)が出場時間を得る事を希望している。彼は日々周囲の色々な人々の話に耳を傾ける必要がある。大切なことは、ヨンが試合をプレーする事であり、1部という高レベルな環境に身を置く事。私達は、これからも更にヨンと共にあり、サポートし続けていく事を望む。2年のloan移籍を経た後、買取OPの2択が発生する。La Realは買戻しOPを行使する事ができる。
私達はヨンにとってベストとなるよう考えており、彼に付き添い、気に掛けて応対していきたい。

⦿R.ナバーロについて

(恐らく契約更新合意に至らなかった事について、)選手は自身の事を考えるもの。ロベルトのタレント、クオリティーに疑いを持つ者はいない。我々が考えていかなければいけない事は彼のポテンシャルを伸ばす最良の方法を探る事。(カディスCFへのloan移籍について、)全員が納得した上で、決断した。

⦿A.スルロットについて

私達は(外部に)見えない形で事を進めることは無い。選手にとって、あらゆる騒音から離れて考える事が、最終的な決断を容易にする。こう言って選手はどこでプレーしたいと望むか決断する。アレックスはビジャレアルCFでプレーしたいと決心した。他に理由を探す必要はない。La Realで過ごしてくれた事、チームにもたらしてくれたものに感謝し、彼の決断を尊重しなければならない。我々は彼に(移籍の)オファーを出した。アレックスが移籍先を決断した。

⦿K.ティアニーについて

KT(ティアニー)はloan移籍による加入だが、ラフィーニャ(・アルカンタラ)、テオ(・エルナンデス)、マルティン(・ウーデゴール)のように、我々が一時的でなく、(来季以降も)チームの一員となって欲しいと望む選手。現状という観点ではそこへの到達が難しい選手達がいる。

チームスカッドは、成熟を続け、完成形(理想の形)に近づき、信頼に足るものになっていかなければならない。我々の誘いに対して「yes」と言ってくれた選手がいた場合、loan移籍であれ完全移籍であれ、自分を熱望したクラブへの加入に同意してくれているという事。loan移籍に係る条件がどうであれ(買取OPが付帯していなくとも)、我々の力になってくれる事に相違ない。

⦿残留してくれた選手達について

自分達の居場所が依然La Realにあると決断してくれた選手達。「自分の場所はLa Realにある」と語ってくれる選手が増えている。感謝すべき事だし、La Realのプロジェクトがどういうものかという事を示してくれている。彼らのそうした思いはクラブ外にいる選手に伝わる。是非La Realに来てください。
私達が経験できる中で最も素晴らしいことは、選手達が確信を持ってLa Realの一員であり続けたいと願ってくれる事です

⦿A.シルバについて

私達はサディクやオヤルサバルが負ったような大怪我からの回復プロセスに付き添い、注意して対処しています。選手全員の周りに(スタッフが)いるという事です。(選手達にとって)良い時期から、回復プロセス(:良いパフォーマンスの発揮を選手に要求した時、その者が不必要なプレッシャーに晒されない状態に至る迄)の様な辛い時期まで。

(記者の皆さんも知っている様に、)La Realは自分達が立てた計画に沿って物事を進め、時間を掛けて問題解決を導出しようとする組織。私達は  健康維持 / コンディションレベルの維持 / 3つのコンペティションを戦っていく事  を考慮し、(サディクやオヤルサバルの調子が上がり切らないかもしれない)8月のみでなく、今季全体をスパンとしてFWのポジションに補強が必要だと考えた。その中、アンドレ接触する好機を得て、条件面等の交渉を進めた。アレックス(・スルロット)を尊敬しているが、(現状La Realにとって)アンドレはアレックスより優れたFW。彼は我々を助ける選手として加入した。私達は、イマノルが用いる各フォーメーション(:4-4-3、4-4-2、3-5-2)でプレーできるスカッドを構成する必要があった。イマノルは選手達の調子、離脱者、加えて相手チームの事を考慮して戦い方を決める。多数の戦術オプションを持てた事はLa Realの進化/発展によるもの。
全ては計画に沿って、タイミングを見極めて進められる。
→それら全てのプロセスが、より万全で、補完性が高く、成長の余地[←名高い選手を集めるのではなく]があるスカッドを構成する為に行われる。
新加入選手がどのようなパフォーマンスを発揮してくれるかは後になって分かる。今私達が取り組む事は、全選手に其々仕事を果たして貰う事。そして各選手のマネージング。これは容易な事ではなく、此処にイマノルの偉大な仕事が為される。

⦿A.オドリオソラについて

私達に競争をもたらしてくれる選手。このような、選手達を成長させる良い競争を確立していきたい。アルバロはかむての在籍時より、とても経験豊富な選手になり、クオリティも大変向上している。彼の再入団を歓迎する。どのような選手起用になるかはイマノルが決める。彼が来てくれて満足している。そして、A.ソラのloan移籍という運びにも、彼の成長が見込めるという理由で満足するもの。

⦿昨季Sanse所属選手の登用について

我々はウルコ、U.マレーロ、J.A.オラサガスティの3名に、P.マリン、G.アジェサを加えた5名をトップチームの活動に加えている。我々はそれこそがLa Realであり続けるという事だと信じている。そのような(カンテラを重用する)チームとしてCLの舞台に出るという野心を持っていなければならない。多くの人々がクラブに夢を抱き、アイデンティティーを感じられる様な決断をクラブが選んで下していく、という別の野心もある。当然La Realは成長し、高レベルの競争力を持ち、野心を抱き続け、欧州の舞台、そしてCLに出られる順位でシーズンを終えられるよう前へ進む。(強敵揃いのCLに出られるという事は、)究極のモチベーションになる。

⦿サウジアラビアサッカー界について

彼らは資金面で選手の関心を集めている。移籍していく選手達は自身の責任を果たさんとし、新天地での挑戦にワクワクしている様子だ。私達は既存の選手達がLa Realの一員であり続けたいと願ってくれるよう、彼らにプラスとなるものをもたらしていく必要がある。ここ数カ月で多くの変化があった。サウジアラビアは、英国以上にサッカー界に投資を行う国となった。PSG以上に。3日前無かったものなのに、急遽状況が一変した様にある選手に関心が寄せられるという事もあり得る。
我々は彼らの動向を認識し、準備し、そこからより良い対応を追求していく。

⦿GKについて

La RealのGKというポジションの持続可能性が話題に上がる時、Zubieta出身選手を輩出しようと取り組み続けるという私達の決断が参照される。
ウナイ(・マレーロ)はここ数年進歩を見せていて、Sanseで良いプレーをしている。我々は彼を信頼している。
我々はLa Realであり続けたい。そして、長期的に決断を下さなければならない事を分かっている。アレックス(・レミーロ)はクラブの期待を背負い、成長を遂げた。その一方、我々はZubietaで育つカンテラーノ達に余地を与えなければならない。私達は、アレックス、ウナイ、ガイスカ、(アイトール・)フラガのプレーヤーとしての能力に満足している。
競争がある事は理解しているが、ウナイには、私達はLa RealのGKを張って貰う事を要求せねばならない。これがLa Realの歴史に基づくアプローチ。

⦿U.マレーロが(昨季スビアウレが着けた)13番を着けなかったのは何故か

かつてスビメンディが39番を着けてCartujaで熱狂的なゴールセレブレーションを見舞った。(トップチームに帯同する選手でも26番以上を着けて貰う事は)マネジメントの一環であり、彼も理解してくれている。ウナイはG.アジェサ、P.マリンと共に100%トップチームのトレーニングに励んでいる。LaLigaが我々にそのような管理プロセスを強いる事を話すタイミングですね。

⦿給与体系について

会長が明言しているが、バランスが取れたものになっている。限界を探っているが、今後数年間も持続可能的な数字になっていなければならない。そのようにやり繰りしていく事が生き続ける道。会長は結果を追求する為、経済面の重要さを強調している。そして毎年決算の内容を公表している。

その他

⦿今季CLでの戦いについて

優勝経験のあるインテルベンフィカらと同組で戦える事に、最大級にワクワクしている。競争心が一新されるような感覚を覚える。
私達はGLでの各試合を通じて学び続ける。ザルツブルクとの対戦は、既に(ライプツィヒ戦を通じて)対戦した事のある(RBグループの)プロジェクトと自分達の現状との比較ができる良い機会。インテルベンフィカについて、この様な事を言うのは私が初めてかもしれませんが、La Realの様にかつて低迷を経験しているクラブです。
どの対戦も待ち切れません。非常に厳しいグループですが、何も諦めるものはありません。例えば3位に入ってELに回る等様々な可能性がありますが、近くにいる(クラブスタッフの)エリックとも(可能性については)何の話もしていない。私達はこのコンペティションを戦える事こそが大きな好機とみなしており、できるだけ遠くまで辿り着く、長く戦い続ける事が我々の目標です。

⦿リーグ戦について

LaLigaはとてもレベルが高いコンペティション。スペインは、選手育成にプロジェクトを持つ、優れた選手の産地となっている国。LaLigaは第一線を走るコンペティションであり続ける。

⦿2003年のCL出場当時について

当時、我々はユベントスアルバセテとの対戦(CLとリーグ戦)をどのように両立させるべきか理解していなかった。CLに全力を注いだ。我々は準備できておらず、また、成熟を欠いていた。持続可能なチームではなく、CLとリーグ戦を両立させて挑めるチームでは無かった。私達を欧州の舞台に導いてくれるのはリーグ戦の成績である。当然、週2度試合を戦う中で自然なパフォーマンスを発揮できるかどうかは懸念点。
私達は学び続け、マスターした存在となる。私達は信頼に足るチームになり、CLの舞台に再び出るのに長い時間を必要としない事のないクラブになりたい。私の経験上、CLに高頻度で出場を重ねていく事がLa Realを広く認知され、競争力の高いクラブに変えていくと信じている。(そのような)レアル・ソシエダでありたい。

⦿D.シルバについて

ダビドの大きな怪我、その後の引退決意は、クラブがどのポジションに投資を行うか、という方針に影響を及ぼした。彼は代えの効かない、サッカー界で最高の選手の1人です。彼の後釜探しは、存在し得ないが故に全員が苦心した。私達が追求していたのは、"(後釜の選手に)私達が何を要求するか、どんなプレーを望んでいるか、監督の要求は..."。これらを踏まえて、現在、そして将来にわたって活躍を期待する選手として、既存の戦力に加え、ザハリャンを獲得した。
タケはシルバの後釜になりうる選手だが、私達はまた別の役割を期待している。
(←個人的解釈だが、"8番"的に時には組立てにも加わったシルバに対し、タケにクラブはより前方での仕事を期待しているのかもしれない...)

⦿昨季も続出した負傷離脱について

アイエン、リコなど似たような負傷を抱える選手が出た。私達がすべき事は、負傷の分析に努め、その結果分かる事から方針を追求していく事。8月、9月と短期短期で乗り切っていけばそれで良いというものではなく、私達は(シーズンが終了する)5月まで辿り着きたい。恐れは何も抱いていません。トレーニング場であるZubietaに顔を出す都度、選手達がどれ程トレーニングに励んでいるか分かる。
私達は経済面/アイデンティティー面がしっかりしており、月曜から金曜まで最高でいられるチームを作ろうと計画している。

⦿M.メリーノの契約更新について

考慮すべき事項がある。私を最も落ち着かせてくれるのは、選手達が責任を持って取り組んでくれている姿を見られる時である。La Realは未来のスカッドを形成し続けていく。未来は(当然)ミケルにも他の選手達にも訪れる。移籍市場がクローズした後、契約延長交渉がどうなっていくかは未明だが、チームの理想形を追求し続ける。私達は落ち着いて事にあたっている。ミケルは大変魅力的な選手で、我々の最も重要な選手の1人。彼はLa Realに落ち着いて在籍してくれている。彼がLa Realに居続けてくれるものと解釈している。

⦿アイエンについて

以前のサイクルを終え、チームの要求を満たしてくれるレギュラーメンバーの一員として彼と共に歩んでいく新たなサイクルが始まった。アイエンはクラブのあらゆる要求を満たしてくれる選手。

⦿久保について

(2年目で新加入選手ではないので、)彼との契約の子細には触れない。彼がLa Realにいてくれる事を大変嬉しく思います。

⦿代表(ナショナルチーム)招集について

最新のプレリストでは、La Realから12名の招集候補者がリストアップされていた。タケ、H.トラオレ、ティアニー...更に多くの選手達が招集に応じた場合に備え、予め手を打ち、落ち着いて対処しなければならない事を想像してみて下さい。一方、我々はビッグクラブが獲得に関心を示しうる選手を多く抱えてもいる。私達は、大変豪華で、よく整理、組織されたスカッドを構成した。そして我々の選手全員がLa Realに居続けたいと思ってくれている。

あとがき

移籍市場で一喜一憂した自分ですが、このオラベSDの話を追うと、心のもやもやが殆ど100%晴れました。これまで自分の頭に渦巻いていた疑念は以下。

・トッププロスペクトと思っていたカリカブルを手放す気なんだろうか...。
・ソルロス(スルロット)にオファーは出していたんかな。。

前者は感謝の言葉で言及を締め括ったリコに対し、濃厚にカリカを成長させるプロセスとしてのloan移籍である事を明言してくれていました。後者については「出していた。」と明言。
私がこのクラブを疑念を抱かずに追い続けられるのは一貫性を持ったクラブ運営のおかげです<(_ _)>  三本柱を成す3名のみならず、選手同様日々クラブの為にハードワークをしてくれているスタッフ全員にも感謝の意を表します。
強い弱いの前に、取り組みに信頼、好感が持てるこのクラブが大好きです。

【22-23】Real Sociedad C シーズン振り返り📝

こんにちは。暑い日が続きますね。水辺や高原に出掛けてひんやりしたいです🚘
大学生の頃夏には数日間の登山をしていたのですが、今思えば程度の高い避暑だったなと思いますw🌄

さて、この記事ではLa RealのSanse(Bチーム)に続く2番目のfilialのCチームの昨季について記していきます。このCチームの22-23シーズンは昇格PO圏内から1pt差の7位と、3位だった前シーズンと比較するとやや落ちるものの、メンバーがほぼ総入替になり、若いシニアカテゴリ本格参入1年目の新顔中心で戦った事を考慮すれば大健闘と言えると思います。

本題に入る前に、前置き、関連情報をいくつか記しておきます。知っとるわ!とか、本題以外は要らん!という方は読み飛ばして下さい<(_ _)>

予備情報

La Realカンテラにおける2つの段階について

La Realには8つのユースチームがあり、Cは育成ピラミッドの上から2番目のチームです。また、選手達が通過していくこの8チームは、Easo(Juvenil B)-Juvenil A間を境に育成の第1段階 / 第2段階が分かれます。

第1段階:
クラブスタッフは選手個々の、1人の人間としての成熟にも重きを置いて指導、付き添いにあたる。スポーツ面に留まらず選手達に、別の素質を醸成して貰う事を命題に掲げている。
(別の素質:)
●自身を一人の人間として自立した、"強い"人物に変えるもの。
●自身に自信、自己評価を備えさせるもの。
●自身で目標を立て、より難易度の高い挑戦・課題に立ち向かう為のもの。
→こうした育成方針の下、
大切な事は、若い選手達が、
「日々学び、勝ち負けを繰り返し、(ピッチ内外で)La Real印のあり方(尊敬/誠実/謙虚/競争力/チームワーク)に裏打ちされた振る舞いを堅持・継続していくこと。」

第2段階:
より高いレベルのコンペティションに向き合い、プロスポーツ選手のものに近い生活を送り、プレッシャー等の刺激を受ける生活を送る時期。
以下に適応する事が必要。
●この年代(約17-23)相応に人間として成熟する。
少しずつプロ選手に近いものになっていく、教育面、スポーツ面における変化。


◎こうした生活の中で、感情/情緒面、振る舞いのレベルが積みあがっていく。
◎選手達は、日々自分の立場に変化が生じる生活を送る。

第1段階:
-Infantil世代(age:約12-14)
・Infantil Txiki
・Infantil
-Cadete世代(age:約15-16)
・Cadete Txiki
・Cadete
-Juvenil世代(age:約17-19)
・Easo(Juvenil B)

第2段階:
・Juvenil A
-1ª filial及び2ª filial(シニアカテゴリ)
・Cチーム(age:約20-21)
・Sanse(Bチーム)(age:約22-23)

おおよその在籍年齢を添えましたが、特に第2段階には飛び級が目立ち、選手の成熟レベルに応じて数段飛ばしでステップを上がっていく選手がいます(ex:A. グリーズマン[1991]、A. バレネチェア[2001]、J. マルティン[2006])。
とてもざっくり言及すると、第1段階ではアスリート/1人の人間としての基礎を固め、第2段階ではプロアスリートに近い環境を用意し、水に慣れていく期間といったイメージでしょうか。

Cチームを保有する/しない意義

LaLigaのプロクラブは恐らく殆どのクラブがBチームを保有しているのに対し、Cチームについては保有の有無が分かれます。保持しないクラブの選択の裏には、経済支出の面のみならず、

Juvenil上がりで即Bチームに定着できないような19歳、20歳の選手は大したタレントではない

という考え方があるようです。
※参考/引用:
スペインサッカーの神髄(増補改訂版)/ 著者:小澤一郎 / 2013年12月初版発行
ISBN:978-4-86535-023-4

これに対し、La Realには「選手達全員が生まれながらに持つpotentialの開花については早い者もいれば、時間が掛かる者もいる」、「エリートレベルのフィジカル面、技術・戦術面の要求は甚大」という考えがあり、これらが、クラブがトップチームに直結するSanseとJuvenil Aの間を受け持つCチームを設けている要因の一部になっているかもしれません。
La Realは例えばトップチームから他クラブへの移籍、負傷等により離脱者が出た場合、クラブ外部に目を向けるのでなく、先ずカンテラからの登用を検討するという特徴があります。21-22シーズン、トップチームに負傷離脱者が続出し、Sanseが強力なチームが揃う2部で苦戦を強いられながら主力をトップチームに持っていかれるという状況下でインタビューを受けたX.アロンソは「我々(Sanse)の命題はトップチームを助ける事が第一、次点として各選手の成長や2部での競争がある。」と語っていました。

上の命題を課される以上、Sanseの選手達はトップチームの26+n人目の選手としての働きも求められうる事も大きいと思っております。実際、昨季トップチームで出場したA.マルティンやJ.マグナセライア、J.オラサガスティらのパフォーマンスは負傷者が続出するチームを大きく助けていました。

前置きが長くなりましたが、続いてCチームの22-23シーズンの戦いを振り返って行きます。

Cチームの22-23シーズンについて

スカッド

22-23編成(選手名をポジションごとに主観の序列順で表記)

※氏名の後ろに(J)と付している選手は、Cチームでなく、Juvenil Aに籍を置く選手達です。

前年度(21-22)のメンバーの多くがSanse昇格等によりチームを去り、総入替と言って差し支えない陣容になりました。21-22の主力と言うと、U.マレーロ、P.ロドリゲス、J.ゴロチャテギ、P.マリン、A.ダディエ、J.バルダらがいました。
上の画像ですが、特に統計に基づいて作ったわけでは無く、自分が観たホームゲームの印象で序列をポジションごとに上から並べています。
また、右SBに攻撃的なキャラクターがいる事から、右肩上がりの3バック(3-4-2-1)の形で戦う試合もありました。

攻守のアプローチ

⦿組立て
トップチーム同様CBができるだけ運んで前進する所からスタート。pivoteはあまり最終ラインに落ちず、後ろは4枚+GKでセット。DF4枚+PVのみでボール出しを完結できない時はIH(2a altura/バランサー寄り)が最終ライン近くに降りてサポート。

⦿崩し

トップチームのように、前を向いて受けた時に違いを作れるタレントが多くありません。(例外:E.ガルシア、A.アルサク、M.ロドリゲス、M.ギベラルデ、M.アルーティ...etc)
また、マークに着かれると相手選手に体格で劣る中盤オフェンシブが前を向けない為、中央からのクリーンなボール出しには中々苦労していた印象です。

以下の連動を攻撃の起点にする事が多い。
・IHがサイドに流れたり、WGが中に入ったりして相手SBを引きつけ、周りの選手が大外裏を取りに行く。
・9番の中盤へ引く動きと逆にIH(1a altura/10番寄り)が裏への飛び出しを狙う。
・CB又はpivote辺りが前を向けた時、前進を作れたタイミングでバイタルに降りて来る9番に当てる。
または個人の打開能力を起点にする。
・周りが見え、次への予測が優れ、展開力のあるE.ガルシア(IH, 1a altura)、M.アルーティ(IH, 2a altura)の好プレーを起点にする。
・WGのドリブル突破を起点にする。
・相手DFの「間」にドリブルで侵入するA.アルサクが複数の相手選手の注意を引きつけた所を起点にする。

⦿守備

トップチームとあまり変わらない。IH(1a altura)を9番と並べる4-4-2ブロック。4部というシニアカテゴリにあって、フィジカル能力等で優れる相手を対人守備で止めきれず、チーム内で体格が優れたA.レバルビエールやA.ララニャガの所で何とか食い止める、という場面が少なくなかった。
攻→守の切り替えもイマノルが纏めるトップチームほど上手くいかず、カウンターからピンチを迎える事がしばしば。

各選手総括

以下動画で、Daniさん(youtube/twitter: @DPower_13)による22-23シーズン開幕前のCチーム所属選手に対する評価が見られます。DaniさんはLa Realに留まらずバスクの育成年代を広く観ている方で、信頼できる方の評価として、併せて紹介します。

各選手出身地の後に”開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度)”という指標を載せますが、これがDaniさんによる以下動画内における評価です。それに続けて私が22-23シーズンのホームゲームのパフォーマンスを観て判断した評価を記します。
選手個々について、将来トップチームに定着していく事が個人としてもクラブとしても一番の目標と思いますので、チームに貢献する働きより、敢えて、相手チームの脅威となるような違いを生んだかどうかに得点配分の比重を持ってきました。

www.youtube.com

※22-23試合数はCチームの、2a RFEF(4部)grupo Ⅱでの出場をカウントしています。全18チームによる争いだった為、全34試合。

~GK~

#1 Aitor Fraga
生年月日:2003.3.9
出身地:Hernani, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):7/8
22-23シーズン評価:7.5
22-23先発/途中出場:25/0

22-23シーズンの正守護神を務め上げた大柄なGK。ハイボール処理、シュートストップともに安定したパフォーマンスを見せ、捌きも上々。ポジショニングや飛び出しのタイミングも良く、決定機阻止でチームを何度も救った。
SanseからE.アラナが今夏カディス県のSan Fernando CDへ移籍。そしてトップチームからA.スビアウレがアリカンテ県のCDエルデンセに移籍。トップチームがGKの獲得をしなければ、U.マレーロ又はG.アジェサがレミーロに続く2nd GKとしてトップ昇格するのと入れ替わりでSanseに昇格する可能性が高い。Sanseが戦う3部はレベルが高いが、その準備は十分できているように見える。

#13 Oier Arribas(今夏限りで退団)
生年月日:2003.6.29
出身地:Irún, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):5/6
22-23シーズン評価:5.0
22-23先発/途中出場:7/0

エルデンセに移籍したスビアウレと同じ、左利きのGK。足元の技術が高いように見える一方、守備時のポジショニングやシュート、クロスに対する準備に少し不安が見えた。
あまり彼が出てる試合を観てないけど、A.フラガを脅かすパフォーマンスに見えなかったという点で厳しく付けさせてもらった。
今夏限りでの退団が公式発表された。La Realでの在籍年数は5年間。

#25 Lander Olasagasti(J)
生年月日:2004.3.26
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):-/-
22-23シーズン評価:6.0
22-23先発/途中出場:2/0

Juve A所属のGK。Cチームでは第3GKという扱い。出場したのは恐らく1試合ぐらいしか観てないですが、O.アリーバスより印象は良かったです。今季はCチームでポジション争いに挑む事になりそう。

~DF~

#2 Iñaki Ruperez
生年月日:2003.1.7
出身地:Ansoain, Navarra
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):7/8
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:11/6 1G
ポジション:右SB、右WB、左SB

CAオサスナから移籍してきた右SB。右WBや左SBとしてもプレー。攻守に対人能力が強く、競り合いになっても安心して観ていられる。特に守備力は現時点でトップのソラより安心して観ていられるレベル。一方攻撃のアイデアやスペースを突くタイミングの良さはB.アルマンドスに分があった印象。ただ、相手DFにしっかり準備された状況から仕掛けても簡単には失わなず、クロスを上げられなくてもCKを獲得できるぐらいon the ballが強い。攻撃面に尖ったアルマンドスと攻守をバランスよく熟すルぺレスで、キャラクターの違いからスカッドとしてバランスが良かった。La Realの選手としては一年目な事もあり、周囲との連携の強さはいまいちだったので少し控えめな点数とした。
SanseのJ.ガビロンドがマラガCFに去った今季、昇格があるか。

#17 Beñat Almandoz(今夏限りで退団)
生年月日:2002.8.19
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):5/6
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:20/8 2G
ポジション:右SB、右WB

攻撃的SB。中央を経由した攻撃に苦労した昨季のCチームで、周囲との連携でサイド奥を取れるこの選手の活躍は大きかった。スペースで受けにいく→相手守備が後手に回るので、成功すれば相手にとっては脅威だし、追いすがるマーカーと勝負する事なくオープンにプレーできた。
チームの大きなストロングポイントになった攻撃面に対し、守備ではスコンとやられてしまう場面がしばしば。隣にいるカバーリング巧者なBeitia(右CB)に助けられていた。守備で粘り強い対応ができるようになれば、lateralの選手として一段上に上がれると思う。
特長を見せた選手ながら、今夏限りでの退団が公式発表された。La Realでの在籍年数は9年間。最年少カテゴリのInfantil Txikiから在籍していた計算になる。

#22 Luken Beitia
生年月日:2004.6.30
出身地:Elgoibar, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):6/8
22-23シーズン評価:8.0
22-23先発/途中出場:29/1
ポジション:CB

人にもスペースにも強い、頼りになるDF。ポジショニングが秀逸で、最短距離でカバーリングの潰しを完遂する冷静且つ適切な対処は年齢離れして見える。カウンター時には帰陣が間に合わない事も多かったアルマンドスが空けた右サイドのカバーも力強くこなした。相手アタッカーへの警戒にも優れ、裏を取られる事も殆ど無い。また相手アタッカーにしっかり寄せる間合いが素晴らしい。相手は足を止め、フェイントにも対応でき、且ついつでもボールにアタックできるような位置まで寄せ切る。
守備面の長所はトップのアリツと重なるが、トゥリエンテスを想起させる両足を遜色なく使う捌きや丁寧な捌きはアリツ以上かもしれない。迷わず縦につけるセンスや、ボールハンドリングはアリツに分があるが、確実性はベイティアが上。パスを引っ掛けてピンチを招いた試合は1試合ぐらいしか観てない。また、バイタルに抜けてきて、浮いた相手選手に対して飛び出して寄せるか、最終ライン付近の状況も見極めつつの判断が秀逸。優先順位としては、行ける時には飛び出しての迎撃という姿勢。トップのパチェコよりこの判断は上に見える。
相手守備のプレスの掛け方を見極めて、引きつけるべき高過ぎない丁度良い高さ、幅にポジションを調整して捌く。位置取りの部分は本当に緻密で丁寧。

上背があまり大きくない事ぐらいが弱点だが、身体は分厚く、当たりには強い。また、落下点の読みが速いので、ロングボールに対する競り合いは良い位置で相手を飛ばせない事でシャットアウトできていた。
来季Sanseでやるとしたら、よりレベルの高い3部でどれだけやれるか楽しみ。
自分も所属しているペーニャの、会員の方(youtube : @zubietafan)がBeitiaのプレー動画をupされているので、是非ご覧あれ!
動画では、ただ相手の攻撃を防ぐのみならず、奪ったボールを味方に繋げようとする意識の高さや、配球の際にプレー選択のフェイクを入れて対面の相手選手を往なす工夫が見られますね!

www.youtube.com

#26 Julen Zubelzu
生年月日:2004.9.20
出身地:Elduain, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):5/6
22-23シーズン評価:4.5
22-23先発/途中出場:10/3
ポジション:CB

終盤戦まで控えめなパフォーマンス。守備では対応が後手に回るというか、ズルズル下がってシュートチャンスやラストパスの隙を与える場面が目立った。自分が観る試合は殆どが3バックで起用されていたと思う。一人で止めきれない所が懸念されているのかと勘繰ってしまう。もう一人の右利きCB、Beitiaが出ないが4バックで臨む試合は、左利きが2枚並ぶ事が多かった。
攻撃面ではボールを受けてもセーフティな各駅停車のパスに終止する事がほとんど。攻守ともに一人立ちしているとは言い難く、厳しい数字を付けた。

但し最終盤観た試合はカバーリングで力を発揮。ショートカウンター等の被アウトナンバー気味な危険な場面で、悉くスペースに流れて来た所を潰していた。対人守備よりカバーリングが得意で、ただ球出しは不得意という何だか珍しいタイプなのかもしれない。来季、シニアカテゴリ2年目で力を発揮できるか、重要な1年になる。

#4 Aitor Larrañaga
生年月日:2003.6.10
出身地:Getaria, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):5/7
22-23シーズン評価:7.5
22-23先発/途中出場:19/8
ポジション:CB

高さと強さで相手を力強く止めてくれる最終ラインのストッパー。レフティーのため、左CBを務める試合が殆ど。体格や当たりの強さは4部でもかなり力を発揮し、相手の攻撃を幾度となく跳ね返した。特に高さという点では、隣のベイティアがない部分なので、それを補う貴重な存在だった。パチェコのようにすっと持ち運ぶコンドゥクシオンは閉塞を打開するチームの大きな武器になっていた。縦パスも上手。キープレイヤーの故障者が多かった昨季のCチームは中盤より前にタレントが欠ける事が多かったが、ビルドアップのスタートを担うCBが強かったのはチームを大きく助けていた。
数的不利におかれた際も、エリア内に侵入した相手アタッカーが時間を掛けてパスの選択肢を失うまでまってタックルに行くなど、クレバーな守備が目立った。危険なスペースを埋めるのが上手く速い特長を生かした対応も、カウンターから生じたピンチから何度もチームを救った。

スピードはそこまで長けていないようで、走り合いになるとやや分が悪い様子、とは言え弱点はそれぐらい。速くて高くて強くて巧いトップのパチェコは改めて凄い選手だなと思わされる。

#5 Eneko Astigarraga
生年月日:2004.1.8
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):6/8
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:25/5
ポジション:CB(左利きながら右CBも!), 左SB

左利きながら右CBに入ったり、左SBも務めるポリバレントさを見せた。特徴としては、ララニャガに高さ・強さという迫力で劣る一方、彼より速さや複数ポジションこなす器用さがあるという印象。ララニャガより人への強さが見えないとは言え、同様にスペースへの注意、周囲の味方と良い距離感を保った守備、粘り強い対人DF、組立て時の捌き、どれをとっても卒が無く、最終ラインに安定感をもたらしていた。
と称賛しつつ、ララニャガほどバシッと止め切るシャットアウト感、絶対的な安心感はなかったので、少し控え目な評点にしました。

ただ、今季トップチームのプレシーズンに帯同する事が公式発表!PSM初戦のオサスナ戦では早速出場していました。昨季Cチーム登録選手では彼が唯一の抜擢。おめでとう!!

#14 Unax Agote
生年月日:2003.3.28
出身地:Zizurkil, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):5/6
22-23シーズン評価:7.0
22-23先発/途中出場:17/7  2G
ポジション:左SB

スキルフルな左SB。シーズン終盤は負傷離脱か出場を減らしたが、組立ての巧さと精度の高いキックはチームの大きな武器になっていた。長短FKのキッカーも担当。キックはFK、ロングフィードやサイド深くからのクロスのみならず、アーリークロスでも威力を発揮。
組立てではボールの置き所が良く、マンマークを着けられても中々奪われずそのまま駆け引きを通じて前に展開できる。流れの中で、トップのアイエンがやっていたように、右肩上がりの3バックの左として捌く事もあった。対人守備も結構粘り強く対応していた。一方、CBとの間の所謂チャンネルを突かれてしまう場面がちらほらあったが、徐々に改善してくれたら。そこを補って余りある長所があるので、今後が楽しみ。Sanseに昇格するとしたら、現状の同ポジショントッププロスペクト、Jo-Goとのポジション争いが待ち受けている。

#3 Eneko Azurmendi(今夏限りで退団)
生年月日:2002.3.24
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):6/7
22-23シーズン評価:6.0
22-23先発/途中出場:9/2
ポジション:左SB, 左HV(3バックの左)

安定感に優れた左SB。周囲との距離感の良い守備は、カディスに移籍したJ.サルドゥアを想起させる。負傷があってか出場試合数が比較的少ない数字に留まる。上背は無いが当たりが強く、攻守に活かされていた。また、ややセーフティとは言え攻守にポジション調整が丁寧で、味方のサポートを徹底していた。90分間アップダウンを繰り返すスタミナも素晴らしい。On the ballの所ではアゴテに分があった印象だが、彼も堅実なプレーでチームに貢献。守備の安定感を買われてか、3バックの左でプレーする事も。

B.Almandoz同様Infantil Txikiから所属していた選手で、出場した試合ではキャプテンマークを巻いていた。彼同様今夏限りでの退団が公式発表されており、先日サラゴサ県のUtebo FCへの入団が公式発表された。

#6 Manex Gibelalde(昨秋[2022.10]U-19代表招集、1試合出場!)
生年月日:2004.4.22
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):6.5/7.5
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:22/7  2G
ポジション:PV

少しS.ブスケツを彷彿とさせる、動き過ぎない4番。両足を使い、周囲のスキャンがよく出来ており、1-2タッチと最短で捌く辺りやぐるんと回るターンも似ている。パススピードも速い。但し、前線の選手との連携がいまいちなのか、彼から感じるpotentialほどはクリーンに縦パスを前の選手につけられていない印象。ここはブスケツにかなり劣る。ボールスキルはチームでもかなり上と思われ、きつく寄せられていても剥がしきってしまう場面も。ボールの預け所として頼りになる。キックも球筋が綺麗で、FKを、味方が少し触れてずらした所から叩きこむ場面も。

ネガトラの寄せも的確で、リーチを活かしたボール奪取も大きな魅力。書き出すと結構ブスケツっぽい。多分ブスケツより足は速い。
昨秋U-19でもプレーした期待の若手は来季Sanseに昇格するか。昇格した先ではオラサガスティがトップに帯同してもpivoteの位置にはウルコ、ゴロチャテギがいる。嬉しい悩みですね。ゴロチャテギはインテリオール/8番としても、ウルコはCBとしてもプレー可能なので、監督のお眼鏡にかなえば、全く出場機会を得られないという事はなさそう。

#23 Alex Lebarbier
生年月日:2004.8.23
出身地:Paris, France
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):7/8.5
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:24/3 
ポジション:PV, IH(2a Altura), CB

長身かつ厚みがあり、途轍もない対人能力を誇る中盤の選手。昨夏、SanseのPSMにも出ていたように、期待が大きい選手と思われる。
恵まれたフィジカルを活かし、相手の突破を一人で止めきるストッパー的働きは特筆に値。中盤の選手としては破格と言える。相手のフェイントへの反応も滅茶苦茶速く、相手は次の瞬間には身体を入れられている。というような気持のいいシャットアウトを多く見せてくれた。高さもあり、空中戦も強い。

一方、中盤の選手としては致命的にセーフティーなボールの動かし方しかできない。基本相手守備に追い込まれる通り次に回してしまう。正対して駆け引きという場面もあまり見られない。正直シーズン中はpivoteとしては観たくないと思っていた。が半分ちょい上ぐらいはpivoteとして出ていたようなw
一方インテリオールとして出た時は、足技が無い代わりにダイナミズムが活きる。エリア内への飛び出しはあまりやらないが実践されれば迫力があったし、終盤にはワンツーからゴリゴリ持ち上がる激熱いプレーが観られた。3バックの中央として出ていた試合は申し訳ないが笑った。組立て能力の乏しさが、両隣の味方の捌きで上手く隠されていた。
守備的中盤の守備を切り抜けば9.5か10、レジスタとしての能力を見れば4.0か3.5を付けると思う。そのぐらい尖った選手だが、トップチームにいないキャラクターという意味でも今後に注目したい。先ずは今後Sanseでどれだけ活躍できるか。頑張れ!

#8 Eder Garcia
生年月日:2004.1.4
出身地:Errenteria, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):7/8.5
22-23シーズン評価:9.0
22-23先発/途中出場:22/1 
ポジション:IH(2a altura), IH(1a altura), PV

ピッチの至る所で違いを生み出せるチームの要。組立ての補助から前線への飛び出し、サイドに流れてのWGとしての振る舞いなど、B to Bを超えて幅の概念を加えたいのでオールコート。技術もさることながら、一番の長所はプレーインテリジェンス。スペースを把握したon / off the ball、展開の読み、周囲との連携、どれも頭一つ抜けている。味方に合わせた上でタイミング良くスペースを作る or 使い、次の展開の布石とする。周りが見えているので次のプレーも速い。パスにせよオフザボールにせよ、周りに合わせるのが抜群に上手いチームプレイヤー。パスの質は優しく、数瞬先の足元に届けられる。サイドチェンジもお手のもの。プレーアイデアが豊富でドリブルも非凡。

運動量が豊富で試合を通じて広く動き回り、プレーの質も落とさない。守備も上手く、IH(1a altura)としての前衛守備も、2a alturaとして出場する際の中盤ラインの一員としての守備も卒なくこなす。寄せる間合いが良く、当たりも弱くない。
Sanseでも主力として活躍できるだけの能力がある選手と思う。今季既に部分的にSanseにも帯同し、5試合に出場。

Ederのプレー動画も上げて下さっています。
動画では視野の確保、そこから来る相手の動き、狙いのベクトルを逆手に取ったプレー選択や1stタッチの工夫、サイドに展開してからゴール前に詰めたり、プレスを掛けて蹴らせた後にプレスバックしてセカンドボールを収めた相手選手からボール奪取し、拾った味方から直ぐにパスを貰おうとするプレーの絶え間ない継続性など、長所がいくつも見受けられますね。

www.youtube.com

#10 Miker Rodriguez
生年月日:2002.4.3
出身地:Getaria, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):8/8.5
22-23シーズン評価:6.0
22-23先発/途中出場:10/8  4G
ポジション:IH(1a altura), IH(2a altura), PV(自分が観た試合はdoble pivotesのみ。solo pivote(中盤逆三角形の底)は観たことなし)

小兵のファンタジスタでボールを扱う技術はピカ1。ただ、相手のマークに苦しみ、1a alturaとして出た時は中々バイタルで前を向いて受けられなかった印象。中々10番役の選手としての仕事をさせて貰えなかった。もっとやれるだろうという期待を込めて、少し厳しめの評点を付けました。今季は故障に苦しんだシーズンで、負傷の影響もあったのかもしれない。
カテゴリが上がればより相手の守備は厳しいものになるが、その中で違いを生み出せるか。4得点の内3点はエリア内に顔を出して奪ったもの。今季は中々ゴール近くで前を向ける場面は多くなかったが、元々M.ゲッツェのようにエリア内でも落ち着きがある選手なのかもしれない。

後半戦はW pivoteの一角や2a alturaのIHなど、下がり目の位置での起用が増えた。マークに見られていても前を向ければテクニックで相手の逆を取って往なすプレーが随所に見られた。前で勝負して欲しい気持ちもあるが、下がり目の位置で相手のプレスを挫くという形で攻撃の起点になる、漫画「Be Blues!」でいう所の「プレスブレイカー」でも貢献できる所を見せてくれた。
Sanseに上がってもCに残っても大事な一年になりそう。

#16 Eneko Lizaso
生年月日:2003.2.19
出身地:Zarautz, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):5.5/6.5
22-23シーズン評価:6.0
22-23先発/途中出場:18/13  4G
ポジション:IH(1a altura), 左WG, 右WG, 右WB

トップ下としてプレーする際も、バイタルで違いを生むというよりは前線に飛び出したり、周囲の味方の為にスペースを空けたり、味方が空けた所に飛び出す動きが得意なアタッカー寄りの選手。足元の技術が低いというわけでは無いが、マークを躱して変化をつけられるという程では無い。基本受けたらすぐ叩いてまた前へ行く。シンプルなプレーが彼の特徴。
運動量が豊富でアクションが多く、前線で生み出すコンビネーションプレーも持ち味だが、トップチームでシルバがやっているような、「トップ下(中央)を経由する攻撃」の中継点となれる場面はあまり無く、彼が1a alturaのIHの時は外経由だったり、中盤バイタルを飛ばして、後ろから直接前線に入れるような、シンプルな反面味気ないものになった。その意味では今季のCチームを象徴している存在と言えると思う。然し裏を返せば中央で悪いボールの失い方をしないし、何度もサイドや前線でボールを引き出したのは裏を返さずとも評価に値する。
また、マーカーに対して先手を取る、動きの一瞬の切れ味はM.ロドリゲスにはない長所。WGとして出場する際は、サイドでの仕掛けにこの長所を活かしていた。中央ではリスクを嫌ってかあまりon the ballで仕掛けないが、サイドでは果敢に勝負を挑んだ。

今後Sanseでプレーする際はよりチーム内の競争が激しくなると思うが、特徴を出して頑張って欲しい。持ち味のチームプレイはどこに行っても重宝される筈。

#27 Martín Arruti (J)
生年月日:2005.1.11
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):-/-
22-23シーズン評価:7.0
22-23先発/途中出場:6/7  
ポジション:IH(1a altura), 左WG

Juvenil組からの今季一のサプライズ。後半戦に掛けてプレーの質を一気に高めた。兎に角ボールを、そして局面を前に進めることに長けた中盤のオフェンシブ。ボールを受ける時足元に止めるのでなく、撫でるようなタッチで、相手に取られずかつ次に前向きにプレーできる場所に置く。自分の前にスペースがあれば自ら仕掛けるし、味方が良い位置で待っていれば浮き球を含め数瞬走った先の足元に精確につける。技術はM.ロドリゲスも引けを取らないかもしれないが、推進力は此方が上。
トップ下の選手として、味方を使う/自分で仕掛ける塩梅が絶妙で、相手守備がその瞬間瞬間で弱い方をズレなくjustで突いていく様は爽快そのもの。スペースを穿つ力や周囲に合わせる力は2歳上のP.マリンを彷彿とさせるが、ドリブルも含めた個人での打開力はArrutiが上に思える局面打開の鬼。来季も俄然楽しみ。

~FW~

#12 J.Merino
生年月日:2003.3.3
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):5/6
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:7/8   2G 
ポジション:右WG

長身のチームプレイヤー。彼も今季のCの象徴のような選手で、個人突破は殆ど見られず味方との連動からサイド奥深くやハーフスペースを陥れる変わり種のサイドアタッカー。取り分けSBのB.アルマンドスとのコンビネーションは熟達の域に達しており、歯車が噛み合ったかのような呼吸の合ったプレーを見せ、右サイドからチャンスを演出した。単純だが、長身のためロングボールのターゲットにもなり、彼より高さが無い事が多かった相手SB相手に競り勝つ場面は何度も見られた。
また運動量が豊富で守備能力も高い。適確なプレッシャーを掛け、ブロック守備での動きも良い。自分は複数年彼を観ていないので以前の事は分からないが、元々SBもやっていた選手だったという話も聞く。守備では幅広くチームを助けた。

献身的な選手だが、WGとしては個人の武器が無いのは淋しいか。SBが上がれない試合やマークの厳しい9番との関係性が断たれる試合は強いチームとやるほど多くなるので、そこでどれだけやれるかが今後に関わりそう。チームプレイヤーは大好きなので頑張って欲しい。

#7 Juan Pontones
生年月日:2004.4.26
出身地:Cuenca, Cuenca
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):6.5/8.5
22-23シーズン評価:5.5
22-23先発/途中出場:11/10 1G 
ポジション:右WG

以前から将来を嘱望されているサイドアタッカー。M.ロドリゲス同様怪我に苦しんだシーズンと言える。ボールが渡れば果敢に仕掛けたドリブルは相手を抜き去るには至らず、ライン際まで粘って上げるクロスが相手DFにブロックされてCK or GKという場面を何度も見た。このチームにはE.リサソやJ.メリーノのようにチームプレーに割り切る選手も多い中、彼はあくまで対面との勝負に拘る、WGerとしての意地や気持ちの強さを感じた。好調時の彼のプレーが観てみたい。

ドリブル突破は鳴りを潜めた一方、斜めのランニングによるスペースへの飛び出しで何度かチャンスを演出した。今後、相手にとってドリブルの怖さが出せれば、相手DFの注意を引けて、他のプレーも、もっと活きて来ると思う。

#18 Ekain Azkune
生年月日:2001.1.26
出身地:Errenteria, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):7.5/7.5
22-23シーズン評価:7.0
22-23先発/途中出場:10/1 3G
ポジション:右WG, CFW, 左WG

とてもLa Realらしい、よく走ってチームメイトとの連携・連動が強みのアタッカー。3トップならどこでも遜色なくこなせる。走力、当たりの強さを活かした守備強度、ボールキープ、味方との連携で前線のスペースを陥れる巧みさ、プレーの落ち着き、、どれを取ってもハイレベル。素晴らしいオールラウンダーだが、この年でCチームに残っていたのは上のSanseに前線の選手が多かった事や、アタッカーとして飛びぬけた武器が欠けているのが響いたか。それでもチームプレイヤーとしては100点。

得点を量産できるかと言われると微妙なところだが、昨季既にSanseで21試合に出場して3Gを挙げているように、3部でも活躍できるところは実証済み。トップで言えばオヤルサバルに特長が似ていると思う。彼のような飛び抜けた存在になれるか、トップ昇格を成すには更なる飛躍が求められる。

#24 Cristian Canales
生年月日:2004.3.3
出身地:Santander, Cantabria
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):6.5/7.5
22-23シーズン評価:7.0
22-23先発/途中出場:7/14 3G
ポジション:右WG, 左WG, 右WB

序盤戦こそぱっとしなかったが、中盤戦以降は右WGの第一人者に。ボールを後ろから上手に引き出し、タッチの細かい小気味良いドリブルからマークを困らせ、チャンスを演出する。右利きながら逆足の精度が高く、カットインして左で巻いて狙うシュートは十八番とも言えた。中外どちらのレーンでも仕事ができるので、コンビを組むSBとの相性も良い。
個人的に彼の一番の長所は戦術眼と仕掛けのタイミングの取り方。狙うスペースの選択とその判断の良さ・速さ、1stタッチから対面に仕掛ける技術の高さ、パサーに合わせた動き出しのタイミング、身体の向きの作り方、どれを取ってもハイレベル。

技術と賢さ、アジリティ、連携の良さを併せ持つ素晴らしいアタッカー。昨季終盤前十字靭帯断裂の大怪我を負ってしまったが、将来トップで観たいタレント。着実に回復してコンディションを上げて欲しい。調子次第で来季はSanseでのプレーもあるか。

Canalesの動画も上げて下さっています。改めて動画を観ると、シュートもパスも振り足が小さくて鋭い。スイングが大きければ当ててしまいそうな比較的小さい隙でも相手に当てずにプレーを完遂できるのは大きな魅力ですね!

www.youtube.com

#9 Ekain Orobengoa
生年月日:2004.6.17
出身地:Oiartzun, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):7.5/8
22-23シーズン評価:6.0
22-23先発/途中出場:16/14 4G  
ポジション:CFW, 右WG, 左WG

長身でポストプレーに長け、WGとしてもプレーできるだけあってサイドに流れて前線に流動性を生み出すのも巧い。Azkuneのところでも書いたものと似たような長所を挙げたが、La Realらしいチームに貢献できる9番。ポリバレントさもあり、前線の選手の中ではかなり上位に来るだろう出場機会を得た。
一方、9番としては淋しかったのが数字。ややゴール前で判断に迷う事が多く、相手のブロックに遭うシーンを多く見た。器用なのは素晴らしいが、時には南米選手のように思い切りよく気持ちよく、足を振って欲しい。

とは言え攻守に身体を張ってチームを助けられる選手で、今季9番として不足を感じたのはそこぐらいだった。2004年生まれとまだまだ若い。得点が重なってくれば一気のステップアップもあるか。

#15 Aimar González de Heredia(今夏限りで退団)
生年月日:2003.9.4
出身地:Agurain, Álava
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):6.5/7
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:18/11 7G
ポジション:CFW, 左WG

今季のチーム得点王。オロベンゴアとは異なり、チャンスでの思い切りの良さが目立った。同じ9番としてはオロベンゴアの方がやや優先して器用されていた印象だが、そんな中でもゴールでチームに貢献した。ゴール前では思い切りの良いプレーが目立つ強みがある一方、ポストプレーやサイドに流れるプレー、プレッシングの掛け方といったチームプレーの巧さはオロベンゴアに譲る印象だった。スカッドとしてはバランスが良かった。ストライカーはゴールが一番だが、その他の部分も向上すると尚重宝される筈。

結果を残した一方で、今夏限りでの退団が正式発表済み。疑念は残るが、9番は他クラブからの補強も結構多いポジションなので、そことの内なる競争があったかもしれない(Antiguoko KEから加入したP.Zubizarreta[2003], Jakes Gorosabel[2004]など)。
尚、Aimarは出身県のエリートクラブ、アラベスのBチームに入団する事が決定!!おめでとう!お隣でも頑張って欲しい。

#28 Arkaitz Mariezkurrena
生年月日:2005.4.5
出身地:Astigarraga, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):-/-
22-23シーズン評価:6.0
22-23先発/途中出場:1/9 1G
ポジション:CFW, IH(1a artura)

Arrutiと同じ2005年生まれ。U-17代表招集を受けた他、昨季はU-18代表として3試合に出場した期待のアタッカー。
CチームではAimarやAzkune、Orobengoaといった他のCFWほどの背が無いのにかかわらず当たりの強さを見せ、ボールへの執着と技術で推進力を生みだし、相手守備陣にグイグイ仕掛ける積極性を見せた。状況に応じては長く持たずに叩いてパス&GOで周囲と一緒に攻め込む機転も見られ、決して球離れも悪くない。サイズに大きく分がある相手DFにつつかれて奪われても、すぐ奪い返しにいく切り替えの速さも見せた。
持ってるモノは確かだと思うが、来季以降もシニアカテゴリでは体格で上回る相手DFに対してどう上手く立ち回るかが試される。ライバルが多いポジションだが、頑張って欲しい。

#11 Andoni Arzak
生年月日:2003.9.4
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):8/9
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:21/8 5G
ポジション:左WG, CFW, 左WB

La Real伝統(?)の左利き左WG。Daniさんの配点からも結果を残してきた選手という事が分かるし、今季Sanseにも帯同して1試合出場している事からもクラブのArzakへの期待の大きさが窺える。
大柄な体躯の持ち主で、競り合いに強い他一瞬の加速に優れ、意表をつけばマーカーをぶち抜ける(加速と当たりの強さで)。本職がウィンガーなだけあり、漂うFalso 9感は否めないが、9番としてもプレー可能。
今季前半戦は兎に角サイドでの1対1に拘って、仕掛け方も大味で抜くか奪われるかと王様タイプのウィンガーという様子に見え、ボールが来ないと呆然としていたり集中力が切れていたりと、良くない印象を受けた。
一方後半戦は一八の勝負一辺倒でなく、密集に仕掛けて引きつけてパスを出したり、チームの攻撃の中での自身の活かし方という部分に取り組んで貢献していた。守備強度も上がり、前半戦とは良い意味で違う姿を見せてくれた。インテリオールの選手らとのレーンの入れ替わりだったり、味方との連携の意識も格段に上がった。

恵まれたフィジカルに技術と打開力を併せ持つスケールの大きい選手で、周囲が期待するのもよく分かる。上のカテゴリーでも違いを生み出せるか。Sanseでどれだけやってくれるか楽しみな選手。

#21 Job Ochien
生年月日:2003.1.17
出身地:Nairobi, Kenya
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):-/-
22-23シーズン評価:7.0
22-23先発/途中出場:4/4 
ポジション:左WG, CFW

近年提携を結んだ、グラン・カナリア島のクラブ、CD MaspalomasからLa Realに移籍したアフリカン。膝の負傷で出場機会は少ない数字に留まったが、potentialの一部は十分見せつけた。身体が柔らかく、ボディフェイント、独特なリズムを織り交ぜる仕掛け、キープは一見の価値あり。相手選手が飛び込めないボールの持ち方をするので、サイドに張った彼のところで時間を作る事ができる。一瞬のスピード、トップスピードや身体のバネ、両足の高い技術はS.マネを彷彿とさせる。
自陣までしっかり戻る守備意識の高さ、味方を使う連携面も加入1年目とは思えない素晴らしいレベルの高さを見せてくれた。

WGとしても9番としても成功する素質があると思っている。エトーやマネのような偉大な選手になって欲しい。La Realにはいないキャラクターという面でも個人的にかなり期待しています。

~まとめ~

自分にはよくある事ですが、文字数が嵩んでしまいました。好きなクラブの選手の事を書こうとすると力が入ってしまいますね。22-23のCチームは、派手さやワクワクするような魅力こそいまいちだったかもしれませんが、La Realらしくチームの為にハードワークできる選手が揃っていて、穴の無いオールマイティーな完成された選手は多くなかったかもしれませんが、連携の中でそれぞれの個性が生かされていて、各々の強みをもってある時は他を助け、またある時には周りに助けられる。そんなチームだったと思います。尖った選手達を観るのも楽しいし、今後どう成長していくんだろう、という続いていく楽しみもあります。
今季どれだけ追えるかはわかりませんが、先ずは昨季同様、Cチームを、昨季からの成長、新顔の台頭も含めて楽しく見ていきたいと思います。

🚲Tour de France 2023 観戦初心者が書くプレビュー(3/3)~出場チーム/選手編~🚲

前編では今大会のコースについて展望を書きましたが、本編では6/29のチームプレゼンテーションでも紹介があった出場選手から、今大会の行方の予想を書いていこうと思います。

先ずは出場チームごとに予想されるレース目標を記していきます。
※恥ずかしながらこの競技をしっかり追っているわけではなく、主要レースのハイライトを観る、というかじる程度の視聴しかできていないので知識が不十分です。自分が見知った範囲でしか書けない旨恐れ入りますがご了承ください。

チーム紹介

ユンボ・ヴィスマ(TJV)

スカッド

チーム目標(予想):
①J.ヴィンゲゴーの個人総合連覇
②W.ファンアールト、C.ラポルトらによるステージ勝利
(?):W.ファンアールトのポイント賞獲得

前回覇者J.ヴィンゲゴーを擁するため1桁ゼッケンの栄誉。
昨年大会はWエース体制で臨んだが、今年はP.ログリッチジロ・デ・イタリアに出場したため、疲労を考慮してかツールは出場回避→今大会はヴィンゲゴーのシングルエース体制。間違いなくヴィンゲゴーが総合連覇を達成する事がチーム第一の目標と思われる。

彼を支える山岳アシストは2010年代前半にC.フルームを支えたR.ポートを彷彿とさせる活躍を見せるエースアシストのS.クス、クスと同等もしくはパンチ力では彼を凌ぐT.ベノート、2020年ジロ3位のベテランW.ケルデルマンといった面々。彼らだけでも十二分に強いが、ユンボには他にも登れる選手が控えている...。
平坦ではD.ファンバーレ、ファンホーイドンク、ラポルト、そして何でもござれのスーパースター W.ファンアールトが支える。ファンバーレは山岳ステージで逃げ切り勝利するぐらい登れるし、ラポルトも、登りにも強いスプリンターでルーラーとしての働きも得意。ファンアールトに至ってはチームのエースなら、個人総合優勝候補に入るんじゃないでしょうか。。

懸念点:
唯一挙げるとすれば、エースアシストのクスがジロを走っており多少の疲労の残りが心配される事。それでも他に登りで引っ張れるアシストが山ほどいるので、致命傷にはならないでしょう。つうかヴィンゲゴーもアシスト無しで強い、という事でとても盤石。ポガチャルの手首の不安とチーム力を思えば、文句なしの優勝候補筆頭

UAEチームエミレーツ(UAD)

スカッド

チーム目標(予想):
ポガチャルの個人総合優勝

エースのT.ポガチャルは今年パリ~ニースというお馴染みのステージレースに加えてロンド・ファンフラーンデレン、アムステルゴールドレースフレッシュ・ワロンヌという主要クラシックを勝っている。凄く怖い。ロンドでもアムステルゴールドレースでも座ったまま物凄い馬力で登っていた。問題はリエージュ・バストーニュ・リエージュで骨折した左手首の状態。6月最終週、つい先日行われたスロベニア選手権ではTTもロードも制したが手首は痛みが残っているとコメントしていた。長丁場のツール、心配である。

他の面々を見て思ったのが、オールラウンダー(総合系)が多い。山岳でポガチャルを支えるのはグランツールで一桁順位に何度も入っているA.イェーツ、今年のボルタ・カタルーニャで優勝したレムコに喰らいつき、3位に入ったM.ソレル、ブエルタ2020総合9位のグロスシャートナーに生粋のクライマー R.マイカといった面子。
平坦アシストはラエンゲン、M.ビョーグ、M.トレンティンの3名か。皆登坂も結構いける面々。トレンティンは逃げに入っての仕事にも期待。
銀河系と言っても差し支えないユンボの陣営を見てしまうとアレだが、かなり強力なメンバーを揃えて来た。個人的にカタルーニャで良い走りをしていたM.ソレルの山岳での働きに期待。

懸念点:
A.イェーツ、あまりエースを堅牢に守るアシスト、という印象が無い。セカンドエースとして柔軟に動く姿は想像できるのだが。ユンボの牙城を崩すにはアシストが連携面も個人の走力という面でも100%のパフォーマンスを出す事が必須。アシストとしてどれだけ粘り強くポガチャルを支えられるか注目したい。

イネオス・グレナディアーズ(IGD)

スカッド

チーム目標(予想):
①E.ベルナル又はD.マルティネスによる総合表彰台
②C.ロドリゲスの総合トップ10入り
③T.ピドコックらによるステージ勝利

エースナンバーはベルナルが背負うが、実質上のエースは恐らくD.マルティネス。展開次第ではベルナルロドリゲスが代わりにエースに繰り上がる可能性もあるか。D.マルティネスは近頃目立ったリザルトが挙げられておらず、目標を総合優勝、とは書けなかった。ベルナルもコンディションが上がっているように見えるが、故障からベストの状態に戻ろうとしている最中であり、どれだけ走れるか不明瞭。
セカンド―スはロドリゲスかも。

彼らを山岳で支えるのはフライレとオールラウンダーのピドコック、クウィアトコフスキー。平坦では若手のベン・ターナーと山も登れるルーラー、カストロビエホが支える。

懸念点:
山岳アシストが少し薄いように思う。ベルナルはコンディションに不安、ピドコックとクウィアトに関しては登坂が専門というわけでは無いと思う。UAEのマイカユンボのクスらを思うと、エースのプロテクトの強度という点で不安。
ベルナルとダニマル、良い意味でのサプライズを期待してます。

グルパマ・エフデジ(GFC)

スカッド

チーム目標(予想):
①D.ゴデュの総合表彰台
②T.ピノの山岳賞、ステージ勝利
③ファンデル・ベルフのスプリント勝利

ゴデュを支えるアシストに登れる選手も平坦路に強い選手もしっかり揃えて来た。
ゴデュ、個人的にフランス人総合系選手の中でも今一番期待感がある選手かもしれない。しっかりとした登坂力と安定感を見せているように思う。昨年大会総合4位。

エースのゴデュを山岳で支えるのはQ.パシェ、T.ピノ、O.ルガック、V.マドゥアス、K.ゲニエッツ。平坦はS.キュング、ファンデン・ベルグか。マドゥアスやキュングはどっちにも書いてしまった。両者ともに北のクラシックでも優勝を争えるぐらい独走力があり、且つ登れる印象がある。

懸念点:
ピノとファンデン・ベルフがどれだけ自分の勝利を目指すかも気になる。展開によってはゴデュはアシストに守られ過ぎずとも表彰台を争える力があるかもしれないので。平坦ステージではキュング辺りの背中からファンデン・ベルフが発射しているかも。

またピノ、キュング、ファンデン・ベルフはジロ組。

EFエドゥケーション・イージーポスト(EFE)

スカッド

チーム目標(予想):
①R.カラパスの総合表彰台
チャベス、M.コルトらによるステージ勝利
③R.ウランやチャベスの総合トップ10入り

此方も強い選手が揃っている。総合上位に入れそうなメンバーが複数。
エースは番号通りカラパスか。彼は好不調の波がある選手だが、好調時の能力は間違いないし、東京五輪の逃げ切り勝利もそうだが、勝利への独特な嗅覚があるように思う。
山ではチャベス、N,パウレス、コルト、ウラン、が支え、平坦担当は登れるルーラー アマドール、ベッティオルがいる。ジェームズ・ショーはステージレースのツアー of スロベニアで上位フィニッシュするほど登れ、アマドールもジロの山岳ステージを勝つほど登れる。
個人的に凄く強そう。チャベスやコルトは逃げも得意。チャベスの総合エースも観たい。弾けるような笑顔が好印象な華のあるクライマー。そして皆を支えるであろうアマドールはアシストとして非常に格が高い。キツいステージでも本当に粘り強い。

懸念点:
特にない。皆の調子次第でかなりの躍進・リザルトを期待できそう。
ただし、ジロ組のコルト、ベッティオル、ウランはジロでの疲れが残っていないか心配。チームとしては強いメンバーをそろえる方を優先したか。
カラパスはアタックを決めるのが得意なので、総合争いで遅れてもステージ勝利や山岳賞争いに期待できる。

スーダル・クイックステップ(SOQ)

スカッド

チーム目標(予想):
ヤコブセンのステージ勝利+マイヨ・ヴェール獲得
②アラフィリップのステージ勝利
③カバニャ、ランパールトらの逃げ切り勝利
④アスグリーン、アラフィリップ辺りが総合順位に拘るか...?

デクレルク、ランパールト、デヴェナインス、アスグリーンら登れて平坦にも強い選手が揃っていて、平坦・丘陵いずれでも勝利を量産できそう。
当代きってのパンチャー・J.アラフィリップのステージ量産に期待。超級山岳もこなす登坂力があるので、展開次第では幅広くステージ勝利を狙っていけると思う。

平坦ステージはピュアスプリンターのヤコブセンもモルコフとのタッグで獲りに行く。

懸念点:
今大会は登りばかりなので、アスグリーンが総合順位を狙うならサポートが薄くなると思う。後は最終日、ヤコブセンは元気にスプリント争いに絡めるだろうか...

バーレーン・ヴィクトリアス(TBV)

スカッド

 

チーム目標(予想):
①M.ランダ、P.ビルバオ、J.ヘイグらの総合表彰台
②モホリッチ、フレッド・ライトのステージ勝利
③P.バウハウスのスプリント勝利

J.メイダーを偲んでエースナンバー#61が欠番。
先に挙げたランダ、ビルバオ、ヘイグとW.プールスの山岳班達が総合順位争いに挑む。
ヘイグがジロ組なので、エースを担うのはランダかビルバオと思われる。

レッド・ライトとモホリッチの両パンチャーはキレのあるアタックが得意。更にスプリンターのバウハウスと彼を支えるアルントを揃え、総合、ステージ勝利、スプリントとどれでも狙っていける布陣。但しエースの総合順位争いの行方によっては、他のメンバーはアシストに忙しくなるかもしれない。

懸念:
総合順位争いには山岳アシストの働きが重要。プールスとジロ上がりのヘイグはどれだけエースを支えられるか。キツい山岳ステージの最終局面まで粘るような力強いパフォーマンスを期待。
そして何より、ランダとビルバオ2人のバスク人ライダーがどれだけ魅せられるか、凄く楽しみです。

ボーラ・ハンスグローエ(BOH)

スカッド

チーム目標(予想):
①J.ヒンドレーの総合優勝
②D.ファンポッペル、J.メーウスによる勝利
③ブッフマン、コンラッドらのステージ勝利

昨年のジロ覇者が今度はツール制覇に挑む。ヴィンゲゴー、ポガチャルらが圧倒的に強いとは言え、ジロを勝った実力は間違いないため総合優勝狙いと書いた。
山で彼を支えるのがブッフマン、コンラッド、ユンゲルス。

スプリンターのメーウス、ファンポッペルにもM.ハラー、ポリッツら有力なサポートがついている。スプリンターを連れてこないチームもある中、総合もスプリントも狙える陣容で挑む。

懸念点:
ユンゲルス、コンラッドがジロ組。2人ともタフな印象があるので、そこまで影響を受けないかもしれない。

リドル・トレック(LTK)

スカッド

①チッコーネ、スケルモースによる山岳ステージ勝利
②ピーダスンのスプリント勝利+マイヨ・ヴェール獲得
③A.キルシュのスプリント勝利

メンバー編成を見ると、チッコーネやスケルモースはあまり山岳でのサポートが受けられないように思う。ただ、ギャロパンやスティーベン、Q.シモンズといったタフな選手が揃っている事から、どちらかというとサポート体制はピーダスンやキルシュの方が受けられて、チッコーネ、スケルモースはある程度個人で戦う事が求められると思います。

懸念点:
クライマー勢の個人総合順位争いはサポートという面では弱いかなと思います。
とは言え、期待の2000年生まれ、スケルモースがツールでどこまで見せてくれるか楽しみです。

AG2Rシトローエンチーム(ACT)

スカッド

チーム目標(予想):
①B.オコナーの総合表彰台争い
②コズヌフロワらのステージ勝利

B.オコナーは2021年大会総合4位の実力者。彼を山で支えるのは前哨戦ツールドスイスで活躍し総合8位に入ったF.ガル、パレパントル、B.クレメントらと実力者揃い。N.ペテルスも2020年の山岳ステージで勝利を挙げるなど登れる選手。
ナーセン、コズヌフロワら平坦基調で支えられるメンバーも強いメンバー。

懸念点:
レパントルのジロの疲れぐらい。これだけ強いメンバーが揃っているので、エースのオコナー次第と思います。頑張れ!

アルペシン・ドゥクーニンク(ADC)

スカッド


チーム目標(予想):
①マチューのステージ勝利+マイヨ・ヴェール
②J.フィリプセンのスプリント勝利
③S.クラーウアナスンのステージ勝利

マイヨ・ヴェールは分からないけど、上の2つが上位目標なのは間違いないと思います。クラウアナスンやQ.ヘルマンスは山岳にも強く、自身の勝利も狙えれば、マチューの登りアシストもこなすはず。
J.リッカート、R.シンケルダムといったフィリプセンを支えるメンバーも盤石。

懸念点:
マチューがポイント賞を狙うならアシストが忙しくなりそうだなぁというぐらいです。山の上に中間スプリントポイントが設定されてたりするから...

アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ(ICW)

スカッド

チーム目標(予想):
①ギルマイ、ルイ・コスタらのステージ勝利
②L.メインチェスの個人総合トップ10入り

これまで区間優勝は多くてもステージレースで総合上位にまでは喰いこんでいないギルマイがエースナンバーである事を思うと、今大会のチーム目標は総合でなくステージなのかなと思う。
メンバーとしてはカルメジャーヌ、ジマーマン、ルイコスタ、メインチェス等登りに強い選手が揃っていて、ギルマイのサポートにも自信の勝利も目指せる面々。テウニッセンら他のメンバーで「その日のエース」を支えていく構えか。

懸念点:
インチェスの総合狙いも視野に入れるのは展開次第なのかなと思う。強力なアタッカーが揃っているので、ステージ勝利が優先かなと思う。

コフィディス(COF)

スカッド

チーム目標(予想):
①G.マルタンの個人総合順位争い
②B.コカールのスプリント勝利
③S.ゲシュケのステージ勝利

G.マルタンは走る事でインスピレーションを得て執筆に活かす哲学者の一面もあるらしい。そんなマルタンを山岳で支えるのはヨン様ことI.イサギレやV.ラフェ、ゲシュケ。A.ジングルもタフさが売りで、山でも平坦でもチームを支えてくれそう。
コカールは自分が観た限りでは、この頃はリードアウトが無くても爆発的な加速力でスプリントでかなりの存在感を放っている。丘陵ステージでもポイントを稼ぎ、マイヨ・ヴェール争いに喰い込むことも期待してます。

懸念点:
コカールのアシストという所を観ると自分の知識ではリードアウトを担う方々の実力が未知数。コカールの応援ついでに個人的に注目しようと思います。

モビスター(MOV)

スカッド

チーム目標(予想):

①E.マスの総合表彰台
②A.アランブル、G.イサギレらによるステージ勝利

R.ゲレイロ、ペドレロ、G.イサギレ、M.ヨルゲンソン、N.オリベイラと山に強い選手を沢山並べて来た。山岳アシストの厚みでマスの躍進を狙う。マスには個人総合2位になった昨年ブエルタで見せたような力強い登りを今ツールでも期待。

懸念点:
登りはアシストが沢山いるけど平坦は大丈夫だろうか。ライバルチームが逃げに選手を送り込んだりして、集団を牽かなければいけなくなった時に大丈夫かな、という不安がよぎる。

チームDSM・フィルメニッヒ(DSM

スカッド

チーム目標(予想):
①R.バルデの個人総合順位争い
②J.デゲンコルブらのステージ勝利

フランス人エース、R.バルデを取り巻くアシストが超強力とは思えない。M.ディナムやK.ヴェルマークらは登れるとはいえ、バルデが山岳で連日アシストに守られている姿、というのはあまり想像できない。デゲンコルブも日によっては、バルデの牽引に回るかもしれない。
デゲンコルブに加えてS.ヴェルスフォードもスプリントを期待される選手。

懸念点:
同上

イスラエル・プレミアテック(IPT)

スカッド

チーム目標(予想):
①M.ウッズの個人総合順位争い
②D.トゥーンス、S.クラーク、C.ストロングらのステージ勝利争い

大ベテランウッズがエースナンバー。カナダ人選手が3人入っている事から、このチームにおけるウッズは大きな存在なのかも。トゥーンス、H.ウル、S.クラークらがウッズを山岳で支える。
また、C.ストロングはパンチャー兼スプリンターのような脚質。丘陵ステージ辺りで勝負に絡んでくるか。

懸念点:
山岳アシストが超強力とは見えないので、ウッズ本人の力量次第と思う。持ち前の粘り強さで上位に喰い込んで欲しい。

チームジェイコ・アルーラ(JAY)

スカッド

チーム目標(予想):
①フルーネヴェーヘンのスプリント勝利
②S.イェーツの個人総合順位争い、ステージ勝利
③上2名以外のステージ勝利

C.ハーパー、L.クラドック、C.ユールイェンセンらが山でイェーツを支える。
フルーネヴェーヘンを支えるのはE.ラインダルス、L.ダルブリッジといった面々か。

懸念点:
個人総合を争うには山岳アシストが薄いか。フルーネヴェーヘンのスプリントに期待しつつ、他のメンバーもアタックを掛けたり逃げに乗ってステージ勝利を狙うというか前になるか。

チームアルケア・サムシック(ARK)

スカッド

チーム目標(予想):
①W.バルギルの山岳ステージ勝利、山岳賞
②L.モッツァートのスプリント勝利

チーム編成を見ても、W.バルギルは総合争いというより、アタックや逃げに入ってのステージ勝利を目標にしているように思う。それでも将来の総合エースと目される若手・シャンプッサンの走りやモッツァートのスプリント、ベテラン L.ピチョンのタフな走りに注目したい。

懸念点:
特になし。シャンプッサンの大化けに期待してます。

ロット・ディストゥニー(LTD)

スカッド

チーム目標(予想):
①C.ユワンのスプリント勝利
②カンペナールツらのステージ勝利

C.ユワンは登りもこなせるスプリンターなので、丘陵・平坦のいずれからも勝利を狙える。欧州タイムトライアル覇者にもなったカンペナールツというビッグネームの他にもツールドスイス山岳賞になったP.エインコールン、ファンヒルス、北のクラシックで存在感を見せるF.ヴェルメールシュら若手の走りに注目。

懸念点:
矢張りユワンのアシスト。タフな選手は多そうだが、アルペシンやクイックステップに対抗できるか。ただ、丘陵もいけるというのはヤコブセンやフィリプセンに優る、ユワンの大きな強み。

アスタナ・カザフスタン(AST)

スカッド

チーム目標(予想):
カヴェンディッシュのスプリント勝利
②モスコン、ルツェンコ、LLサンチェスらのステージ勝利

何といってもカヴェンディッシュのスプリント勝利かと。C.ボルに加え、モスコンの牽引力にも注目。更にステージ勝利を狙えそうな選手が何人もいる。LL、ルツェンコ、U23世界選手権(ロード)を制した期待の若手フェドロフ、モスコンに過去に総合エース経験も有るデラクルス...と強力な面々。ツールを大いに盛り上げてくれる事を期待。

懸念点:
カヴェンディッシュがパリに辿り着けるかどうか(笑)

UNO-Xプロサイクリングチーム(UXT)

スカッド

チーム目標(予想):
①A.クリストフのスプリント勝利
②T.ヨハンネセン、T.トレーエンの個人総合トップ10入り

とてもノルウェー色が強い。A.クリストフを2022年ノルウェー王者(ロード)のR.ティレル、S.ワレンスコールらが支える。登れる選手が結構多い構成で、ヨハンネセン、T.トレーエンの他、J.グレゴーもアップダウンに強い。
ワイルドカードのチームだが、かなり戦力は整っている。山岳でも平坦でも目立つ活躍を期待したい。

懸念点:
なし。ただし個人総合順位を狙うなら、平坦エースの登れるスプリンター・クリストフ含め総力戦になりそう。

トタルエネルジー(TEN)

スカッド

チーム目標:
サガンのスプリント勝利+マイヨ・ヴェール
②ボアッソンハーゲン、P.ラトゥールらのステージ勝利

今年限りでの引退を発表した「怪童」サガン。チームプレゼンテーションであの元気な声が聞けて嬉しかった。相棒D.オスとともに勝利を勝ち取る姿が観たい!
ついでに言えば、ポイント賞を争う姿も観たい。かつてはまたサガンか...とか思ってごめんなさい(笑)

パンチャーのボアッソンハーゲン、クライマーのラトゥールに、フランス出身の若手選手フェロンやトゥルギスが脇を固める。

懸念点:
サガンのコンディションが気になるところ。とはいえ他のメンバーにも勝利を期待したい。

まとめ

ヴィンゲゴーとポガチャルの争い以外にも楽しみな点が沢山ありまっせ!という思いを伝えたくて書きました。色々な選手がツールという言わばお祭りを盛り上げて欲しいです🔥

知識不足もあり、仕上げるのにかなり手こずりました。
またいずれ、サイクルロードレースでブログを書きたいと思います!