2021-2022 LaLiga 第4節 カディスCF対レアル・ソシエダ

カディスの本拠地、Nuevo Mirandillaでの一戦。気温は27℃。そんなに暑くないですね。昨季まではRamón de Carranzaと呼ばれていたとか。新名称は、どうやらクラブの歴史にスポットを当てたネーミングらしい。

カディスの前身のクラブ名は「ミランディージャFC」(1936年にカディスCFに改称)で、当時のスタジアムもEl Campo del Mirandillaの名を冠し、1933-1955年の間、使用されていたらしい。

晩年にはピッチの状態も悪くなり、老朽化も進んでいたと。1947年の兵器工場の爆発で壊滅的被害を負ったのが致命的だったとか。1954年着工の新スタジアムに後を託す。ただ、稼働最終年の1954-1955にクラブが2部昇格を果たし、喜びとともにその歴史に幕を下ろしたらしい。ほぅ...。(以下リンク参照)

Estadio Mirandilla de Cádiz - El fútbol y más allá

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スターティングイレブン

ゲバラ、先発復帰おめ!前節からの変更は2枚。バレネに代わりポルトゥが入っている。

カディス、あまり知らない。まずファリCHやるんだなあ。#21ソブリーノはマドリーカンテラ育ちらしい。その後シティに移籍してレンタル生活を過ごし、バレンシアへの完全移籍を経験して今に至るらしい。流浪。知ってる名前では#7サルビは切れ味鋭いウィンガーっで好き。DFラインのマウロ、カラ、エスピノ辺りは昨季の対戦でも見た覚えがある。

 

◎交代等     

カディス

’45 ポジション入れ替え(ソブリーノ⇔A.フェルナンデス)

動きの良いアレックス・フェルナンデスが前線に移る。素人目にはよりダイナミックに動くアレックスの方が、ネグレドとは良い相性に移った。ネグレド、周り使うのうまいしね。ソブリーノが左SHに。

’58

①#18A.ネグレドOUT、#11A.ヒメネスIN

②#8A.フェルナンデスOUT、#12T.アラルコンIN

③#2Y.ヨンソンOUT、#29M.オスマジッチIN

オスマジッチがトップの位置に入り、ソブリーノがセカンドトップの位置に戻る。A.ヒメネスは右SHに入り、サルビが左SHへ。T.アラルコンは交代したヨンソンと入れ替わりで右CHに。

’85

④#20イサOUT、#28M.カルデロンIN

ラレアル2点目('83 PK)の直後の交代。10人になったカディスは守備は4-3-2のような形。

 

・ラレアル

’72

①イサクOUT、セルロートIN

ポルトOUTヤヌザイIN

同位置同士の交代。

③シルバOUT、スビメンディIN

シルバ下げないの?と思ってたらスビメンディと変わった。ゲバラは1列上がり、左IHに、メリーノが右IHに移る。

’89

④オヤルサバルOUT、ロベテIN

⑤ゴロサベルOUT、サルドゥアIN

同じポジション同士の交代。オヤル乙、ブーイングは活躍の証。パチェコを使ってやってくれw左SBの本職アイエン1枚なんだしさ。ロベテは出場おめ!

 

攻撃     

カディスは基本フォーメーションのまま4-4-2の守備。2トップはCBにタイトに来ず、アンカーのゲバラを警戒する位置。CBは自由に持つ。ラレアルは4-3-3の形のまま4-4-2に向き合う時もあれば、ゲバラが落ちて後ろ3枚で回す時もある。後ろ3枚の時はメリーノが底にスライドして、中盤▽の3-5-2形になる時が多い。ポルトゥが前に出てイサクと並び、オヤルが中に入ってシルバと並ぶ。メリーノが高い位置を取るアイエンに代わり、SBのような位置に落ちることもある。彼はタイミング良くスペースを使うことに長けている

ラレアルは、名手シルバが出てるので右からの攻撃が多くなる。シルバとゲバラが近い位置で絡み、敵中盤ラインを崩して前線に通そうとする。いつも引いて受けたシルバが孤立する場面がよくあるが、この試合はゲバラがいい位置でシルバをサポートしていた。

アイエンが高い位置をとってオヤルは中に入るが、相手の枚数の多い中央の位置でも消えずに良く動いてボールを引き出し、チャンスを演出していた。

欲を言えば、特にU-21を観た後なので言うが、ラレアルのWGは前線に張ることが多いけど、前めで受けるSBやインテリオールにボールが入った時、もっとトライアングルを意識して欲しいと思わされる場面が度々。三角形ならもっと崩せる場面もあるんじゃないか。WGが裏を取るのも大事だけど。

カディスは中盤ラインより侵入されるとネグレド1枚を残して引くが、前向きにボールを奪うと、両翼のサルビ、A.フェルナンデスやソブリーノがガンガン走ってカウンターを成立させる。4人いれば立派なカウンター。

 

(HT)

後半、両WGのオヤル、ポルトゥは最前線中央寄りに詰めており、イサクと3人で位置を入れ替えながらゴールに迫った。幅取りを高い位置をとるSBに任せ、中央に詰める形。後ろにはゲバラが残る。

そんなラレアル両WGを警戒してか、カディスは後半かなり引いており、中盤ラインが下がり、DFラインとの間をかなり狭くしていた。シルバも前半ほど受けに下がってこず、よりゴールに近いところに位置。ここまで侵入されてしまうのならボールへプレッシャー掛けた方が良いんじゃないか?とも思うけど、カディスは流石守りのチーム。引っ張り出される選手もいないし、守り方をチーム全体で共有している。

ソシエダ先制以降は重心を下げ、カディスもSHのDFラインへのプレス参加を復活させ、ソシエダがボールより前に送り込む人数を減らすことで、カディスが攻める時間帯が増える。

 

守備     

カディスはあまり繋がず、前線の選手に蹴ってくることが多い。ラレアルがはっきり4-4-2形になる前に蹴られていることが多かったw

また、ボールにアタックに来るラレアルに対し、サイドチェンジを多用していた。カディスの選手はあまりバイタルエリアにいないのもあってか、ゲバラが最終ラインに降りることで、DFラインはスライドしてもあまりスペースを空けずに対応できていた。

カディスCH2枚はあまり上がってこないので、ガチで汗かき役だなあと思う。大体2トップの背後のトップ下が使うようなスペースには、誰もいない。後ろを5枚で守れていたのも守備の安定のためには大きかった。

2トップは引いて2ライン間で受けるというよりは最前線でロングボールを引き出すことが多いし、SHもサイドに張っていて、バイタル中央は「空けといて誰かが使う」というわけでもなく、ただただ空いていた。

(後半)

カディスはSBの上がりが増えたかもしれない。ハーフレーンにも人を置けるため、攻撃のバリエーションが増す。

 

◎得点     

’71 オヤルサバル③(アシスト:A.エルストンド)

いきなり来た。少し最前線から手前へ退く動きを見せたイサクと逆ベクトルでオヤルサバルが裏へ飛び出す。外から内へ、斜めにカディス右CBー右SBの間を抜け出すと、アリツの裏へのロングボールがかっちり合い、ゴール前でヘッド。

右CBマウロは自分の斜め後方へ超えていくボールに対し追えず、右SBイサはボールが出た段階でオヤルに前に出られており間に合わず、落下点で十分に競ることができなかった。

アリツの、バックスピンで射程を延ばした、弾道の低いロブパスが良かった。DFが対応し辛そうな良いボール。オヤルもこの試合何度も裏へ抜けており、欲しいタイミングで先制点をもたらした。攻めていた時間帯で点が取れるのはありがたい。

 

’83 オヤルサバル④(PK)

カディスGKレデスマの前線へのロングボールをルノルーがヘッドで跳ね返す。真ん前に反射し、ワンバンしてセルロートに、反転してマウロと入れ替わり、意外な速さを見せエリアに。PAに入る入らないぐらいのとこでカバーとして寄せに来たカラを認識したセルロートは減速し、被タックルの直前で切り返した後倒されることでPK獲得。

賢いプレーを見せ、PKを得てくれた。シュートのタイミングに間に合いそうなカラを視界に捉えた時、無理に撃ちに行くのではなく、カラとの駆け引きを選んだように見えた。カラはこのファウルで、イエロー2枚目で退場。

オヤルはキック直前のホップでレデスマを倒し、逆を突いた。

 

~感想~

ゲバラ良かった!守備もDFラインを助け、後ろを安定させていたし、攻撃ではフェイクを交えながら単調じゃない配給で攻撃にアクセントを加えた。彼のフェイクは、見えてるからこそのフェイクで、敵の寄せてないところに切り返すので攻撃を停滞させない。寧ろ一つ相手を外すことで気勢を削ぐ。

あと、ダイレクトの捌きが効果的だった。周りは一個早く貰えることで受けるプレッシャーが低減。

・アイエンのクロス、イサクまで届いてほしいなあ、大体手前でカットされてしまうw

・後半、オヤルとポルトゥを中央最前線に寄せて、攻撃的になっていた時間帯がひっくり返されない内に点を取れて良かった。オヤルとアリツ、ありがとう。

・ロベテ出場おめ!出場時間こそ多くなかったけど、結構ボールに触れ、ブロックされたけどシュートも放った。カディスが10人になっていたからというのもある。

カディスはチームのスタイルとはいえ、もう少しボールへのプレッシャーをかけた方が上手く守れるんじゃないかと思った。ラレアルは前3枚の助けなしにDFラインとインテリオールまでの選手達でバイタル手前まで攻め込めるので、3トップはよりゴール付近での仕事に集中できていた。エスピノやCHをもっと攻撃参加させても良いのかなあと思う部分はあった。終盤のエスピノの迫力ある上がりは脅威だった。