22-23 LaLiga第5節 ジローナFC対レアル・ソシエダ(2022.10.2)@Estadi Montilivi

Gironaの本拠地、Estadi Montiliviでの一戦。Girona、思ったよりフランスとの国境に近い。地図で見てみるとSan Sebastiánは国境西端、Gironaは国境東端付近といった印象ですね。同じスペイン北部と云えど、遠いなぁ

この試合は生きた心地を失いながらライブ観戦していました。試合は壮絶な撃ち合いに。マンツーマン気味の守備を敷いたものの対人で負けてマークを剥がされ、ボコボコボコっと3点叩きこまれた後如何にして追加点を防げたのか
また、コンパクトで隙の無いように見えたジローナの守備から如何にして得点をもぎ取ったのか、注目して振り返っていきます!
YouTubeチャンネル”オトラボ”でLaLiga3強以外の各クラブの情報中心に取り上げている中の人・松井さんがこの試合のマッチレビューをしてくれています。以下リンクからご覧ください。ラレアル対ジローナの振り返りは3:15~です!

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◇先発紹介

スターティングイレブン

<ラ レアル>

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今組めるベストメンバー。怪我から復帰のCFDEZ、D.リコはベンチスタート。久保とソルロスのコンビはとてもしっくりくる。大型で走力に優れ、前線で身体を張れるソルロスと、当たりには強くないが、サイド/2列目でのプレー、裏への抜け出しとLa RealFW陣随一の"プレーの幅"を持つ久保はLaLiga、EL双方でチームを盛り立てている。
中盤ロンボのセットはもはや説明不要。攻守にチームを支える何でも屋。

懸念点はCB。ル・ノルマンに加え代表ウィーク中のトレーニングでスベルディアが負傷し、トップ登録25人の中で稼働可能な選手が2人だけに。本職ではないながらプレーできる選手として数えられるのは中盤のスビメンディ、D.リコ。但しD.リコはLa Real加入以降SB/WB以外でプレーした経験はない。
イマノル監督はCBのバックアッパーについてリーグ戦はB(サンセ)のウルコ、スビ、リコを、ELはこの3名に加えウルコと同じくB登録のA.アランバリの手を借りると記者会見で語っている。
※23歳以上のB登録の選手はLaLigaの試合に出場することはできない。
(DVによる関連記事。大先輩Realista ぐるぐる亭さんからの情報提供です。)

real-sociedad.diariovasco.com

<ジローナ>

3-4-2-1的フォーメーション。トップのカスティジャノスは上背はないが機動力と当たりの強さ、シュートのパンチ力に優れる。アルヘン出身ぽい。2シャドーはレイニエルが負傷のためロロとバジェホのコンビ。両WBのアルナウとミゲルは連携に優れた選手で周囲とトライアングルパスで攻め上がるのも得意、要注意。


◇交代

<ラ レアル>

’55
①ゴロサベルOUT、A.ソラIN
交錯で足首を捻挫し負傷交代。1週間程度で復帰できる見込みらしい。結構腫れてたのが痛々しかった。

'82
②シルバOUT、トゥリエンテスIN
③アリツOUTゲバラIN
大幅変更。トゥリはトップ下、アンカーにゲバラ、右CBにスビメンディ。今度リコのCBも観てみたい。信頼に足らなければそこでは使われないだろうが。

’87
④久保OUT、ナバーロIN
⑤ソルロスOUT、CFDEZIN
CFDEZお帰りなさい。昨季は開幕前の大怪我で一試合も出れず。長かった...。
ナバーロ出場良かった。4-4-2は彼向きのフォーメーションではない。PSMでは4-3-3の左WGで頭角を現していた。

<ジローナ>

’54
①M.バジェホOUT、#21Y.エレーラIN
ヤンヘルはそのまま右シャドーに入った。どちらかというと3列目、CHという印象だったので驚いた。

’75
②フアンペOUT、#11バレリーIN
ジローナ、4バックに変更。バレリーが右SH、ヤンヘルがトップ下に入る。

’78
③アルナウOUT、#20Y.コウトIN
④A.ガルシアOUT、#32ウレニャIN
ヤンヘルがWピボーテの位置に下がり、ウレニャが左WGの位置。ヤン・コウトはアルナウと入れ替わりでそのまま右SBの位置。


◇攻撃

<組立て>

横並びのDF4人+アンカーのスビを中心としたボール出し。
SB2人は中盤がボールを持つと位置を上げて大外の高い位置を取りに行く。CBにバックパスが出ると、同サイドのSBは上がったとこから戻り、CBの近くにサポートに行く。

ジローナの1stプレスラインはCFWのカスティジャノスがアンカーのスビをマーク、シャドー2人はラレアルのCB、IH、SBを同時に見る中間守備。シャドーがラレアルCBに出て行くと、SBにはWB、IHにはCHがそれぞれ前にずれて捕まえに来る。

中盤はマークがきついが、ダイレクトパスやキープ力、1個レーン、人を飛ばすパスで密集を抜けるスビメンディ、メリーノ、シルバの捌きが光った。

30分頃~
アイエンを左HVの位置に入れ、ゴロサベルを高い位置に上げる3-4-3の構えに変えた。ボール出しはアイエン、パチェコ、アリツの後ろ3枚とスビが中心。
シルバ、ブライス、久保、メリーノ、ゴロサベルらが入れ替わり立ち替わりボールを引き出し、ジローナ守備網を押し込んだ。


<その他>

La Realが後ろ4枚ベタ引きビルドで相手WBをSBで引き込む時、これまでの相手には2トップの一角を相手CB脇から抜け出させるダイレクトな攻撃が有効だったが、ジローナ3バックはボールサイドへ圧縮してきてその攻め筋は消されていた。

シルバやブライスらが前を向いてボールを捌ける頻度が高かったので、そこに呼応して久保やソルロスがハーフレーンや大外でボールを受けて仕掛けたり、アイエンやゴロサベルの上がりからクロスを上げる。

◇守備

<組立て>

基本マンツーマン。ボールに近いところから、人について嵌めに行く。逆サイドは捨てる。
ジローナはCB3枚+CH2枚(+引いてくるロロ)でボールを出す。中盤にボールが渡ると、アルナウ+ミゲルの両WBは大外レーンの最前線まで張り出し、La RealのSBをピン止めしてDFラインを薄く横に伸ばす。これにより2シャドーは外に張らなくてよくなり、フリーマンに。M.バジェホは前線に、ロロはバイタルを取りにいくことが多い。

76分~
4-2-3-1の形に変わる。組立は2バック+ロメウが中心。高めに位置取る両SBに対し、La Realは両SBがSHのマークに追われておりぶつけるマーカーがいない。ここの持ち上がりを起点にする場面が増えた。大外の枚数が+1になったことでLa Real守備を困らせた。

85分~

La Realの守備が、人を捕まえに行くマンツーマン気味守備から4-4-2ブロックに明らかに変更。悲しいのが中盤本職のトゥリエンテスがソルロスと前2枚を構成し、FWの久保が中盤ブロックに入っている事。トゥリは動きの練習頑張ろう。それプラス久保の守備が相当良いのだろう。

<その他>

大外に張り出した両WB、2シャドーからのクロスや、La Realのマンツーマン守備を1枚躱してDFラインに突っかけてのチャンスメイク。ジローナの攻撃配置が良く、La Realのマンツーマンと相性が良い。1枚剥がした時にLa RealのDF4枚は前線や高く張り出したWBにピン止めされているので、バイタルに大きな空白。ここを使われてピンチを招く場面が多かった。La RealのDFラインをピン止めするのはWBなので、カステジャノスはバイタルに降りるとこのスペースを自由に使える。ロロも低い位置で受けてからの長距離の運びでバイタルエリアを切り裂く場面も。マーク担当のブライスは速さで劣る。
つまり、ジローナのチャンスクリエイトは偶然によってもたらされたものでなくて、マンツーマン守備が攻撃側の選手の配置に従属するという特性を利用し、La Realの守備網にウィークポイントを創り出して均衡を崩す。3得点はジローナの作戦勝ち。La Realはバイタルをフリーで上がってくる選手を手前で止めに行く勇気を持てず、PAまで持ち込ませてしまう場面があった。昨季までを観ていると確かに最終ラインにメリーノやスビが降りてこないとCBがDFラインから飛び出さないという原則を感じる場面があったが、今日の試合に関してはリスクを冒していくしかない場面でいけてない場面が多かった。

 

◇選手寸評&プチ総括

大活躍/そこそこ活躍/普通/あんま良くない/悪い

<ラ レアル>

レミー
3失点目は正面寄りだったので彼なら防げたかもしれない。が、距離も近くフリーだったので文句は言えない。DAZN解説の松原さんは「手前のバウンドで伸び、処理が難しかった」とコメント。75-76分、ロロが立て続けにフリーで右足を振り抜いたが、連続でパラドン。契約更新イメージビデオのぺロタの壁を思い出した。

ゴロサベル
アイエンと両CBが後ろ3枚を形成してから、ゴロはブライスとどちらかが右IH、もう一方が右WGのタスクを入替えながら行った。

3失点目はゴロサベルが中盤でパスを引っ掛けたところからのトランジション攻撃に因るもの。

アリツ
1失点目の自陣でパスを引っ掛けられたところは不用意。失点を招き代償が高くついた。さらに3失点目、カステジャノスに突っ込んで躱された後にコケてしまい、豪快に蹴り込まれた。
ただし、カスティジャノスへのロングボールを悉くインターセプトし続けた守備対応は評価したいし、特に後半バイタルフリーで受けた相手に対する鋭い寄せで何度もチームを救った。
81分ソルロスの爆速ドリブルの脇を駆け上がって追い抜き、決定機を迎えたがトラップが足につかなかった。決めてれば評価はもっと高かったと思う。

パチェコ
配球面はこの日も秀逸。失点の場面等守備対応で少し後手を踏む場面があった。対人は強いがカバーリングや駆け引きは向上の余地がある。

アイエン
左HVの位置に入っての捌きや人に強いマーキングでチームに安定感をもたらした。後ろ3枚を構成している時にも機を見て駆け上がるなど積極的な姿勢を見せてくれた。そこからのクロスは残念。

ただし、相手の裏へのパスに対するインターセプトを空ぶる場面もあった。慎重にいくべき場面もあるが、積極性は買い。

スビメンディ(ゴール:①、アシスト:②)
速い動き出しでへその位置で何度も受け、ボール出しの核に。この日は近場へのグラウンダーだけでなく、前線をスペースに走らせるスルーパスも目立った。スペースを見つけるや自分で持ち上がる柔軟かつ積極的なプレー選択
チーム2点目のアシストは球質が素晴らしい。
4点目のゴールは、ゴール前に飛び込んでソルロスとともにDFを引きつけ、フリーにしたメリーノのトラップミスが零れてきてそれを押し込んだ。

守備でも躍動。34分、アリツの股を抜いたロロの突破、クロスの流れからA.ガルシアのシュートをブロックした場面は値千金。

ブライス・メンデス(ゴール:④)
ロロに対する守備対応は手を焼いたが一瞬のスピード的にミスマッチだし、ブライスはアタッカーなので仕方がない。
攻撃面は流石。相手守備を往なして守備者の目線と体勢を変えさせるパスワークが光る。また、ゴロサベルとのコンビネーションは既に熟練の域。ゴロが内側(ハーフレーン)に入る時は大外に、大外に張る時は内に位置取った。

3点目のFKはチームを救った。得点後大声と振りでチームを鼓舞してる姿が情熱的だった。

メリーノ(アシスト:③)
身体を張った守備がこの日も素晴らしかった。攻撃面では競り合いの強さによるボールキープ、味方をサポートに違いを見せ、トライアングルの底として器用にテンポ良いパス攻撃を支えた。言わずもがな球捌きに長けるので、1タッチ2タッチで素早く正確に捌き、相手マーカーを寄せ付けない。出しどころも文句なし。

シルバ
攻撃に変化をつける絶対的な崩しの切り札。ジローナはシルバにマークを着けないので、意外とバイタルでも時間がある。いつも通り周りとうまく絡んで攻撃を活性化し、1点目と4点目はプレアシストを決めた。

久保(ゴール:②、アシスト:①)
どんな場面で受けてもサポートがいればワンツーで局面を打開できる。タッチが細かいので相手は飛び込めず、良い形で受ければ殆どの場面でシュート、クロス等ラストパスまで繋げてくれる。
守備でも献身的に走り、時にはフリーで持ち上がる選手を長い距離を戻ってマークにいったり、鋭い寄せでボールを回収する場面が光った。79分の競り合いではソルロスが外さなければ実質上のアシスト。
S.ブエノの背後を取り、最終ラインとGKの間にグラウンダーを蹴った1点目のアシストは文句なし。

5点目は角度がきつくスーパーだったし、似たような場所から撃った50分のシュートシーンはフリーのシルバを囮にして、DF3枚を相手にしながら仕掛けて撃ったもの。密集を打開する度胸と積極性、ドリブルの細かさ、アジリティーが光った。

ソルロス(ゴール:③,④、アシスト:①)
この日はあまり大外に流れず、中央~左ハーフレーン辺りを静かにうろうろしてチャンスを窺った。シルバがパスレシーブできているので特に下がる必要もなく、最前線での仕事に集中できた。79分のポスト直撃はご愛嬌と言えるのは、2点決めてくれたから。
ゴール前中央から、ファーサイドに流れる動きで相手左HVのフアンペの背後を取り先制点。

(途中出場)
ソラ
見劣りしない守備対応を見せた。まずいポジショニングや釣りだされる時があった昨季より格段に守備が良くなっていると思う。終盤、自分達がボールを握りたい時間帯で、簡単に付近の味方につけず、囲いの外に渡す良いボールの動かし方をした。

トゥリエンテス
最前線のプレスに従事。精力的に走った。攻撃面はあまり目立たず。

ゲバラ
この試合に関しては昨季の簡単に下げてしまうゲバラは完全に消え去っていた。どんどん前に着けていく縦パス、自分のところで止めきる守備。
出番は少なくとも良いトレーニングができている事を窺わせる素晴らしいパフォーマンス。

ナバーロ
5点目が決まった後、チームはマンツーマン守備から4-4-2のブロック守備に切り替え、中盤ライン4枚の左の位置に入った。ブロックの中での動きは上々。ボールと味方、相手の位置に合わせて細かくポジションを修正できていた。
攻撃面はあまり出番なし。

CFDEZ
シュートを積極的に放った。ボールを引き出す巧さ、周りを使う巧さどれも錆び付いてない、長期離脱した選手が良い状態で帰ってきてくれることは凄く嬉しい。

<ジローナ>

フアン・カルロス
浮き球対応で迷いを見せる場面や、セービングの弾き方がやや不安に見えたが、5失点はいずれも彼が悪いわけでは無いと思う。

S.ブエノ
1失点目こそ久保に背後を取られたが、その後は要所を締めていた。結構初速が速くて予測も良い。ただよりアジリティに長けたマーク対象の久保との1対1には苦しんだ。3点目を入れてから特に大きくサイドに流れる時以外は久保のマンマーク

ベルナルド
恵まれた体格で競り合いでこそ強みを見せたが、小回りが利かずLa Realの揺さぶりに手を焼いた。

フアンペ
ソルロスの2得点はどちらも彼が背後を取られた。リアクションも鈍く、ソルロスを気にせずひたすらボールを見ていたのはいただけない。マーク対象がどういう動きをしようとしているか、

アルナウ・マルティネス(ゴール:②)
豪快なヘディングからチーム2点目をマーク。FKからの流れ、La Realのクリアがうまくいかず、零れ球をロロが左サイドで拾ってファーサイドにクロス。パチェコの下がりながらのクリアが上方向に上がってしまい、PA内でCBのベルナルドが折り返し、これがゴール左寄りで待っていたアルナウに上がり叩きこまれる。

オリオル・ロメウ
素早い寄せから攻守を連発。特にセカンドボールへの反応が凄まじかった。迷いのない速く適確な配球も素晴らしく、攻撃にテンポを生んだ。ボールタッチも繊細で取れない。当たりも強いので尚更。
黙々とボール回収、速い捌きを見せる彼はブンデスリーガ屈指のCHに成長した遠藤航を思わせた。

アレイシュ・ガレシア
ところどころ間で受けるポジショニングと間受けからの配球でチャンスを生んだ。ただ、ボール出しでの貢献はいまいちな印象で、90分通して素晴らしい選手には見えない。守備面でもブロックの一因としての動き、位置取りは良かったが、対人やカバーリングなど特段の強みはそこまで感じない。

ミゲル・グティエレス
ボールを持った時のアイデアやプレーのバリエーションが他のLIと比べて豊富な印象。周りを巧く使ってプレスを簡単に往なす。アルナウのクロスにファーから飛び込んで合わせた場面は惜しかった。GK正面で無ければ入っていたかも。
外から中に入っていく動きは捕まえ辛いしこの人の武器になっている。

マヌ・バジェホ
中央、サイドでドリブルをがんがん仕掛けるロロほどの華は無いが、大外のアルナウや中央のカステジャノスのサポート、クロスへの飛び込み、プレスバック等々WGながら"水を運ぶ"タスクをこなし、好印象を持った。

ロロ・リケルメ(ゴール:①)
寄せが緩いと簡単に緩急で剥がして一気にバイタルまで駆け上がる。1対1に強いこの人にマンマークは分が悪かった。また、敢えて大外の低い位置に張り出してフリーで受け、直ぐにドリブルを開始し一気にPAまで駆け上がるなど自分の武器の活かし方も心得ていた。ファイナルサード以外でも大きな働きができるのは、アタッカーとして素晴らしい。
同点ゴールは味方がパスカットしてのトランジションから、デスマルケでマーカーのスビから離れてパスを受けると、寄せに来たスビに対し、股を通して外してPA手前から豪快なミドル。ニア上隅に超弾速の一発を叩きこまれ、長身のレミーロも届かなかった。

カステジャノス
彼自身が目立つことは多くなかったが、攻撃ではLa RealのCBを引っ張ってピン止めし続けて他のアタッカー陣にスペースを供給し、守備では粘り強くプレスを掛け続けた。スビメンディに入る回数をもっと絞れたら良かったが、インターセプトを狙って彼の少し前でカバーシャドウする形だったので、抑えきるのは難しかった。そこは監督の判断もあると思う。

(途中出場)

Y.エレーラ
昨季はCHでばかり観ていたので、シャドーと前の位置に入ったことが驚きだった。パチェコにも負けない当たりに強さで前線の起点になった。サポートが上手い。

バレリー・フェルナンデス
目立った活躍は見せられなかったが、周囲との連携の良さは窺えた。

ヤン・コウト
この人の武器はスプリント力と思い切りの良さが出る鋭い攻撃参加。何度かサイドを抉ったが、決定的な場面には繋がらず。最近開幕当初に対してアルナウとの序列が逆転しているかなという印象。

ウレニャ
La Realが守備に重きを置いたこともありボールをあまり受けられなかったが、精力的なプレッシング、プレスバックで貢献。
終盤何度か前向きでボールを持って仕掛けた。ぶち抜けたわけではないが、キレは鋭かった。
少し来歴を調べると、フベニールA時代からGironaに所属する2003年生まれの19歳。活躍に期待したいです。

 

(感想)
守備の脆さをジローナに突かれた試合でもあり、それを自慢の攻撃力で跳ね返した試合でもあった。守備時にカウンター等で中盤4枚が後ろを取られて広大なバイタルを好き放題に突進される場面が何度も訪れた。WBのDFラインピン止めでLa Realバイタルを広げたジローナの配置で優位を取りに来る作戦は見事だし、1枚2枚剥がせる強さ・巧さを持ったジローナの選手達(特にCHのオリオウ・ロメウ、シャドーのロロ、CFWのカステジャノス)も素晴らしい。だがそこに対応しきれず危機を何度も迎えたLa Realの守備アプローチはどうなんだろう。

大量5得点をたたき出した選手達の強い精神力、閃きは勿論称賛したいが、欧州の舞台で結果を残す事を目標に掲げるこのチームに、主導権を渡さない守備の構築は求めて然るべきだと考えてこの先の試合を見守っていきたい。