【21-22 LaLiga 閉幕後】📹ロベルト オラベSD 記者会見(2022.5.31)

皆さんこんばんは🌙 今季のLaLigaも終了してしまいましたね。この記事ではLa Realクラブ運営(スポーツ部門)の舵取りを任されているオラベSDの記者会見(2022.5.31)について記しています。
クラブ全体とコミュニケーションを取りながら日々仕事を進めているだろう彼の声を聞くことはクラブの考えを聞くことと直結。スペイン語力は未熟そのものですが、動画を字幕付き再生し、何とか書き終えました。素人作なので精度は担保できませんが、ご容赦ください。現地の友達欲しいしスペイン語学留学行きてえなあ。🌎

この会見の動画はクラブ公式YouTubeに上がっています。観られたい方は以下のリンクからどうぞ!(=゚ω゚)ノ

m.youtube.com


※私が追えない部分は以下有能記事(会見要約)を参照しています。

www.noticiasdegipuzkoa.eus

⦿オラベSDについて

育成に力を入れるレアル・ソシエダにおいて、クラブ首脳部と現場を繋ぐSD職に就くオラベ氏。自身もラレアルでのプレー経験があり、引退後もフベニール、トップチームの監督、SDを歴任。ラレアルと言えば育成を重要視したクラブ運営で有名だが、オラベはその根幹を担う。
以下はfootballista元編集長木村浩嗣さんによる取材に対してオラベSDが語った内容。

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La Realは長らく「自らの資源を活用する、タレントの育成を信じる」というクラブ哲学を大事にしている。実際具体的な計画目標に沿ってチーム作りを進めており、定量目標として「クラブのカンテラ所属選手の80%地元Gipuzkoa県出身者で構成」し、彼らを育て、「トップチームの最低60%カンテラ出身者で構成」する事を掲げている。
クラブのDNAを作り、継承していくGipuzkoa県出身選手の育成にはLa Realのみならず、学校・自治体等県ぐるみで広く参画している。
さらにカンテラ所属選手の残り20%(県外出身)の選手もLa Realと提携関係を結ぶクラブ出身の選手が多いと言う。La Realの育成は大きく12歳から16歳の第1段階(学び/習得、勝敗、維持継続していく姿勢 を特に大切にする時期)→17歳から21歳の第2段階(より高いレベルのコンペティションとの闘いに向き合い、プロ精神が現れ始める時期)の2つに大別される。

オラベ氏によると、どの選手も最低3年間はZubieta( :La Realの練習場)で育成したいとのこと。
これらのユース選手に対し、指導を施す全てのユニット(:フィジカルコンディション向上ユニット、精神面向上ユニット、動き方向上ユニット...etc)を率いているのは全てトップチームのスタッフ。会長らクラブ哲学に関わる者から戦略担当のSD、現場を任される各ユニットのリーダーまでが『選手は下から上がってくる。よって、上の者は上がってくるのを助けないといけない』という同じビジョンを共有し、各々の持ち分に取り組んでいる。最後にトップチームの監督が要求レベルを高く持ちつつも忍耐力を持ち、カンテラ出身者を迎え入れる。

著:木村浩嗣, "トップチームの16選手が下部組織出身~ソシエダのSDが明かす育成フィロソフィ~" footballista 2021年1月号 Issue 082 2021.1.1発行, p30-34

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ここだけを読んでもこのクラブがどのように地域の選手を中心としてカンテラーノの育成を行い、トップチームに引き上げようとしているかが分かる。
何故La Realが地元出身の選手の登用に拘っているのか、その理由の一端が「Made in Gipuzkoa」というクラブ公式ムックに垣間見える。
同書籍によると、
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La Realの練習場であるZubietaは選手にサッカー選手としての素養に加え、優れた人間性を備えた人物の輩出を目標としている。人間性について、かねてから「働き者、親切、教養がある、外の地域に関心がある、謙虚、伝統に根ざしている、礼儀正しい、公平、親しみやすい」などと評されてきたGipuzkoa県の人々の性格、これをZubietaの選手達にも共有させる。尊敬/誠実/謙虚/競争力/チームワークを備えた選手の輩出を目指し、これらの「あり方」をLa Realのトレードマークとしてクラブを構成する全員で共有する。
クラブはGipuzkoaから活力/衝動/愛情/強さを受け取りながら、Gipuzkoaに一致するように成長し、クラブ作りを行ってきた。La RealとGipuzkoaは一心同体である。

なぜここまで人間性に拘るか、それは青少年達が、(サッカー選手になろうがなれまいが、)実生活の役に立つ素養を身に着けさせるためである。
ここに向かって、子供達を預けるGipuzkoaの各家庭、地域そのものとの「約束」「使命」として取り組む。

Real Sociedad S.A.D.編「Made in Gipuzkoa~Una forma de ser y de hacer~」
ISBN:978-84-09-32332-06
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この記述から、私はGipuzkoaの地域的性格と一致する「あり方」を選手の備えるべき素養として定めている以上、それらを誕生以降家庭、地域において身に着けていくGipuzkoa県出身者をチームの骨子たるべく積極登用するべく取り組んでいるのだと考える。

今のLa Realの躍進を支えているのは紛れもなくカンテラまで一貫したプレーモデルであり、それを実戦向けに調整する監督、実践する選手たちだろう。その選手やスタッフの多くがGipuzkoaと縁深い人物で、La RealはGipuzkoaと切っては切れない関係にある。Gipuzkoaで生まれ、Gipuzkoaで育ち、Gipuzkoaに栄光をもたらす。そんなラレアルの根幹作りを担うOlabe氏の会見から、今後のクラブの舵取りを読み取っていきましょう(=゚ω゚)ノ

<参考文献>
footballista 第82号 2021年元日発行
サンエイムック「2強時代の終焉!? 戦国ラ・リーガ開幕ガイド 2021-2022」
2021年8月24日発行
Made in Gipuzkoa~Una forma de ser y de hacer~

 

⦿会見概要

前置きが長くなりましたがいよいよ本題です。<(_ _)>

※駄訳ご勘弁くださいorz また、Youtubeでは記者の質問に自動字幕がつかず、Olabeの回答から質問内容を推測して書いています。

ー冒頭

(※Youtube動画未公開部分。上リンクのNoticias de Gipuzkoa記事から)
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オラベ氏はシーズン終了後定例の記者会見で、チームの成長と成績に満足している様子を示し、プロジェクトのベースとなる4つの柱:「アイデンティティ / マネジメント / 育成 / プレーの4つのモデル」の説明により会見が始まった。

アイデンティティ (Identidad)
これは私たちが何者であるか、歴史、関わり、そして私たちの仲間に根ざすモデルである。スペイン最小の県であるGipuzkoaは、自分たちの地を語りたい、強く関与したい人が非常に多い。

②マネジメント (Gestión)
真に最高なものを実行している。アペリバイ会長は何年間も「どうしてダメなのか?」と自問して突き詰めてきた。La Realは予算の55%にあたる3,000万€Zubietaに対する投資以外の何にも費やしていない。(Zubietaは)やってきた選手達が、自分たちに合っていると感じる場所である。サステナビリティを有していると称される。
過去10年間の投資によるキャピタルゲインは5,700万€に達する。(どういう計算なのか気になる。。)

③育成 (Desarollo)
過去3シーズン26名の選手がスビエタを巣立っていった。彼らの平均在籍年数は10年以上。今シーズンは32名が加わった。

④プレーモデル (Juego)
私たちは幸運にも優れたコーチ達に恵まれました。このチーム(の選手達)は合計2億9,800万€の市場価値を持つと評価されている。

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※以下Youtube動画から。記者陣からの質問に対してオラベSDが回答。

ー今季の収支について

黒字に終わり、満足している。

 

ー今季の振り返り

・目標に辿り着くまでの過程を重視している。
・クラブが誇る競争力に大変満足している。
・クラブの歩みは正しく、今後も志を高く持ち続け、向上し続けなければいけない。
・我々はプレー面でより成熟し、競争力のある様々なものを示しました。
・育成モデル、プレーモデルの改良の歩みは止めてはならない。

・イマノル監督の4年目のシーズンは新たなエネルギーに満ちたもので、我々はそれを良い形で締めくくりたい。
・トップチームはEL出場権獲得という素晴らしい成果を手にした。チームの取り組み方を確立し、試合ごとに戦術に修正を加えた過程があった。イマノル監督が指揮5年目を迎える来季は簡単なものにはならないだろう。
・(今季いっぱいで契約満了を迎える)ケヴィン、アドナン(ヤヌザイ)、ナチョ(モンレアル)の貢献に感謝する。
80:2060:40定量目標を掲げ続ける。 

 

ーSanse(Bチーム)について

・Sanseは残留という目標には届かなかったが、実際に多くのコンペティションを抱え、また負傷者を多く出したトップチームを助け、選手を育てるという重要なミッションを果たした。トップチームに練習参加、出場機会を得る選手を何人も送り込んだ。また、強度の高いセグンダで大きく成長した

・反省点として、厳しい2部リーグで競うにあたり、チームに欠けているものを補うため数人の選手を補強したが、残留に至らなかった。

・X.アロンソはトップチームとCチームの間に身を置き、上(トップ)と下(Cチーム以下)の両方を見ながら選手の育成に努めた。Sanse監督というクラブの一部を担ったに留まらず、選手たちの力を借りながらクラブの育成全体にも貢献した。カンテラーノのうちトップチームに辿り着くのは約7/100人に留まるが、その彼らを大事に育て上げることが肝要。
X.アロンソ他退職を迎える長年ともに働いた仲間に感謝したい。

・本日(2022.5.31)、今季Cチームを率いていたS.フランシスコアロンソの後任として来季からSanseの監督を務め、S.フランシスコの後任としてM.ジョレンテ(今季Juvenil A監督)がCチーム監督を務めることが発表された。B、Cチームともにサイクルの変化を迎える。S.フランシスコは我々の育成・指導メソッドの私たちが望む第一人者である。La RealにおいてはB、Cチームの2チームの監督がトップの監督と強く関係し合うことが重要で、彼らが共通のプレーモデルを理解し、全うしなければならない。監督たちは先ず自分たちのコンペティション、課題と向き合っており、簡単に達成できることではない。

 

ー女子チームについて

Natalia監督、他のスタッフの仕事は並外れており、並外れた成績を挙げたことを評価すべき。選手たちは若く、ハングリーで、プレーモデルに理解がある。
来季チームが勝ち続けるためにはどうするか、考えている。スカッドを充実させなければならない。約3人の選手獲得をするだろうが、退団者が出ないことを望む。

 

ヤヌザイについて

スペシャルなタレントだが、来期は所属しない。アドナンとは5季をともにし、契約更新の過程について貴方達(記者)は既に知っている。我々は契約更新を目指し、代理人(ライオラ氏)が変わるなど色々なことが起こる中、何度も交渉を重ねた。彼が病に伏し、機を逸したこともあり話はまとまらなかった。アドナンの退団は、我々に(彼の代わりのアタッカーとして)監督に戦力として選ばれる人材を探すことを強いる。
経済的理由でなく、スポーツ面に起因する選択だった。我々が彼に提示した役割が(彼の期待よりか)彼をチームの主役としては扱わないものだったことが効いていると推測できる。

 

ートップチームの構成について

現チームはSanseの助けもあり、十分なスカッドを誇っている。明確なプレーモデルがあり、5-3-2、5-4-1、4-3-3、フラットの4-4-2、中盤菱形の4-4-2と色々なパターンでプレーでき、深さと強度、ボールを支配する力、対人能力を発揮する。

 

ーソルロスとラフィーニャについて

今は5月。昨年の8月に、カルロス(フェルナンデス)の負傷離脱によりアレックス(ソルロス)がやってきた。開幕後の加入だったにも関わらず、後にラファがやってきた。彼らの高レベルのプロ意識と、様々な役割をこなしてくれた適応力に助けられた。
(2人の去就について?)彼らがLa Realで快適に過ごしていることも知ってるが、一方所属元クラブでの契約、給料があることも当然承知の上。貢献に今一度感謝したい。

 

カンテラーノの昇格

サンセの選手の数人が来季トップチームに加わるだろう。具体的には、J.パチェコ。彼は25番以下の背番号を得るだろう。それからベニャ(トゥリエンテス)、アレックス(ソラ)も昇格があるかもしれない。が、いつが適切かタイミングを見極めないといけない。
若手を中心としたグループ練習が6/27に始まり、トップチームの練習が7/7に始まる。プレシーズンに備えて、残留を望んでいるカリカブルも含めてよい準備をしてくれることを望む。


ー契約更新

レミロ、スベルディア、スビメンディ、ルノルマン、ウルコ、パチェコと契約更新の交渉中。

 

スカッド展望

来季は3つのコンペティション(LaLiga、国王杯、EL)に備え、31-33人の選手がトップチームに帯同する。22-23はW杯のある特別なシーズン。8/14〔開幕〕~11/14〔W杯期間〕まで21試合を消化する。負傷者が多く、W杯開幕前には不確かさがつきまとう。
私たちを成長させてきた育成モデルを信用し、チーム内部に目を向ける。
La Realの最大の目標は欧州(恐らくEL)。
60%の選手はカンテラから、準備が整った状態で上がってくる。監督は最高のリソースを抱えている。我々は確実に成長している、1つのコンペティションだけに注力しないように。自分たちのやり方で競い、勝ちたい。我々は夢追い人であり、タイトルを獲りたい。

 

ー今季の得点の少なさについて

フィニッシュそのものでなく、その前の「崩し」の局面に注目している。今季は外を使った攻撃より、中で完結させる攻撃が多かった。中央突破はプレーのクォリティ、正確さがより要求される。
フィニッシュに至る回数は多かったので、今季のLaLigaで得点数が多くなかったことについて、そんなには懸念していない。

 

ーM.ライアンの去就について

我々はマシュー(ライアン)にクラブに残ってほしい。彼はプレー機会が少ない現状、それによるキャリアへの影響を憂いている。出場機会の増加を望んでいる。選手達の去就に関しては、選手たち自身の意向が何より重要。我々は幸運なことにLa Realに留まることを望む選手を多く抱えているが、マシューはW杯に向けてプレー機会を得たいという明確な希望を抱えており、去就は不透明。

 

ーA.スビアウレの去就について

アンドニ(スビアウレ)には契約更新のオファーを出したが、決断は彼の判断次第。
(6/7のMDの記事で、彼が2部の複数クラブからオファーを受けていることが報じられているが果たして...)

www.mundodeportivo.com

 

ー負傷離脱中のオヤルサバル、バレネチェアについて

大事なことはミケルが自分のタイミングが来たときに戻ってくることであって、我々は急がず待つ。

アンデル(バレネチェア)の復帰時期は不確かながら、開幕からの活躍を期待している。我々のアイデンティティ・モデルの事もあり、先ずはチームの内側に目を向けていきます。マーケットにローテ要因を探しに出ていくことはない。楽観的に考えるべきです。カルロスが大砲のような勢いで始動を迎えることを望む。彼は初日からトレーニングに参加する予定。
※バレネはフィンランドで彼の手術担当医・Lasse Lempainen氏の下フィジカルテストをクリアし、プレシーズンは別メニューを強いられるものの開幕には間に合うとの展望が示されている。(6/15MDの記事↓)

www.mundodeportivo.com

 

ーM.メルケランスについて

マルティン(メルケランス)は(バレネやミケル)より、復帰まで長く掛かるだろう。我々は決してマルティンのことを忘れていないが、彼は回復が第一。グリディやルカ(サンガリ)のように、過去に長期離脱した選手がおり、我々は長期離脱の選手との向き合い方を知っている。

 

ーC.フェルナンデスについて

7/7(トップチームのトレーニング初日)から練習できる予定。

 

ー来季に向けたチーム編成について

チーム編成はフォーメーションに基づいてでなく、我々のモデルに基づいて行う。補強は多くの選手を連れてくるのではなく、必要な人数のみ行う。
ムバッペを獲得するとは言えないが、野心を持った選手を3、4人獲得する。良い順位に入ってはいるが、もう少し上を目指したい(と胸に問いかけている)。自分達のモデルをベースに、最高のチームでありたい。私たちは、自分達を向上させていかなければいけない。外から来た人が優れているからではなく、私たちを補完してくれる存在だからこそ、うまく付き合えっていければと考えている。私たちは夢を意識し、そのためには的を射た補強をすることが必要です。クラブは、アペリバイ会長と、人々を興奮させる彼の能力にコミットしている。

また、私は会見の事を、チームの見通しをファンに伝える場と考えている。La Realが成長し続け、彼らの期待を膨らませ、良い雰囲気を作りつつ、夢を見せ続けることを約束する。

 

ー(今季ゴール数が少なかった)イサクについて

あまり心配していない。昨季は代表招集もあり、色々なコンペティションでプレーしてきた。第一に(昨季比で減少した)ゴール数が注目されるが、彼は我々に多くを与え、素晴らしい選手であり続けている。

 

ーイジャラメンディについて

幸運なことに我々はアンカーポジションに4人と多くの選手を抱えている(恐らくスビ,ゲバラ,イジャラ,スベルディア?)。イジャラはこの6カ月負傷なく過ごしており、そのことが(近年故障がちだった)彼にとっては何より大切、彼もそう感じていると思う。

 

ーイマノル監督について

クラブの"メッセージ"を代表してベストを尽くしており、心配する必要はない。現在籍選手、新加入選手は、何よりもまずイマノルから刺激を受け、彼と共存する必要があり、また(La Realでプレーするには)ここでの流儀を実践する必要がある。ELで戦うことに対して、今は異なる視点を持っている。自分たちの改革をイマノルと始め、継続していく必要がある。

 

ークラブのイマノル監督に対する評価について

(イマノルの評価は)極めて高い。クラブが望むように、大変多くの事(:選手やスタッフ、プレーモデル、クラブの方針...etc)に責任を持っている。我々はゴール数や敗戦にも言及するが、イマノルの仕事は並外れている。

 

ーイマノル監督の役割について

スビエタの最高長官。彼と色々話したが、これからクラブに起こること全て(:選手獲得、その他の動き、コンペティション、選手の将来に関する構想)を彼とともにする。

 

ー選手獲得時の移籍金について

払う金額として、17m€(イジャラの買戻し)は例外だった。いつもは大抵8m~12m€を目安として、クラブとともに成長できるタレントを加入させ、彼らの適応の手助けをする。必要であればもう少し高い移籍金を払う用意もある。
繰り返すがクラブの目標は夢を膨らませ、より優れた成績を残し、欧州のコンペティションに出続けることだ。

 

ーD.ソボスライ獲得の噂について

どの(獲得候補の)選手についても、(話が固まらない内に)名前を挙げたくないし獲得プロセスについての話はしたくない。それが私の働き方であり流儀である。
ソボスライの印象?私より優れた選手だよ(笑顔とともに,ジョーク)。

 

ーELについて

是非リベンジしたい。個人的には「リベンジ」という言葉はあまり好きではないが、ここで言うリベンジというのは、一度劣位に立たされた何かに対し、再び立ち向かうことだ。
2018年にクラブはELの舞台に辿り着き目のあたりにした。多くの野心を持つ人々、物事を成し遂げ、それを繰り返すという夢を持つ人々、エネルギッシュに取り組む人々、苦しむ人々など、多くの人々を。記念としてELの舞台に立ちたいのではなく、繰り返し挑戦してチームが向上し、前進する糧としたい。周囲にも、我々の挑戦に野心を抱き、期待して欲しい。

 

ーM.スビメンディについて

彼の進化、子供の頃(Zubietaに)やってきてからの歩みに満足しており、アンカーのポジションの充実は欧州でも見劣りしないレベルであり、継続していきたい。

 

ーC.ポルトゥについて

彼と、我々のあり方、スタイルについて本当に沢山の話を重ねた。ポルトゥは我々に実に多くのものをもたらした。ルカ、ポルトゥ、イマノル...彼らは日々我々のスタイルで築き上げてきたとても重要な者達だ。彼らの生活におけるプロ意識、仕事の流儀の徹底度合は多少前後してでも数字に表れる。ポルトゥが今季こなした(昨季と異なる)役割、立場への適応は並外れていた。(練習場である)Zubietaでも、月曜から日曜に至るまで、出場機会の無かったマッチデーの翌日でさえ、変わらず素晴らしい姿勢を見せ続けた。このことは我々が望むことであり、彼のパフォーマンスに満足している。
ポルトゥの去就について)誰でもプレー機会をなるべく多く得たい。いつの日か決断しなくてはならない。

 

ーM.サニャンについて

彼は4m€という大金を費やして連れてきた。このタレント候補からは期待した進歩が見られなかった。単純に責任を感じている。彼にポテンシャルを発揮してもらうのが我々の望みだった。彼はポルトガルリーグで良いシーズンを過ごした。本年6月末で契約満了を迎える。La Realで継続する未来は恐らく無いだろう。クラブには他のタレント候補達が育ってきており、特にヨン(パチェコ)は、トップチームの一選手として定着してきた。
これからの成長に賭けたタレント候補との契約(本件)に責任を感じている。成長度合いは私たちが期待したほどではなかった。

 

ー補強について

今は答えられない。監督の望みを考慮に入れつつ、獲得候補の選手のプロフィールを検討している。年齢はあまり気にしていない。なぜならナチョ(モンレアル)やシルバのように、多くない出場時間の中でも我々に非常に多くのものをもたらしてくれる選手達に助けられてきたからだ。経験豊富で、若いチームを力強く助けてくれるような選手を望んでいる。ポジションやラインを補強し、チームを成熟させて欲しい。

 

ーセルヒオ・フランシスコ(Sanse新監督)について

育成・スビエタの模範的存在。選手育成、チーム作り、良いリザルトを残すことに長けている。スビエタは自分達の積み上げてきたものに基づいて認識し、決断しなければならない。選手達のみならず監督達が一丸となり、プレーモデルを堅持していかなければならない。このことは、イマノル、セルヒオ、ナタリア、ミケル、ランデル(※)...全ての監督にとって極めて重要なことだ。プロ候補生達、子供達に競っていく術を伝えていく立場にあるからだ。セルヒオはSanseで彼の仕事をする。

※ランデル・ガルシア(Lander García)氏。ミケル・ジョレンテ氏と入れ替わりで22-23シーズンからJuvenil Aの監督に着任。

 

ーD.シルバについて

”彼のプレーの調子が良い時、チームも勝てる。”
プレーの調子、フィジカルコンディションを知るために、彼とは頻繁に話をしている。ダビドは我々にピッチ外においても非常に多くのものをもたらす。我々にプレーの理解を深めさせ、若手に成長をもたらす。まるで食を進める「酢」のような存在だ。
何に対しても根拠を持っており、我々に何でこうではない?と尋ねてくる。その後答えをくれる。勝った試合も負けた試合も思い返すとダビドに行き着く。彼に多くを委ねており、我々のプロジェクトを理解し、その一部になって欲しい。

 

ーJ.グリディについて

ヨン(グリディ)はアイエンやゲバラ同様、今季終盤あまり出場機会が無い状態でシーズンを終えた選手だ。それはその時その時で重要な選手が現れ、それに阻まれ出られない選手も出てくるためだ。彼は月曜から日曜までハードワークできる選手で、チームの模範になってくれている。あり方、取り組み方、さらには生活への向き合い方に至るまで多くの点でLa Realを代表している。(ヨン)は今冬の移籍市場で出場機会を求めて出ていける状態であったが、クラブの一員として残ることを選んだ。彼との契約は残っている(2024.6.30まで)。

 

ースビエタ(La Realの練習場)での働き方について

Sanseとのコミュニケーションを大切にしていきたい。アペリバイ会長以上にトップチームを深く理解できる人間はいない。我々は電話を介してでなく、日々、直接ピッチで観察することでユース選手達の様子を窺い知らなければならない。練習の方針、一瞬一瞬を目にする、そうすることで練習の構造まで見えてくる
我々にとって監督の声に耳を傾けるのは勿論、試合の前後に行われる週2回の練習を注視することが重要である。我々は人への向き合い方、メディア対応をどう行うか示さなければならない。メディアに我々のトップチームがどのように向き合うべきか理解して欲しい。イマノルが望むように、重要なものを内包した練習を観てほしい。イマノルは練習場(スビエタ)でこそ対話を行っている。外部に抽出された解釈は当然どのようなものにもなり得る。我々はいつもメディア、スタッフ、ファン、選手達といった内外の人々と関わり向き合っていきたいという思いを抱いていることを約束する。
※ファン、地域との触れ合いという点で”AMETS BAT”と言われるLa Realが地域の子供達をアノエタに招き、彼らが選手と触れ合ったり、アノエタで色々なゲームに興じることで、クラブをより身近なものに感じてもらうための活動にも触れていた。

⦿感想

まず驚いたのはオラベSDのタフネス。どの切り口の質問にも一貫性のある回答を返し、出席した記者、それから我々ファンに動画だけでも約80分の長丁場の間真摯に向き合い続けた。この動画を観るまで木村浩嗣さんのインタビュー記事でしかオラベSDのことを知らず、どちらかというとメソッドを口早に話し続ける、頭の固そうな方なのかと穿った見方をしてしまっていた。勿論そういう面もあるのだろうが、この会見を観続けて感じ取れたのは彼の選手を見守る優しさであったり、時にはユーモアを交えながら和やかなムードを作ったり記者の反応を窺う気配り。人との接し方を大切にする温かい人物だという、一ファンとしては大変好ましい印象を抱いた。
時には非情な判断を強いられる立場であるとはいえ、退団する選手にも感謝の心を忘れない。それもテンプレのような表現を並べるだけでなく、一人一人ピッチ内外でどのような貢献があったか述べている。特に印象に残ったのは、ポルトゥへの言及。出場機会の無かった翌日の練習においても120%の姿勢で臨む姿に触れており、チーム全体としての成長を望むLa Realが大切にしている「練習」にいい刺激を与え引っ張る貴重な存在であったことが直接語られずとも伝わってくる。

「Zubietaの上官」と称されるイマノル監督然り、一度成功をもたらし定着したメソッドを追随していくだけでなく、選手たちとともにピッチと向き合い続けることで選手たちをより良く観察し、取り組みに改良を加えていくスタッフの仕事ぶりがLa Realの歩みを強く支えているのだろう。戦術面だけでなく、ピッチ内外での「あり方」「ふるまい方」まで手が届くモデル、そのモデルにより成長し後継に伝えていく大人たち。月並みの言葉だがこれこそがLa Real流なのだろうと、雑誌の文面をなぞってでなくともそのような認識を抱かされた。

 

かなり長い記事になり、最後の感想も勝手に自分の世界に入った”キマった人”みたいになってしまいました。自分の語学力の無さ、集中力の無さから彼此この記事だけで1ヶ月近く掛けてしまって途中何度も投げ出しそうかと本気で思いました。それでもこの作業を終えてみると、体系的にまとめられた長めの本を一冊読み終えた時のような清々しさを体感できたことも勿論、La Realのことをより少しでも理解できた気がしており、嬉しく思っています。
決して読みやすいものではないと思いますが、同じレアリスタの方々、LaLigaファンの方が読んで少しでもふーんと思ってもらえるものになっていればそれ以上の幸せはありません。このブログが半分自分のメモ帳としての、自分用の媒体でもあるので。(笑)  マッチレビューを書いたり、今回のようなそれ以外のものを書いたりする頻度は全く担保できませんが、これからも皆さんの頭の片隅に置いてもらえるよう、時間を見つけて更新させていただきます。それでは次回の記事まで、¡Hasta la proxima!