🌳La Realの育成、提携クラブとの取り組みについて(1/2)

提携クラブの一覧がクラブ公式サイトにリストUPされたとの知らせを受け、標題記事の作成を決めました!本Partでは、La Realと、その提携クラブがどのように関わっているか、記していきます。
どっちにしろ細い内容ですが、実際にどんなクラブがある?どこの地域にあり、どんな選手を輩出している?などについては次Partで紹介しますので、そちらをご覧ください。

公式サイトの、提携クラブが掲載されているページのリンクは以下の通りです!

fundazioa.realsociedad.eus

La Realは、補強により獲得してきた選手達でなく、自分達の育成機関”Zubieta”で育った選手を軸に据えて戦っていることはLaLigaファンには知れ渡っていることと思います。
それでは、La Realが地方政府との取り決めの下、12歳未満のユース選手を入団させない/抱えていないということはご存知でしょうか?

この記事では、La Realの、育成に対する考え方に触れながら、「タレント」の育成を担う主役の一派である、提携クラブとの取り組みについて書いていきますm(_ _)m

◆選手の育成に対する考え方について

ユース年代の選手をプロのサッカー選手に育て上げるには、
技術面/戦術面/フィジカル面
の指導、成長が求められることは言わずもがな、La Realでは、それらピッチで問われる3要素が成長するための根底として、子供達にとって、
社会生活に馴染むこと(*)/家庭での生活/学校教育/感情面の発達
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(*)
:社会的刺激(例えば、集団生活による義務や制限)に対する感受性を身につけ、その集団または文化の枠組みの中で、生活を送る方法を学ぶこと

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これらがとても重要な要素だと考えられています。つまり、一人間としての要素ですね。
そして、これら要素の発達が、家族との生活、学校生活、地元という場所での生活、そこにいる友達との時間...etc これらにより促されると信じています。
La Realは「教育機関、提携クラブ、家庭...etcといった多くの担い手と連携・協力して、Gipuzkoaの子供たちの教育に参画する」というクラブの指導方針を、Gipuzkoa県政府、同県サッカー連盟(*)と共有しています。
(*)県政府/県サッカー連盟は、地域のサッカー選手育成の"担い手"を統括する公的主体として、La Realの育成プロセスに大きく寄与しています。

この考え方により、La Realは、将来のサッカー選手の少年時代、つまりユースキャリアの「入門段階」では、教育的観点から、彼らがありのまま育っていく自然な経過を尊重しています。これにより、将来サッカークラブに入団するGipuzkoaの子供は、少年時代を「日々家族との時間があり、地元の友達とともにサッカー以外の面にも思い思いに触れる」という環境で過ごしています。

クラブが抱える最年少選手の年齢は12歳です。12歳未満の将来のLa Realトップチーム選手はどこにいるのでしょうか?Gipuzkoa県、県外諸地域の隅々にその萌芽が見られます。

◆提携クラブとの関わりについて

La Realの育成プロセスの入門段階では、子供達が様々な規律・秩序や身体の動かし方を学ぶ場である、提携クラブたる地域のサッカースクールと、スポーツスクールが最も重要な存在です。
スポーツスクールでは、子供たちはサッカー以外のスポーツを学びます。小学生年代の子供達が色々なスポーツをすることは、彼らのフィジカル面/感情面の成長に繋がるのみならず、協力/団結/約束を守ること/役割に責任を持つこと といった、価値の習得をもたらすとLa Realは考えています。

一方サッカースクールは、子供達が約8歳の頃入団できるものとして現れます。子供たちは学校に通い、家での生活を送りながら、地元のLa Realの提携クラブたるサッカースクールに通う。La Realの提携クラブはクラブ公式サイトによると、96あるらしいです。{リストに掲載されているのは90クラブ(2022/12/20確認時点)。どうしてw}

特にGipuzkoa県に重きを置いているLa Realは、コーディネーターたる責任者を設け、"Gipuzkoa県の提携クラブ~La Real間のコンタクト"を担当させています。責任者の主な仕事は、各地域、各クラブの実情・ニーズを把握すること。これ無しには各クラブの向上への貢献はできないとの考えです。このため、この責任者は提携各クラブの幹部とコネクションを持つ者であり、これに努める。また、Gipuzkoa県内に留まらず、県近郊等他地域でも同じことが行われています。アラバ県、ナバーラ県/州、仏領バスクラ・リオハ県/州にもそれぞれ1名ずつ責任者がおり、特にビトリア=ガステイス(アラバ県都/バスク州都、仏領バスク、ログローニョ(ラ・リオハ県/州都)には常駐スタッフがいる他、La Realが技術指導を行うための拠点(センター)が設置されています。
各責任者は、全員が月に一度Zubietaに集まり、各提携クラブの実情をLa Real側に報告した上、そこにLa Realがどのように適応しているか、議論した上状況の改善を図り分析を行います。
提携各クラブとLa Realは日々協力し、物事の取り組み方を共有しながら唯一無二のモデルを創り上げ、同じ理念/信条の下、同じ目標・夢を抱いて歩んでいます。

U-11を持たないLa Realは、12歳未満の子供達の育成を、上述のように地域のスポーツスクール、提携クラブたるサッカースクールに委ねています。そこで成長したAlevín年代2年目、つまり12歳の子供を集めて最年少カテゴリである”Infantil Txiki”を構成しています。このInfantil Txikiのメンバーを選抜するため、子供達にLa Realの練習、La Realとして参加するトーナメントに招集して参加してもらい、彼らの素養向上に努めるとともにセレクションを行って、最終的に18~20人まで絞り込みます。

但し、この18~20人に残らず、提携クラブに戻った選手に関しても、La Realに入団させるためのセレクションは続いていきます。クラブ担当者が提携クラブの選手達の成長度合いを追い続け、La Realのユースカテゴリに在籍していない選手達にもクラブ内の者が技術指導を行います。そして、実際にLa RealのJuvenilチームやCチームに、各提携クラブから完全移籍により加入する選手達がいます。
簡単に提携クラブとの選手の行き来を図に示してみました。↴

イメージ図


現トップチーム在籍選手でいうと、Gipuzkoa県Ordizia出身のA.スビアウレがその一例に挙げられます。
(Alevin年代にはLa Realに加入せず、Gipuzkoa県内のLa Real提携クラブに在籍し続け、Juvenil年代の終わりにLa RealのCチームに加入。)
文字数制限に遭い、彼の略歴の続きはツリーにぶら下がっています。

また、ローン移籍により、La Real→提携クラブに選手が移るケースがあります。これはLa Realを去ることになる前触ればかりでなく、クラブに戻ってくるための武者修行として出るケースもあることを示しており、このプロセスを経て傑出したトッププロとなった選手が数多くいます。

 

◆La Realの、各提携クラブへの貢献内容

La Realから契約に基づき、提携クラブに対して行っている貢献例は次の通りです。

*経済支援
*医療サービス面の支援
*(技術/戦術面における)メソドロジーに関する貢献

貢献の内大きなものの一つとして、各クラブのコーチングスタッフに対する技術/戦術指導があります。これは、提携クラブ等各地のサッカークラブのスタッフのみを対象にしているわけではなく、2012-2013シーズンから、各スポーツスクール、各村々の学校に出向いて技術指導者の育成講座を開いています。各自治体のスポーツ関係者の協力を受けて行っている活動であり、La Realはこの協力に感謝し、活動を続けています。

また、医療面に関して、提携クラブの負傷者を受け入れ、La Realクラブ医療スタッフの診察を受けて貰う等設備を開放しています。設備の開放、訪問の受入れは医療面のみに留まるものではありません。各提携クラブスタッフがLa RealのGKコーチ責任者と話しに来ることなど、様々な形での訪問を勧め、交流しています。
このように、各提携クラブとは選手の往来に留まらず、双方向的に多くのアクションがあります。La Realは自分達のモデルに基づき、この循環構造を強く推進していかなければならないことを自覚しています。

◆結びに

このように、La Realユースチーム、トップチーム選手を輩出する場である提携クラブはめっちゃくちゃ重要な存在なんですね!
La Realのカンテラーノに提携クラブ出身者が多くいることから、提携クラブがLa Realの根幹を担っていると言えると思います。

次Partでは実際La Realがどんなクラブと提携契約を結んでいるか、また提携クラブ出身者にどんな選手がいるか等見ていきたいと思います。
¡Hasta la proxima!