Anoetaで年内リーグ最終戦!低迷中と言えど、是非勝ってGipzukoaの人々を笑顔にして欲しい。それを後押しするかのようにシルバとメリーノが先発復帰。コンディションの良し悪しは不明瞭だが、2人のクラックはチームの救世主となれるか。
◇先発紹介
シルバが復帰したことでオヤルサバルが久しぶりに本職の左WGに。負傷離脱前、8戦6Gを記録してLaLiga序盤戦の主役を張った彼の本領発揮に期待。また、前節はアンカーに入ったスベルディアがエルストンドの欠場に伴い右CBに。スビメンディが本職のアンカーに戻る。
GKは前節不調のレミーロに代わり、ライアン。前半早々のミスは、好調ベティスに対しかなりの痛手だった。
ビジャレアルはディアとモレノの2枚を最前線に並べる4-4-2。モイゴメス、トリゲロスらの主力級を抑えて右SHはA.モレノが先発。エメリはSBぽい選手を縦に並べるの好きだよな。堅えよ。
◇交代、構築変更
*ラレアル*
’49 オヤルサバルOUT(一発レッド)
ネガトラ対応、ドリブルで素早く運ぶピノに対し、後追い中スパイクの裏を見せる極めて危険なスライディング。ピノの右足の脛にスパイクの裏が本当たりし、議論の余地無しの一発退場。10人での戦いを余儀なくされる。
オヤルサバル本人は試合後、自らの過ちを認めるコメントを出している。
’51
①シルバOUT、バレネチェアIN
バレネはオヤルサバルのいた左サイドに入り、ポルトゥはヤヌのいた右サイドに。1人減ったピッチをカバーするべく、運動量を担保する意味も含んだ交代。
メリーノとスビがWピボーテ、守備も攻撃も4-4-1を基調として行った。
'64
③メリーノOUT、エルストンドIN
何か消極的な交代。トゥリエンテスとかグリディ出せば良いのに。と一瞬思ったけどスベルディアが一列上がって4-4-1を継続。
’82
④アイエンOUT、リコIN
⑤スベルディアOUT、ソルロスIN
左SBの入れ替えとFW投入。4-3-2と言うべきか、ボールサイドのSBは高い位置を取るので3-4-2ともいえる。兎に角攻撃の枚数を増やした。
*ビジャレアル*
’60
①#21Y.ピノOUT、#11チュクウェゼIN
②#12エストゥピニャンOUT、#24A.ペドラサIN
右SH同士、左SB同士の交代。
’82
③#16ディアOUT、モイゴメスIN
④#18A.モレノOUT、#14トリゲロスIN
ジェラールがトップ、トリゲロスがトップ下、モイゴメスが左SHに入り、4-2-3-1に変形したように見える。
◇プレースキック
*ラレアル*
右CK:ポルトゥ
左CK:オヤルサバル、アイエン、リコ
SFK:ヤヌザイ
ポルトゥやアイエンはクロス上手くないし、あんま蹴らないで欲しいまであるなww
*ビジャレアル*
右CK:A.モレノ
左CK:パレホ
SFK:A.モレノ、パレホ
モレノのセンタリングの上手さをうちのサイドプレイヤーにも分けてくれませんか?
◇攻撃
ビジャレアルのハイプレスに苦しみ、後ろから繋げない。2トップ+ボールサイドのSHに加え、ピボーテがソシエダ中盤を消すため、近場をほぼ抑えられる。チャンスも後ろから繋いでのものでなく、高い位置で奪ってのショートカウンターが多かった。
中盤にフリーの選手を見つけられず、DFラインから数的不利の最前線に当てようとする苦し紛れのパスが目立った。ソシエダの悪い時はマンマーク気味の守備に対して静的に足元で受けようとして詰まったり、マークを背負った状態でボールホルダーに近寄ってしまう。ボールから遠ざかって受けようとしたり、動きながらボールを捌く意識が欲しい。
(後半)
一人減ったが、早めにポルトゥやイサクといった推進力豊かなアタッカーに預けることで攻撃を成立させた。2名に感謝。
◇守備
ビジャレアルは攻撃時、両SHが最前線まで張り出してソシエダ最終ラインと駆け引きする4-2-4の形。ジェラールが少し引いてる事が多く、Wピボーテはどちらか下がり目の斜めの関係になっていることを思えば4-3-3と言えなくもない。
WGがクロスを上げる際でさえ、2トップ+逆サイドのWGがPAに入るので中に3枚を確保しており、迫力がある。
4-2-4と聞くとゴリゴリな感じがするが、サイドに流れるFWがWGと入れ替わり流動的に攻める攻撃は多様性が担保されている。最終ラインから持ち上がるパウトーレスや司令塔のパレホの持ち方、配球がラレアル守備陣の注意を引くので、前4枚の動きも俄然読みづらくなる。
ソシエダはビジャレアル最終ラインに対し、マンツーマンで守備を仕掛けるが、足元や配置に優れるビジャレアルは空いている選手に適格にボールを逃がしたり、更にはソシエダがプレスに出た事により空いたスペースに放り込んでくる始末。
(49分~)
一人減ったことでビルドの妨害に行かず4-4-1を間延びせず行うことを選択。ハイプレスが効かない分、DFライン及び守備の重心を下げさせられた。中盤4枚はハーフラインを超えたところからプレスに行く。それでも、ビジャレアルが後ろに人数を掛けて組み立てる時はなるべくボールに近い選手を消し、行ける場面にはハイプレスを敢行した。贔屓目は入るが、良いクラブだ。(恍惚)
中を優先して締めるソシエダに対し、サイドチェンジを交えながら大外を抉ってくる場面が目立った。特に走破力のあるエストゥピニャンを使ったサイド攻撃は脅威だった。
◇得点
’31 ⚽RSO 1-0 VIL イサク④(アシスト:ルノルマン①)
重量感のある一撃。スベルディアの素晴らしいインターセプトを拾ったルノルマン。パスを警戒して1stDFの定まらない隙を突き長い距離を持ち上がる好判断。イサクはピノのアタックを紙一重で躱し、ペナ角辺りからコンパクトな振りでサイドネットを射抜く。彼のプレーは見ていて楽しい。
’37 RSO 1-1 VIL⚽ G.モレノ③(アシスト:パレホ⑥)
左からのCK、パレホがインスイングでゴール前ニア寄りに入れる。得点者のジェラールのマークを担当したスベルディアはアルビオルのスクリーンにまんまとやられてしまい、離脱。ヘルプに入ったサルドゥアも間に合わず、手前で跳んだパウの裏でフリーで流し込むモレノ。追いつくのはえーよ...
’68 RSO 1-2 VIL⚽ G.モレノ④(アシスト:パレホ⑥)
連動ばっちり、今度はディアとキャプ―のスクリーン。そのディアの脇から鹿のように飛び出したジェラールがまたまたフリーで合わせ、2点目をゲット。
スベルディア何こけてるん?て思ったけどまんまとやられました感じやね。
’95 RSO 1-3 VIL⚽ チュクウェゼ②(アシスト:G.モレノ①)
モイゴメスのクリア兼超長距離フライスルーパスに抜け出したジェラールが最後は並走したチュクウェゼに出し万事休す。
ジェラールはハーフライン手前から激走、当然オフサイド無。サルドゥアの全力疾走に惚れた。
◇所感
*ラレアル*
・ライアン
63分にビッグセーブ。
・サルドゥア
守備を引き締めた。特に後半はチャレンジ&カバーを即座に決められるポルトゥが入ってきたことでより強力になった。
ディアに対して良いマークを見せた。危ない時にしっかり寄せてくれる。また、いくつか前目で潰す攻撃的守備でカウンターの好機を演出した。イサクの得点も彼のカットから。
一方クロス対応では何度もマークをはがされる不安な対応。元々中盤の選手だからあまり感覚が無いのかもしれないが、CBに入っている以上この部分で負けないで欲しい。ものの見事にスクリーンに引っかかっていた。
・ルノルマン
カバーエリアの広い守備で貢献。ビルドアップはやはりスベルディアとのコンビでは厳しい。パチェコ左、右ルノルマンでもええんやで。
・アイエン
カバーリングやハードマークで貢献。スピード豊かな持ち上がりや中の選手にタイミングよくつける巧みさで組立てにも貢献。
・スビメンディ
悪い。詰まる方にパスを出してしまうことが多かったり、ボールが足につかない。位置取りが悪くてカットされたりパスを受けられなかったり。かと言ってマークを引き連れて周りの選手にスペースを提供し、組立てさせるように仕向けるでも無し。アンカーの選手の動きが悪いとボール出しの質にもろ影響する。
後半の方が動きが良かった。
・メリーノ
スビとDFだけでは組立てが安定しなかったので、もう少し手を貸してもよかったかもしれない。前も思ったが、復帰して間もなくでもそれを感じさせないプレーの安定感が凄い。
・シルバ
タイミング良く寄せて何度もボールを回収した。彼がバイタルでタクトを振るうには全く至らなかった。後ろより前で仕事をさせたい。と思って久しい気もする。
・ヤヌザイ
相変わらず好調。無駄に捏ねずに相手の逆を突いてボールを繋ぐ、いいヤヌザイ。28分にはクアレスマばりのアウトサイドキックのクロスを披露。そんなことできたんだなあ。
・オヤルサバル
動きは良かった。久しぶりの本職で生き生きし、良いフリーランニングや精度の高いクロスを供給。良かっただけに、あのスライディングは本当に残念だった。
・イサク
絶好調。敵に囲まれても落ちないボールタッチの精度。攻撃がどん詰まっても彼に出せばスルスル運んでくれる。相手の重心の逆を突くフェイントで1対1を制するチームのドリブル王。
(途中出場)
・ポルトゥ
守備では同サイドのサルドゥアとしっかり連動し、攻撃ではDFラインの裏を攻撃し観客の希望となった。右サイドが大崩れしなかったのは彼の貢献によるところが大きい。
・バレネチェア
身体を入れた素晴らしいカットが何本かあった。その後が良ければもっといい。落ち着いてボールを逃がして欲しい。身体からボールを離して奪われる場面がちらほら。
90分の優しいふんわりしたピンポイントクロスは、realzaleに淡い期待を抱かせた。ボディフェイントでゴールライン近くまで抉れる彼だからこその芸当。ソルロスのシュートは正直すぎるわ。
・エルストンド
流石のコートカバーリング。ビルドの上手さも含め、代えが効かない存在。
・リコ
アイエンよりキックはうまい。身体も強い。
・ソルロス
もの凄く収まる。身体を入れてボールをキープし、攻撃の時間を延ばした。彼に身体を入れられてはボールを奪うことは困難。
*ビジャレアル*
・ルジ
試合を通してキックの精度が素晴らしかった。17分の場面ではイサクとの1対1を制し、ピンチを招いたパウトーレスのロストをカバーした。
・フォイス
守備での1対1の強さが光る。サイド攻撃を食い止めた。
手堅い。パウより守備の安定感は上手。
・パウ トーレス
攻撃の鬼。ボランチ、それ以上の高さまで上がってくるはラレアルがプレスに出て空けたスペースにピンポイントで放り込んでくるはで大活躍。守備ではイサクにボールを奪われたり危険なスライディングがあったりと少しバタバタした。コートカバーリングの広さは素晴らしい。
・エストゥピニャン
迫力のある上がりが脅威の選手だが、前半は深く抉るより早めにクロスを入れていた。中の人数も多く確保していたし、数をあげる狙いがあったのかもしれない。
・キャプ―
当たりの強さとパスカットで貢献。ダイレクトプレーが上手く、パス回しを鈍らせない。
・パレホ
持ちすぎずシンプルに捌くことで攻撃にリズムを生んだ。出し手としてどちらかというとパウトーレスの方が目立っていたまである。ただ、精確な右足のキックは脅威そのものだった。
・Y.ピノ
右サイドを切り裂くドリブルが脅威。深く抉ってからのスイッチバックで決定機を演出。恐ろしいシューターなのでいい形で撃たれる場面が少なくて何より。
・A.モレノ
ただ大外を上下する人だと思ってたのだが、その実中と外でのプレーを使い分けていた。アクションも多く、そんなにボールに絡む頻度は多くないものの危険な存在ではあり続けた。
・ジェラール モレノ
寄せられても抜群のキープ力。ボールの置き所が良いし、その後のパスも脅威。バイタルに引いて受けた際囲まれていて狭い状況でもDFラインの裏にパスを通してくる。言わずもがな2得点を奪う決定力は流石。
・ディア
マークにしっかり潰されてしまったが、ボールを引き出す動きは素晴らしく、度々チャンスに絡んだ。もっとゴリゴリいっても良い気もする。
(途中出場)
・チュクウェゼ
長い手足ながらタッチが結構細かいし、トラップからドリブル開始までがシームレス。ゴールおめでとう。分かっていても止められないカットインからシュートチャンスをいくつも演出。引きつけといてからフリーの選手に出すタイミングが良い。オナドリ野郎だったら怖くないが、鍛えられている。
・ペドラサ
突貫野郎のエストゥピニャンよりフェイントを交えて読みづらい。何本か良いクロスを供給。
・モイゴメス
3点目を演出。好きな選手だから頑張って欲しい。
・トリゲロス
素敵なフリックがあった。
4連敗は応えますね。ビジャレアルの守備は巧みだけど、ものすごくインテンシティがあるわけでは無いので、それを外せないビルド隊は少し反省もの。正直そこができないと始まらないチームでもある。スベルディアCBはビルド面で本当に厳しいと思う。
後半の戦いは私にはポジティブに映った。10人でも状況によっては前からプレスを仕掛けたし、アタッカー陣の活躍でチャンスもいくつか作れた。11人でもあれぐらい全力でやってくれればなあ。
年内6位フィニッシュは昨年と同じ。スタートダッシュの貯金で踏みとどまっている。この試合は退場してしまったが、オヤルサバルの序盤戦の大活躍には本当に感謝している。乏しい得点力はかなり心配ながら、丁寧なビルドアップからじっくり攻めずに縦パス一本をスイッチに素早く攻める攻撃にトライしたりと色々改善を試みている点は評価したい。
後半戦に向けて一言、右CB誰か確保しよう。個人的にはBのアランバリでも良いし、パチェコを使ってルノルマンを右に回すのでも良い。スベルディアのCBはそんな良くないぞ。