2020-2021バスク州杯決勝 レアル・ソシエダ対CAオサスナ(2021/8/7)

この日、午前中にエイバルと戦い、午後にオサスナと戦うというダブルヘッダーの2戦目。この試合はEuskal Herria Txapela(EHT、バスク州杯)の決勝戦

どんな大会なんだろう。レギュレーションを調べてみると多分以下の通り。

ラ・リーガ1部のレギュラーシーズンで、バスク州3県+ナバーラのクラブの直接対決上位2クラブで試合を行う。会場は中立地とする、とのこと。ええやん!つまりはシーズン中のバスクダービーバスク州杯のタイトルを賭けた争いでもあるということですね、バスク1を賭けた戦い、アツい。

Real!コールが聞こえるなど、結構お客さんが入っている。

このレアル・ユニオンのホームスタジアム、Stadium Gal(ギプスコア県イルン)での一戦。

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 スターティングイレブン

両者開幕前だけど結構ガチメンと見える。流石タイトルを争う一戦。

オサスナ交代                         

’62 

#30バルベロOUT、#18キケ・ガルシアIN

オサスナはこの交代で4-4-2の形に変わる。

中盤ラインは右からK.バルハ、トロ、オイエル、ダルコ。2トップの左にキケガルが入る。

’77 

#17 ブディミルOUT、#21 I.ペレスIN

#11 K.バルハOUT、#10 R.トーレスIN

#5 D.ガルシアOUT、#15 ラマ―リョIN

#6 オイエルOUT、#12 ジャウメIN 

また4-5-1に戻したかな。トップはキケガル、中盤ラインは右からR.トーレス、ダルコ、トロ、奥2人が背番号が見えないが、左IHにジャウメ、WGにI.ペレスかな。

’81

#24 トロOUT、#29 アイマールIN

トロが抜けて、アンカーの位置に入っていたのはジャウメ選手。アイマール選手は右IHに入っている。ダルコがジャウメがいた左IHに入った感じかなあ。

ソシエダ交代                         

’73 

#23W.ジョゼOUT、#42 ガリードIN

#17メルケランスOUT、#44 ジュアフラIN

3トップが右からジュアフラ、バウティスタ、バレネの並びに。IHの並びは右にガリード、左にナバーロ。

’83

#29 ナバーロOUT、#28 R.ロペスIN

#25 バウティスタOUT、#35 ロベテIN

 ロベテがバウティに代わりそのままCFW。思い切りの良さと積極性、推進力を見せる。惜しいシュートも放ったし、いくつかチャンスに絡んだ。決まったら最高だったが。

<セットプレー>

オサスナ

左CK:R.ガルシア(アウトスイング)

右CK:K.バルハ

短いFK:R.ガルシア(左足)、K.バルハ、トロ(右足)

R.ガルシアの左足、精度が高い。2点目演出のアーリークロスは見事の一言。大きな展開でソシエダ守備を振ったところに2タッチであの精度、悪魔。

ソシエダ

左CK:あったっけw

右CK:メルケランス(交代後:ガリード

短いFK:メルケランス(交代後:ジュアフラ)

メルケランスのCKの期待感は異常。手前の敵を超えて中まで届く見事な弾道。41分にゴールにかなり近い位置のFKを得たが、これはバーを超えてしまった。ボールが落ちなかった。丁度彼のファーまで届くCKのようだ、、次は落として欲しい。

ガリードは速いボールを蹴っていた。小柄な身体からあんな鋭いボールを入れるんだなあ。

 

攻撃                                                                                               

オサスナはお馴染み?の1-5-4ブロック。中盤ラインの5枚がディアゴナーレで連動しながらがーっと前に寄せて来るんだよなあ、恐ろしい。オサスナが中を締めるので、ソシエダのボール出しは大体以下の2通り。

・CB→SB→外に張ったIH又はWGと素早く繋ぎ、コンビネーションでプレスをかいくぐる。

・GKまで下げ、2CBのアリツ・ルノルーもレミーロと横並びまで位置を下げてオサスナの1+4のプレッシングラインを釣り出し、ロングボール→落としで2ライン間を使う。

ソシエダはグラウンダーで中から繋いでいく方が攻撃のバリエーションが増え、連携も良くなるので次点としての形。オサスナの組織的なプレスを前にしては致し方ないかも。

中で奪われてカウンターを恐れてか、基本外回り。または揺さぶってトゥリエンテスを自由にし、彼を使うパターン。ロングキックも上手い。工夫なしにCB→アンカーはまず出せない。

両インテリオールがもう少しSBやアンカーを補佐できればなあとは思ったが、彼らのところはマークがきついので難しい注文ではある。ワンタッチではたこうにも、オサスナにパスコースを切られていたり他の味方の方に向かせてもらえない場面が多かった。

 

守備                                                                                                      

ソシエダはナバーロ又はメルケランスが前に出る4-4-2ブロック。SBにボールが渡ると、SBには対面のWGが、近くのCB,アンカーにはそれぞれCFW,IHが寄せにいき、はめにいく。オサスナは奪ったら前、前の速攻スタイル。怖いなあ。当たりの強さではオサスナの選手に分があると思う。ブディミルがサイドに流れ、周りの選手が裏に抜ける。オサスナは結構後ろからロングボールを蹴ってくるので、深い位置であってもボールには寄せに行かなければいけない。

守備時、ソシエダは間で前を向かれると1stディフェンダーが誰だか曖昧で、ボールへの寄せも甘い。これにより前進されたり、良いパスを入れられたりしてピンチを招く。チャレンジ、カバーをさっさと決めて、どんどん制限を掛けて欲しい。

 

得点                          

'31 ⚽OSA 1-0 RSO ブディミル(アシスト:トロ(多分...))

右寄りの位置からのFKから失点。速いグラウンダー性のボールをストーンの選手が触れず、流れたボールを何故か両CBのルノルーとアリツ、GKのレミーロが全員お見合いして見送り、ブディミルが流し込む。喝です。普通にクソ失点。

(HT)1-0で折り返す。

’53 OSA 1-1 RSO⚽ W.ジョゼ

右大外で開いて受けたバレネがR.ガルシアを躱し斜めにエリア侵入。躱してすぐ、二の矢が寄せて来る前に強いグラウンダーのシュート、ニアに飛んだシュートをエレ―ラが足で弾いたところにW.ジョゼが詰める。

一人抜いた後思い切って撃ったのが良かった。バレネのシュートのパンチ力は、昨季13節エイバル戦の、ドミトロビッチの上を抜いた超速ボレーが証明済み。

 

’64 ⚽OSA 2-1 RSO ブディミル(アシスト:R.ガルシア)

オサスナは右サイド深くからD.ガルシアを経由して左サイドのR.ガルシアに素早くサイドチェンジ。R.ガルシアはフリーでアーリークロス。エリア内は2対2。ソシエダは2CBのアリツとルノルー。オサスナはブディミルとキケガル。アリツの裏でブディミルが強烈に叩き込む。

この場面アリツはルノルーに任せたと見えるぐらいはっきり追っていなかった。ルノルーも追わずフリーで叩き込まれてしまう。クロスは素晴らしかったが、どちらかに対応して欲しかった。

’77 ⚽OSA 3-1 RSOジャウメ(アシスト:K.ガルシア)

GKからの流れ、K.ガルシアの丁寧な落としを受けたジャウメがそのままエリア内まで運び、左足一閃。

アリツが不用意に突っ込んでしまい、たやすく抜かれてしまった。シュートはポストを叩いて入ったのでレミーロはノーチャンス。確かにアリツは待ち受けるタイプでも無いが、ここは簡単に前を空けないように対応して欲しかった。

 

感想                          

オサスナ、シーズン開幕前にこの仕上がりは流石。インテンシティと球際の強さ、羨ましい。球際で勝てないので、こちらの攻撃がぎこちなくなる。オサスナの組織的プレスを往なしきれるほどの完成度はこの試合のソシエダには無かった。何でこんなにボールへの反応が速いんですか? タイトルおめでとう!

・キケガルのプレッシングすごい。流石元エイバルFW。

・トロのミドルがかなり怖かった。

ガリード、プレーがシルバに近いのは彼かもしれない。動きながらでもうまく捌けるので、2列目の位置でボールを引き出せる。

・エルストンドの反応の速さ、カバーリングは流石。大好きです。ただ、この試合は攻めの時の位置取りの低さが気になった。あまりリスクを取らなかったということかもしれないが、いつもの彼なら高い位置で捌きながら、スキルと駆け引きで相手の1stラインと中盤ラインにプレッシャーをかけていてもおかしくないと思う。

・バウティスタの、サイドでの対面のマーカーとの駆け引きが不十分に感じる。読まれて簡単に弾かれ、攻撃が終わる。工夫を加えてもう少し立ち回りが良くなれば、当てられるにしても相手ボールにならずコーナーにしたり、味方が良い位置で弾けたボールを拾う、という場面が増えると思う。そうなって欲しい。

・W.ジョゼのポストワーク、流石です。守備、特に即時奪回のプレスでかなり貢献してくれていた。頼れるベテラン。

・細かいけどナバーロの通らない裏へのチップキック、それ要らねえぞって場面が多い。

・ナバーロのイーブンな状況のボール回収が光る場面が多かった。ボールタッチが柔らかく、ワンタッチ目からボールを手懐けるので、密集でも敵が奪いづらそうにしていた。ロングボールもピタっと止める。流石マシア育ち。