La Liga 第34節 ウエスカ対ソシエダ

間が空いてしまいました。余裕がある時だけ更新していこうと思います。

ウエスカアラゴン州ウエスカ県都に本拠地を置くチーム。

 

両チームの先発メンバーは以下の通り。

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故障者:A.ムニョス、スベルディア、イジャラメンディ、メリーノ、C.フェルナンデス、サンガリ

 

毎回ソシエダの実質トップ下、右インテリオールの人選は注目しているが、オヤルサバル。個人的にはエイバル戦の右SHが良かったので、また右で観たい。悪いがこの位置で彼があまり活躍した試合を見たことがない。

 

ウエスカ守備>

1stラインはラファミルを頂点、サンドロ、フェレイロがその降りた脇の2シャドー的位置でプレスを行う。その背後にセオアネ、リコが構える3-4-2-1形。

2シャドー位置の両名は対面のソシエダ2CBに入ったらボールにアプローチ。両WBはソシエダSBをチェックし、M.リコはアンカー位置のゲバラにアプローチ。引いて受けようとするソシエダ両SH及びオヤルサバルには、HVまたはアンカーのセオアネがチェック。

ソシエダがGK含め最後尾で回す際には、CBに2トップ、スビメンディにインテリオールがついていた。

 

ウエスカ攻撃>

ウエスカは基本速攻がメインで、ソシエダSBがWBを捕まえに出ていく背後に強パスを蹴ってくる。このボールの受け手として、2トップのみならず、左右のインテリオールがWBと交代でどんどんサイドに飛び出してくる。この時、イタリアのFIGC風に言うと、アンカーのセオアネとDFライン3枚は組み立てを主に担う「コンストラクター」だけど、インテリオール2枚は「インベーダー」としてソシエダ中盤ラインより後ろのスペースを突く動きをしてくる。

オートマティズムに富み、インテリオールがハーフスペースに張り出す際は2トップが大外に流れる。

サイド攻撃が主流で、外からクロスを放る時、2トップに加えインテリオールがボックス内に入って枚数を確保していた。

ソシエダ守備>

イサクが守備の先鋒、中央を担当し、HVの選手に出るとポルトゥ、ヤヌザイがチェック。逆サイドのSHは2ndラインで待機。オヤルサバルはセオアネらボランチ位置の相手をチェック。

低めの位置にWBを留まらせて、そこにソシエダSBに付くことで空いた背後のスペースから打開される場面が何度もあった。最終ラインの距離感の遠さが一因に見える。もっとスライドしてボールサイドに詰めてもよくねえか?過疎。

マンツー気味につくから仕方ない部分もあるが、味方同士の距離感が遠くてスルーで打開される場面があった。

また、ファイナルサードまで攻め込まれるとイサクだけ残してドン引き。そのイサクでさえ、ウエスカのバイタルぐらいにいるため、ボールを奪った後彼に渡しても、彼の前には3人以上のDFが立ちはだかり速攻成立しない場面が。

ソシエダ攻撃>

(前半)

ビルド時、基本スビメンディは2CBの間に降りる。ゲバラがアンカーの位置に代わりに入り、3+1枚を確保。

前半最後はあまりにも繋がらないからか、ゲバラをアンカーの位置、その前にスビ、オヤルを並べる4-3-3の配置に変化。

ヤヌザイが左や中央に流れてボールを引き出していた。一方ポルトゥは左にこだわらずイサクとともに敵最終ライン近く、FWの位置でプレー。ショートパスで繋いでいくより、前線めがけて蹴る場面が多かった。

ビルドアップの後は、

・右大外に張るヤヌザイにいい形でボールを入れること→スルーパス が多かった。

(後半)

中盤の選手を中心に動きが増え、敵を外してボールを受けられるようになり、1タッチ、2タッチで捌き、パス回しにリズムが生まれた。前半は前線に張る選手に強いパスを蹴る場面が多かったが、後半はより短いパスで繋ぎにいく場面が多かった。

アンカーのスビメンディがDFラインに降りる場面が少なくなった。2CBがラファミルの脇から持ち上がり、敵中盤ラインを釣ってからパスを出すことで、ある程度中盤より前がプレーしやすくなっていた。

前線も自分のポジションにこだわらず、両SHはスペースを突く動きを心がけていた。バレネチェアはモンレアルが高い位置を取る分、ハーフレーンでボールを受け、攻撃を仕掛ける場面があった。

前半は出さなかったような状況でCBからアンカーに出たり、前にロングボールを蹴っていた場面で周囲の自由な選手に渡していた。

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’85のビルドアップ。ボールを出す選手が周りと連携して中盤ラインを引きつけ、ライン間にフリーで飛び出したシルバに通した場面。こういう場面が常に見たいものだけど、アルグアシル監督もカウンターからの失点のリスクとか、選手のコンディションとかいろいろ考えておられるのだろう。。

 

<交代、得点>

’57 バレネチェアIN、ヤヌザイOUT

左SHに入り、ポルトゥが右SHへ。

’64 サルドゥアIN、ゴロサベルOUT

   シルバIN、オヤルサバルOUT

’67 セルヒオ・ゴメスIN、D.フェレイロOUT

’75 モスケラIN、リコOUT

        P. ロペスIN、マフェオOUT

’80 バウティスタIN、イサクOUT

’87 サンドロのシュート性のFKからウエスカ得点。エルストンドが頭に当てるもクリアに至らず、レミロ反応できず。

90’ G.シルバIN、シオバスOUT

  ドゥンビアIN、サンドロOUT

アディショナルタイム3分)

 

<感想>

・前半にロングボール主体、後半にショートパスを交えた攻撃を展開するのは今節に限ったことではない。一番の要因はとられてショートカウンター→被弾を回避することにあると思う。エルストンドのインタビュー記事を読むと、セーフティな戦い方にも理解を示すコメントがあり、不満を持っているわけではない旨意思表示している。

・今のソシエダに接戦をモノにするだけの勝負強さは感じられないが、ディフェンスラインからボールを繋ぎ、バイタルエリアより前では2列目の選手が予測の難しい連携を見せた後半の戦いは、得点を量産していた序盤の戦いの片鱗を見ることができた。

・サルドゥアが復帰した。自分はオヤルサバルよりもゴロのパフォーマンスの低調さが気になる。シーズン序盤は、代表に呼ばれてもおかしくないんじゃないかと思うぐらい、人に強く、また力強い攻撃参加でチームを盛り上げていた。攻守のポジショニングや91分のクロスの精度とか、サルドゥアのプレーの質の高さを感じた。

・中盤より前もそうだが、CBも前半とは全然ビルドアップ時の動きが違った。後半度々見られたエルストンドの持ち上がり、前半はほとんどなかった。

・前半、攻め込まれたが、SB裏のスペースはもっとうまく守って欲しい。失点してもおかしくない場面がいくつかあった。