22-23 Real Sociedad選手紹介①(GK&DF編)

遅ればせながら今季も残そうと思います選手紹介!
折角なので、プレシーズンからトップチームに帯同している昨季Bチーム(Sanse)所属の9名についても書いていきます。内訳は以下の9人。

J.Pacheco(CB)
Urko González de Zárate(CB)
Alex Sola(SB、WB、WG)
Ander Martín(WG、IH、SB)
Jon Ander Olasagasti(DH、IH)
Beñat Turrientes(IH、DH)
Nais Djouahra(WG)
(何とクロアチア1部のHNKリエカへの移籍が決まってしまいました...)
Robert Navarro(IH、WG)
Jon Karrikaburu(CFW)

この9人の他、今季Aチームで出場する見込みがありそうな選手を数人紹介します。
昨季は多くのBチーム所属選手がトップチームデビューを果たしたシーズンでもあって、その点では書き応えがありますね。より多くの選手がトップに定着できると良いなあ。彼らはX.アロンソに薫陶を受けた選手達でもありますね。
トップチームの選手の6割カンテラ出身選手で構成するという数値目標を掲げているので、結びにそこも確認します。

(情報引用元 : サッカーの移籍、噂、市場価値とニュース | Transfermarkt )

 

(※)
・年齢は22-23LaLiga第1節(2022/8/15)時点のものを記します。
・背番号は22-23シーズンのものを記します。B登録の選手は(B)と記します。トップチームでの背番号が分かったら追記します。
・出生地、Gipzukoa県生まれなら青字、バスク地方(7県)生まれなら緑字で記します。
・出身クラブは前所属クラブと、それに続いて()内にその前の所属クラブを記します。ソシエダB(Sanse)出身なら青字で、Juvenil又はCチームからソシエダ所属なら青字+太字で区別します。バスク地方のクラブ出身なら同様に緑字で。La RealのCチームは2016年にできたため、JuvenilからSanseに上がった選手も多くいます。

 

~GK/Portero~

#1  Álex Remiro(アレックス・レミーロ)

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年齢 : 27
出身 : Cascante(ナバーラ県/州)
出身クラブ : Athletic Club (←Athletic Club B)
契約満了 : Jun 30, 2027

契約延長ありがとう!!大好きなクラブの守護神。前半戦はバスクダービームニアインのFKを防げなかったり、新加入のM.ライアンの好調もあり、立場が危ぶまれた時もあった。ただ、終わってみればパフォーマンスをしっかり安定させまたチームを救うセーブを連発し、19という脅威のクリーンシート数を記録。お隣のU.シモンのように信じられないセーブを披露することは少ないが、1対1の詰め方やポジショニングが光る。ハイボール処理に長け、キャッチミスや判断ミスも殆ど見られない。多少のプレッシングなら寄せつけずに往なす足元の技術、キック含め今季チームMVP級の活躍。
CBから50:50のロングキックを滅多に蹴らないこのチームにあって、相手の前衛守備がきつい時に何度もこの選手の巧さに助けられてきた。

今季は期待していなかったPKストップも観られた。穴がない。そしてこのクラブ愛ですよ(下動画)。地域のファン交流イベントでは子供と笑顔で遊んであげる姿も見られた。男前でもある。神ですね、はい。

 

#13(昨季) Mathew Ryan(マシュー・ライアン) ※2022夏FC Kobenhavnに完全移籍※

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年齢 : 29
出身 :  Plumpton(Victoria州, オーストラリア)
出身クラブ : Brighton & Hove Albion (←Blacktown Cityユース)
契約満了 : Jun 30, 2023

昨季の第2GK、ミゲル・アンヘル・モヤの退団に伴い、イングランド・プレミアリーグからやってきたオーストラリア代表GK。出場機会は多くなかったが出た試合では活躍。特に11節のセルタ戦はシュートの雨を浴びるも無失点で凌ぎ、勝利に大きく貢献。足元はレミーロほどではないがオーストラリア代表でキャプテンも張る彼の実力は折り紙つき。
一方試合によってポジショニングやキャッチングの感触が良くないなと感じる試合もあり、多少波のあるタイプかなとは思う。

とはいえ好調時の彼を観ると正直2nd GKをやっているのが勿体ないなとも思う。モヤさんが抜けてこのレベルの実力者が来てくれることは大変ありがたい。今季もよろしくお願いします。

2022.8.9、ライアンのFCコペンハーゲンへの移籍がRS公式Webで情報公開。W杯に向けて出場機会増を本人が望んでいることは分かっていた。デンマークでも頑張れ!

www.realsociedad.eus

 

#13 Andoni Zubiaurre(アンドニ・スビアウレ) ※2022夏B→トップ登録※

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年齢 : 25
出身 :  Ordizia(Gipuzkoa県, バスク州
出身クラブ : Real Sociedad B (←Real Sociedad C)
契約満了 : Jun 30, 2024

昨季Bチームの後半戦、U-21代表G.Ayesaから定位置を奪った左利きのGK。PK他難しいシュートを何本も止め、残留争いに希望を繋いだ。ライアンが負傷しているらしく、トゥールーズ戦、ボルシアMG戦とどちらも後半開始からレミーロと交代で入り、ゴールマウスを守った。ボルシアMG戦では終盤にビッグセーブがあり、チームを連敗から救った。良いところに飛んだ強烈なミドルを片手で弾いた。
Transfermarktによると189㎝ある長身で、同調べで182㎝のアジェサと対照的。彼はCDヌマンシアへ、23年夏までのローン移籍が決まった。何故Sanseと同じカテゴリ(3部)のクラブへローン移籍させるのか?21-22はCチーム所属だったU.マレーロを使っていきたいということなのか、なんなのか。自分が観た試合ではアジェサも良いパフォーマンスを見せていたので頑張って欲しい。アジェサにも細かいポジショニングが丁寧だったり、ハイボールにも無理せず外に弾きにいったり、足元の捌きが上手かったり好印象を持っています。

 

~右SB/Lateral Derecho~

#2 Joseba Zaldua(ホセバ・サルドゥア) ※2022夏Cádiz CFに完全移籍※

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年齢 : 29
出身 :  Donostia/San Sebastían(Gipuzkoa県, バスク州
出身クラブ : Real Sociedad B (←Real Sociedad Juvenil)
※今夏、カディスCFへ移籍。フリー移籍だがLa RealはCádizから最大1.5m€を受け取る。

WGのポルトゥ、ヤヌザイもそうだが、La Realの右サイドは序列争いが激しい。サルドゥアは今季La Ligaで出場試合24、内先発14。ゴロサベルが出場32、内先発25。数字だけ見るとゴロサベルの方が上だが、得点が積めず、守りに活路を見出さざるを得なかった今季にあって、サルドゥアの存在はとても大きかった。

右CBや他の周りの選手と形成する距離感、チャレンジ&カバーが行き届いた守備ブロックには常々救われてきた。相手のアジリティ、足技に苦しみファウルで止める場面も多かったけど、基本的に無理をしないこの人の守りは安定感に長ける。
また、機を見て豪快に駆け上がって上げるクロスは時にはベッカムばりの軌道を描き、ゴールを演出してきた。足技は並みレベルだが、タイミングの取り方や相手との駆け引きに長け、彼が仕掛けた場面はその多くでクロスを上げ切ってくれた。大変助かる。
4歳下のゴロサベルのように内外レーンを自在に使い分ける器用さは無く大外職人。然しそんなところも変化をつけられるゴロサベル⇔大外職人だが堅実な守備と元気に上がるオーバーラップで貢献する柔と剛。大変バランスが良かった。

そんな彼も今夏移籍を決断。トップチームで190試合も出場し、La Realの右サイドを長年支えてきたいぶし銀に強く感謝の意を表します。カディスでも元気な姿を見せてください!

 

#18 Andoni Gorosabel(アンドニ・ゴロサベル) 

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年齢:26
出身 :  Arrasate(Gipuzkoa県, バスク州
出身クラブ : Real Sociedad B (←Real Sociedad C)
契約満了:June, 2024

写真に見られるマスコット感が可愛くないですか?La Realのイケメン枠、俺はゴロちゃんを推したい。捕まえにいく守備が空ぶらなければあまり言うことは無い。たまにやるDFラインから自らを切り離してアタックにいく特攻DF、止められないと当然後ろに負担を掛ける。ただ、好調時は素晴らしいマーカーとして、スピードと当たりの強さをして脅威の対人能力を見せる。空ぶる時は強く当たりに行きすぎてると思うので、そこは集中を保って慎重に駆け引きして欲しい。
彼は中々いないぐらい位置取りが巧み。彼は相手が身体の向きや目線を動かさなければ捉えられないところでボールを受けるので、相手の守備を鈍らせる。華麗な足技を持っていない彼が攻撃の核になっている姿を観ると、サッカーで大切なものが分かってくる気がする。グループで崩すのが非常に上手い。

守備での安定感が上がり、ファイナルサードでの怖さが出てきたら代表招集も夢ではないと思っている。サルドゥアが去ってLDの第一人者となる今季、その真価が一層問われる。飛躍の一年にしてほしい!

 

#2 Álex Sola(アレックス・ソラ) ※2022夏B→トップ登録※

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年齢:23
出身 :  San Sebastián/Donostia(Gipuzkoa県, バスク州
出身クラブ : Real Sociedad B (←Real Sociedad Juvenil)
契約満了:June, 2026
ポジション:右SB、右WG、左SB、左WG

ソラという選手は、私が知る限りでも今まで右膝に2回の重傷を負い、長期離脱を経験している。その1つが2020年7月の前十字靭帯断裂、もう一つが2021年8月の半月板損傷。そんな災難に見舞われたA.ソラがトップ昇格を勝ち取りつつあることを先ずは大変うれしく思う。
私が新参ファンなこともあり彼のプレーをあまり観られていないのだが、特長として先ず挙げられるのが走力だと思う。ヘタフェに去ったポルトゥを想起させる豪快な駆け上がりは何方かというと賢さや連携プレーに強みのある選手が多いLa Realにおいて目立つし武器になる。激しい上下動を繰り返してもプレー強度を落とさないチームのエンジン。加えて逆足の技術の高さはドリブルにも生かされる他、昨季39節フエンラブラダ戦のATの決勝弾は、外からカットインして左足を振り、サイドネットに突き刺した。
また、恐らくトップチームのラテラルの中で一番危険なクロスを上げられる選手だと思う。うまくフリーの味方を見つけ、欲しい位置に送り込むグラウンダーのクロスやライナー性の低弾道のピンポイントクロスは決定機を演出する。

一方昨季トップで出ていた試合を観て思ったのは守備に危うさを感じる。相手のサイドアタッカーに対して見方がカバーに行けない状況でも勝負に行ってしまったり、ボールウォッチャー気味になって味方とラインを揃えたり良い距離を保って守れない場面が散見された。個人的にはポルトゥの移籍もあり、守備面に厳しそうなイマノルなら先ずはWGで様子を見るかなと思っていたのでサルドゥアの放出は意外だった。
ぶっちゃけ今季一番心配なポジションが右ラテラルである。ゴロもソラも観てて安心するほどの守備での安定感は無い気がするので。いい意味で私の期待を裏切って欲しいが果たして...。Sanseの選手にも出番が回ってくるかもね。

 

~CB/Central~

#6 Aritz Elustondo(アリツ・エルストンド)

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年齢:28
出身 :  Beasain(Gipuzkoa県, バスク州
出身クラブ : Real Sociedad B (←Real Sociedad Juvenil)
契約満了:June, 2024
ポジション:右CB、右SB

La Realの魂であり賢帝。鋭い読みで相手の狙いを最短で潰す。待ち構えるというより仕掛けるタイプのDFで、優れたアジリティを生かし、優れた観察眼で隙を見つけて身体を入れて勝負をつける。落下点に入るのが早いので、182㎝とCBにしては特別高いわけではないが、エアバトルも大概負けない。大好きなLa Realの中でも最も好きな選手。そんなアリツも本年挙式。本当におめでとう。いつまでも大好きです。

足元の技術も確かだが、差せない時は探し過ぎて敵に整えられる嫌いも感じる。彼からバイタルで待つシルバに綺麗に通るときは、La Realの攻撃が上手くいっている時だと言える。EIに低い弾道で出すロングキックも中々のもの。今季はビルドアップでの輝きも観たい。
ラテラル器用なんて勿体ねえ。LDはB、Cにガビロンド、カルボネルやルぺレスも控えてますから。

 

#24 Robin Le Normand(ロビン・ル・ノルマン)

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年齢:25
出身 :  Pabu(コート=ダルモール県, ブルターニュ地方)
出身クラブ : Real Sociedad B (←Stade Brest B)
契約満了:June, 2026
ポジション:左CB、右CB

個人的今季MVP。点が取れない今季のLa Realを上位に滑り込ませたのはこの人の鉄人の如き活躍でしょうよ。リーグ戦はイエロー累積で欠場した1戦を除いてフル出場。あんた最高だよ。縦パスを悉く跳ね返し、前に人数を割きがちなLa Realの最後衛を抜群のカバーエリアで支えた。鉄人とは言えエース級の選手なので休ませながら使って欲しいんですけどね。

また、苦手にしていたビルドアップも少しずつ進歩を見せている。差せない時でも持ち上がる努力を見せるのがこの男の良いところ。両足使えるので意外とさりげなく差してくれる。両足を使って華麗に捌く姿は一瞬スビメンディ?と見紛うばかりの時もあった。彼のビルド能力を疑う人はELを争う文字通りの天王山となった37節のVillarreal戦を観て欲しい。今季はパチェコが育って折を見て休めると良いね。

 

#5 Igor Zubeldia(イゴールスベルディア)

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年齢:25
出身 :  Azkoitia(Gipuzkoa県, バスク州
出身クラブ : Real Sociedad B(←Real Sociedad Juvenil)
契約満了:June, 2024
ポジション:CBDH(、LD)

チームに一人は欲しいユーティリティプレイヤー。左右のCB、中盤を器用にこなす。ワンボランチでもWボランチの一角でも両方いける。恵まれた体格を生かし、安定感のある表の潰しで貢献する一方、裏へのボールに滅法弱い。ひっくり返された時の反転、加速が重たくトップスピードも優れていない。が、特にベクトルを大きく変えた時の初速が無いと思う。

ここまで好き勝手書いてしまったが、元々中盤の選手であることを断っておきたい。
2020年夏にD.ジョレンテがEnglandに去り、急遽中盤から第3CBと化した。19-20もやってたとは言え、中盤が厚くCBが薄いというチーム事情が無ければ中盤で勝負しているはず。昨季(21-22)終盤にはCBも板についてきたのか本職ばりに順応した様子を見せ、アリツを抑えて幾試合も先発を張った。私個人はアンカーで出てたこの人の配球や糸を引くようなロングボールに痺れてRealistaになったという経緯があるので中盤で観たいのだが、Bチームのウルコ、アランバリも育ってきた中で彼がどんな道を辿るのか注目していきたい。

 

#20 Jon Pacheco(ヨン・パチェコ) ※2022夏B→トップ登録※

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年齢:21
出身 :  Elizondo(ナバーラ県/州)
出身クラブ : Real Sociedad B(←Real Sociedad Juvenil)
契約満了:June, 2027
ポジション:左CB、LI(、DH)

U-21代表にも名を連ねるLa Realの急成長株。U-21代表では特に、ギジャモンがA代表に召集されるようになってから召集、出場の機会を増やしたように思う。
昨季はトップ帯同し、LaLigaで10戦(内先発4)に出場した。同じB所属では一昨季のR.ロペス、昨季のR.ナバーロのように前半戦までで後半戦殆ど出られなくなる選手もいた中(RLは20-21終盤に再びイマノルの信頼を勝ち取り、出場機会を回復したが)、シーズンずっと存在感、出場の兆しが見えたのは大したもの。

大柄でスピードにも恵まれ、アトレティコの選手相手にも競り負けない球際の強さを誇る。小柄な選手が多いLa Realにおいて稀有な存在。中央で待ち受けるより、果敢に結構サイドに出ていく選手だが、出た先でしっかり抑えるので苦にしない。
また、この人のビルド能力はアリツを凌ぐかもしれない。ボールを晒しながらも細かいタッチで相手を寄せ付けない。取りに行くとストライドの大きい持ち出しで剥がされてしまう。また、速いのに大変綺麗な球質のグラウンダーを出す。これは跳ねて転がる元気なアリツのそれより上だと思う。ロブパスの精度も十分。

昨季チーム全体で亀のように引いたマドリー戦で気を吐いていたのはこの人と熟練の技を持つイジャラメンディだった。後ろにドン引いてとても出ていけなさそうな中でも蹴らずに持ち前のスキルと度胸で奪ったら前につけてしまう姿は大変心を打った。
そんな中この人の数少なかったミスパスが前向きにカットされ、失点に繋がり最終的に4-1で大敗。その試合以来ベンチを温めることが増えたが、個人的にはあの試合で苦境もものともしない強さをこの若手に見て、大変胸が躍った。
楽しみしかないので今季も注目していきたい。

 

(B) Urko González de Zárate(ウルコ・ゴンサレス・デ・サラテ)

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年齢:21
出身 :  Vitoria-Gasteiz(アラバ県、バスク州
出身クラブ : Real Sociedad B(←Real Sociedad C)
契約満了:June, 2028
ポジション:右CB、左CB(、DH)

今季PSMトップに帯同する期待の若手。昨季はBチームでレギュラーとして活躍。189㎝と立派な体格、厚みも凄い。セグンダでも当たり負けしないフィジカル、スピードを見せつけた。パチェコの時もフィジカル能力の事を書いたが、この人は相手の当たりに負けないというか、自ら吹っ飛ばす豪快なディフェンスを見せる、控えめなプレイヤーの多いLa Realでは珍しいタイプ。

足元の技術も非凡で、どんどん持ち上がる積極性が売り←買い。そしてどんどん縦に差しに行く。が見切り発車気味な時もありカットされることも少なくない。最終ラインから抜けてきた相手アタッカーに対して飛び出して当たりに行くことも多く、何かと隣の左CB・アランバリは肝を冷やしていただろう。何か見ていてヒヤヒヤすることも多いが中々いないタイプであり持っているものは特大。この選手が育つとかなり面白くなると思う。今から楽しみです。
因みにDHとしては微妙なのか、アンカーとして出た今季PSMのトゥールーズ戦では位置取りが悪くて全然受けられなかったしパスの選びどころもおかしかった。正直ピボーテではあまり観たくなくなったw 普通にCBとして試して欲しい。

 

(B) Aritz Arambarri(アリツ・アランバリ)

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年齢:24
出身 :  Azkoitia(ギプスコア県、バスク州
出身クラブ : Real Sociedad B(←Real Sociedad C)
契約満了:June, 2023
ポジション:CB(、右SB)

昨季Sanseで上述のウルコの相方を務めた。ウルコが積極的に出ていく動的なCB、このアランバリがしっかり危険なところを埋める静的なCBとしてつり合いが取れていた。派手さは無いが後ろをしっかり固める。個人的に単純な守備力ならスベルディアよりこの人なんじゃないかと思ってるんですがね。組立ても派手さは無いが落ち着いている。
18-19からBに所属し今季で5季目か。契約も来夏までなので今季が勝負の年になるだろう。トップの序列争いに割って入る活躍を見せたい。

 

Modibo Sagnan(モディボ・サニャン) ※22-23FC Utrechtへloan移籍

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年齢:23
出身 :  Saint-Denis(セーヌ=サン=ドニ県、イル=ド=フランス地域圏
出身クラブ : RCランス(←RCランス B)
契約満了:June, 2024
ポジション:CB(、左SB)

憎めない巨漢DF。La Real随一のフィジカル能力を誇り、クラブが惚れこみ約4.5m€で獲得した外様。話を聞くに、18-19のミランデスや昨季のトンデラなど、レンタル先での方がLa Realにいる頃より活躍してるんじゃないかと感じる。ソシエダで観る彼は、永遠のボールウォッチャー。何でもない場面でひょこっと釣り出され、裏を突かれる。凄いフィジカルの持ち主だが、相手に触れられず躱されてしまうこともしばしば。駆け引きの多いアタッカーの多いLaLiga向きでは無いのかもしれない。

彼はどうしてしまうんだろうと思っていた昨季、ポルトガル1部のCDトンデラで定位置を掴み取る活躍。リーグ戦27戦(内先発26)に出場し1G1A。今夏FCユトレヒトへの買取OP付きローン移籍を勝ち取った。J.パチェコという逸材が台頭したLa Realではあまり出番は無いかもしれないが、オランダでも頑張って欲しい。安寧の地に辿り着いて欲しい。

 

~左SB/Lateral Izquierdo~

#12 Aihen Muñoz(アイエン・ムニョス)

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年齢:24
出身 :  Etxauri(ナバーラ県/州)
出身クラブ : Real Sociedad B(←Real Sociedad C)
契約満了:June, 2024
ポジション:左SB

昨季急遽覚醒したカンテラーノ。知り合いの大好きなGipuzkoa県Zarautz出身のお兄さんに聞いたのだが、彼は元々トップチームに左SBが欠けた状況で実力を評価されてというよりは穴埋め的に抜擢された選手らしく、彼の20-21シーズン終了までの評価は高くなく、実際2021年夏は放出候補に挙げられて具体的な話もいくつもあった。獲得に興味を示すクラブも複数あったが本人が残留を希望してチームに残り、今季の活躍である。21-22シーズンの開幕はプレシーズンで昨季特に後半戦は絶対的レギュラーだったN.モンレアルが負傷離脱、ボーンマスから新加入のD.リコも負傷離脱という大変危機的な状況で迎えた。同じポジションに3人抱えておいて、シーズンも始まってないのにどうしてこうなる??甚だ疑問だし、もしアイエンがクラブを去っていたらどうなっていたんだろうね。ラグナロクかな?

というわけで代えが殆ど利かない状態でアイエンのパフォーマンスはかなりチームの命運を握っていた。そして21-22シーズン開幕、蓋を開けてみるとこれまでの華奢で頼りない姿が嘘のように、小さい身体で鬼神の如く相手の侵入を阻み、サイドを駆け上がった。涙が出そうになった。(一人でに、小柄な体躯と掛けまして、兎神と呼んでいます。フリ素ですので皆さんも是非そう呼んで(ry )もう過去のアイエンはいない。彼は名実ともにLa Realのレギュラークラスとなった。異論はかかってこい!(スター・フォックス風)

クラブが4-◇-2を採用し、ごりっごりなD.リコがブルドーザー的な活躍を見せ、アイエンの出番を奪ったのはまた別の話。ディティールを見ればアイエンの方が競り合い、ビルドアップ、WG、IHとの連携全てにおいて上回っていたと言えよう。流石に高さと走破力はリコの方が上です。すみませんでした。

 

#15 Diego Rico(ディエゴ・リコ)

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年齢:29
出身 :  Burgos(ブルゴス県/カスティージャ y レオン州)
出身クラブ : Real  Zaragoza B(← Real  Zaragoza Juvenil)

契約満了:June, 2023
ポジション:左SB

ボーンマスから僅か0.5m€でやって来てくれた、サラゴサユース育ちのフィジカリスタ。もの凄く立派な肩幅をしているが、瞳はつぶらである。姉か妹がいたら美人だと思う。クレルクとかいろいろな人が補強候補に挙げられていたが、2021年夏加入したのはこの人だった。モンレアルもお年でアイエンも移籍しそうだったので絶対1枚は要る状況でしたね。ボーンマスが何故こんなに安く譲ってくれたのかはよく分からない。

見た目通り凄く身体が強い。並みのCBより強いんじゃないだろうか。跳躍力含めた高さもあって、セットプレーの守備では大変重宝する。アイエンに一番勝っているのは空中戦の強さだろう。地上戦の1対1もあまり負けない。スピードもあり、バスケ選手のように身体をねじ込んで止めてくれる。とても頼もしい。一方そんなに器用なタイプではないのでビルドアップで何かをしてくれるわけではない。基本大外でしか活きないタイプだが、本人もそれを分かってる感じなので気にはならない。より極端になったサルドゥアさんだと思えばいい。結構違うけど。何が言いたいかというと、俺は別に偽SBとか言われる中使える選手だけが偉いとは思ってなくて、サイドをタイミングよく上がったり単純にサイドを守ったりってところが良いSBも素晴らしいやんねと。

2年目の今季はビルドアップのところでも期待してます。個人の好みですがより器用なアイエンの方が好きです。

 

(B) Jonathan Gómez(ヨナタン・ゴメス)(※2022冬Sanseへ加入※)

年齢:18
出身 :  North Richland Hills(テキサス州
出身クラブ : Louisville City FC(←Dallas Academy)
契約満了:June, 2025
ポジション:左SB

冬加入した時に一体誰?と日本のソシエダファン界隈をざわつかせたメキシコ人の両親を持つアメリカ生まれのホープ。前触れもなく突然加入が決まったが、メキシコ、アメリカ両代表の親善試合に出場経験があり、今後どちらのナショナルチームを選ぶか注目が集まっている実力者。

持ち味は積極果敢な攻撃参加と粘り強い突破。アドリア・ペドロサやモヒカのように独力でぶち抜くタイプではないが、味方を使い、使われる連携と少しの隙があれば上げ切るクロスで貢献。左サイドの攻撃を盛り立てる。

まだ18歳と若いこの期待の新星にはLigaを代表する左SBに成長して欲しい。好青年さを感じる笑顔から人柄の良さも感じる。長くクラブで活躍して欲しい。

Jonathan Gomez: Mexico calls up USMNT-eligible left back - Sports Illustrated

 

~守備陣総括~

現在時点(2022.8.6)外からの補強は行われていない。戦力の上積みで言えば、第3GKとしてのスビアウレの成長と残留。昨年夏に獲得したM.ライアンに移籍の引き止めの話を声高には聞かないのも、彼を第2GKとして据えるプランBにクラブが自信を持っていることも一因としてあるんではないかと思う。
CBのところは、今季Sanseから何人が定着できるか注目が集まる。レフティーのJ.パチェコが今季25番以内(トップチーム登録)となることが内定済み。左CBはレギュラーのル・ノルマンと彼で回る。一方右CBはアリツの一番手は不動。二番手争いをSanseのウルコ、アランバリが盛り上げて欲しい。気になるのが本職CBのウルコが今季PSMでアンカーとして起用されている事。完全に個人の推測だが、スベルディアが使われてウルコが使われない部分を見るに、イマノル監督がCBとして求められるフィジカル、スピード、ビルド能力といった素養も見つつ、動き、カバーリング、ポジショニングなどの部分を重要視しているのではないかと思う。La Realの武器の一つがハイラインを敷いても大崩れしない守備陣の結束。ラインを揃え、カバーの間に合う距離感を保って相手に簡単にはやらせない。ウルコは昨季のBの試合を観る限り、パワーや高さ、スピード、パスセンス、足元の技術など現代のCBに必要とされる素養を多角的に備えているが、個でなく集団で守る力にはいささか疑問符が付いた。幸いこのチームにはAritzという最高の手本がいるので、しっかり学んでレギュラー格に見事成長を遂げて欲しい。個人的にはポテンシャルだけを見ればチームでも随一の逸材だと思っている。

左SBのところは昨季後半に出場機会を減らしたアイエンの残留もあり、戦力を維持。大変見事なパフォーマンスを披露しながらシステム変更で出場機会を失うことになりつつも残留を希望してくれたアイエンには頭が下がる。
アイエンファンの同志は以下の記事を読んでともに感動を分かち合おう。
”俺は出場時間を望んでいるわけでも、何の不満を持ってもいない。La Realにいる俺より幸せな人間なんていない。”

www.mundodeportivo.com

B,Cチームは、将来のレギュラー候補は現状Jo-Goぐらいか。昨季Sanseが2部を戦うにあたり、マラガからC.ロメロを、サラゴサからE.クレメンテをローン加入させたクラブの評価を見返したい。無理な願いと分かっていようと、各ポジションから地元カンテラーノの有望株が出てきた方がほくほくしますよね!
それでは次回の中盤編までさようなら。1/3でも開幕前に間に合わせられて良かった!(遅筆)