【22-23】Real Sociedad C シーズン振り返り📝

こんにちは。暑い日が続きますね。水辺や高原に出掛けてひんやりしたいです🚘
大学生の頃夏には数日間の登山をしていたのですが、今思えば程度の高い避暑だったなと思いますw🌄

さて、この記事ではLa RealのSanse(Bチーム)に続く2番目のfilialのCチームの昨季について記していきます。このCチームの22-23シーズンは昇格PO圏内から1pt差の7位と、3位だった前シーズンと比較するとやや落ちるものの、メンバーがほぼ総入替になり、若いシニアカテゴリ本格参入1年目の新顔中心で戦った事を考慮すれば大健闘と言えると思います。

本題に入る前に、前置き、関連情報をいくつか記しておきます。知っとるわ!とか、本題以外は要らん!という方は読み飛ばして下さい<(_ _)>

予備情報

La Realカンテラにおける2つの段階について

La Realには8つのユースチームがあり、Cは育成ピラミッドの上から2番目のチームです。また、選手達が通過していくこの8チームは、Easo(Juvenil B)-Juvenil A間を境に育成の第1段階 / 第2段階が分かれます。

第1段階:
クラブスタッフは選手個々の、1人の人間としての成熟にも重きを置いて指導、付き添いにあたる。スポーツ面に留まらず選手達に、別の素質を醸成して貰う事を命題に掲げている。
(別の素質:)
●自身を一人の人間として自立した、"強い"人物に変えるもの。
●自身に自信、自己評価を備えさせるもの。
●自身で目標を立て、より難易度の高い挑戦・課題に立ち向かう為のもの。
→こうした育成方針の下、
大切な事は、若い選手達が、
「日々学び、勝ち負けを繰り返し、(ピッチ内外で)La Real印のあり方(尊敬/誠実/謙虚/競争力/チームワーク)に裏打ちされた振る舞いを堅持・継続していくこと。」

第2段階:
より高いレベルのコンペティションに向き合い、プロスポーツ選手のものに近い生活を送り、プレッシャー等の刺激を受ける生活を送る時期。
以下に適応する事が必要。
●この年代(約17-23)相応に人間として成熟する。
少しずつプロ選手に近いものになっていく、教育面、スポーツ面における変化。


◎こうした生活の中で、感情/情緒面、振る舞いのレベルが積みあがっていく。
◎選手達は、日々自分の立場に変化が生じる生活を送る。

第1段階:
-Infantil世代(age:約12-14)
・Infantil Txiki
・Infantil
-Cadete世代(age:約15-16)
・Cadete Txiki
・Cadete
-Juvenil世代(age:約17-19)
・Easo(Juvenil B)

第2段階:
・Juvenil A
-1ª filial及び2ª filial(シニアカテゴリ)
・Cチーム(age:約20-21)
・Sanse(Bチーム)(age:約22-23)

おおよその在籍年齢を添えましたが、特に第2段階には飛び級が目立ち、選手の成熟レベルに応じて数段飛ばしでステップを上がっていく選手がいます(ex:A. グリーズマン[1991]、A. バレネチェア[2001]、J. マルティン[2006])。
とてもざっくり言及すると、第1段階ではアスリート/1人の人間としての基礎を固め、第2段階ではプロアスリートに近い環境を用意し、水に慣れていく期間といったイメージでしょうか。

Cチームを保有する/しない意義

LaLigaのプロクラブは恐らく殆どのクラブがBチームを保有しているのに対し、Cチームについては保有の有無が分かれます。保持しないクラブの選択の裏には、経済支出の面のみならず、

Juvenil上がりで即Bチームに定着できないような19歳、20歳の選手は大したタレントではない

という考え方があるようです。
※参考/引用:
スペインサッカーの神髄(増補改訂版)/ 著者:小澤一郎 / 2013年12月初版発行
ISBN:978-4-86535-023-4

これに対し、La Realには「選手達全員が生まれながらに持つpotentialの開花については早い者もいれば、時間が掛かる者もいる」、「エリートレベルのフィジカル面、技術・戦術面の要求は甚大」という考えがあり、これらが、クラブがトップチームに直結するSanseとJuvenil Aの間を受け持つCチームを設けている要因の一部になっているかもしれません。
La Realは例えばトップチームから他クラブへの移籍、負傷等により離脱者が出た場合、クラブ外部に目を向けるのでなく、先ずカンテラからの登用を検討するという特徴があります。21-22シーズン、トップチームに負傷離脱者が続出し、Sanseが強力なチームが揃う2部で苦戦を強いられながら主力をトップチームに持っていかれるという状況下でインタビューを受けたX.アロンソは「我々(Sanse)の命題はトップチームを助ける事が第一、次点として各選手の成長や2部での競争がある。」と語っていました。

上の命題を課される以上、Sanseの選手達はトップチームの26+n人目の選手としての働きも求められうる事も大きいと思っております。実際、昨季トップチームで出場したA.マルティンやJ.マグナセライア、J.オラサガスティらのパフォーマンスは負傷者が続出するチームを大きく助けていました。

前置きが長くなりましたが、続いてCチームの22-23シーズンの戦いを振り返って行きます。

Cチームの22-23シーズンについて

スカッド

22-23編成(選手名をポジションごとに主観の序列順で表記)

※氏名の後ろに(J)と付している選手は、Cチームでなく、Juvenil Aに籍を置く選手達です。

前年度(21-22)のメンバーの多くがSanse昇格等によりチームを去り、総入替と言って差し支えない陣容になりました。21-22の主力と言うと、U.マレーロ、P.ロドリゲス、J.ゴロチャテギ、P.マリン、A.ダディエ、J.バルダらがいました。
上の画像ですが、特に統計に基づいて作ったわけでは無く、自分が観たホームゲームの印象で序列をポジションごとに上から並べています。
また、右SBに攻撃的なキャラクターがいる事から、右肩上がりの3バック(3-4-2-1)の形で戦う試合もありました。

攻守のアプローチ

⦿組立て
トップチーム同様CBができるだけ運んで前進する所からスタート。pivoteはあまり最終ラインに落ちず、後ろは4枚+GKでセット。DF4枚+PVのみでボール出しを完結できない時はIH(2a altura/バランサー寄り)が最終ライン近くに降りてサポート。

⦿崩し

トップチームのように、前を向いて受けた時に違いを作れるタレントが多くありません。(例外:E.ガルシア、A.アルサク、M.ロドリゲス、M.ギベラルデ、M.アルーティ...etc)
また、マークに着かれると相手選手に体格で劣る中盤オフェンシブが前を向けない為、中央からのクリーンなボール出しには中々苦労していた印象です。

以下の連動を攻撃の起点にする事が多い。
・IHがサイドに流れたり、WGが中に入ったりして相手SBを引きつけ、周りの選手が大外裏を取りに行く。
・9番の中盤へ引く動きと逆にIH(1a altura/10番寄り)が裏への飛び出しを狙う。
・CB又はpivote辺りが前を向けた時、前進を作れたタイミングでバイタルに降りて来る9番に当てる。
または個人の打開能力を起点にする。
・周りが見え、次への予測が優れ、展開力のあるE.ガルシア(IH, 1a altura)、M.アルーティ(IH, 2a altura)の好プレーを起点にする。
・WGのドリブル突破を起点にする。
・相手DFの「間」にドリブルで侵入するA.アルサクが複数の相手選手の注意を引きつけた所を起点にする。

⦿守備

トップチームとあまり変わらない。IH(1a altura)を9番と並べる4-4-2ブロック。4部というシニアカテゴリにあって、フィジカル能力等で優れる相手を対人守備で止めきれず、チーム内で体格が優れたA.レバルビエールやA.ララニャガの所で何とか食い止める、という場面が少なくなかった。
攻→守の切り替えもイマノルが纏めるトップチームほど上手くいかず、カウンターからピンチを迎える事がしばしば。

各選手総括

以下動画で、Daniさん(youtube/twitter: @DPower_13)による22-23シーズン開幕前のCチーム所属選手に対する評価が見られます。DaniさんはLa Realに留まらずバスクの育成年代を広く観ている方で、信頼できる方の評価として、併せて紹介します。

各選手出身地の後に”開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度)”という指標を載せますが、これがDaniさんによる以下動画内における評価です。それに続けて私が22-23シーズンのホームゲームのパフォーマンスを観て判断した評価を記します。
選手個々について、将来トップチームに定着していく事が個人としてもクラブとしても一番の目標と思いますので、チームに貢献する働きより、敢えて、相手チームの脅威となるような違いを生んだかどうかに得点配分の比重を持ってきました。

www.youtube.com

※22-23試合数はCチームの、2a RFEF(4部)grupo Ⅱでの出場をカウントしています。全18チームによる争いだった為、全34試合。

~GK~

#1 Aitor Fraga
生年月日:2003.3.9
出身地:Hernani, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):7/8
22-23シーズン評価:7.5
22-23先発/途中出場:25/0

22-23シーズンの正守護神を務め上げた大柄なGK。ハイボール処理、シュートストップともに安定したパフォーマンスを見せ、捌きも上々。ポジショニングや飛び出しのタイミングも良く、決定機阻止でチームを何度も救った。
SanseからE.アラナが今夏カディス県のSan Fernando CDへ移籍。そしてトップチームからA.スビアウレがアリカンテ県のCDエルデンセに移籍。トップチームがGKの獲得をしなければ、U.マレーロ又はG.アジェサがレミーロに続く2nd GKとしてトップ昇格するのと入れ替わりでSanseに昇格する可能性が高い。Sanseが戦う3部はレベルが高いが、その準備は十分できているように見える。

#13 Oier Arribas(今夏限りで退団)
生年月日:2003.6.29
出身地:Irún, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):5/6
22-23シーズン評価:5.0
22-23先発/途中出場:7/0

エルデンセに移籍したスビアウレと同じ、左利きのGK。足元の技術が高いように見える一方、守備時のポジショニングやシュート、クロスに対する準備に少し不安が見えた。
あまり彼が出てる試合を観てないけど、A.フラガを脅かすパフォーマンスに見えなかったという点で厳しく付けさせてもらった。
今夏限りでの退団が公式発表された。La Realでの在籍年数は5年間。

#25 Lander Olasagasti(J)
生年月日:2004.3.26
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):-/-
22-23シーズン評価:6.0
22-23先発/途中出場:2/0

Juve A所属のGK。Cチームでは第3GKという扱い。出場したのは恐らく1試合ぐらいしか観てないですが、O.アリーバスより印象は良かったです。今季はCチームでポジション争いに挑む事になりそう。

~DF~

#2 Iñaki Ruperez
生年月日:2003.1.7
出身地:Ansoain, Navarra
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):7/8
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:11/6 1G
ポジション:右SB、右WB、左SB

CAオサスナから移籍してきた右SB。右WBや左SBとしてもプレー。攻守に対人能力が強く、競り合いになっても安心して観ていられる。特に守備力は現時点でトップのソラより安心して観ていられるレベル。一方攻撃のアイデアやスペースを突くタイミングの良さはB.アルマンドスに分があった印象。ただ、相手DFにしっかり準備された状況から仕掛けても簡単には失わなず、クロスを上げられなくてもCKを獲得できるぐらいon the ballが強い。攻撃面に尖ったアルマンドスと攻守をバランスよく熟すルぺレスで、キャラクターの違いからスカッドとしてバランスが良かった。La Realの選手としては一年目な事もあり、周囲との連携の強さはいまいちだったので少し控えめな点数とした。
SanseのJ.ガビロンドがマラガCFに去った今季、昇格があるか。

#17 Beñat Almandoz(今夏限りで退団)
生年月日:2002.8.19
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):5/6
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:20/8 2G
ポジション:右SB、右WB

攻撃的SB。中央を経由した攻撃に苦労した昨季のCチームで、周囲との連携でサイド奥を取れるこの選手の活躍は大きかった。スペースで受けにいく→相手守備が後手に回るので、成功すれば相手にとっては脅威だし、追いすがるマーカーと勝負する事なくオープンにプレーできた。
チームの大きなストロングポイントになった攻撃面に対し、守備ではスコンとやられてしまう場面がしばしば。隣にいるカバーリング巧者なBeitia(右CB)に助けられていた。守備で粘り強い対応ができるようになれば、lateralの選手として一段上に上がれると思う。
特長を見せた選手ながら、今夏限りでの退団が公式発表された。La Realでの在籍年数は9年間。最年少カテゴリのInfantil Txikiから在籍していた計算になる。

#22 Luken Beitia
生年月日:2004.6.30
出身地:Elgoibar, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):6/8
22-23シーズン評価:8.0
22-23先発/途中出場:29/1
ポジション:CB

人にもスペースにも強い、頼りになるDF。ポジショニングが秀逸で、最短距離でカバーリングの潰しを完遂する冷静且つ適切な対処は年齢離れして見える。カウンター時には帰陣が間に合わない事も多かったアルマンドスが空けた右サイドのカバーも力強くこなした。相手アタッカーへの警戒にも優れ、裏を取られる事も殆ど無い。また相手アタッカーにしっかり寄せる間合いが素晴らしい。相手は足を止め、フェイントにも対応でき、且ついつでもボールにアタックできるような位置まで寄せ切る。
守備面の長所はトップのアリツと重なるが、トゥリエンテスを想起させる両足を遜色なく使う捌きや丁寧な捌きはアリツ以上かもしれない。迷わず縦につけるセンスや、ボールハンドリングはアリツに分があるが、確実性はベイティアが上。パスを引っ掛けてピンチを招いた試合は1試合ぐらいしか観てない。また、バイタルに抜けてきて、浮いた相手選手に対して飛び出して寄せるか、最終ライン付近の状況も見極めつつの判断が秀逸。優先順位としては、行ける時には飛び出しての迎撃という姿勢。トップのパチェコよりこの判断は上に見える。
相手守備のプレスの掛け方を見極めて、引きつけるべき高過ぎない丁度良い高さ、幅にポジションを調整して捌く。位置取りの部分は本当に緻密で丁寧。

上背があまり大きくない事ぐらいが弱点だが、身体は分厚く、当たりには強い。また、落下点の読みが速いので、ロングボールに対する競り合いは良い位置で相手を飛ばせない事でシャットアウトできていた。
来季Sanseでやるとしたら、よりレベルの高い3部でどれだけやれるか楽しみ。
自分も所属しているペーニャの、会員の方(youtube : @zubietafan)がBeitiaのプレー動画をupされているので、是非ご覧あれ!
動画では、ただ相手の攻撃を防ぐのみならず、奪ったボールを味方に繋げようとする意識の高さや、配球の際にプレー選択のフェイクを入れて対面の相手選手を往なす工夫が見られますね!

www.youtube.com

#26 Julen Zubelzu
生年月日:2004.9.20
出身地:Elduain, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):5/6
22-23シーズン評価:4.5
22-23先発/途中出場:10/3
ポジション:CB

終盤戦まで控えめなパフォーマンス。守備では対応が後手に回るというか、ズルズル下がってシュートチャンスやラストパスの隙を与える場面が目立った。自分が観る試合は殆どが3バックで起用されていたと思う。一人で止めきれない所が懸念されているのかと勘繰ってしまう。もう一人の右利きCB、Beitiaが出ないが4バックで臨む試合は、左利きが2枚並ぶ事が多かった。
攻撃面ではボールを受けてもセーフティな各駅停車のパスに終止する事がほとんど。攻守ともに一人立ちしているとは言い難く、厳しい数字を付けた。

但し最終盤観た試合はカバーリングで力を発揮。ショートカウンター等の被アウトナンバー気味な危険な場面で、悉くスペースに流れて来た所を潰していた。対人守備よりカバーリングが得意で、ただ球出しは不得意という何だか珍しいタイプなのかもしれない。来季、シニアカテゴリ2年目で力を発揮できるか、重要な1年になる。

#4 Aitor Larrañaga
生年月日:2003.6.10
出身地:Getaria, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):5/7
22-23シーズン評価:7.5
22-23先発/途中出場:19/8
ポジション:CB

高さと強さで相手を力強く止めてくれる最終ラインのストッパー。レフティーのため、左CBを務める試合が殆ど。体格や当たりの強さは4部でもかなり力を発揮し、相手の攻撃を幾度となく跳ね返した。特に高さという点では、隣のベイティアがない部分なので、それを補う貴重な存在だった。パチェコのようにすっと持ち運ぶコンドゥクシオンは閉塞を打開するチームの大きな武器になっていた。縦パスも上手。キープレイヤーの故障者が多かった昨季のCチームは中盤より前にタレントが欠ける事が多かったが、ビルドアップのスタートを担うCBが強かったのはチームを大きく助けていた。
数的不利におかれた際も、エリア内に侵入した相手アタッカーが時間を掛けてパスの選択肢を失うまでまってタックルに行くなど、クレバーな守備が目立った。危険なスペースを埋めるのが上手く速い特長を生かした対応も、カウンターから生じたピンチから何度もチームを救った。

スピードはそこまで長けていないようで、走り合いになるとやや分が悪い様子、とは言え弱点はそれぐらい。速くて高くて強くて巧いトップのパチェコは改めて凄い選手だなと思わされる。

#5 Eneko Astigarraga
生年月日:2004.1.8
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):6/8
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:25/5
ポジション:CB(左利きながら右CBも!), 左SB

左利きながら右CBに入ったり、左SBも務めるポリバレントさを見せた。特徴としては、ララニャガに高さ・強さという迫力で劣る一方、彼より速さや複数ポジションこなす器用さがあるという印象。ララニャガより人への強さが見えないとは言え、同様にスペースへの注意、周囲の味方と良い距離感を保った守備、粘り強い対人DF、組立て時の捌き、どれをとっても卒が無く、最終ラインに安定感をもたらしていた。
と称賛しつつ、ララニャガほどバシッと止め切るシャットアウト感、絶対的な安心感はなかったので、少し控え目な評点にしました。

ただ、今季トップチームのプレシーズンに帯同する事が公式発表!PSM初戦のオサスナ戦では早速出場していました。昨季Cチーム登録選手では彼が唯一の抜擢。おめでとう!!

#14 Unax Agote
生年月日:2003.3.28
出身地:Zizurkil, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):5/6
22-23シーズン評価:7.0
22-23先発/途中出場:17/7  2G
ポジション:左SB

スキルフルな左SB。シーズン終盤は負傷離脱か出場を減らしたが、組立ての巧さと精度の高いキックはチームの大きな武器になっていた。長短FKのキッカーも担当。キックはFK、ロングフィードやサイド深くからのクロスのみならず、アーリークロスでも威力を発揮。
組立てではボールの置き所が良く、マンマークを着けられても中々奪われずそのまま駆け引きを通じて前に展開できる。流れの中で、トップのアイエンがやっていたように、右肩上がりの3バックの左として捌く事もあった。対人守備も結構粘り強く対応していた。一方、CBとの間の所謂チャンネルを突かれてしまう場面がちらほらあったが、徐々に改善してくれたら。そこを補って余りある長所があるので、今後が楽しみ。Sanseに昇格するとしたら、現状の同ポジショントッププロスペクト、Jo-Goとのポジション争いが待ち受けている。

#3 Eneko Azurmendi(今夏限りで退団)
生年月日:2002.3.24
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):6/7
22-23シーズン評価:6.0
22-23先発/途中出場:9/2
ポジション:左SB, 左HV(3バックの左)

安定感に優れた左SB。周囲との距離感の良い守備は、カディスに移籍したJ.サルドゥアを想起させる。負傷があってか出場試合数が比較的少ない数字に留まる。上背は無いが当たりが強く、攻守に活かされていた。また、ややセーフティとは言え攻守にポジション調整が丁寧で、味方のサポートを徹底していた。90分間アップダウンを繰り返すスタミナも素晴らしい。On the ballの所ではアゴテに分があった印象だが、彼も堅実なプレーでチームに貢献。守備の安定感を買われてか、3バックの左でプレーする事も。

B.Almandoz同様Infantil Txikiから所属していた選手で、出場した試合ではキャプテンマークを巻いていた。彼同様今夏限りでの退団が公式発表されており、先日サラゴサ県のUtebo FCへの入団が公式発表された。

#6 Manex Gibelalde(昨秋[2022.10]U-19代表招集、1試合出場!)
生年月日:2004.4.22
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):6.5/7.5
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:22/7  2G
ポジション:PV

少しS.ブスケツを彷彿とさせる、動き過ぎない4番。両足を使い、周囲のスキャンがよく出来ており、1-2タッチと最短で捌く辺りやぐるんと回るターンも似ている。パススピードも速い。但し、前線の選手との連携がいまいちなのか、彼から感じるpotentialほどはクリーンに縦パスを前の選手につけられていない印象。ここはブスケツにかなり劣る。ボールスキルはチームでもかなり上と思われ、きつく寄せられていても剥がしきってしまう場面も。ボールの預け所として頼りになる。キックも球筋が綺麗で、FKを、味方が少し触れてずらした所から叩きこむ場面も。

ネガトラの寄せも的確で、リーチを活かしたボール奪取も大きな魅力。書き出すと結構ブスケツっぽい。多分ブスケツより足は速い。
昨秋U-19でもプレーした期待の若手は来季Sanseに昇格するか。昇格した先ではオラサガスティがトップに帯同してもpivoteの位置にはウルコ、ゴロチャテギがいる。嬉しい悩みですね。ゴロチャテギはインテリオール/8番としても、ウルコはCBとしてもプレー可能なので、監督のお眼鏡にかなえば、全く出場機会を得られないという事はなさそう。

#23 Alex Lebarbier
生年月日:2004.8.23
出身地:Paris, France
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):7/8.5
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:24/3 
ポジション:PV, IH(2a Altura), CB

長身かつ厚みがあり、途轍もない対人能力を誇る中盤の選手。昨夏、SanseのPSMにも出ていたように、期待が大きい選手と思われる。
恵まれたフィジカルを活かし、相手の突破を一人で止めきるストッパー的働きは特筆に値。中盤の選手としては破格と言える。相手のフェイントへの反応も滅茶苦茶速く、相手は次の瞬間には身体を入れられている。というような気持のいいシャットアウトを多く見せてくれた。高さもあり、空中戦も強い。

一方、中盤の選手としては致命的にセーフティーなボールの動かし方しかできない。基本相手守備に追い込まれる通り次に回してしまう。正対して駆け引きという場面もあまり見られない。正直シーズン中はpivoteとしては観たくないと思っていた。が半分ちょい上ぐらいはpivoteとして出ていたようなw
一方インテリオールとして出た時は、足技が無い代わりにダイナミズムが活きる。エリア内への飛び出しはあまりやらないが実践されれば迫力があったし、終盤にはワンツーからゴリゴリ持ち上がる激熱いプレーが観られた。3バックの中央として出ていた試合は申し訳ないが笑った。組立て能力の乏しさが、両隣の味方の捌きで上手く隠されていた。
守備的中盤の守備を切り抜けば9.5か10、レジスタとしての能力を見れば4.0か3.5を付けると思う。そのぐらい尖った選手だが、トップチームにいないキャラクターという意味でも今後に注目したい。先ずは今後Sanseでどれだけ活躍できるか。頑張れ!

#8 Eder Garcia
生年月日:2004.1.4
出身地:Errenteria, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):7/8.5
22-23シーズン評価:9.0
22-23先発/途中出場:22/1 
ポジション:IH(2a altura), IH(1a altura), PV

ピッチの至る所で違いを生み出せるチームの要。組立ての補助から前線への飛び出し、サイドに流れてのWGとしての振る舞いなど、B to Bを超えて幅の概念を加えたいのでオールコート。技術もさることながら、一番の長所はプレーインテリジェンス。スペースを把握したon / off the ball、展開の読み、周囲との連携、どれも頭一つ抜けている。味方に合わせた上でタイミング良くスペースを作る or 使い、次の展開の布石とする。周りが見えているので次のプレーも速い。パスにせよオフザボールにせよ、周りに合わせるのが抜群に上手いチームプレイヤー。パスの質は優しく、数瞬先の足元に届けられる。サイドチェンジもお手のもの。プレーアイデアが豊富でドリブルも非凡。

運動量が豊富で試合を通じて広く動き回り、プレーの質も落とさない。守備も上手く、IH(1a altura)としての前衛守備も、2a alturaとして出場する際の中盤ラインの一員としての守備も卒なくこなす。寄せる間合いが良く、当たりも弱くない。
Sanseでも主力として活躍できるだけの能力がある選手と思う。今季既に部分的にSanseにも帯同し、5試合に出場。

Ederのプレー動画も上げて下さっています。
動画では視野の確保、そこから来る相手の動き、狙いのベクトルを逆手に取ったプレー選択や1stタッチの工夫、サイドに展開してからゴール前に詰めたり、プレスを掛けて蹴らせた後にプレスバックしてセカンドボールを収めた相手選手からボール奪取し、拾った味方から直ぐにパスを貰おうとするプレーの絶え間ない継続性など、長所がいくつも見受けられますね。

www.youtube.com

#10 Miker Rodriguez
生年月日:2002.4.3
出身地:Getaria, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):8/8.5
22-23シーズン評価:6.0
22-23先発/途中出場:10/8  4G
ポジション:IH(1a altura), IH(2a altura), PV(自分が観た試合はdoble pivotesのみ。solo pivote(中盤逆三角形の底)は観たことなし)

小兵のファンタジスタでボールを扱う技術はピカ1。ただ、相手のマークに苦しみ、1a alturaとして出た時は中々バイタルで前を向いて受けられなかった印象。中々10番役の選手としての仕事をさせて貰えなかった。もっとやれるだろうという期待を込めて、少し厳しめの評点を付けました。今季は故障に苦しんだシーズンで、負傷の影響もあったのかもしれない。
カテゴリが上がればより相手の守備は厳しいものになるが、その中で違いを生み出せるか。4得点の内3点はエリア内に顔を出して奪ったもの。今季は中々ゴール近くで前を向ける場面は多くなかったが、元々M.ゲッツェのようにエリア内でも落ち着きがある選手なのかもしれない。

後半戦はW pivoteの一角や2a alturaのIHなど、下がり目の位置での起用が増えた。マークに見られていても前を向ければテクニックで相手の逆を取って往なすプレーが随所に見られた。前で勝負して欲しい気持ちもあるが、下がり目の位置で相手のプレスを挫くという形で攻撃の起点になる、漫画「Be Blues!」でいう所の「プレスブレイカー」でも貢献できる所を見せてくれた。
Sanseに上がってもCに残っても大事な一年になりそう。

#16 Eneko Lizaso
生年月日:2003.2.19
出身地:Zarautz, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):5.5/6.5
22-23シーズン評価:6.0
22-23先発/途中出場:18/13  4G
ポジション:IH(1a altura), 左WG, 右WG, 右WB

トップ下としてプレーする際も、バイタルで違いを生むというよりは前線に飛び出したり、周囲の味方の為にスペースを空けたり、味方が空けた所に飛び出す動きが得意なアタッカー寄りの選手。足元の技術が低いというわけでは無いが、マークを躱して変化をつけられるという程では無い。基本受けたらすぐ叩いてまた前へ行く。シンプルなプレーが彼の特徴。
運動量が豊富でアクションが多く、前線で生み出すコンビネーションプレーも持ち味だが、トップチームでシルバがやっているような、「トップ下(中央)を経由する攻撃」の中継点となれる場面はあまり無く、彼が1a alturaのIHの時は外経由だったり、中盤バイタルを飛ばして、後ろから直接前線に入れるような、シンプルな反面味気ないものになった。その意味では今季のCチームを象徴している存在と言えると思う。然し裏を返せば中央で悪いボールの失い方をしないし、何度もサイドや前線でボールを引き出したのは裏を返さずとも評価に値する。
また、マーカーに対して先手を取る、動きの一瞬の切れ味はM.ロドリゲスにはない長所。WGとして出場する際は、サイドでの仕掛けにこの長所を活かしていた。中央ではリスクを嫌ってかあまりon the ballで仕掛けないが、サイドでは果敢に勝負を挑んだ。

今後Sanseでプレーする際はよりチーム内の競争が激しくなると思うが、特徴を出して頑張って欲しい。持ち味のチームプレイはどこに行っても重宝される筈。

#27 Martín Arruti (J)
生年月日:2005.1.11
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):-/-
22-23シーズン評価:7.0
22-23先発/途中出場:6/7  
ポジション:IH(1a altura), 左WG

Juvenil組からの今季一のサプライズ。後半戦に掛けてプレーの質を一気に高めた。兎に角ボールを、そして局面を前に進めることに長けた中盤のオフェンシブ。ボールを受ける時足元に止めるのでなく、撫でるようなタッチで、相手に取られずかつ次に前向きにプレーできる場所に置く。自分の前にスペースがあれば自ら仕掛けるし、味方が良い位置で待っていれば浮き球を含め数瞬走った先の足元に精確につける。技術はM.ロドリゲスも引けを取らないかもしれないが、推進力は此方が上。
トップ下の選手として、味方を使う/自分で仕掛ける塩梅が絶妙で、相手守備がその瞬間瞬間で弱い方をズレなくjustで突いていく様は爽快そのもの。スペースを穿つ力や周囲に合わせる力は2歳上のP.マリンを彷彿とさせるが、ドリブルも含めた個人での打開力はArrutiが上に思える局面打開の鬼。来季も俄然楽しみ。

~FW~

#12 J.Merino
生年月日:2003.3.3
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):5/6
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:7/8   2G 
ポジション:右WG

長身のチームプレイヤー。彼も今季のCの象徴のような選手で、個人突破は殆ど見られず味方との連動からサイド奥深くやハーフスペースを陥れる変わり種のサイドアタッカー。取り分けSBのB.アルマンドスとのコンビネーションは熟達の域に達しており、歯車が噛み合ったかのような呼吸の合ったプレーを見せ、右サイドからチャンスを演出した。単純だが、長身のためロングボールのターゲットにもなり、彼より高さが無い事が多かった相手SB相手に競り勝つ場面は何度も見られた。
また運動量が豊富で守備能力も高い。適確なプレッシャーを掛け、ブロック守備での動きも良い。自分は複数年彼を観ていないので以前の事は分からないが、元々SBもやっていた選手だったという話も聞く。守備では幅広くチームを助けた。

献身的な選手だが、WGとしては個人の武器が無いのは淋しいか。SBが上がれない試合やマークの厳しい9番との関係性が断たれる試合は強いチームとやるほど多くなるので、そこでどれだけやれるかが今後に関わりそう。チームプレイヤーは大好きなので頑張って欲しい。

#7 Juan Pontones
生年月日:2004.4.26
出身地:Cuenca, Cuenca
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):6.5/8.5
22-23シーズン評価:5.5
22-23先発/途中出場:11/10 1G 
ポジション:右WG

以前から将来を嘱望されているサイドアタッカー。M.ロドリゲス同様怪我に苦しんだシーズンと言える。ボールが渡れば果敢に仕掛けたドリブルは相手を抜き去るには至らず、ライン際まで粘って上げるクロスが相手DFにブロックされてCK or GKという場面を何度も見た。このチームにはE.リサソやJ.メリーノのようにチームプレーに割り切る選手も多い中、彼はあくまで対面との勝負に拘る、WGerとしての意地や気持ちの強さを感じた。好調時の彼のプレーが観てみたい。

ドリブル突破は鳴りを潜めた一方、斜めのランニングによるスペースへの飛び出しで何度かチャンスを演出した。今後、相手にとってドリブルの怖さが出せれば、相手DFの注意を引けて、他のプレーも、もっと活きて来ると思う。

#18 Ekain Azkune
生年月日:2001.1.26
出身地:Errenteria, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):7.5/7.5
22-23シーズン評価:7.0
22-23先発/途中出場:10/1 3G
ポジション:右WG, CFW, 左WG

とてもLa Realらしい、よく走ってチームメイトとの連携・連動が強みのアタッカー。3トップならどこでも遜色なくこなせる。走力、当たりの強さを活かした守備強度、ボールキープ、味方との連携で前線のスペースを陥れる巧みさ、プレーの落ち着き、、どれを取ってもハイレベル。素晴らしいオールラウンダーだが、この年でCチームに残っていたのは上のSanseに前線の選手が多かった事や、アタッカーとして飛びぬけた武器が欠けているのが響いたか。それでもチームプレイヤーとしては100点。

得点を量産できるかと言われると微妙なところだが、昨季既にSanseで21試合に出場して3Gを挙げているように、3部でも活躍できるところは実証済み。トップで言えばオヤルサバルに特長が似ていると思う。彼のような飛び抜けた存在になれるか、トップ昇格を成すには更なる飛躍が求められる。

#24 Cristian Canales
生年月日:2004.3.3
出身地:Santander, Cantabria
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):6.5/7.5
22-23シーズン評価:7.0
22-23先発/途中出場:7/14 3G
ポジション:右WG, 左WG, 右WB

序盤戦こそぱっとしなかったが、中盤戦以降は右WGの第一人者に。ボールを後ろから上手に引き出し、タッチの細かい小気味良いドリブルからマークを困らせ、チャンスを演出する。右利きながら逆足の精度が高く、カットインして左で巻いて狙うシュートは十八番とも言えた。中外どちらのレーンでも仕事ができるので、コンビを組むSBとの相性も良い。
個人的に彼の一番の長所は戦術眼と仕掛けのタイミングの取り方。狙うスペースの選択とその判断の良さ・速さ、1stタッチから対面に仕掛ける技術の高さ、パサーに合わせた動き出しのタイミング、身体の向きの作り方、どれを取ってもハイレベル。

技術と賢さ、アジリティ、連携の良さを併せ持つ素晴らしいアタッカー。昨季終盤前十字靭帯断裂の大怪我を負ってしまったが、将来トップで観たいタレント。着実に回復してコンディションを上げて欲しい。調子次第で来季はSanseでのプレーもあるか。

Canalesの動画も上げて下さっています。改めて動画を観ると、シュートもパスも振り足が小さくて鋭い。スイングが大きければ当ててしまいそうな比較的小さい隙でも相手に当てずにプレーを完遂できるのは大きな魅力ですね!

www.youtube.com

#9 Ekain Orobengoa
生年月日:2004.6.17
出身地:Oiartzun, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):7.5/8
22-23シーズン評価:6.0
22-23先発/途中出場:16/14 4G  
ポジション:CFW, 右WG, 左WG

長身でポストプレーに長け、WGとしてもプレーできるだけあってサイドに流れて前線に流動性を生み出すのも巧い。Azkuneのところでも書いたものと似たような長所を挙げたが、La Realらしいチームに貢献できる9番。ポリバレントさもあり、前線の選手の中ではかなり上位に来るだろう出場機会を得た。
一方、9番としては淋しかったのが数字。ややゴール前で判断に迷う事が多く、相手のブロックに遭うシーンを多く見た。器用なのは素晴らしいが、時には南米選手のように思い切りよく気持ちよく、足を振って欲しい。

とは言え攻守に身体を張ってチームを助けられる選手で、今季9番として不足を感じたのはそこぐらいだった。2004年生まれとまだまだ若い。得点が重なってくれば一気のステップアップもあるか。

#15 Aimar González de Heredia(今夏限りで退団)
生年月日:2003.9.4
出身地:Agurain, Álava
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):6.5/7
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:18/11 7G
ポジション:CFW, 左WG

今季のチーム得点王。オロベンゴアとは異なり、チャンスでの思い切りの良さが目立った。同じ9番としてはオロベンゴアの方がやや優先して器用されていた印象だが、そんな中でもゴールでチームに貢献した。ゴール前では思い切りの良いプレーが目立つ強みがある一方、ポストプレーやサイドに流れるプレー、プレッシングの掛け方といったチームプレーの巧さはオロベンゴアに譲る印象だった。スカッドとしてはバランスが良かった。ストライカーはゴールが一番だが、その他の部分も向上すると尚重宝される筈。

結果を残した一方で、今夏限りでの退団が正式発表済み。疑念は残るが、9番は他クラブからの補強も結構多いポジションなので、そことの内なる競争があったかもしれない(Antiguoko KEから加入したP.Zubizarreta[2003], Jakes Gorosabel[2004]など)。
尚、Aimarは出身県のエリートクラブ、アラベスのBチームに入団する事が決定!!おめでとう!お隣でも頑張って欲しい。

#28 Arkaitz Mariezkurrena
生年月日:2005.4.5
出身地:Astigarraga, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):-/-
22-23シーズン評価:6.0
22-23先発/途中出場:1/9 1G
ポジション:CFW, IH(1a artura)

Arrutiと同じ2005年生まれ。U-17代表招集を受けた他、昨季はU-18代表として3試合に出場した期待のアタッカー。
CチームではAimarやAzkune、Orobengoaといった他のCFWほどの背が無いのにかかわらず当たりの強さを見せ、ボールへの執着と技術で推進力を生みだし、相手守備陣にグイグイ仕掛ける積極性を見せた。状況に応じては長く持たずに叩いてパス&GOで周囲と一緒に攻め込む機転も見られ、決して球離れも悪くない。サイズに大きく分がある相手DFにつつかれて奪われても、すぐ奪い返しにいく切り替えの速さも見せた。
持ってるモノは確かだと思うが、来季以降もシニアカテゴリでは体格で上回る相手DFに対してどう上手く立ち回るかが試される。ライバルが多いポジションだが、頑張って欲しい。

#11 Andoni Arzak
生年月日:2003.9.4
出身地:Donostia, Gipuzkoa
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):8/9
22-23シーズン評価:6.5
22-23先発/途中出場:21/8 5G
ポジション:左WG, CFW, 左WB

La Real伝統(?)の左利き左WG。Daniさんの配点からも結果を残してきた選手という事が分かるし、今季Sanseにも帯同して1試合出場している事からもクラブのArzakへの期待の大きさが窺える。
大柄な体躯の持ち主で、競り合いに強い他一瞬の加速に優れ、意表をつけばマーカーをぶち抜ける(加速と当たりの強さで)。本職がウィンガーなだけあり、漂うFalso 9感は否めないが、9番としてもプレー可能。
今季前半戦は兎に角サイドでの1対1に拘って、仕掛け方も大味で抜くか奪われるかと王様タイプのウィンガーという様子に見え、ボールが来ないと呆然としていたり集中力が切れていたりと、良くない印象を受けた。
一方後半戦は一八の勝負一辺倒でなく、密集に仕掛けて引きつけてパスを出したり、チームの攻撃の中での自身の活かし方という部分に取り組んで貢献していた。守備強度も上がり、前半戦とは良い意味で違う姿を見せてくれた。インテリオールの選手らとのレーンの入れ替わりだったり、味方との連携の意識も格段に上がった。

恵まれたフィジカルに技術と打開力を併せ持つスケールの大きい選手で、周囲が期待するのもよく分かる。上のカテゴリーでも違いを生み出せるか。Sanseでどれだけやってくれるか楽しみな選手。

#21 Job Ochien
生年月日:2003.1.17
出身地:Nairobi, Kenya
開幕前評価(パフォーマンス / 成熟度):-/-
22-23シーズン評価:7.0
22-23先発/途中出場:4/4 
ポジション:左WG, CFW

近年提携を結んだ、グラン・カナリア島のクラブ、CD MaspalomasからLa Realに移籍したアフリカン。膝の負傷で出場機会は少ない数字に留まったが、potentialの一部は十分見せつけた。身体が柔らかく、ボディフェイント、独特なリズムを織り交ぜる仕掛け、キープは一見の価値あり。相手選手が飛び込めないボールの持ち方をするので、サイドに張った彼のところで時間を作る事ができる。一瞬のスピード、トップスピードや身体のバネ、両足の高い技術はS.マネを彷彿とさせる。
自陣までしっかり戻る守備意識の高さ、味方を使う連携面も加入1年目とは思えない素晴らしいレベルの高さを見せてくれた。

WGとしても9番としても成功する素質があると思っている。エトーやマネのような偉大な選手になって欲しい。La Realにはいないキャラクターという面でも個人的にかなり期待しています。

~まとめ~

自分にはよくある事ですが、文字数が嵩んでしまいました。好きなクラブの選手の事を書こうとすると力が入ってしまいますね。22-23のCチームは、派手さやワクワクするような魅力こそいまいちだったかもしれませんが、La Realらしくチームの為にハードワークできる選手が揃っていて、穴の無いオールマイティーな完成された選手は多くなかったかもしれませんが、連携の中でそれぞれの個性が生かされていて、各々の強みをもってある時は他を助け、またある時には周りに助けられる。そんなチームだったと思います。尖った選手達を観るのも楽しいし、今後どう成長していくんだろう、という続いていく楽しみもあります。
今季どれだけ追えるかはわかりませんが、先ずは昨季同様、Cチームを、昨季からの成長、新顔の台頭も含めて楽しく見ていきたいと思います。