21-22 国王杯(Round : 32→16)レアル・ソシエダ対レガネス(2022.1.5)

C.D.レガネスの本拠地Estadio municipal de butarqueでレガネスとの一戦。ラレアルはベスト16に残れるか。この試合レガネスに柴崎が所属しているおかげで中村義昭さんによる日本語実況!ありがとうございます。

試合前の語りによるとレガネスはラウンド64で3部(Primera Devisión RFEF)ºのレオネサを3-2で破って勝ち上がったのだが、その内2ゴールをJ. バウティスタが挙げたとのこと!活躍が嬉しいです。

◇先発紹介

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ソシエダ

オラサガスティ&パチェコ先発!そこ以外はほぼベストメンバー、負けられませんからね。リコ優遇は正直謎です。。

レガネス

岳やパルドは出てないものの、3トップ中央で堂々バウティスタが先発!元気な姿が観たい。GKビジャールはセルタからのローン、左SBキンティージャはビジャレアルからのローン。

◇交代、構築変更

ソシエダ

’HT明け

ヤヌザイOUTポルトIN

右SHを入れ替え。2点リードの展開にあって、ポルトゥの方が守備力あるしね。

’80

②オラサガスティOUT、シルバIN

③イサクOUT、ジュワラIN

シルバ投入によりボールを落ち着ける狙いか。また前半から飛ばしていたイサクが交代、お疲れ、キレキレで楽しかったです。ジュワラが左WGに入り、オヤルがCFW。

レガネス

’54

①#22ドゥクレOUT、#10J.アルナイスIN

②#24バウティスタOUT、#18R.パルドIN

アルナイスが左WGに入り、9番メリーノがCFWに。パルドはアンカーに入っているようにも17番エラソと並んでWピボーテ的にしているようにも見える。

ラマシアにいたアルナイス、レガネスにいたんだ。そしてルベン・パルド投入。ソシエダ戦士のこの人はかなりのパサーと聞いているので楽しみ。

 

’60

③#12ランジェロビッチOUT、#32S.シセIN

④#17エラソOUT、#34N.ガルシアIN

シセはアンカーに、パルドが左IHに入り、右IHにムニョス。N.ガルシアは右WG。

’80

⑤#11J.ムニョスOUT、#28 B.ガルセスIN

1点を追いかけるレガネスはデランテロを1枚増やす選択。この試合ドブレーテの功労者ムニョスを下げてゴールに迫る選択。

アトレティコ カンテラ育ちの22歳。オサスナのマヌガル、ソシエダのG.バレラなど結構アトレティコはレンタル組がいる方なんですかね。

 

プレースキック

ソシエダ

右CK:ヤヌザイ、オヤルサバル

左CK:オヤルサバル

SFK:オヤルサバル

レガネス

右CK:キンティージャ、R.パルド

左CK:J.ムニョス、キンティージャ

SFK:J.ムニョス、キンティージャ、R.パルド

キンティージャはカタルーニャ州リェイダ出身のレフティーで、2011年に解散したU.E. Lleida出身、ラマシアに所属していたこともある選手らしい。プレースキックを任される彼のキックの球質は良く、メルケランスに似た曲がってから伸びる弾道のボールを蹴っていた。


◇攻撃

レガネスの1stプレスラインは3トップが担当。両WGはソシエダSBを背中で消しながらCBに寄せに来る。また、ソシエダがGKまで下げるとマンツーマンによるハイプレスを敢行。

キックオフ当初のソシエダは2CBとその前のスビで組み立てに取り組んでいるように見えた。このアプローチはレガネスの前3枚にタイトにつかれ、蹴らされ回収されることが多かった。

少ししてCBをワイドに開かせ、間にスビを落とすようにしてからポゼッションが安定。いつもと違うのは左CBにパチェコがいること。この男は持ち上がりや敵の引き付け方、パスを出すタイミングでレガネス相手に優位に立ち回りビルドアップの核に。

この試合は受け手の動きも良かった。ボールホルダーが引きつける一方、レシーバーは出して欲しいベクトルをパサーに指示。動きながら上手く受けていた、観ていて楽しい

◇守備

1stプレスラインはレガネス2CBに対してイサク1枚のみ。ただDFラインは下げず、ミドルブロックで潰しにかかる。3番のブスティンサは組立て上手かったのでもっと邪魔しに行っても良かったかも。

レガネスが自陣深くで持つときはマンツーマンのハイプレス、蹴らせて回収する狙い。

後半押し込まれたのは守備が悪いってより、攻撃での失い方が良くなかった。パスミスや受け手の意図に合わず失うの繰り返し。いつもは足元で回しているところを、この試合の前半は動いた先の足元に出すことで上手く行っていた分、余計にそれを引きずって良くなかったのかもしれない


◇得点

'8 LEG 0-1 RSO⚽ イサク(アシスト:ヤヌザイ

レガネスはゴールから遠めのFK、左SBのキンティージャがゴール前に入れる。これをライアンがパンチングでソシエダから見て右サイド、エリア外へ弾くとヤヌザイが拾うと、長く持たず2タッチで前残りしたイサクへ、右足でスペースへ長めに蹴るスルーパス

両CBが上がった裏のスペース、後ろに残った右SBルビオの脇から、中央→右サイドへ斜めに抜け出すイサク。イサクはボールに追いつくと斜めにゴールに迫り、キックフェイントでGKビジャールの足元を崩し、ループで右肩口を抜く技ありの一発。

ヤヌザイのアシストになったスルーパスは、GKもDFも追い着けないスペースを選んだのが良かった。1対1に持ち込むイサクのランニング、ドリブルのコース取りの良さも素晴らしい。

 

'42 LEG 0-2 RSO⚽ オヤルサバル(アシスト:オラサガスティ)

トランジションから追加点。

ヤヌザイがイサクへスルーパスを送り、これが伸脚したS.ゴンサレスにカットされるも、奪ってから自陣エリア内付近で繋いだところのトラップ際にオヤルサバルが背後から寄せ、斜め後方、中央バイタルにフリーで立つオラサガスティに渡してパス&ゴー。自らはPAに突っ込む。オラサガスティは2タッチでオヤルサバルの足元に針の穴を通すようなリターン。オヤルは完璧なボールコントロールランウィズザボールのトラップ一つでレガネスCBーSB間を突破。追いすがるもう一人のCBの追跡に遭う前に2タッチ目でファーに流し込む。シンプルに上手くて美しい。

 

’59 ⚽ LEG 1-2 RSO J.ムニョス(ランジェロビッチ)

リコのヘディングでの前線への繋ぎがカットされてからの流れ。カットした右SBルビオは持ち上がり、リコの上がった裏、右サイド大外ライン際に構えるランジェロビッチにスルーパスパチェコーリコ間を抜く。ランジェロビッチはエリア右端から1タッチでファーポストに上げ、中央を固めるルノルマン、スビの奥から走りこんだムニョスがフリーでヘディング一発。サルドゥアが急いでマークに戻るも間に合わず。

マークを持たなかったスビメンディは周りの相手選手を確認するべきだったし、彼にライアンなり他の選手なり、コーチングでフリーのムニョスをケアするよう指示を送れれば良かった。クロスが上がる前の準備が緩すぎる。 なんにせよランジェロビッチのクロスは素晴らしかった

 

’69 ⚽ LEG 2-2 RSO J.ムニョス(ランジェロビッチ)

左サイドのスローインから、シセがエリア手前のJ.ムニョスに鋭い縦パス。コントロールして中央に持ち出すと鋭く右脚を振り、ニア下をぶち抜くゴラッソ

スーパーゴールなのに変わりはないが、ムニョスの前に2人いて間を抜かれたくなかったし、何より相手のハイプレスに圧されてミスパスからレガネスボールのスローインになり、流れが最悪だった。どっちがprimeraのクラブかわかりませんねえ

 

'73 LEG 2-3 RSO⚽ オヤルサバル(PK)

エースの重責を果たす。セカンドボールを拾ってエリア内で仕掛け、自ら得たPKだった。いつものホップして蹴る方法ではなく決め打ちで右へ。ある意味それすらフォームが違うんでフェイントになっているかもしれん。

◇所感

ソシエダ

・ライアン

グラウンダーでは良いパスが何本もあったがロングボールの精度は微妙、彼はセーブが光るタイプなのでOK 92分に鋭い読みからパラドン

・サルドゥア

組立ての場面ではリコより貢献。

・ルノルマン

彼自身のビルドアップ力が高いとは言えない分、やはりアリツかパチェコといったビルド巧者を相方に組んだ方がいいなと実感

・リコ

スピード豊かなランジェロビッチ相手に負けてはいなかった。ごついのに速いのだね。

・スビメンディ

相手がボールを収め切る前に出足の鋭いタックルをかまし、フィルター役として機能。

・メリーノ

スビがDFラインに落ちて3枚を形成する前でアンカーとして機能。時には受けてから素早くアタッカーに縦パスを射し、速い攻撃の起点になった。

・オラサガスティ

組立てへの貢献は勿論、積極的な上がりを見せ、ボックス内への走り込みやシュートなどチームに活力を与えた。プレスもガンガン掛けてくれたり、リコやオヤルサバルが上がった際の左サイドのカバーまでこなしてくれる彼は、技で勝負するタイプかと思ってたが、トゥリエンテスのようにハードなプレーもできるタイプなのだろう。最高じゃないですか

ヤヌザイ

持てばポゼッションの安定化、前線へのパス、対面のDFとの勝負などエース級の活躍。相変わらず好調、何故だか昨年より進化してるなあ。

セルフジャッジはほんとやめて。

・オヤルサバル

試合を通して凄いキレ。2得点ありがとう。レガネスDFラインの裏を突いたり中に入って間で受けた。後ろを3枚にしてリコを上げる分、内側でプレーする時間が多い、いつもの構成。

度々あったボール回収も光った。

・イサク

ドリブル突破と裏抜けで違いを作る。この人は縦パスを受けて前を向くのが本当に上手い。3本中2本止められた1対1は、次は決めたいね。

(途中出場)

ポルト

守備をこなしつつ、攻撃に元気に貢献。ワンツーで突破を図ったり、身体を入れてキープしながら体格で抜いていくいつものドリブルを披露。

・シルバ

ボールを落ち着けられる彼は貴重。ただ、チームはシルバが出ても収まりきらないくらいバタバタしていたが、緩和はされた。

・ジュワラ

キレのあるドリブルで左サイドを活性化。守備もかなりプレスにエネルギー使って走ってくれた。サンセの選手だけど、普通に戦力になっているのが凄い。

 

レガネス

・ビジャール

ラドンが光った。五輪代表にも選ばれているこの2枚目GKの反応の速さ、1対1の強さは特筆に値

・ルビオ

上下動命なSBではなく、中に入ってプレーしたり、パスの前に溜めを作ったりと器用なSBに映った。1点目の起点に。

・S.ゴンサレス、ブスティンサ

レガネスはハイラインを敷いてる時間が多いのであれだが、裏を取られる回数が少なくなかった。レガネスは最終ラインから繋いでくるが、特にブスティンサは持ち上がりなどビルドで力を発揮していた。

・キンティージャ

キックが良い。プレースキックでもクロスでも脅威。

・C.ドゥクレ

ハードな潰し屋と思って見ていたが、気の利いたパスも出していた。

・J.ムニョス

良いキックを持っている。足元上手い。逆足も巧いと思う。

・J.エラソ

広いエリアをカバー。組立ての時ピボーテの位置まで降りてくるこの人はIH相方のムニョスがトップ下タイプなら此方はメリーノのようなバランサー型の役割を負っているのかも。

・ランジェロビッチ

速い、右サイドからカットインしてくる。タッチの多いドリブルで、DFとしては足を出しづらい。2部のレベルにないぐらい優秀なサイドアタッカーだと思った。彼はオリンピアコスからローン加入中のセルビア出身の24歳、今後代表戦でも拝めるんでは。

・バウティスタ

裏を狙い続けた。果敢なプレスバックでソシエダDF陣や中盤に時間を与えず。

(途中出場)

・アルナイス

かなり戻って守備していた。

・パルド

長くは持たずシンプルに捌く。リズムを生んだ。どんなボールでも簡単にコントロールするので、レガネスが急いで攻める終盤に彼を経由して整えることが増えた。

シセ

守備のポジショニングが良く、ボールコントロールやキック、ドリブルまで上手い。バネもあるのでクイックな動きで簡単に往なす。この先が楽しみだと思った。ギニア生まれの20歳。

・N.ガルシア

良いカットがあった。シュートが肝心な場面で浮いてしまったりパッとしなかった。

92分の好機、自分で撃っても良かったんでは?

・B.ガルセス

すみませんがあまり観れてないです。

 

辛くも勝利。3点取れたのは素晴らしいけど、後半攻め込まれてポゼッションすらままならなかったのはいただけない。とは言え、この試合はメリーノやスビメンディ、オラサガスティらを中心に動きながらボールを引き出す動きが多く見られ、動的なボール回しが観れて非常に楽しかった。オヤルサバル、イサク以外にもゴールが生まれると尚良かった。負けが込んでいたので、1つ勝てたことを次につなげたい。Aupa real!