La Liga 第22節 ソシエダ対カディス

カディスアンダルシア州でも最南部、ジブラルタルと唯一接する県、カディスに本拠地を置くチーム。人口は約120万人。県都ジブラルタルの北西にある半島に位置する港湾都市

今季第10節は1-0でアウェイのソシエダが勝利。今節はソシエダがホームに迎えての一戦。スターティングラインナップは以下の通り。

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前節ビジャレアル戦から入れ替え3枚。まずCBのル・ノルマンが累積(イエロー5枚)で出場不可⇔スベルディア。右SBがサルドゥア⇔ゴロサベル。右SHがポルトゥ⇔ヤヌザイ

 

<攻防>

 

 ・ソシエダの攻撃

開いたCB又は中盤1枚が降りてきて後ろのラインが3枚構成時の外側2枚に対し、カディスの2トップはプレッシャーに来ず、両SHがソシエダSBを切りながら詰めてくる。→ソシエダカディス2トップ脇を起点に、比較的自由に球出し。

基本的にソシエダの攻撃の狙いは以下の通り。

●ビルドアップ

2トップ脇でカディス中盤ラインを誘い出し、2ライン間に刺す。

 

カディス1stライン突破後

圧縮したカディス4-4ブロックに対し、サイドのスペースを起点にする。

この試合のカディス2トップの守備貢献の少なさは致命的に見受けられる。スアレスメッシの4-4-2(0)を彷彿。

一度自分達のラインを超えられた後のプレスバックも疎かで、レイオフのような形で一度2ライン間に刺した後一列ボールを戻した時、プレスバックを怠る2トップと、2ライン間を圧縮するために最終ラインへ寄った中盤ラインの距離が広がり、カディス1stライン-2ndラインの間に広大なスペースができている場面が散見。

なお、攻撃はヤヌザイ2ライン間の大外レーンでボールを引き出す、右から展開することが多かった。ゴロサベルヤヌザイにボールが入ると右ハーフレーンを使用。

一方左のオヤルサバルは、敵SBの脇で敵最終ラインまで前進。左から攻める時はモンレアル(外抉り役)イジャラ(その補佐+パサー)が外側を担当し、オヤルは中に入る形。

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カディスの攻撃

後ろから繋ぐというより、ロングボールを蹴る事が多かった。前進したSHを狙って、または2トップ目掛けて。

カディスは後半開始から、守備時は5-3-1のような形になる。

保持時は外のWBが高めの位置を取ると同時に#21ソブリーノが高い位置を取り、3-4-2のような形。

ガリード選手は守備的中盤もDFもこなす万能選手なんだろうか。

59分の交代を機に4-4-1ブロックに変更したように見受けられる。中盤ラインは右からソブリーノ、ペレアガリード、イスキエルド

保持時はソブリーノが一列上がる4-3-2。

 

<選手交代>

カディス1/5枚目

'16 ヨンソン#2OUTガリード#5IN

戦術的なものでなく、アクシデントによる交代(左足ハム?と実況)。同じ右のCHに入る。

カディス2/5、3/5枚目(2枚同時交代)

 '59 ネグレド#18OUT、シャポニッチ#12IN

    カラ#16OUT、A.エスピノ#22IN

シャポニッチはそのままトップに。

エスピノは元々左サイドバックの職人らしく、守備時はLSBに入り、CBはボランチを務めていたファリが右、左はペドロ・アルカラ。イスキエルドが一列上がる4-4-1ブロック。保持時はソブリーノが1列上がる4-3-2。

3点ビハインドを考え、構築を変更した恰好か。

 

ソシエダ1/5、2/5枚目(2枚同時交代)

'62 イジャラメンディOUT、シルバIN

   ヤヌザイOUT、メルケランスIN

4-1-4-1のゲバラ前の中盤ライン並び変更。右からメルケランス、シルバ、メリーノ、オヤル。

シルバはいつもは崩しのキーマンだが、今節はセーフティなパス回しを心掛け、ゲームを殺す役割を担っていた。ゲバラのゲームメイクを助ける位置を常に取り、ポゼッションを安定させていた。

メルケランスは右に入るも、オヤルと左右を入れ替えたり中に入ったり流動的。

 

ソシエダ3/5枚目

'72 イサクOUT、カルロスフェルナンデスIN

ドブレーテのイサクおつかれ交代。割と満足そうな顔でピッチを出て行った。イサクの好調もあり、この序列。この点差ならバウティが観たかったです。CFDEZさんは囮の動きが上手いことが分かった。

 

ソシエダ5/5枚目

'82 オヤルサバルOUT、バレネチェアIN

   スベルディアOUT、サニャンIN

同ポジ同士のおつかれ交代。サニャン久しぶりに観ましたw

バレネとメルケランスはどちらも左メインだが、この試合はバレネが左。

 

<得点等>

25’ オヤルサバル得点(PK)

遡りのVAR。ヤヌザイキッカーの左からのCKをクリアにいったネグレドの肘に当たってのもの。体を大きくしていないと言えなくはない。

⚽RSO 1 - 0 CAD

29' スベルディアPK献上紛い

ロサーノのエリア内右隅からのセンタリングがマークしていたスベルディアの肘に直ヒット。主審はPKの判定→VARチェックで取り消し。

こちらはセンタリングをスベルディアが体右側面で受けるような形。肘はそんなに体を大きくしているようには見えなかった(若干体から離れていたが)。

→ドロップボール(ソシエダボール)で再開。

※ただ、このシーンは前節の失点(パレホのミドル)の焼き増しのような展開。右を抉ってのクロスが敵にカットされてから逆に右に展開されてのカウンター。右を担当すべきイジャラは何故か即時奪回のためか中央に詰めてしまい、右SBのバイタル手前までの持ち上がりを赦してしまう。正直同じ形でやられるのはあまり見たくない。

 

35' オヤルサバル得点(アシスト:メリーノ)

GKレミロのロングボールの跳ね返りをメリーノが回収2タッチ目で敵DFラインのすぐ裏に柔らかいロブパス。この時イサクが中央レーンで退く動きをしており、カディスCBの裏に抜け、ワンバウンド。

→抜け出したのはオヤル。もう一人のCBカラは置き去りにし、PA手前でCBマウロに競られながらも体を前に入れてボールゲット。右足で左足の前に置き、GKレデスマの左脇下を抜いてゴール。今季10点目をマーク。

⚽RSO 2- 0 CAD

 

37' イサク幻のアシスト(ヤヌザイシュートミス)

左に流れたイサクが敵SBカルセレンを抜き、CBマウロに寄せられながらもエリア左隅からピンポイントで浮き球のショートクロス。GKレデスマ跳んでこのボールを弾きにいくも触れず。ヤヌザイ無人のゴールの上へ打ち上げ、2mぐらい。足の付け根に当たったんで抑えるのに窮した。多分勢いを吸収するように当てにいけば入ったんでは。。

この一連に限らず、イサクが流れ、オヤルが代わりに中央に入る形が多く見られた。浮いて受けたイサクが、ドリブルでチャンスメイクを狙う形。

 

46' マウロ#4、レッドカード退場(オヤルサバルへのファウル) 

GKレデスマゴールキックで左に→ネグレド背後のSBイスキエルドに落とす。ここをSHヤヌザイとIHメリーノで挟む。

イスキエルドは横のCHガリードへパス。マイナス方向になり、ガリードはゴールへ背を向けてトラップ、トラップ際をイジャラがつま先で突っついて右ハーフレーンのイサクへ。

イサクファリを引きずりながら中央に斜めにドリブル。中央からダイアゴナルランで、DFラインのカルセレンマウロの間から裏へ抜けようとするオヤルへ、マウロの注意を引きながらラストパス。マウロが腕を使ってオヤルを倒す。

主審はイエロー判定も、VARにより、レッドに変更。

 

53’ イサク得点(アシスト:ヤヌザイ

ファウルで得たFKのクイックリスタートから、ヤヌザイ、左大外で受け、対面のSBイスキエルドが寄せ切る前に鋭角のスルーパスイサクガリードカラの間から右斜めにダイアゴナルランで抜け、ワンタッチでゴール左隅へ。

ヤヌザイのこの形のスルーパスは前節ビジャレアル戦でも2本トライして2本とも通っていなかったので、個人的に嬉しかった。イサクの抜けるタイミングや斜めの抜け方もよかったし、カディスCBはあまり狙いを感じられてなかった。

⚽RSO 3 - 0 CAD

 

’58 イサク得点

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左サイドのモンレアル、イジャラ、オヤルのトライアングルパスでカディスDFを左に集めておいて、浮いたメリーノにパス。

メリーノに渡しソシエダゴロサベルを除きアタッカーを中央~左のレーンに集中させて、ゴロアイソレーションメリーノは溜めてから右のゴロに展開。

ゴロは2タッチでセンタリング、オヤルが左(ファー)からニアにフリーのまま詰めてヘッド、GKレデスマが弾いたボールがクロスバーに跳ね返る。

→跳ね返りをイサクが頭で押し込む。

⚽RSO 4 - 0 CAD

シルバ不在時はアイデア不足も懸念される中、彼抜きでも狙いがハマった得点と見受けられるゴール。多くの選手が得点に絡んでいる。気持ちがいい。

 

'64 ソブリーノ得点

エリア内でオヤルが敵PA内でハンドの判定。FKはGKレデスマが右サイドにロングボール。

→ハーフライン手前でRCHペレアが流れて受ける。CHガリードとワンツー。戻しのパスがマイナス方向で、次のプレーのための時間と空間を得る。

→この時ソシエダDFラインではRSBゴロがLSHソブリーノに振り切られており、ペレアからの超アーリークロスに抜け出したソブリーノレミーとの1対1を制してゴール。VARチェック入るもゴール認定。

RSO 4 - 1 CAD⚽

全体を右に寄せてのFKなこともあり、シャポニッチ、ソブリーノが右ライン際まで開いたことで、チャンネル(RSBのゴロとRCBのエルストンドの間)を広げられ、間を通された。しかしゴロのマークがタイトなら防げたはず。前入られて抜け出されて、だったんで甘々。

 

~雑感~

エルストンドのボール出し、ほんますこ。前にズバズバ刺してくれる逸材。

・試合を落ち着かせるシルバが効いてた。プレーの幅、クオリティは流石。

カディスは4バックの方がやりやすそうだった。何で途中後ろ5枚にしたし。謎。

・わしならオヤルもうちょい早く下げたなあ。この先苦戦を強いられる相手には外せないため。あとスベルディアじゃなくてエルス外した。まあアルグアシル監督がガチムチ系コンビを嫌い、ビルドに長けた彼を残したかったのか否か。

メルケランスゴール未遂2発(71分、74分)。71分はDFラインの背後に出したオヤル(アシスト未遂)がオフ。74分は左大外抜け出したモンレアルのクロスに、CFが潰れた背後でドフリーで合わせヘッドを撃つも、GKレデスマ超反応、ワンハンドセーブ。アシスト未遂もあった(85分のシルバロスト→ゴロ回収即パスに右サイド抜け出し)。メリーノ決めよう。

ソシエダ、アタッカー達が連動してた。一人が貰う動き→隣の奴は逆ベクトルの動きでアシスト。

 

久々の勝利!(大晦日ビルバオ戦以来 分敗分分 で5試合ぶり)

勝つとめちゃくちゃ嬉しい。ヘタフェ戦も頑張ろう!怪我無く帰ってきて欲しい。