21-22 LaLiga 第20節 レアル・ソシエダ対RCセルタ(2022.1.8)

アノエタでセルタとの一戦。入場の際、"Ánimo Barrene!!"とメッセージの入った青色のシャツを着るラレアルイレブン。若手のホープ、バレネチェアはアラベス戦前半に負傷交代。下の情報によると、左大腿部ハムストリングに腱込みの重傷と診断されたとのこと。(その後フィンランドの病院で1/11に手術を受けた。)

人懐っこい笑顔や独特なリズムのドリブルで我々を魅了する彼の離脱は非常に残念だが、完治を祈っております。

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◇先発紹介

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ソシエダ

ラフィーニャ先発!彼は早速古巣戦ですね。ソシエダのインテリオールとしてどんなプレーを見せてくれるか、非常に楽しみです。彼の加入の経緯等については、以下自分なりに一本書きましたので是非。

左SBのアイエン先発、嬉しいです。リコとの出場時間争いは今んとこ負けている印象。アピールに期待。その他CBコンビが鉄板のアリツ&ルノルマンに戻り、右SBはゴロ、こちらは少しお久しぶり、リーグ戦では16節マドリー戦以来の先発。何で出てなかったのか不明。ほぼベストメンバーですね、COVID-19の影響もそんなに無さそうで何より。

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ーセルター

いつもの中盤◇の4-4-2。タピアが負傷離脱中。それ以外はほぼベストのメンバーを揃えてるんじゃないでしょうか。セルビはノリートよりダイナミズムに長けた人という印象。

主審:ギジェルモ・クアドラ・フェルナンデス

◇交代、構築変更

ソシエダ

’43 

①イサクOUTポルトIN

負傷交代。ソルロスじゃないんだ、コンディション不良か。ポルトゥは左WGに入り、オヤルサバルの偽9。

’77

ヤヌザイOUT、ロベテIN

ラフィーニャOUT、グリディIN

④ゴロサベルOUT、サルドゥアIN

なぜか右WGにオヤルで中央ロベテ。ポルトゥとオヤル逆の方が良いだろうに。

グリディ、サルドゥアはそれぞれそのまま右IH、右SBに入った。

’88◎

ゲバラOUT、スビメンディIN

アンカーをスイッチ。ゲバラずっと良かった◎

 

ーセルター

’57

①セルビOUT、ノリートIN

中盤菱形の左同士。ノリートの得点力に期待してか。

’80

②デニスOUT、T.ガジャルドIN

前線の枚数を増やす。4-3-3に変形ブライスがなぜかアンカーの位置、右IHにベルトラン。前3枚は右からアスパス、ガジャルド、ミナ。

プレースキック

ソシエダ

・右CK:ヤヌザイ、オヤルサバル
・左CK:ヤヌザイ、オヤルサバル
・SFK:ヤヌザイ

ラフィーニャがショートCKから素晴らしいクロスを入れていた。バルサの時WBやWGやってたよね。

FKも何本も味方に合ってたし、キックがとても冴えていた。

ーセルター

・右CK:ブライス
・左CK:あったかなかったか
・SFK:アスパス

◇攻撃

セルタは4-4-2のままプレスを行い、アンカーのゲバラをデニスがチェック。ソシエダはセルタの前2枚に対し、SBやアンカーが2CBに加わって数的優位を作る。

ただ、中央で引きつけてからSBに出さないとセルタのボールサイドにぐっと圧縮する守備に苦しみ、ボールが回らない。ボール周りの囲みを抜けると一気にバイタル攻略、セルタDFラインの攻略にかかれる。

この試合のソシエダボール保持者へのサポートが良く、SB、WG、IHらの絡みで囲われてもボールを出した。皆のサポート意識が素晴らしい。

◇守備

ソシエダはセルタが自陣深くで持つときはマンツーマン気味に圧を掛けるが、ミドルサードまで進まれるとラフィーニャをイサクと並べる4-4-2ブロック、自陣深くまで攻め込まれるとイサク一人を残してWGもサイドの守備のために退く。そのイサクも相手最終ライン近くというよりは、味方ブロックの近くで、カウンターパスを後ろの選手に落とせる距離感。

ミドルブロック時はソシエダSHはセルタSBをケアし、CBは前2枚に任せる。先制後は1stプレス要員をCFWのみにし、後ろは中盤ライン、最終ライン間を狭くして受けに回った。人数を掛け、前線のオフザボールを一個一個潰す守備が機能。特に中央からはほとんどピンチを招かなかった。中盤ブロックに出された後、刺しにいくラフィーニャのアプローチが素晴らしく、前を向かせず下げさせた。寄せ方が非常に上手い。

4-4-2のミドルブロック→マンツーマンのハイプレスに切り替えるスイッチはイサクだったり最前線の選手が相手のバックパス先にダッシュで迫ったり、GKまでボールを下げることで入っている。

 

セルタは基本両CBが開き、少し前のベルトランか降りてきたデニス又は両SBと絡んでボールを出す。対角線のロングボールで飛ばす時もある。ベルトランがDFラインに降りてその前にデニスという時間帯も有り。

両SBが攻撃巧者なので、後ろ3枚にした方が攻撃が良いように見えた

フリーマンとしてベルトランの周りで捌くデニスが非常に上手い。フェイントでパスコースを開く。

◇得点

’12 RSO 1-0 CEL オヤルサバル⑦(アシスト(未遂):メリーノ)

トランジションからエースが7点目。セルタは左SBハビガランのパスがマイナス方向にずれ、受け手のトラップが大きくなったところをラフィーニャがカットして横のメリーノへ。

メリーノはトラップを周囲の敵選手から遠くに置いてルックアップし最前線を見る。→裏へ走るオヤルサバルを見つけ、2タッチ目でセルタ最終ラインを超えたところでバウンドする低弾道のラストパス。

オヤルサバルはゴールへ独走し、ボールの勢いを殺し切らない絶妙なトラップから2タッチ目でシュート。一本目をディトゥーロに手で手前に弾かれるも個の跳ね返りを蹴りこんで先制。一発で決めてればメリーノにアシスト付いたんですがね。ナイスパスには変わりなし。

 

まず、ラフィーニャがガランに出た後のプレスバックで戻ってきたことによりボールを奪えた。そしてラフィーニャのカットの直前から半身を取り、走り出して裏を取ったオヤルサバルの抜け出しは素晴らしい。切り替えの意識、準備の早さが生んだゴール、流石です

 

◇所感

ソシエダ

レミー

ソシエダはサイドからボールを出すのが巧くないので、ゲバラをDFラインに下げない時間はこの男がビルドの主役になった。ただ危ないパスもいくつかあったんで怖かった。

・ゴロサベル

19分のクロス、ナイボ。ファーサイドを選んだのもナイス判断。状況に応じて内側のレーンで受け、セルタの囲みの網の出口となった。この辺りはサルドゥアより器用。上がるタイミングも素晴らしい。キープ力もある。

・アリツ

カバーの速さが本当に流石。味方の細かいミスをカバー。ビルドではこの日はそんなに目立たなかった。

・ルノルマン

対人守備強くなったなあ。被カウンター時、不利な状況でも的確なタックルをできる冷静さは助かる。

・アイエン

積極的に攻撃参加。奪ってから自分で運ぶ推進力、今季のアイエンは出力が全然違う。

ただ、自陣深い位置での守備では釣りだされたり危うい場面があった。

ゲバラ

読みの鋭い守備が目立つ。視野を生かして狭い中でもシンプルに捌き、ボールを逃がした。前節パス出しのリズムが単調などと文句をつけたが、この試合はフェイクを交えて見事に整えた。ボールが出た後は上がらず攻撃を前の選手に任せた。

ラフィーニャ

シルバ同様ドリブルで運べるのは魅力。対面を少し外してパスを出せる。

守備面でも大きく貢献。細かくセルタ最終ラインへのプレス→前に出されてプレスバックを繰り返してくれた。このエネルギーはシルバには出せない。

攻守で球際強い。連携も良くて怪物

・メリーノ

オフザボール時、ボールを受ける準備が遅いなと思う場面がちらほら。相変わらず空中戦を引き受けてくれる。

決めて欲しいヘッドが2つ、どっちか決まってればマンオブザマッチだったろう。

ヤヌザイ

キープ力が素晴らしいがこの試合はプレースキックの冴えが際立った。守備でもかなり貢献。自陣深くに戻っての守備でサボらなければ対人弱くないということが分かった。

・オヤルサバル

左WG:

球際強い、連携良い。特にアイエンとの連携で左サイドを崩した。

CFW:

決して向いてはいないが懸命に身体を張ってくれた。

・イサク

足に吸い付くボールタッチでチャンスを拡大。この試合は自分で仕掛けるより、周りを使う場面が目立った。晩年のトッティ的役回り。守備も頑張ってくれた。

(途中投入)

ポルト

間で受けたりゴール前に詰めてシャドー的に躍動。

カウンターでゴリゴリ運んでいくときのキープ力は流石。

・ロベテ

ゴールへの強い思いを感じる。ただ、裏へ抜けて欲しい場面でCBの前で足元で受けようとする場面が気になった。DFラインを引っ張ってくれた方がチャンスになるだろう。

・グリディ

復帰が嬉しい。良いカットがあった。

・サルドゥア

あまり観れてない。

・スビメンディ

元気にプレーしていたが、試合中に右脚大腿部ハムストリングを負傷してしまったことが分かった。

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ーセルター

・ディトゥーロ

19分のディフレクション、予測もあってか素晴らしいセーブ。あとあんま知らんかったがロブパス上手い。

・マジョ

上がりのタイミング取りは流石。

・アイドゥー

オヤルサバルやイサクに負けないスピード、準備も早いし普通にタレント。

・ネストル アラウホ

・ハビ ガラン

失点の起点になってしまったパスミスは痛い。

ぐいぐい進むオーバーラップで左サイドを活性化。クロス上手い。

あと守備結構荒いんですね、(#^ω^)

・ベルトラン

守備で良いカバーがあった。この人の丁寧な配球は観ていて気持ちがいい。逆足もうまいんだね。

・B.メンデス

ソシエダDF陣がスライドして寄せることでドリブル突破のスペースを消されがちだった。ソシエダがバイタルを極端に狭くする場面では、間で受けるよりブロック手前に引いて受け、司令塔的役割を取ることを選んだ。

・D.スアレス

ビルドアップで違いを生む。フェイントで対面を往なせるのが強み。

・セルビ

ダイレクトのパスで繋ぎに貢献。

・アスパス

ソシエダに警戒され、中々ボールを触れなかった。後半、他の選手が近くでプレーし出してから輝いた。

・S.ミナ

攻撃もだが、プレスバックが素晴らしい。激しい寄せでチームに貢献。小柄な選手が多いラレアルの選手が倒れ、笛が吹かれるのが度々。ミナのタックルがダーティーとかではない。

(途中投入)

・ノリート

鬼のようなキープ力を披露。

ガジャルド

あまり絡めなかったが強さを見せた。彼の投入でアスパスに自由を与えたと思う。

 

幸先よく先制した後受けに回り、何とか受けきることができた。後半当初は持たせすぎではとヒヤヒヤしていたが、セルタの攻め疲れ?を突いて再度攻めに転じられたからこそ逃げ切れたと思っている。イサクというカウンターの切り札を失いながらもそこに依らず屈しなかった選手たちを褒めたい。追加点を奪えなかったのは愛嬌、無失点で終えられたことが何よりうれしい。

良い流れを次戦ヘタフェ相手にも持ち越したい。良い試合をありがとう