21-22 LaLiga第25節 アトレティック・クルブ対レアル・ソシエダ(2022.2.20)

今季2度目のDerbi Vascoは敵地San Mamésでの一戦。

10月31日の前回対戦はアトレティックのプレスに嵌ったソシエダがホームで膠着した試合を強いられ1-1のドロー。

COVID-19の入場制限により、一般客/ビジター枠の入場券が販売されず、全方位が赤白のユニフォームで埋め尽くされた競技場は異様な圧を放つ。ちらほらいる青白のユニを着た方はアトレティックソシオに融通してもらったんですかね。優しいw

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◇先発紹介

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*アトレティック*

ユーリ、ミケル ベスガのプレーはあまり観たことないので注目したい。今話題の男サンセが先発していないことにリアタイした私はほっとしましたとさ。

ニコは負傷離脱中だが、主力で言えばジェライとベンセドールは出場可能らしい。ジェライは内転筋を痛め、1/23のラージョ戦から離脱しており、ベンセドールは1/9のアラベス戦でハムストリングを痛め、離脱していたとの事。

ソシエダ

EL・ライプツィヒ戦はどうやら3-4-2-1で臨んだみたいですね。ソルロス、ポルトゥ、オヤルサバル、メリーノ、スベルディアは連戦だけど、この辺りは仕方ない。イサク、ヤヌザイ、バレネチェアを故障で欠いている影響もある。


◇交代、構築変更

*アトレティック*

’61

①R.ガルシアOUT、O.サンセIN

②M.ベスガOUT、U.ベンセドールIN

メリーノとの接触で倒れこんでいたベスガがベンセドールと交代。無理は禁物だし、この試合はどこかでベンセドールが途中出場する気はしていた。

試合始まる前からサンセ出ないで、と祈ってた。ここまでプレー時間約980分で5G3Aの男。ブレイク中だしどれも豪快なゴールで非常にカッコいい。アトレティック若手台頭し過ぎ、繁栄。

’86

③イニャキOUT、ビジャリブレIN

FWを入れ替え。ビジャリブレすこ。もちろんイニャキも好きだが。

’89

④ユーリOUTバレンシアIN

⑤デマルコスOUT、ペチャロマンIN

両SBを同時入替えって初めて観たかもしれん。。。

ペチャロ頑張れ!他の試合では中盤でも出てた。

 

ソシエダ

’61

①シルバOUTラフィーニャIN

②メリーノOUT、グリディIN

直前の頭部同士の衝突で脳震盪を起こしたメリーノがグリディと交代。公式の情報によると大事はないようで良かった。とはいえ4日後のEL・ライプツィヒ戦は出場回避。

’72

③ソルロスOUT、#37ナイス ジュワラIN

ポルトOUT、#47アンデル マルティンIN

時々B所属の若手を使うよ!の段。オヤルが偽9で真ん中、ジュワラが右でマルティンが左の3トップ。ジュワラ左が多くて右あんま観たことないし、マルティンプリメーラデビューなのでとても楽しみ。右WGや左SBもできるし、IHでも観たことある。地元Donostia出身てのが何より推せる。21歳。

’86

⑤オヤルサバルOUT、J.ロベテIN

グラナダ戦に引き続きオヤルサバルの束の間の休息。ロベテ久々!そのまま3トップの真ん中に入った。


プレースキック

*アトレティック*

・右CK:ベレンゲル
・左CK:ムニアインベレンゲル
・SFK:ムニアイン

ベンセドールはファーポストへのCKでアシストを記録。ベレンゲルがショートコーナーでムニに出すのもあった。

 

ソシエダ

・右CK:オヤルサバル
・左CK:ー
・SFK:オヤルサバル

◇攻撃

アトレティックの前2枚はボールを持つソシエダCBにアタックしつつどちらか一方が必ずスビを背中かマークで消す。スビの脇に引いてきたIHはCHが付いていきつつ、SH、CFWも中間守備で見張るため容易にこの動きを起点にできない。

SHはCB→IHのパスコースを優先して切り、SBにはボールが出てからIHを背中で消しながらアタックを掛ける。

ソシエダは中切りのプレスに対し、CB→隣のSB(自陣深い位置)に渡してしまう場面がちらほら、SBは相手SHに寄せられている上、サポートに寄ってくるIHには相手CHに寄せられておりここでハマる。 SBのところでハマるくらいなら蹴るならCBのところで蹴ってしまう方が良いと思う。タッチライン際でのプレー選択は限られるし、相手が前がかりの時に失うときの方が危ないのは明らか。劣勢な時に判断が遅いとどんどん堕ちていく

ビルドアップが機能不全で基本サイドに追いやられ、中へのパスコースも簡単に切られる。ここまでくるとDFラインの裏へのボールぐらいしか攻め手がなく、貧相

ラフィーニャ投入後思ったのは、ビルドアップの早い段階から、DFー中盤のつながりだけ意識するんじゃなくて、前線も含めた三角形を意識してボールを回してくれればもっとスムーズに前進できるんじゃないかなということ。SBが下がり目でWGが張ってるんで、相手ブロックの先端と末尾を引っ張って延ばしたスペースを使いたいのは分かる。ただ、それで上手くいかない時は違う手を打ってくれ。CB開いてSB上げるでも良いし、ラフィーニャみたいに周りとトライアングルで攻めてくれるでも良い。

後半2CB+スビ、ラファで2FW+SHの3枚を振り回し、CBからWGにスルーパスを出す場面があった。ラフィーニャが巧いなと思うのは受け手から敢えて少し持つことでプレス隊を引き付け、パスを出すところ。パス先への相手プレスの出足を遅らせる。


◇守備

アトレティック2CHソシエダの4-4-2ラインの前2ー中4ラインの間でCBからボールを引き出す。ソシエダは時間が経つとCHの一方を2トップで、もう一方をメリーノが消す守備に切り替え、巧みに外循環を迫った。ただ、外循環になろうが開いたCBのドライブやFWのレイオフでゴリゴリ前進してくるあたり、うちとは違いますね...

アトレティックが自陣深くで持つときはボールサイドのWGがCBについてマンツーマンで蹴らせにかかる。IHが相手CHに、SBが相手SBをマーク。

気になるのは相手のロングボールをDFが先に拾った時、処理にもたついて寄せられ、結局サイドラインに逃げるのが多いこと。端から蹴っておけば、自陣深くのサイドラインから出さずに済むと思う。セーフティーなクリアばかりでは押し込まれる。

あまり手数を掛けずに放り込んでくるアーリークロスも、FW2枚とSH2枚が入ってくると捻じ込まれそうな怖さがある。

この試合4失点したソシエダだが、良いなと思うところもあった。ロングボールへの対応はかなり気を付けていて、出るタイミングでラインを下げ、DFが先に触れていた。4-4ラインを狭くして相手に制限を掛けれていたのも良い。

悪い所としては、フリーの選手に入った時の対応が遅く、出ていく選手が中途半端なタイミングで出ていき方をするので後ろの対応が悪くなる。ドリブル、ミドルのある選手だったらさっさと出た方が良いし、一人前に出した時にパスコースを限定したり、後ろは後ろでスルーパスを警戒してボールホルダーより前にいるアタッカーをしっかりケアして欲しい。迷いながらプレーしているようで、相手の出方に対し反応が遅れる。間に入った時点で割り切って傷を塞ぎに行かなければならんだろうに。

 

マンツーマンで2点取られてしまったCK何とかならんか。両方単純にマーカーがやられていた。


◇得点

’67 ATH 1-0 RSO ビビアン②(アシスト:ベレンゲル③)

左からのCKにマンツーマンで守るソシエダ、オヤルサバルが憶測を誤り前に出てしまい、背後のビビアンにフリーで捻じ込まれる。サイドネットに突き刺すヘッドは無慈悲。この試合好調のレミーロも全く届かず。

普通にオヤルサバルが悪い。マンツーマン故明白。

 

’71 ATH 2-0 RSO サンセ②(アシスト:ムニアイン⑦)

また入った...(絶望)

右からのCK、ダニガルがニアでマーカーのオヤルを引っ張り、その裏に走りこんだサンセが長い足を生かしてダイナミックなボレーシュートマンマークに着いていたスビが並走していたが、先に前に出て腕を使ってスビをブロックしながら足を延ばし、ミートした。マーカーとしてついていくのは大事だけど、撃たれたら意味が無い。サンセが上手いのは百も承知だが、撃つポイントを察知して欲しかった。

 

’79 ATH 3-0 RSO イニャキ⑥(アシスト:ベレンゲル④) 

自陣深くからのロングボールを、イニャキが前に突っ込みソシエダDFを引き連れるのに合わせ、サンセが下がって受けることでフリーでボールゲット。ソシエダ4バックはライン間のサンセに対して突っ込まないので少し運ぶ。前には右からベレンゲル、イニャキ、ムニが上がる。→スベルディアがスルスル出てきたところで4バックの右から回り込むベレンゲルにスルーパス。この時イニャキが内側に斜めに走っており、ルノルマンとアイエンを中央に絞らせている。

PA右ポケットに抜け出すベレンゲルに抜け出すベレンゲルにアイエンのアタックが遅れ、ベレンゲルに折り返しを赦すとスピードを上げたイニャキがルノルマンの背後で流し込む。

 

守り方について何個か何とかならん?てポイントがあった。

スベルディアのアタックの対する連動が無い。

残り3枚のDFは中央に絞ることに意識が行き過ぎているのか、ベレンゲルを空けてしまった。人もケアしたい。

②せっかくベレンゲルを追走したシルバが、なぜかサンセーベレンゲルのスルーパスのコースを空けてしまう。

周りが声を掛けて、パスコースを断てって言ったり、ここで通されてしまったとしても①の部分でアイエンがムニアインの足を止め、シルバと挟めるかもしれない。

ボールばっか見て人に対処できていない気がするのが残念

 

’88 ATH 4-0 RSO ムニアイン(アシスト:サンセ④)

イニマルさんのとんでもないライナー性の縦パスがスビの脇で空くサンセに通り、右に展開。深さを取られ、右サイドPA脇からデマルコス→サンセにマイナスのクロス、フリーのサンセに対しルノルマンが遅れて出ていく。寄せ切られる前にPA外からダイアゴナルランでゴール前に飛び出してきたムニアインにスルーパス。これをムニアインがマーカーのラフィーニャの奥でダイレクトでレミーロの脇から流し込む。

サンセにクロスが出たタイミングで、ゴール前のビジャリブレに対して3枚もいたんで、ムニアインのブロックに間に合わないとザル。ルノルマンがサンセ→ムニのパスコース切るとかスビが抜け出すムニアインに向かうとかどちらかはやって欲しかった。まあまずデマルコスのクロスへの寄せが甘い、全てが甘い。サンセのとこもルノルマンがトラップ際狙うぐらい行けるしね。


◇選手寸評&所感

大活躍/そこそこ活躍/普通/あんま良くない/悪い

*アトレティック*

U.シモン

シモンってこんなにキック上手かったの?レミーロ顔負けの正確無比なロングフィードで攻撃の起点に。

デマルコス

プレス耐性と人にもスペースにも強い守備で貢献。強いチームには必ず良いSBがいるように思う。

ビビアン

守備の屈強さに加え、水準以上の足元の技術があり、持ち上がりでビルドアップに貢献。めちゃくちゃ良いパスを差さなくても、こういった形で貢献してくれる選手は良い。点までとらなくてええやん。フリーにしたのはこちらの落ち度だけど、それにしても厳しいの撃ちますね

イニマル

相手の使いたいスペースに先に入る守備が素晴らしい。彼には様々良い所があるが、この予測と動き出しは中でも目を引く。ズバッといく縦パスは気持ちがいい。うん、最高のCBですね。

ユーリ

豪快な上がりと左足のキックで貢献。一度スピードに乗せると止まらない馬力。ボールが渡る前、トラップ際のところで勝負をつけたい。他の前線が良い動きをするので、ソシエダのDFは中々ここのアタックに行けなかった。タイミングの良い楔の縦パスに加え、アタッカーの外を回って左足のパワーショットがあった。

ダニガルシア

荒いけど流石の奪取力。広いコートカバーも

ミケル ベスガ

パスカットと的確なサポートで渋い働き。この試合は彼が必殺のパスを出すというよりは、シンプルに前4枚やオーバーラップするSBに配球。メリーノとの衝突、大事ないようで何より。

ベレンゲル

シンプルだがそこが良い。

ムニアイン

ゴールうまかった。ソシエダとしては防ぎたかったけどね。全体的にシンプルにプレーしていた。にしても本当自由であちこちピッチを横断してますね。この試合に限ったことではないが。

ラウールガルシア

黄金のフリックとプレス、プレスバック。

イニャキ・ウィリアムス

ソシエダの甘い寄せでは彼のとこから上がるクロスを阻めないようですね... 速い彼とずしっとしたスベルディアのヒヤヒヤするマッチアップどうなんだろう。彼を当てるならカバーを近くに置いてくれなくては千切られるのが怖い。

(途中出場)

サンセ

スター。全てが上手い。ポストプレーに加え、サイドチェンジの大きな展開も非常に上手い。代表選出待ったなし。

ベンセドール

得意の後方から前につけていくビルドアップで攻撃を下支え。復帰した彼への、ファーストタッチ後の拍手には暖かみを感じた。

ビジャリブレ

あまり目立たず。ボールタッチの柔らかさ好きなんだよなあ。

バレンシアガ、ペチャロ

短い。

 

ソシエダ

レミー

前半にムニアインのPKをストップ。コースは甘くなかったが、レミーロのゴールいっぱいに飛んだ横っ飛びが素晴らしかった。ユーリの近距離からのニアへのシュートを片手でセーブしたのも素晴らしかった。

ゴロサベル

スペースを見つけるのが上手い。IHのシルバが外に流れて空けた内側のスペースを大外→内からの斜め走りで使うとか プレーの引き出しの多さはサルドゥアには無い強み。前半終了間際にはエリア内のオヤルに合わせるアーリーのピンポイントクロスも。

スベルディア

イニャキ相手に苦しんだが相手を考えればよく頑張った。昨季よりは堅くなってると思う。

あと相変わらず前進も何もせず隣にパスを回すだけの振る舞いなんとかならんか。受ける位置も無駄に低い。ボールを前に進めようとする工夫がまるでない。

82分のジュワラへのスルーパス、序盤からやってくれ。

ルノルマン

相変わらず出足も速く頼りになるが、簡単にタッチラインに逃げ過ぎ。ここを改善してくれると助かる。ビルドアップももうちょい何とかならんの?近いとこ近いとこに出してどんどんアトレティックの包囲を狭くさせ、攻撃を詰まらせた。蹴った方がええやんと思うときがある。辛い。

アイエン

小さな身体に大きな闘志。そんな今季のアイエンはアトレティック相手にも奮闘。自分を寧ろ追い込んでくる不甲斐ないCB二人にはキレて良いと思う。

スビメンディ

DFラインに退くか前で受けるか中途半端だった。ラフィーニャというもう一人の引き出し手が出てきて改善。マーカーを往なす受ける前のフェイントが上手い。

86分のミドルは気持ちを感じた。惜しかった。

シルバ

アトレティックのハードマークを技術で躱す姿は尊敬に値。原始的だが、彼のところに集めて起点にするって前進の仕方でも良かったかもしれない。

前半27分のハンドは妥当な判定、相手のミドルに遅れてブロックに入った際に腕を畳み切れなかった。

メリーノ

別に彼のせいではないがあまりパスを捌けなかった。脳震盪、大事なくて良かったです。

ポルト

球離れが良く、ゴロ、シルバとの三角形から前進。守備で相手左SBのユーリを止められない場面があった。加速力、馬力が凄いんでオフザボールのところで潰しておきたい。

オヤルサバル

少し判断悪くて勿体ないなと思う場面がちらほら。まあそれ以前にもっと彼にボール回したいですね。

ソルロス

ゴールに直結する仕事は薄かった分タイミング良くライン間に引いてボールを引き出し、WGにスルーパスを送る場面や、サイドに流れて壁パス、トライアングルで前進を助ける場面が観られた。このサポートを頻繁にやってくれれば相手にとって嫌な存在になれる。

(途中出場)

ラフィーニャ

相変わらずよくボールに絡んでくれる。ただ降りてくるだけでなく、三角形をしっかり周りに意識させるポジションを取り、捌くので、パスのテンポが上がる。途中からスビメンディと入れ替わって中盤の底をやっていた。

グリディ

あんま言いたかないけどラフィーニャにゲームメイクを任せることで色々なところに顔を出す彼の良さが生きた。そういう意味ではラフィーニャには申し訳ないが、グリディの適切な器用法はこれだって思う日であった。

ジュワラ

ユーリをスピードでぶち抜く場面があった。速い。相手を鼻先で躱せるタッチの細かさ、クイックネスも買える。

マルティン

WGとしての、周りに合わせた動きは上々。ボールが来たときにもうちょい色々できると良かったが動きが良いのでOKです。

ただ、アトレティック4点目のデマルコスへの寄せの遅さはNG。クロス上げ辛いなぐらい寄せてくれなくては。結構守備してくれていたが、寄せの甘さが目立った。相手のプレーを限定しに掛かって欲しい。

ロベテ

いつも通りプレス頑張った。攻撃ではほとんど触ってない。DFラインと駆け引きして裏へのボールを要求する姿があった。

 

この試合珍しくリアタイしました。徐々にビルバオのプレスに前線に蹴るとかじゃなくて最早タッチラインに逃げる情けないDF陣になんじゃそりゃと悲しく見ていた。サンマメスの雰囲気はアトレティックファンの圧がゴリゴリに凄いしボール保持の時でさえプレスのベクトルに合わせてしか出せずハマりにハマるソシエダを観ると何かが生まれる予感なんて微塵も湧かなかった。

シルバとゴロサベルのアイデアが光る右でばかり展開し、左に振るでもなく左サイドはほとんど使えなかった。ピッチの片側のみでは前進はできてもフィニッシュまでは至らない。

そんな時間が続き、守りはかなり速い展開にもDFラインが大きな展開が渡るまでの準備でアタッカーに対峙し、防いでくれていたんで良くて引き分けかなーと思ってたがそんなに甘くはなく、獅子のようなフィニッシュの冴えを見せたアトレティックが終わってみれば4-0の大勝。

バルサやマドリーでさえ苦しんだアトレティックのキックオフからの前プレスは健在。このプレスに対して一時期のリバプール戦のシティのように蹴るのか、無理やりプレス隊の背中から顔を出して繋ごうとするのかもうちょいなんかできたろう。

 

個人的にはソシエダはボールの出しどころをアンカーの位置に定めすぎかなと思う。ここを経由せずCBから前へつけたりというのは殆どない。後半ラフィーニャが降りてきてみせたように、アンカー脇に降りたIHがSBやCB、WG、アンカーらとの連携で前進させるってのは非常に良かったかなと思う。アンカーから大外のSB、WGまでパスを通すのは遠いので、ハーフレーンで受けて起点になる人がいても良いかなと。

横並びのDFラインとアンカーだけだと4+1で静的で、捕まえやすいんよな。サリーダの時の3+1も同じ。その点周りを気にするIHが降りると、パス交換の中でアンカーとポジション入れ替えたり、より近い距離でサイドの選手とパスを回したりってのが良いんじゃないかなあと思った。

ボール出してライン間のシルバと3トップ、上がってきたSBが読みづらい攻撃でガンガンゴールに迫るみたいなソシエダが観たい。

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ペチャロ、頑張ってね。

21-22 LaLiga第24節 レアル・ソシエダ対グラナダCF(2022.2.13)

ベティス戦観返すのが遅くなって玉突きでバレンシア戦諦めました、、

アノエタで迎えるグラナダ戦。ヘタフェ戦、ベティス戦(国王杯)、バレンシア戦と3試合勝ちが無いのでそろそろ勝ち点3が欲しい。順位表を見ると注意がかなり詰まっていて、EL出場権争いが苛烈。ビルバオビジャレアルオサスナは好調だし不振に喘いでいると一気に置いて行かれそう。イマノル、オラベともにEL争いの厳しさをメディアに語っていた。どうなるかは終わってみないと分からないが、最善を尽くしたい。

ピッチに目を移して、awayユニの深い緑に驚きました。(グラナダの試合をあまり観てないのがバレるんですが) 前回対戦は3-2で勝利も、自分のブログを読み返すと内容では押されていたよう。中を固めるミドルブロックと、L.スアレスの動きを中心に流動的に連動を使って攻めてくる攻撃に苦しんだようだ。

◇先発紹介

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ソシエダ

ゴロサベル&アイエン先発おめ!君たちの攻撃力が好きです。前3枚はこの3人が今季のベストメンバーだろうか。ヤヌザイは好調な攻撃に加えて、守備も向上してるんよな。現状ベストの布陣だと思う。

グラナダ

前回対戦時(6節)は4-2-3-1だったがこの日は新加入のアレソとL.スアレスを並べる4-4-2。バッカやJ.モリーナを押しのけての先発と思うと優秀な選手なのだろう。

アレソはウルグアイモンテビデオ出身の21歳、地元のリーベルプレートモンデビデオから約570万€で今冬完全移籍。どんな選手なのか楽しみ。コジャドは昨季バルサBの押しも押されもせぬ10番、今季終了までのローン移籍。彼はカタルーニャ州サバデルの出身で、10歳の頃にエスパニョール下部組織からマシアに移ったらしい。右SHのウズニに至っては初めて名前を聞きました... アドリア海に面するアルバニア出身の26歳、ハンガリーの”Ferencvárosi TC”というクラブから約400万€の移籍金で今冬完全移籍。

左CBに28番、Bチーム(Granada Recreativo)所属の選手を発見。R.トレンテ選手は2018年夏に地元ムルシア市のMar Menor FCからグラナダ下部組織に加入。190㎝を超える現在20歳の長身DFで、今季既にトップチームでリーグ戦12試合に出場。これからが楽しみですね。

◇交代、構築変更

ソシエダ

’66

①シルバOUTラフィーニャIN

ヤヌザイOUTポルトIN

この2枚替えは守備強度の低→高(相対的)な交代でもある。それぞれそのまま左IH、右WGに。

’82

③アイエンOUTパチェコIN

④イサクOUT、ソルロスIN

⑤オヤルサバルOUT、サルドゥアIN

エースの束の間の休息。

システム交代。4-3-3→5-3-2。後ろ5枚の並びは右からサルドゥア、アリツ、ロビン、パチェコ、ゴロ。中盤3枚がスビ、メリーノ、ラフィーニャ。前2枚がポルトゥ、ソルロス。

グラナダ

’62

①#24ウズニOUT、#10プエルタスIN

②#5ミジャOUT、#18 N.ペトロビッチIN

プエルタスは左SH、ペトロビッチはゴナロンとWピボーテ。彼は今冬セルビアの名門レッドスターから加入した22歳の中盤らしい。

’71

③#35コジャドOUT、#21R.ロチーナIN

④#4ゴナロンOUT、#19A.モントーロIN

⑤#14アレソOUT、#23J.モリーIN

3枚替え。右SH、CH、FWをそれぞれ入替え。皆30オーバー、モントーロはバレンシアユース上がりの中盤。一発のパスがある。モリーナはベティスの印象が強い点取り屋、御年39。今季7G決めているらしい、凄すぎる。

ロチーナ、ラマシア出身なの知らなかったなあ。ブラックバーンにいたりロシアのルビン・カザンにいたこともあるらしい。

 

プレースキック

ソシエダ

・右CK:ヤヌザイ
・左CK:ヤヌザイ、オヤルサバル
・SFK:ヤヌザイ、イサク

イサクの直接FKはあんまり期待してない。アトレティコ戦で1点決めてるとはいえ。

グラナダ

・右CK:コジャド
・左CK:モントーロ
・SFK:- 

モントーロはかなり良いボールを入れていた。

◇攻撃

グラナダは基本2トップがソシエダのCB+アンカーを見る。これで良いのかなーと思うのは2トップの守備の狙いが曖昧なのでソシエダのCB、アンカーの内1人がフリーになる事が多いこと。コジャドが右サイドを捨ててアンカーのスビのマークに来る時間もあるが、ミジャはスライドして右SHの位置まで来ることが無いので、アイエンかシルバどちらかがフリーになって左から運びやすい。普通に欠陥だと思う。グラナダ中盤ラインはCBー中盤の2ライン間を狭めることを優先しているのか高い位置を取らないので、ソシエダはCBの持ち上がりやアンカーを起点にできる。

ソシエダがGKまで下げると、ピボーテの一角をスビのマークにジャンプさせていた。

ソシエダは右IHのメリーノが右に落ち、ゴロサベルを上げる。ボールを引き出すメリーノにスビやシルバも絡むので右からの攻撃が多い。

◇守備

グラナダはミジャをDFラインに下げ、両CBを開かせてボールサイドのSBを上げる。ミジャは大体真ん中。ビルドを担うのが両CB、ミジャ、ゴナロン。崩しを担うのが上がったSB、前4枚とはっきりしているのが良い。キニもエスクデロも攻撃性能が高い。

また、2トップ+コジャドがポジションを入れ替えてるのが面白い。コジャドがトップ下、アレソが右サイド、L.スアレスが前張りなど。コジャドの精度の高いキックやファンタジーアが生きる。

ソシエダはDFラインに下がることの多いミジャにシルバがついていく。グラナダが深い位置で回すとマークの受け渡しでCBにアタックにいくシルバに代わってスビがミジャにつく。ミジャはキーマン故。グラナダビルド隊に対してラレアルプレス隊は、グラナダがSBの片方を残せば5(CB*2、SB*1、DH*2):4(FW*3+IH*1)なので、グラウンダーでボールを出される。ソシエダの前プレスはガチガチにきつくないため横パスでずらしながら間を通す。

◇得点

’36 ⚽RSO 1-0 GRA オヤルサバル⑧(PK)

オヤルサバルの胸を張ってホップするPKで先制。

PKになったのはすごく可哀想なハンドの判定。CKのこぼれをエリア少し外からゴロサベルがダイレクトボレー。シュート性のボールをエリア内に送る→メリーノが足を出してフリックしたボールが近くにいたD.ドゥアルテの腕に当たってハンド。身体からめちゃくちゃ離れてたわけではなかった。辛い。

’73 ⚽RSO 1-0 GRA ラフィーニャ(アシスト:オヤルサバル②)

相手のロングボールをアリツが頭で跳ね返した球をポルトゥが拾い、前方のメリーノと入れ替わりのワンツーで左ハーフレーンに運ぶ→ポルトゥの内側をラフィーニャが並走したことでSBを引き付け、左大外のオヤルが空く。ポルトゥ→オヤルサバルにスルーパス。オヤルはエリアに侵入してすぐにマイナス気味のグラウンダーの折り返し、ラフィーニャがダイレクトでニアに流し込む。

オヤルのクロスのタイミングでDFとGKの間で合わせるランニングを見せたポルトゥが相手DF2枚を釣って勝負あり。ニアで合わせたラフィーニャはコースが限られていたけど、落ち着いてうまくミートした。

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PSGに帰らないでくれ。。


◇選手寸評&所感

大活躍/そこそこ活躍/普通/あんま良くない/悪い

ソシエダ

レミー

前半不甲斐ないDF陣がもたらした2つの1対1を両方セーブ。チームを救った。また、ビルドアップでも得意の晒しで相手FWを動かし、クリーンな球出しを見せた。凄く助かる。

ゴロサベル

内側も使える攻撃参加は魅力だし、サルドゥアよりはるかに球出しが上手い。守備はサルドゥアと比べて物足りない。相手のフェイントや持ち出し、スルーパスに対して後手に回ることが多いので、守備の時はあまり周りが見えていなかったり予測が効かないのかなと思う。

ルノルマン

ハイラインを敷くソシエダの最後の砦。昨季序盤は抜かれる印象があったが今やすっかり人に強くなった。66分のプエルタスを後追いで止めた1対1は素晴らしかった。相変わらずビルドはいまいちだけどCBだから守りが良ければ文句言えないです。

エルストンド

積極的なロブパスは意外と繋がってて良かった。この人の見せ場は守備対応、前半ロングボールへの競り合いに負け入れ替わられる場面もあったがそれ以外は上々。58分のオフザボールの選手をケアした後に間に合わせたシュートブロックは凄かった。

アイエン

中を固めたり2ライン間を狭めるグラナダに対し、自由になりやすかった。得意の持ち上がりと中盤との絡みでビルドアップに貢献。守備対応も相変わらず堅い。

スビメンディ

狭い所で精度を落とさないショートパスマスター。アンカーの深い位置に拘らず、ブロック重心の低いグラナダに対して積極的に前で捌いた。この試合はメリーノが低い位置で組み立てる場面が散見され、前で楽しそうにプレーしていた。5バックにしてからは右IHに。

メリーノ

今日も色々と働いてくれた。まずビルドアップ、身体を張ったポストプレー、要所を締める守備、チャンスを広げるロブパス。この試合は保持の時間にアンカーのスビメンディと入れ替わる動きが面白かった。プレスのきつい相手に当たった時、中盤の流動的なポジションチェンジで打開を図るのは面白いかなと。

シルバ

黙々と繋ぎに徹する時間が多かった。が、ニアゾーンを取る連携、動き出しは流石。あんま言いたかないけど守備強度は厳しい。ただ、走り回るのはきついけど相手アンカーを消す仕事は良くこなしてくれていた。ミジャにだいぶ制限をかけてくれた。

ヤヌザイ

ゴロサベルがうまく内側に入るので、彼の外からの仕掛けが生きる。左足ばっかりでなく、右足も使うのが良い。攻撃はこの日も好調だったが、後半何度もあったシュートチャンスを活かせず。ファウルを貰えないと拘って守備に戻らずピンチを招いた。

オヤルサバル

突破力がもう少し欲しいかな。ズラしたいのかぶち抜きたいのか中途半端な1対1が目立った。アシストはポルトゥのデコイランとタイミングがばっちりだった。

イサク

最近ランウィズザボールに目覚めたと思う。トラップ一発でマーカーと入れ替わる。ただこの試合はあんまし見せ場が無かった。

(途中出場)

ラフィーニャ

相変わらず素晴らしいプレスと繋ぎ。2点目は値千金。サンセのOHも好きだけど、もの凄いクオリティで現状は比較にならない印象。

ポルト

2点目を演出したのは彼。ダイナミックな運びも良かったし、引きつけてオヤルサバルに出したニアに突っ込んでマイナスを空けたのはもっと良かった。ヤヌザイの輝きに隠されがちなシーズンだが、だいぶ調子が上がってきた。

ソルロス

今日も今日とてかちこちな感じ。上手くて強くて速いが、周りとの連携を磨いて欲しい。ボールを受けたらまず突っ込む。

サルドゥア

あんま観れてない。無難に対応していたと思う。

パチェコ

同上。久々の出場嬉しいがもっと長く見たい。スベルディアにCBとして負けてる要素はどこなのか(経験)。

グラナダ

マクシミアーノ

良いセーブが数本。遠いところにシュートが飛んでも届くバネが凄い。

キニ

攻撃時の位置取りが上手かった。外ばかりでなく、内も使うことでソシエダとしては対応し辛かったしフリーで、かゆい位置で受けて攻めの起点になっていた。コジャドが攻守で中ばかりでプレーするから慎重にプレーせざるを得なかったように思う。もう少高い位置での攻撃参加が見てみたかった。左のエスクデロと非対称な構造なんだろうか。

R.トレンテ

球出しが良くて守備対応も中々。将来が楽しみ。

D.ドゥアルテ

一定以上のプレーは見せたがヤヌザイやオヤルサバル、ポルトゥらを完璧に抑えたとは言いづらい。

エスクデロ

攻撃大好きさは健在。果敢にミドルも狙った。強気の縦パスもそうだし、パンチのあるSB。

L.ミジャ

豊富な運動量、プレスに球出しに幅広く活躍。応援したくなる。

ゴナロン

CBからパスを引き出すのは良かったが、相方のミジャに比べてそんなに印象ない。バランスとしては動と静で良いのかもしれない。

ウズニ

キレと強さはあった。守備も結構戻っていた。ただ活躍はできなかった。新加入の選手だしこれからだとは思う。まだフィットしてる感じはない。

コジャド

流れるFWと入れ替わって内側のレーンに入り、高精度のキックで違いを生んだ。一方守備ではマッチアップするべきはずのアイエンをフリーにしてしまうことが多く、彼を起点とした攻撃を赦した。攻撃は良かったけど守備の位置取りはいまいち。

アレソ

良い飛び出しを見せた。サイドに流れたり横に流動的。線が細く見えてガツガツいくあたりは南米出身。当たりも弱い部類ではない。

L.スアレス

タイミングよく中盤に流れ、ポジションチェンジの核になった。ドリブルのキレと身体の強さで基本どこにいても怖い。受け方も巧いし。

(途中出場)

プエルタス

エスクデロの上がりやL.スアレスの流れに応じて中に入った時のポジショニングが良くて、怖かった。シュートレンジも広くて厄介。

ペトロビッチ

後ろに重たいボールハンターかと思いきや結構上がるのが面白かった。機動力のある守備的中盤。

ロチーナ

黄金の左脚。この試合のパス全てうまかった。彼を見るだけで試合を観る価値があると思う。

モントーロ

深い位置から楔のパスを入れ続けてアクセントに。受け手のL.スアレスは強力なパサーが入って生き生きしたように思う。中長距離のパスが光る。これが結構通る。

モリー

短い時間でも数度シュートチャンスを迎えた。嗅覚というよりボールの行き先にいるので予測が効いてるのかなと感じた。

 

3戦勝ち無しだった。久々の勝利、とても嬉しい。メリーノが低めに残ってスビが上がる攻撃が目新しくて面白かった。マジョルカ戦のようにスビの縦パスは敵陣でも有効だし、静的なビルドアップより相手守備にストレスを与えられて良いと思う。グリディではこうはできないだろうとは言ってはいけない

お次はお隣アトレティック戦か。今最近ビルバオの良い所ばかり見てるので前からのプレスに苦しんでボールが出せなかったり、ムニアインに切り裂かれたりサンセの技巧にやられたりって場面が頭に浮かぶけど、どこまでやれるか楽しみです。

ビルバオは一個一個が速いし連動もばっちり決まる。こちらも声を掛け合って寧ろ相手を動かす、釣りだすぐらいの気持ちでやって欲しい。ソシエダも息の合った連携を見せるチームであって欲しい。引き締まった好ゲームを期待!

国王杯準々決勝(ベスト8→4)レアル・ソシエダ対ベティス(2022.2.4)

またホームで戦える幸せ。相手は前回ボコされたベティス、左のA.モレノとファンミを封じられない限り勝ちはない。頼むぜヤヌザイサルドゥア!

満席とは言えないがキックオフ前から大音量の声援。素晴らしい後押しを追い風に難関を突破したい。ヘタフェ戦からアリツとイサク、アイエンが先発復帰し超本気のイレブン。2日後には強敵バレンシア戦も控えるが、国王杯も本気で挑む。勝ちたい。

◇先発紹介

f:id:wesleysni:20220206190220p:plain

*ラレアル*

既に上に書いてしまったので割愛w

ベティス

前回対戦時は、右SBにベジェリン、ピボーテにグアルダとギド、最前線にジョゼ。ファンミを逃さない事、A.モレノの進撃を食い止めること、フェキルに制限を掛けることがマスト。


◇交代、構築変更

*ラレアル*

’HT後

ゲバラOUT、スビメンディIN

不調のゲバラの交代は当然として故障明けのスビメンディ投入。ハムストリングを痛めていたがどれだけ戻っているか。

’73

ヤヌザイOUT、ソルロスIN

③シルバOUTラフィーニャIN

イサクを右WGに回すという攻めの選択。イサクのWG器用はこれまでほとんど見たことが無い。イマノルの点を取りたいという気持ちが伝わる。シルバお疲れ。ラフィーニャは右のIHに入り、メリーノが左IHへ。

’83

④イサクOUTポルトIN

右WGを入れ替え。ポルトゥの勢いに賭ける。

 

ベティス

’77

①フアンミOUT、ルイバルIN

ルイバルがそのまま左SHに。右の印象のが強いけど。

’88

②カナーレスOUTホアキンIN

③フェキルOUT、ロドリIN

ホアキンがトップ下、ロドリが右SHの位置。

 


プレースキック

*ラレアル*

・右CK:ヤヌザイ
・左CK:ヤヌザイ
・SFK:オヤルサバル

ヤヌザイの良いクロスから合わせる場面もあった。決まらなかったけどね...

ベティス

・右CK:フェキル
・左CK:フェキル
・SFK:フェキル

カナーレスとかって蹴らんのかな。フェキルがそれだけ上手いのか。


◇攻撃

ベティスの守備は4-4-1-1ブロック。ソシエダのビルドアップは4バック+ゲバラにメリーノ又はシルバのIHが補佐。ソシエダビルド対応は、ボールを持つCBにはパンダ氏が寄せ、フェキルはゲバラ番又は前に上がる、この時ゲバラはパンダ氏かいずれかの背中で消す。ソシエダIHに対してはCHの一角を前に出すことで対応。ボール出しを赦すとフェキルがイグレシアスと前残りし、ライン間を狭くした4-4ブロックで対応。

プレス隊とDFラインの間のスペースが気になるが、ソシエダ3トップ+OHが4人に対し、ベティス4バック+プレスに出ず残るCH1枚と5人いるので、ライン間に入れられても対応が間に合う。ソシエダはメリーノやゲバラがプレスを外せるとチャンスになる。

以下の工夫でボール出しを成功させた。

・SBを上げてWGが内のレーンに入り、間で縦パスを受ける。特にオヤルサバルの間受けが非常に上手い。

・CBがサイドに開き、イグレシアスとフェキルを分断。IHがベティスCHを引き連れて高い位置に張り、ゲバラ周りを空けて彼に自由を与える。

・中盤が低い位置に降りてサポートし、ベティス前2枚の脇から上がるCBにボール出しの縦パスを入れさせる。

 

また、ベティスの守備の肝は最終ライン。中盤がプレー方向を限定するので良い予測をして対応。これが速い。結局ここを崩せなければチャンスにならない、ソシエダの攻撃はベティスに比べるとゆさぶりが乏しくて、ベティス最終ラインに整って守られる時間が長かった。

 

◇守備

ベティスのビルドアップは4バック+CBの少し前に立つピボーテの一角が中心。もう一人のピボーテは前めにいたり、サイドに流れたり。ボール出しが成功すると最終ラインをかなり上げる。

フェキルやパンダ氏が最前線サイドに流れてロングボールを引き出し、速攻の起点になった。

ラレアルはシルバを前に押し出すいつもの4-4-2。問題はボールを最終ラインで回収してもベティスの即時奪回の強度が高いこと。近場へのパスを抑えられる上、ボールホルダーにも厳しいアタックが来る。前衛守備隊の圧に合わせて最終ラインがハーフラインを超えるまで押し上げてきて、ラレアルは攻撃に移行できず蹴ったセカンドボールを回収され二次攻撃を受ける。 そんなチームをしばしば助けたのがヤヌザイ。すぐキープ力、運ぶ推進力で攻撃の起点として機能。

ボール出し成功後、ベティスは早めに前線に入れ、ソシエダ最終ラインを釣りだしてDFライン裏を狙う。


◇得点

’12 RSO 0-1 BET フアンミ(アシスト:B.イグレシアス)

左大外レーン、ハーフライン手前で引っ掛けられて攻→守。奪われてすぐSHカナーレスのスルーパスがルノルマン脇に顔を出したパンダ氏に通って深さを取られる。バックパスをハーフレーンで受けたカルバリョがマークをものともせず前進し、フェキルとワンツーでPA侵入→このボールがゴールラインPA右ポケット)まで達し、対応するゲバラと競る。カルバリョをブロックしながらラインを割らせようとしたゲバラに覆いかぶさり、長い足でスイッチバックゲバラを吹き飛ばしてマイナスに折り返し、フリーになったファンミが得点。

ゲバラはやらせ過ぎ。カルバリョを甘く見ていたんじゃないか、ミスマッチの危機感が足りない。蹴り出せたはず、緩慢な対応だった。

ファンミの動き(ステップバック)をケアできなかったことにより入った失点。サルドゥアはしきりに背中のファンミを見ていたが、ボールを見た瞬間に下がったファンミが完全に上手。 失点早いよ…決めきるベティスを褒めるべきか。

 

’56 RSO 0-2 BET フアンミ(アシスト:フェキル)

カナーレスのスルーパスに尽きる。V.モレノフォアチェックの緩いシルバの脇からアンカー位置のカルバリョに通すと、彼はこのボールを斜め後ろからスイッチに来たカナーレスに落として譲る。彼はただハイエナに来たわけではなく、V.モレノの縦パスが入った時からスピードを上げてアピールしていたA.モレノを見ていた

タイミングを計って出したカナーレスの素晴らしいスルーパスはアリツーサルドゥア間を抜け、ゴールライン近くまで達する。後はゴール近くに構えるソシエダDFをあざ笑うかのようにドフリーのファンミにマイナスに折り返し、ファンミは逆足ながら素晴らしいコントールショットでレミーロの脇を抜く。

PA手前から猛ダッシュでゴール前に詰め、ルノルマンとアイエンの二人を釣ったパンダ氏が素晴らしかった

 

’81 RSO 0-3 BET W.ジョゼ(PK)

サバリがフリーランを開始し、ベティスは直接彼を使わず1個バックパスをW.カルバリョ→カナーレスと挟んで完全に右サイド大外レーンで抜け出す。サバリはルノルマンと追ってきたイサクに寄せられる前にPA脇からセンタリング。

ゴール前、ヘッドで狙える場所に送らずPA内遠目に上げることでソシエダ中のDFの意表をついてフェキルに空間を提供。フェキルのダイレクトボレーに離れた位置でのブロックを余儀なくされたサルドゥアが腕を出してしまい議論の余地ないPK。これをウィリーが沈めて3-0。

 

’86 RSO 0-4 BET ルイバル(アシスト:V.ルイス)

4-0またかよ....縦ポン一発ですよ?擁護不可。右→左のサイドチェンジの流れでソシエダブロックを振り、スペースのあるV.ルイスに下げると突っ込むソシエダ守備陣。ルイバルがサルドゥアの脇から簡単に抜け出し、最後はレミーロとの1対1を制して万事休す。サルドゥアとアリツ2人いたが、少し中よりに位置するサルドゥアから離れた位置から抜け出し、大外から巻くようなコースで走ったルイバルの準備&動き出し、ランニングが素晴らしかった。良い時のソシエダDFなら相手のロングボールに対し深さを取って準備は怠らないが... 3点ビハインドで意識が前に行くのは分かるが簡単に失点する場面を見せられると悲しい。


◇選手寸評&所感

トータルで見て、

大活躍/そこそこ活躍/普通/あんま良くない/悪い

*ラレアル*

レミー

1人で完結させるボール出しは流石。キックの質は言うまでもないが、相手プレス隊を動かす引き付け、ミスダイレクションがうまい。

4失点は他の10人が悪い。良いセーブもあった。

サルドゥア

ところどころ荒かった。気持ちが空回りしてしまっていた印象で振り回された。ハンドは擁護不可。

エルストンド

カバーの距離感、出足が良く、攻撃を次々摘み取った。派手な縦パスこそ控えめだが、彼の往なしと撫でつけるような優しいボールタッチで酒が飲める。ロングパスでアクセントもつけた。

ルノルマン

守備力は頼もしいのだが、奪った後がセーフティ過ぎる。クリアせなならん場面もあるが、簡単に蹴らないことで相手の攻撃を切りたい。ビルドアップへの貢献は寂しいが、惜しいヘディングシュートがあった。

アイエン

流石の競り合いの強さ。アイエンのところから縦パスを入れて起点にするのは難しい。攻撃でも縦パスを入れる、自ら運ぶ積極性で貢献。

ゲバラ

パスミスが目立ったのもあるが、相手が読みやすい捌きで詰まらせる場面が多かった。悪い時のゲバラはこんな感じ、ロストは良くないが詰まらせるのも良くない。ほんの少し引きつけて方向を変えるとか、工夫が欲しい。フリーの時は良いパスもあったけど、マークされた状態で力を発揮できないとアンカーとしては厳しい。

極めつけは1点目のカルバリョにPA内でボールを明け渡したシーンです。擁護?できねえ相談だ。おめえは俺を怒らせた(#^ω^) ただ、39分程の、跨ぎのフェイントから繰り出した幻のプレアシストは見事でした。ボールウォッチャーを作ってオヤルサバルをフリーに。

シルバ

統率の取れた4バックを中盤が支えるベティスのブロックに囚われる時間が長かった。味方のためにスペースを空ける動きやボールを引き出す動きは流石だったが、チャンスメイクという点では今一つ。

メリーノ

中盤の大黒柱。ベティス2ライン間でボールを引き出したりキープ力を生かしてビルドアップに貢献。BtoBのIHでロングボールのターゲットとして機能するのが、非常にありがたい。ヘッドでぶち込めそうな場面もあった。(うまくミートせず)

ヤヌザイ

キープ力とパスのファンタジーアで貢献。良いので読まれづらく、繋がればチャンスになる。後半は少しトーンダウン。

オヤルサバル

間受けでボール出しの出口として機能。この人のオフザボールの上手さが非常に助かる。積極的にシュートを放った。一番仕掛けて一番ゴールに迫った。

イサク

技術とアイデアで違いを作る。中を締めるベティスに対し、サイドに流れてチャンスメイクする機転も良かった。だが、45分のごっつぁん失敗は決めなきゃだめだ。

 

(途中出場)

スビメンディ

常に前向きにプレーする姿勢でチームを勢いづけた。足元に拘らない意外性のある配球でレシーバーに前向きにプレーさせた。下がらず狙いすましたパスカットで前目で潰す守備でもチームを盛り立てた。

ソルロス

前線で身体を張ったが、周りとの絡みが薄弱。

ラフィーニャ

左IHでプレー。良く動いていろんなところで味方をサポート。攻守の切り替えが早く、高い位置で取り返す前衛守備も素晴らしい。

ポルト

89分に決定機。メリーノの、ベティス最終ラインの背後に弧を描く軌道のグラウンダーのクロスにA.モレノの奥から抜け出すもダイレクトで撃ったシュートはポスト一撃。久しぶりにベティスDFを困らせた。

ベティス

L.シルバ

あまり脅かされなかったが危なげないセービングを披露。フィードなど攻撃面で目立つ場面はそんなになかった。

バルトラ

空中戦高い。前で潰すのがうまい。

V.ルイス

何気にこの人のビルド力が憎い。4点目のアシストで必殺のフィードも持っていることを証明。ベティスは色んなところから良いボールが出てくる。なるべくプレスいった方が吉。

サバリ

守備対応で隠れ身体能力お化けさを発揮。対人◎。攻撃でも良い位置を取ってサイドチェンジを受けたり器用な活躍。

エドガル

重戦車のようなカルバリョに比べたら目立たないけど、広く守備で走り回っていた。CBが前に出た時に埋める動きも素晴らしい。ベティスのブロックを支えた。

W.カルバリョ

フィジカルモンスター。セットプレーでも強さ、高さを発揮。この人は守備型というより寧ろシティでトップ下やってた頃のヤヤ・トゥーレにプレーが近い。バイタルに上がってくると中央突破をゴリゴリ仕掛けてきて厄介この上無い。ボールを一度握ればブルドーザーのようにアプローチを弾きながら進む。彼に預ければどんどん局面を打開してしまうこれでシュートを決めでもしたらとは考えたくない

カナーレス

何て言ったらいいんだ、偽SH?フリーマン的に広く動き、あちこち配球。

並みの選手がやるなら怖くないが一発のパスがあるのが彼。実際長距離のスルーでピッチに筆を走らせ、2点目を演出した。彼の低い位置からの必殺のスルーパス、おなかいっぱいです。

ファンミ

掴まらないゴールハンター。裏抜けも上手くて終始ソシエダの脅威に。説明不要の大活躍。

フェキル

今日も今日とて鬼キープ。結構守備が上手くて怖い。高い位置で奪われたら一たまりもないですから。

B.イグレシアス

サイドに流れてチャンスメイクするチームプレーが光った。

(途中出場)

ルイバル

得点の大仕事。速かったし準備も良かった。レミーロとの1対1も冷静。

ホアキン

献身的な守備と衰えないフェイントに感動。

ロドリ

やっぱうまい。ホアキンのパスを受けて惜しいシュートを放った。

 

相手守備の深いところを揺さぶれたかどうかがそのまま勝敗に出た印象を受ける。ベティスは好連携を見せてテンポよく前線までパスが繋がるが、ソシエダはボールが出たところで考えてしまう。ボールが出たところで更に動きが繋がっていかないと、攻撃としては貧相かなと思う。 また守備でもベティスのパス回しに喰いつきすぎて、前線に飛び出す選手を悉く自由にしていた。ボール周りだけでなく、人に対するケアもしっかり対応してほしい。

前半戦の対戦に続く4-0はとても悔しいですね。「苦手だからしょうがない」なんて到底思わない。課題点を一個一個潰して、次は良い勝負をして欲しい。

 

21-22 LaLiga第22節 ヘタフェ対レアル・ソシエダ(2022.1.23)

前回対戦は8節のアウェーゲーム。お互い蹴り合って1-1のドローだった。上位に追いすがるためには勝ち点3が欲しい・5-3ブロックの寄せが早いヘタフェに対してどれだけアタッカーにいい形でボールを回せるか。ヘタフェはどんどん前線に蹴ってくるだろうのでネガトラ対策も必須。

セルタ戦、アトレティコ戦と良い調子だったので、良い流れのまま気持ちよく代表ウィークを迎えたい。

 

◇先発紹介

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*ラレアル*

アンカーのスビメンディが怪我で不在。

今節の攻撃的IHはラフィーニャ。彼のおかげでシルバ不在時もオヤルサバルがWGでプレー。また、バランサー型のIHはグリディが今季リーグ戦初先発(途中出場2試合)。昨季ダイナミズムを活かしてシルバの代役も務めた男の巻き返しに期待。

右CBスベルディアか、、背中・腰辺りに不安を抱えているアリツの酷使は危険とは言え、ボール出しが心配。アンカーの時は良いのにCBだと攻撃面がヘタレてしまう男。

最近のヤヌザイは最早先発固定ですね。昨季は何方かというとポルトゥの方が優先されていた印象、内容も目に見えて充実。

*ヘタフェ*

5-3-2でまた堅いサッカーをしてくるのだろうか。セビージャから今冬ローン加入のO.ロドリゲスが2トップの左側で先発。セビージャ時代はWGかIHをやってた印象。

FWのマジョラル、CBのミトロビッチは多分初めてプレーを見る。

前者:所属元はマドリーで今季終了までのレンタル加入の24歳。マドリーでのトップ昇格からレンタル生活、LaLigaではレバンテに複数年いたらしい。

後者:セルビア生まれの31歳、身長189㎝の大型DF。RCストラスブールから移籍金約100万€で加入、LaLigaではバジャドリーに在籍経験有。

主審:ホセ ルイス マヌエラ モンテーロ

◇交代、構築変更

*ラレアル*

’61

スベルディアOUT、アリツIN

②ソルロスOUT、イサクIN

右CBを入れ替え。ビルドアップでの貢献を期待。

’68

ヤヌザイOUT、イサクIN

ラフィーニャOUT、シルバIN

右WG、右IHを入れ替え。ポルトゥの前への圧とシルバの閃きで打開を図る。

’82

⑤グリディOUT、トゥリエンテスIN

左IHを交代。トゥリエンテスはお久しぶりだと思う。鉄人メリーノお休みおめでとう。

*ヘタフェ*

’76

①#25マジョラルOUT、#7J.マタIN

ベテラン投入。ヘタフェのFWと言えばこの人。

’84

②#24O.ロドリゲスOUT、#19ポベダIN

2トップのもう片方も入替え。

プレースキック

*ラレアル*

・右CK:オヤルサバル
・左CK:ヤヌザイ
・SFK:ヤヌザイ、オヤルサバル

ヤヌザイのCKは冴え、48分にソルロスが潰れた背後の零れからルノルマンの決定機を演出。シュートはバー直撃。

*ヘタフェ*

・右CK:O.ロドリゲス
・左CK:O.ロドリゲス
・SFK:O.ロドリゲス

流れからもセットプレーからも良いキックを見せていた。


◇攻撃

ヘタフェ5-3-2の陣形のまま守備。ソシエダのDFラインからのビルドアップに対し、前2枚はCBまで寄せにいかず、アンカーのゲバラを消す。一人はボールホルダーとの線上に立ちパスコースを断ち、もう一人はゲバラの隣ぐらいに位置。

両WBが最終ライン[5]から前のライン[3]へジャンプすることはほとんどない。中盤~前よりの守備はスライドしたCHが担当。ソシエダのビルドアップに対しては5-3-2の3+2のみで対応する。

ソシエダはヘタフェ3-2ライン間のサイドのスペースを起点にした攻めを試みるが、ボールサイドにかなり圧縮するヘタフェの守備網に掛かり、前進が捗らない。何故ボールサイドにスライドした中盤ライン3枚の逆サイドに空いた大きなスペースを使わないのか。

ゲバラがDFラインに落ちるときはグリディが底に移り、WBが高い位置を取り、両WGがハーフレーンに位置。ラフィーニャは中央に構え、3-1-1-3のような形。フィニッシュは3トップ+ラフィーニャで中央からの崩しを狙う。中央渋滞気味のごり押しです…

問題は敵ブロックの間にボールを入れた後のサポート。折角間で受けても周りに選手がいないため、ヘタフェはブロックの重心を下げて3トップをマークするだけで良い。周りにサポートの選手がいれば、間受けを起点にして更に相手の守備網の目を広げていけるだろうのに。運んで寄せられてマークされた中央に入れて奪われるの繰り返し。敵1stラインの先でボールを受けても、一人がサポートに行ってももう一人以上受けられる人がいないと攻撃が広がらない。

一方、ビルドアップは上手くいっていた。大体DFラインに落ちたゲバラ+2CBとアンカーの位置に入るグリディ、その脇に落ちてくるラフィーニャでボールを出す。ヘタフェWBが前に出てこない事もあり、ソシエダCBが開いてボールを持つと2トップを引っ張れる。ヘタフェFW1枚を引きつけたCBから、アンカー又は引いてきたラフィーニャ等にパスが通りやすい。

しかし、後ろ4枚でビルドアップするときは良くない。開いたCBと低い位置に構えるSBの距離が狭く、相手に詰められてSBのところで蹴るしかなくなる。レミーロがいるんだから、SBはもう少し高くても良い。

(後半頭)

ヘタフェが前からプレスをかけるように。前半はほぼ2トップだけでプレスを掛けていたが、時には中盤ライン3枚が連動してソシエダ中盤をマンツーマンで捕まえに来る。アランバリはアンカーのゲバラをチェック。

60分台後半に入ると、前半通りプレスの重心の低い5-3-2に戻した。上手くいってなかったわけでもないし、よくわからない。元々後半頭だけエネルギッシュにいくと決めていたのだろうか。

(70分過ぎ)

ソシエダ、ようやくSBが高い位置まで攻め込む。WG、IHと連携してチャンネル攻略や揺さぶってからのクロスを試みる。最初からやってよ!!


◇守備

ヘタフェはビルドアップ時の形も5-3-2

ソシエダの1stプレスラインを超えると、3バック以外が攻めに上がる。逆サイドのWBも上がって、底のアランバリが下がり目。

2トップの関係性、マジョラルが最前線に張る一方、O.ロドリゲスは受けに下がることが多い。中盤で受け、得意のキックを活かす。

ソシエダはヘタフェビルドアップに対してラフィーニャをソルロスと並べる4‐4‐2形。ボールサイドのWGが、ヘタフェのHVとWBの両方を見る中間守備。

最終ラインはヘタフェがバックパスで大きく戻すとハーフライン近くまで上がり全体をコンパクトに保つ。

(後半)

ヘタフェはビルドアップを後ろ3枚に任せ、WBは高い位置。やっと彼らの攻撃参加が観られたし、ロングカウンター一辺倒が終わる。ソシエダはWGが攻め残るときがあるので、ヘタフェWBが中に切れ込んだり、フリーで運ぶシーンが目立った。

時にはジェネを右SBの位置で使い、疑似的4-3-3のようになっていて面白かった。球出しはミトロビッチの方が上手いし、ジェネは足はあるし、まあアリなのかもしれんと思ってみていた。

 

◇所感

*ラレアル*

レミー

63分にチームを救うビッグセーブ。CKからのドンピシャヘッドのディフレクションだったが、良く合わせた。

スベルディア

いつも通り運びもしないし良い縦パスも入れてくれない。守備は上々。以前より釣りだされることが減った気がする。

・ルノルマン

48分にCKから決定機。シュートは枠を捕らえたが、ソリアのワンハンドセーブが素晴らしかった。スベルディア+ルノルマンは本当ビルドアップが詰まる。

・サルドゥア

堅実な守備で貢献。相手が引く展開では、もっと攻めても良いんじゃないかな。球出しではいいボールを前線に供給するが、彼自身クロスが上手いので上がって欲しい。

・リコ

あまり器用でないこの人は、サイドで受けてもモーション大きいキックでマーカーに当てる場面がちらほら。

ゲバラ

いまいち。狭い所にボールを出すのでなく、できれば広い所に展開して欲しい。中盤がサイドを変えられると大きい。セーフティーなパスが多く、相手守備を打開するようなプレーはできなかった。

一方守備かなり頑張っていた。時にはCBの裏のカバーまで、良く走ったし抜かれず走り負けず、相手を封じた。逞しくなった。

・グリディ

今季リーグ戦初出場。

ボールを引き出したが、受けてからの展開が乏しい。今節は味方の選手間の距離も大きくて、グリディ向きではなかった。連携による崩しやダイナミズムが売りの選手。ラフィーニャに繋ぐのが主な役目だった。

ラフィーニャ

グリディ+ゲバラだけではボールが出せないので、ビルドアップを補佐。崩しは3トップにマークがしっかり付いているしSBの上がりも無いので、無理やりコンビネーションを仕掛けるしかなかった。

挙句の果てには戻りの遅いヤヌザイのため、右サイドの守備を支えた。何つうか万能なせいで色々やらされて被害者

ヤヌザイ

足元で貰おうとする場面が多く、また球離れも悪くて敵ブロックに楽をさせた。守備を頑張っていたとも言えず、特に良い所はなかった。

・オヤルサバル

パスに逃げず積極的にシュートを撃った。

・ソルロス

裏に抜ける場面があると良かったが、多勢に無勢。彼自身の調子は悪くないと思うのだが、周りとの連携が深まらないのが痛い。周りを使うのが上手くない。

(途中出場)

・アリツ

前線へいいボールを供給する場面があったがスベルディアと入れ替えて劇的に良くなったという程でもない。

てかスベルディアも良いロングフィード頼む、アンカーの時は良いキック見せるのに。

・イサク

中々ボールに絡めなかったがATに躍動。91分はGKとの1対1、GKを超えたが力ないループは戻ったDFにクリアされた。93分はペナルティアーク付近で受けて左脚一閃。バーをたたいた。

ポルト

マークを背負いながら深さをとる上手さはリーガ随一ではないでしょうか。アバウトにスペースに蹴っても、先に身体を入れてキープしてくれる。この人のサイドを抉ってのクロスが一番可能性を感じた。

・シルバ

91分のイサクへのラストパスは流石。バイタルで無類の輝き。トゥリエンテスというボールを入れてくれる良き相棒がいたのも大きい。

・トゥリエンテス

滑らかなファーストタッチで流れるように次のプレーに移る。味方を見つけるのも早くて、攻撃のスイッチを入れた。

*ヘタフェ*

・ソリア

壁。48分のルノルマンのゴール正面からのシュートを左手一本で逸らしたのはスーパーセーブ。

・ミトロビッチ

間合いの取り方が上手くて、この人に前に立たれるとゴール方向へ進めない感じ。FWのフォアチェックの往なし、球出しもかなりセンスがある。良い補強だなと思った。

・ジェネ

守備はいつも通り素晴らしかったが、ヘタフェがやや前がかりになった後半、ビルドアップのところで足元の技術の低さが目立った。特に左足のフィードはアバウト。

・クエンカ

守備では無難に対応。足元が上手いので、ATMのエルモソみたいにもっとここを起点にした攻めが観たいけど、ヘタフェはそういう構築を取らない。誰が出ても同じサッカーした方がこのチームは強い感じするのは分かるが、勿体ない。

・D.スアレス、M.オリヴェラ

(前半)

ヘタフェは後ろ5枚が引いたところから奪ってカウンターなので、WBが上がって攻撃に加わる場面は少ない。守備は堅実だった。

(後半)

オリヴェラのロングスローは中々。彼はきわどいヘディングシュートもあった。結構デカい。

・アランバリ

前半はブロック守備に奔走。後半のゲバラへのマンマークが素晴らしく、ビルドアップを妨げた。

・マクシモビッチ

ソシエダは右からの攻撃が多かったので、守備が忙しかった。彼だから問題ないが。いつ見ても良いなあ、彼。強くて周りとの連携も良くてヘタフェを体現。

・アレニャ

この人を経由する場面が多くなく、あまり目立たず。勿体ない感じもするが、守備を頑張っていた。

・O.ロドリゲス

フリーマン。最前線に張ってる時もあれば、受けに落ちてくることもある。サイドの裏に高精度のキックを入れてくるのは非常に厄介だった。

・マジョラル

あまり彼にボールが入らなかった。O.ロドリゲスも引くことが多いので基本孤立。後半中盤やWBが上がってきたときは良い連携を見せた。周りのサポートがあれば輝いていたので勿体ない。

(途中出場)

・ハイメマタ

めちゃくちゃ目立ったわけでもないが、ボールを引き出す上手さ、粘り強いボールキープは健在。渋い。

・ポベダ

あまり観てない。

 

死ぬほど悪くはないけど良くもなかった。3トップの動きがやや単調かな。一人が裏、一人が引く動きとかスペースを作り出す動きが欲しい。皆で中央集まっても敵もそれだけ狭く守れるわけで...

ソシエダはビルドアップの時のSBの使い方が悪いと思う。蹴らせるだけのためにCBの横に置いてる気がしてならん。これでは上がるのに時間がかかるし、攻めの人数も少なくなる。SBが上がった方がWGやIHがフリーになりやすいはず。 ホームで負けなかったのは良いけど、静的な攻めで消極的に映った。守りは良かったけど、そもそも攻めにあまり人数を掛けてなかったとも見える。残念ながら個だけで突破できるほど甘くはない。

21-22 国王杯(ベスト16→8) レアル・ソシエダ対アトレティコ・マドリード (2022.1.19)

試合前、コック姿の謎の合唱部が登場。どうやら、太鼓祭り「タンボラーダ(Tamborrada drum parade) 」というDonostiaのお祭りのためのようです。

タンボラーダの起源は、フランスのナポレオン軍に占領されていた19世紀初めに遡る。当時、旧市街の小さな町だったサン・セバスティアンには、水汲み場が1箇所しかなく料理人を含む市民は皆そこで水を汲んで暮らしていた。その頃、町の門の開閉合図のためにナポレオン軍は毎日太鼓をたたいて町を行進。それを見たコック達が手にもっていた水くみの樽を叩いて、フランス占領軍をあざ笑って真似をしたことが起源と言われている”(下のHPから引用、2022.1.25アクセス)

そんな起源ある?!笑

アノエタではアコーディオン奏者の遊び心ある演奏とともにhimnoの大合唱。盛り上がってます。良い雰囲気。

www.risvel.com

 

◇先発紹介

 

f:id:wesleysni:20220120204541p:plain‐ラレアル‐

イサクの負傷離脱を除けばベストメンバーですね、頑張れソルロス。不安を挙げるとすればヤヌザイのところの守備。今季は昨季より守備してくれる印象。

サルドゥア器用とオヤルサバル右はカラスコ対策かな、守備はゴロサベルより堅実。

-アトレティコ

10月下旬の第10節は4-3-3できてた。レマルに引き裂かれてたなぁ。この試合は4-4-2、シメオネは色々な形を持っているし、戦術理解度の高いアトレティコの選手たちだからできるというのもあるんだろう。

いつもやられてる印象があるグリーズマンとレマルが先発にいないのは気持ち的に大きい。


◇交代、構築変更

‐ラレアル‐

’62

①シルバOUTラフィーニャIN

②アイエンOUT、リコIN

それぞれ右IH、左SB同士の交代。ラフィーニャ投入は2点リードの中守備強度UPの狙いもあるか。

’78

ゲバラOUT、スビメンディIN

アンカー入替え。

’85

ヤヌザイOUTポルトIN

⑤ソルロスOUTスベルディアIN

CBを増やして4-1-2-3→3-4-1-2的に。最前線にポルトゥとオヤルサバルを並べ、その背後にラフィーニャ

 

-アトレティコ

’55

①#10A.コレアOUT、#19M.クーニャIN

②#6コケOUT、#9L.スアレスIN

③#12R.ロディOUT、#11T.レマルIN

クーニャとスアレスが2トップ。カラスコが右SHに移ってコケがやってた右SHにデポウル。レマルはなんと左のSB。4トップ+本職中盤の攻撃的な左SBというやる気満々な陣容。

’78

④#5デポウルOUT、#26 J.セラーノIN

⑤#21カラスコOUT、#36 C.マルティンIN

J.セラーノ氏は巻き毛のロン毛。プジョルよりごわごわしておらずD.ルイスよりな感じ。

カラスコは見せ場が減っていた。


プレースキック

‐ラレアル‐

・右CK:ヤヌザイ
・左CK:ヤヌザイ、オヤルサバル
・SFK:ヤヌザイ

71分の右からのCK、中央ファー寄りでフリーのルノルマンに合わせた。

-アトレティコ

・右CK:デポウル、カラスコ
・左CK:
・SFK:カラスコ、デポウル

デポウルはサイドチェンジも巧いが、プレースキックも良いボールを入れていた。


◇攻撃

アトレティコは守備は厳密には4-4-2形ではない。次の2つを使い分ける。

・前2枚にコケとフェリックスを並べる4-4-2(ソシエダDFラインに圧を掛ける形)。コレアは右SHに引く。

・コレアが右SHに引き、前はフェリックス1枚の4-5-1。ソシエダDFラインに圧を掛けず、中盤ラインもセンターラインを超えるとこまで出てこない事が多い。

前からのプレスのスイッチを入れるのはCHのコケorデポール。彼らがフェリックスの隣に出てきて、前2枚でパスコースを切りながらソシエダCBに寄せ、サイドへ追い込む→全体でスライド、圧縮して潰しにかかる。

 

ソシエダは当初ゲバラをアンカーが位置の位置に構え、CB→ゲバラ→前4枚と繋いでいた。アトレティコが中盤5枚で窮屈、実際に中盤で失うことが多かった。

ゲバラがDFラインに引き、後ろ3枚によるアトレティコプレス隊の引き付け+ソルロスやWG、SBの張り出しで相手守備網の目を広げ、間で受ける。グラウンダーで繋ぐ時はゲバラがDFラインの近くでプレーする時間が長かった。

(後半)

2点をリードする展開の中、無理に後ろから繋がず、レミーロらからロングボールを前線に送り、セカンドボールを拾って攻めた。じっくり攻めるより、アトレティコ陣形をコンパクトにさせないとか、自軍の配置のバランスを崩さないことを意識していたように見えた。5-3のかなり守備的なブロックを敷いたが、最終ラインを下げ過ぎないことで奪ってから攻めに転じられた。大体攻めの起点にするのは相手3バックの脇や手前(アトレティコはWBが高い位置に上がるためサイドが空く)3トップがキープするのを見て全体を押し上げる。


◇守備

アトレティコは後ろで回す際、中盤のサリーダではなく、ヴルサリコを右HVの位置で使って後ろ3枚にすることが多い。ロディがWBとして高い位置を取れ、カラスコが中にも入れるため、フリーマンとして生きるJ.フェリックスの嫌さが増大。

ただ、後ろで回すと言ってもファイナルサードまでグラウンダーで繋いでいく事は少なく、フリーな中盤を作って対角線の1列、2列飛ばすキックで攻撃のスイッチを入れる

一方、WピボーテはDFラインの少し前、低い位置で組み立てることが多く、ソシエダの守備時Wピボーテゲバラ、メリーノはここには付かない。展開された先の2トップ+SHに対応するDF陣の応援要員としてあまり高い位置まではいかない。。

ソシエダはシルバを前に出し過ぎず、4-4-1-1のような形で対応。相手DFラインにプレッシャーを掛ける際はDFラインも高く設定し、バイタルを狭くした。全体を狭く保つので状況に応じてメリーノやゲバラも前に取りに行くことが出来た。

(後半)

2点をリードしてから、前からのプレスを弱め、5-3-1-1のブロックを敷いた。ソルロスとオヤルサバルorヤヌザイが前に残る。セカンドトップは最前線でなく、守備ブロックから離れすぎずグラウンダーでも受けられる位置。蹴るときはソルロスへ、繋ぐときはオヤルサバル、ヤヌザイへ。アンカーを含めた中盤とSBがよくボールへプレッシャーをかけたので、CB2枚は釣り出されず中の仕事に集中、これが大きかった。


◇得点

’32 ⚽RSO 1-0 ATM ヤヌザイ(アシスト:サルドゥア

シルバ→GKレミーロのバックパスをスイッチに、アトレティコ2-4ラインが前がかりに圧を掛けに来る。→レミーロは大きな展開、前残り組のソルロス、オヤルが相手DFラインを引っ張っていたため空いた広いバイタルで受ける。サルドゥアがオーバーラップを掛け、中央のシルバ+メリーノと絡んで大外ゴールライン近くまで潜ってセンタリング→ヤヌザイが競り合いを制して頭で捻じ込む。

3人に囲まれながら競り勝つヤヌザイ何なんだ?w 値千金の先制点。

 

’46 ⚽RSO 2-0 ATM A.ソルロス

後半開始早々の大きな追加点。

ルーズボールを拾ったエルモソが斜め後ろの右CBフェリペに下げる、バックパスに反応し、オヤルサバルが左から、エルモソに付いていたソルロスが向かう。

フェリペが処理でもたつき、オヤルサバルに突っつかれてソルロス独走、オブラクとの1対1を制して追加点。 フェリペは1stタッチが足元に入りすぎ、GKオブラクに戻そうとターンしたところを刈られた。トラップ失敗した時点でセーフティーにクリアしても良かったかもしれない。

◇所感

‐ラレアル‐

レミー

CBとのパス交換で、中央からの組立てに加わった。79分の1対1ワンハンドセーブは値千金。

・サルドゥア

流石の守備力。4バックの一角として動く上手さはリーガのSBの中でも上位だと思っている。タイミング良い上がりから先制点をアシスト。

・アリツ

ゲバラや中盤と連携しながらボールをスムーズに動かした。守備もほとんど良かったが、競り負けてピンチを招く場面がもあったので完封って感じではない。

・ルノルマン

いつも通り跳ね返し続けた。セットプレーで何回かチャンスがあった。いつか沈められる選手になって欲しい。

特に後半、周りの選手の懸命な守備のおかげで2CBが最終ライン中央のプロテクトに集中できた。

・アイエン

上がりで攻撃に厚みをもたらす。取りあえずのパスに逃げず運んでくれるのもGood。

ゲバラ

アトレティコの即時奪回のプレスを往なす、角度を変えるダイレクトがえらい。更にナイスカット&ストップ多数。守備はスビメンディと思っていたが、この試合のゲバラは凄かった。周りをよく見ているこの男は危険な位置を埋めてくれる。

・メリーノ

組立てから前線でのポストプレー、強固な守備と色々ありがとうございます。フェリペに競り勝った場面は戦術兵器。

タイミング良く上がって数本シュートを放った。

ヤヌザイ

キープ力を武器に攻撃の起点になった。先制点は見事の一言。

・オヤルサバル

PA内で躱して撃ててればというチャンスが何度かあったが、相手DFがうまく守った。この試合も良く走ってくれた。

・ソルロス

中央に構えるだけでなく、ポジトラ時など、相手SBの裏のスペースを生かして受けてくれるのがありがたかった。

(途中出場)

ラフィーニャ

球離れの良い捌きで攻撃のペースを上げた。守備でも貢献、中盤~右サイドの守備を支えた。

・リコ

良いインターセプトが何本か。

・スビメンディ

主に守備を頑張った。彼らしく縦パスも入れた。

ポルト

元気。

スベルディア

守備固め。

-アトレティコ

・オブラク

失点はどちらも止めるのが難しい。

・ヴルサリコ

DFラインを引き締めた。逆サイドのロディ、レマルに対し、守備のバランスを取った。

・フェリペ

ソシエダアタッカーに身体を当てた。

・エルモソ

チームに勢いをつける球出しで違いを生んだ。

・ロディ

決定的な仕事はなかったが上がりで攻撃に厚みをもたらした。守備も水準以上。

・コケ

守備ではハイプレスのスイッチャー、攻撃では司令塔として機能。いつ見ても渋いし上手い。

・E.エレ―ラ

守備こんな上手いんだ…。前プレス要員として出ていく事の多いコケに代わって中盤のフィルター役として機能。ポジショニングの良さと球際の強さで掃除。持ち前の捌きのセンスも流石。

・デポウル

SHというよりは中盤の補佐。攻撃では高精度のロングキックが光る。

カラスコ

あまり目立てなかった。というのもアトレティコは左からの攻撃が多かった。守備ではしっかり戻って貢献。

・J.フェリックス

(FW)

41分、アトレティコのポジトラでデポウルからのロングボールをぴたりと止め、アリツを往なしてペナルティアーク脇から左足を振り抜いたのが最大の見せ場。オフサイドだったがきわどかったし、ポスト直撃で入っていてもおかしくなかった。

FWとしてはフリーマン的に色々なとこにいて、コレアも前線に張り続けるタイプでないため、ATMは前線の基準点が無い時間帯がちらほら。

ミドルを何本か放った。

(SH)

フリーマンとしての動きを継続。大外はレマルが担当。

(途中出場)

・M.クーニャ

ソシエダ最終ラインに消され、あまり触れず。79分にロングボールを収めたスアレスのスルーパスを受け、決定機を迎えるもレミーロに阻まれる。

スアレス

ポジショニングが良く、何度も速攻の起点に。短い時間ながら流石。

・レマル

沢山アイデアを持つ選手なので大外勿体ない気もするが、良い持ち上がりを披露。

・J.セラーノ

攻撃では捌きの上手さと運ぶドリブル。守備では球際の強さ+広範に渡るコートカバーリングで貢献。期待。

・C.マルティン

丁寧にプレーしていた。突破力は観られなかったが、スピードもある。

 

抽選でアトレティコを引いた時敗退を覚悟していたのでとても嬉しい。チャンスを沢山作ったわけではないが、ゲバラ+シルバの力でグラウンダーでボールを出し、時にはSBやメリーノが上がって攻撃に厚みをもたらした。相手のロングボール、縦パスに対して身体を張ったDF陣が素晴らしかった。自分が観始めてから、多分初めて4強相手に勝ったところを観た。アトレティコの調子がいまいちなのも大きいだろうが、強豪相手にも通用したことを誇りに思って欲しい。

というわけでベスト8まで残れた。次はベティス戦、今の得点力からして最少失点に抑えることは絶対条件だろう。しっかり寄せて、ボールホルダーに時間、選択肢を与えないのが理想。

21-22 LaLiga 第20節 レアル・ソシエダ対RCセルタ(2022.1.8)

アノエタでセルタとの一戦。入場の際、"Ánimo Barrene!!"とメッセージの入った青色のシャツを着るラレアルイレブン。若手のホープ、バレネチェアはアラベス戦前半に負傷交代。下の情報によると、左大腿部ハムストリングに腱込みの重傷と診断されたとのこと。(その後フィンランドの病院で1/11に手術を受けた。)

人懐っこい笑顔や独特なリズムのドリブルで我々を魅了する彼の離脱は非常に残念だが、完治を祈っております。

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◇先発紹介

f:id:wesleysni:20220111164634p:plain

ソシエダ

ラフィーニャ先発!彼は早速古巣戦ですね。ソシエダのインテリオールとしてどんなプレーを見せてくれるか、非常に楽しみです。彼の加入の経緯等については、以下自分なりに一本書きましたので是非。

左SBのアイエン先発、嬉しいです。リコとの出場時間争いは今んとこ負けている印象。アピールに期待。その他CBコンビが鉄板のアリツ&ルノルマンに戻り、右SBはゴロ、こちらは少しお久しぶり、リーグ戦では16節マドリー戦以来の先発。何で出てなかったのか不明。ほぼベストメンバーですね、COVID-19の影響もそんなに無さそうで何より。

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ーセルター

いつもの中盤◇の4-4-2。タピアが負傷離脱中。それ以外はほぼベストのメンバーを揃えてるんじゃないでしょうか。セルビはノリートよりダイナミズムに長けた人という印象。

主審:ギジェルモ・クアドラ・フェルナンデス

◇交代、構築変更

ソシエダ

’43 

①イサクOUTポルトIN

負傷交代。ソルロスじゃないんだ、コンディション不良か。ポルトゥは左WGに入り、オヤルサバルの偽9。

’77

ヤヌザイOUT、ロベテIN

ラフィーニャOUT、グリディIN

④ゴロサベルOUT、サルドゥアIN

なぜか右WGにオヤルで中央ロベテ。ポルトゥとオヤル逆の方が良いだろうに。

グリディ、サルドゥアはそれぞれそのまま右IH、右SBに入った。

’88◎

ゲバラOUT、スビメンディIN

アンカーをスイッチ。ゲバラずっと良かった◎

 

ーセルター

’57

①セルビOUT、ノリートIN

中盤菱形の左同士。ノリートの得点力に期待してか。

’80

②デニスOUT、T.ガジャルドIN

前線の枚数を増やす。4-3-3に変形ブライスがなぜかアンカーの位置、右IHにベルトラン。前3枚は右からアスパス、ガジャルド、ミナ。

プレースキック

ソシエダ

・右CK:ヤヌザイ、オヤルサバル
・左CK:ヤヌザイ、オヤルサバル
・SFK:ヤヌザイ

ラフィーニャがショートCKから素晴らしいクロスを入れていた。バルサの時WBやWGやってたよね。

FKも何本も味方に合ってたし、キックがとても冴えていた。

ーセルター

・右CK:ブライス
・左CK:あったかなかったか
・SFK:アスパス

◇攻撃

セルタは4-4-2のままプレスを行い、アンカーのゲバラをデニスがチェック。ソシエダはセルタの前2枚に対し、SBやアンカーが2CBに加わって数的優位を作る。

ただ、中央で引きつけてからSBに出さないとセルタのボールサイドにぐっと圧縮する守備に苦しみ、ボールが回らない。ボール周りの囲みを抜けると一気にバイタル攻略、セルタDFラインの攻略にかかれる。

この試合のソシエダボール保持者へのサポートが良く、SB、WG、IHらの絡みで囲われてもボールを出した。皆のサポート意識が素晴らしい。

◇守備

ソシエダはセルタが自陣深くで持つときはマンツーマン気味に圧を掛けるが、ミドルサードまで進まれるとラフィーニャをイサクと並べる4-4-2ブロック、自陣深くまで攻め込まれるとイサク一人を残してWGもサイドの守備のために退く。そのイサクも相手最終ライン近くというよりは、味方ブロックの近くで、カウンターパスを後ろの選手に落とせる距離感。

ミドルブロック時はソシエダSHはセルタSBをケアし、CBは前2枚に任せる。先制後は1stプレス要員をCFWのみにし、後ろは中盤ライン、最終ライン間を狭くして受けに回った。人数を掛け、前線のオフザボールを一個一個潰す守備が機能。特に中央からはほとんどピンチを招かなかった。中盤ブロックに出された後、刺しにいくラフィーニャのアプローチが素晴らしく、前を向かせず下げさせた。寄せ方が非常に上手い。

4-4-2のミドルブロック→マンツーマンのハイプレスに切り替えるスイッチはイサクだったり最前線の選手が相手のバックパス先にダッシュで迫ったり、GKまでボールを下げることで入っている。

 

セルタは基本両CBが開き、少し前のベルトランか降りてきたデニス又は両SBと絡んでボールを出す。対角線のロングボールで飛ばす時もある。ベルトランがDFラインに降りてその前にデニスという時間帯も有り。

両SBが攻撃巧者なので、後ろ3枚にした方が攻撃が良いように見えた

フリーマンとしてベルトランの周りで捌くデニスが非常に上手い。フェイントでパスコースを開く。

◇得点

’12 RSO 1-0 CEL オヤルサバル⑦(アシスト(未遂):メリーノ)

トランジションからエースが7点目。セルタは左SBハビガランのパスがマイナス方向にずれ、受け手のトラップが大きくなったところをラフィーニャがカットして横のメリーノへ。

メリーノはトラップを周囲の敵選手から遠くに置いてルックアップし最前線を見る。→裏へ走るオヤルサバルを見つけ、2タッチ目でセルタ最終ラインを超えたところでバウンドする低弾道のラストパス。

オヤルサバルはゴールへ独走し、ボールの勢いを殺し切らない絶妙なトラップから2タッチ目でシュート。一本目をディトゥーロに手で手前に弾かれるも個の跳ね返りを蹴りこんで先制。一発で決めてればメリーノにアシスト付いたんですがね。ナイスパスには変わりなし。

 

まず、ラフィーニャがガランに出た後のプレスバックで戻ってきたことによりボールを奪えた。そしてラフィーニャのカットの直前から半身を取り、走り出して裏を取ったオヤルサバルの抜け出しは素晴らしい。切り替えの意識、準備の早さが生んだゴール、流石です

 

◇所感

ソシエダ

レミー

ソシエダはサイドからボールを出すのが巧くないので、ゲバラをDFラインに下げない時間はこの男がビルドの主役になった。ただ危ないパスもいくつかあったんで怖かった。

・ゴロサベル

19分のクロス、ナイボ。ファーサイドを選んだのもナイス判断。状況に応じて内側のレーンで受け、セルタの囲みの網の出口となった。この辺りはサルドゥアより器用。上がるタイミングも素晴らしい。キープ力もある。

・アリツ

カバーの速さが本当に流石。味方の細かいミスをカバー。ビルドではこの日はそんなに目立たなかった。

・ルノルマン

対人守備強くなったなあ。被カウンター時、不利な状況でも的確なタックルをできる冷静さは助かる。

・アイエン

積極的に攻撃参加。奪ってから自分で運ぶ推進力、今季のアイエンは出力が全然違う。

ただ、自陣深い位置での守備では釣りだされたり危うい場面があった。

ゲバラ

読みの鋭い守備が目立つ。視野を生かして狭い中でもシンプルに捌き、ボールを逃がした。前節パス出しのリズムが単調などと文句をつけたが、この試合はフェイクを交えて見事に整えた。ボールが出た後は上がらず攻撃を前の選手に任せた。

ラフィーニャ

シルバ同様ドリブルで運べるのは魅力。対面を少し外してパスを出せる。

守備面でも大きく貢献。細かくセルタ最終ラインへのプレス→前に出されてプレスバックを繰り返してくれた。このエネルギーはシルバには出せない。

攻守で球際強い。連携も良くて怪物

・メリーノ

オフザボール時、ボールを受ける準備が遅いなと思う場面がちらほら。相変わらず空中戦を引き受けてくれる。

決めて欲しいヘッドが2つ、どっちか決まってればマンオブザマッチだったろう。

ヤヌザイ

キープ力が素晴らしいがこの試合はプレースキックの冴えが際立った。守備でもかなり貢献。自陣深くに戻っての守備でサボらなければ対人弱くないということが分かった。

・オヤルサバル

左WG:

球際強い、連携良い。特にアイエンとの連携で左サイドを崩した。

CFW:

決して向いてはいないが懸命に身体を張ってくれた。

・イサク

足に吸い付くボールタッチでチャンスを拡大。この試合は自分で仕掛けるより、周りを使う場面が目立った。晩年のトッティ的役回り。守備も頑張ってくれた。

(途中投入)

ポルト

間で受けたりゴール前に詰めてシャドー的に躍動。

カウンターでゴリゴリ運んでいくときのキープ力は流石。

・ロベテ

ゴールへの強い思いを感じる。ただ、裏へ抜けて欲しい場面でCBの前で足元で受けようとする場面が気になった。DFラインを引っ張ってくれた方がチャンスになるだろう。

・グリディ

復帰が嬉しい。良いカットがあった。

・サルドゥア

あまり観れてない。

・スビメンディ

元気にプレーしていたが、試合中に右脚大腿部ハムストリングを負傷してしまったことが分かった。

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ーセルター

・ディトゥーロ

19分のディフレクション、予測もあってか素晴らしいセーブ。あとあんま知らんかったがロブパス上手い。

・マジョ

上がりのタイミング取りは流石。

・アイドゥー

オヤルサバルやイサクに負けないスピード、準備も早いし普通にタレント。

・ネストル アラウホ

・ハビ ガラン

失点の起点になってしまったパスミスは痛い。

ぐいぐい進むオーバーラップで左サイドを活性化。クロス上手い。

あと守備結構荒いんですね、(#^ω^)

・ベルトラン

守備で良いカバーがあった。この人の丁寧な配球は観ていて気持ちがいい。逆足もうまいんだね。

・B.メンデス

ソシエダDF陣がスライドして寄せることでドリブル突破のスペースを消されがちだった。ソシエダがバイタルを極端に狭くする場面では、間で受けるよりブロック手前に引いて受け、司令塔的役割を取ることを選んだ。

・D.スアレス

ビルドアップで違いを生む。フェイントで対面を往なせるのが強み。

・セルビ

ダイレクトのパスで繋ぎに貢献。

・アスパス

ソシエダに警戒され、中々ボールを触れなかった。後半、他の選手が近くでプレーし出してから輝いた。

・S.ミナ

攻撃もだが、プレスバックが素晴らしい。激しい寄せでチームに貢献。小柄な選手が多いラレアルの選手が倒れ、笛が吹かれるのが度々。ミナのタックルがダーティーとかではない。

(途中投入)

・ノリート

鬼のようなキープ力を披露。

ガジャルド

あまり絡めなかったが強さを見せた。彼の投入でアスパスに自由を与えたと思う。

 

幸先よく先制した後受けに回り、何とか受けきることができた。後半当初は持たせすぎではとヒヤヒヤしていたが、セルタの攻め疲れ?を突いて再度攻めに転じられたからこそ逃げ切れたと思っている。イサクというカウンターの切り札を失いながらもそこに依らず屈しなかった選手たちを褒めたい。追加点を奪えなかったのは愛嬌、無失点で終えられたことが何よりうれしい。

良い流れを次戦ヘタフェ相手にも持ち越したい。良い試合をありがとう

21-22 国王杯(Round : 32→16)レアル・ソシエダ対レガネス(2022.1.5)

C.D.レガネスの本拠地Estadio municipal de butarqueでレガネスとの一戦。ラレアルはベスト16に残れるか。この試合レガネスに柴崎が所属しているおかげで中村義昭さんによる日本語実況!ありがとうございます。

試合前の語りによるとレガネスはラウンド64で3部(Primera Devisión RFEF)ºのレオネサを3-2で破って勝ち上がったのだが、その内2ゴールをJ. バウティスタが挙げたとのこと!活躍が嬉しいです。

◇先発紹介

f:id:wesleysni:20220110233537p:plain

ソシエダ

オラサガスティ&パチェコ先発!そこ以外はほぼベストメンバー、負けられませんからね。リコ優遇は正直謎です。。

レガネス

岳やパルドは出てないものの、3トップ中央で堂々バウティスタが先発!元気な姿が観たい。GKビジャールはセルタからのローン、左SBキンティージャはビジャレアルからのローン。

◇交代、構築変更

ソシエダ

’HT明け

ヤヌザイOUTポルトIN

右SHを入れ替え。2点リードの展開にあって、ポルトゥの方が守備力あるしね。

’80

②オラサガスティOUT、シルバIN

③イサクOUT、ジュワラIN

シルバ投入によりボールを落ち着ける狙いか。また前半から飛ばしていたイサクが交代、お疲れ、キレキレで楽しかったです。ジュワラが左WGに入り、オヤルがCFW。

レガネス

’54

①#22ドゥクレOUT、#10J.アルナイスIN

②#24バウティスタOUT、#18R.パルドIN

アルナイスが左WGに入り、9番メリーノがCFWに。パルドはアンカーに入っているようにも17番エラソと並んでWピボーテ的にしているようにも見える。

ラマシアにいたアルナイス、レガネスにいたんだ。そしてルベン・パルド投入。ソシエダ戦士のこの人はかなりのパサーと聞いているので楽しみ。

 

’60

③#12ランジェロビッチOUT、#32S.シセIN

④#17エラソOUT、#34N.ガルシアIN

シセはアンカーに、パルドが左IHに入り、右IHにムニョス。N.ガルシアは右WG。

’80

⑤#11J.ムニョスOUT、#28 B.ガルセスIN

1点を追いかけるレガネスはデランテロを1枚増やす選択。この試合ドブレーテの功労者ムニョスを下げてゴールに迫る選択。

アトレティコ カンテラ育ちの22歳。オサスナのマヌガル、ソシエダのG.バレラなど結構アトレティコはレンタル組がいる方なんですかね。

 

プレースキック

ソシエダ

右CK:ヤヌザイ、オヤルサバル

左CK:オヤルサバル

SFK:オヤルサバル

レガネス

右CK:キンティージャ、R.パルド

左CK:J.ムニョス、キンティージャ

SFK:J.ムニョス、キンティージャ、R.パルド

キンティージャはカタルーニャ州リェイダ出身のレフティーで、2011年に解散したU.E. Lleida出身、ラマシアに所属していたこともある選手らしい。プレースキックを任される彼のキックの球質は良く、メルケランスに似た曲がってから伸びる弾道のボールを蹴っていた。


◇攻撃

レガネスの1stプレスラインは3トップが担当。両WGはソシエダSBを背中で消しながらCBに寄せに来る。また、ソシエダがGKまで下げるとマンツーマンによるハイプレスを敢行。

キックオフ当初のソシエダは2CBとその前のスビで組み立てに取り組んでいるように見えた。このアプローチはレガネスの前3枚にタイトにつかれ、蹴らされ回収されることが多かった。

少ししてCBをワイドに開かせ、間にスビを落とすようにしてからポゼッションが安定。いつもと違うのは左CBにパチェコがいること。この男は持ち上がりや敵の引き付け方、パスを出すタイミングでレガネス相手に優位に立ち回りビルドアップの核に。

この試合は受け手の動きも良かった。ボールホルダーが引きつける一方、レシーバーは出して欲しいベクトルをパサーに指示。動きながら上手く受けていた、観ていて楽しい

◇守備

1stプレスラインはレガネス2CBに対してイサク1枚のみ。ただDFラインは下げず、ミドルブロックで潰しにかかる。3番のブスティンサは組立て上手かったのでもっと邪魔しに行っても良かったかも。

レガネスが自陣深くで持つときはマンツーマンのハイプレス、蹴らせて回収する狙い。

後半押し込まれたのは守備が悪いってより、攻撃での失い方が良くなかった。パスミスや受け手の意図に合わず失うの繰り返し。いつもは足元で回しているところを、この試合の前半は動いた先の足元に出すことで上手く行っていた分、余計にそれを引きずって良くなかったのかもしれない


◇得点

'8 LEG 0-1 RSO⚽ イサク(アシスト:ヤヌザイ

レガネスはゴールから遠めのFK、左SBのキンティージャがゴール前に入れる。これをライアンがパンチングでソシエダから見て右サイド、エリア外へ弾くとヤヌザイが拾うと、長く持たず2タッチで前残りしたイサクへ、右足でスペースへ長めに蹴るスルーパス

両CBが上がった裏のスペース、後ろに残った右SBルビオの脇から、中央→右サイドへ斜めに抜け出すイサク。イサクはボールに追いつくと斜めにゴールに迫り、キックフェイントでGKビジャールの足元を崩し、ループで右肩口を抜く技ありの一発。

ヤヌザイのアシストになったスルーパスは、GKもDFも追い着けないスペースを選んだのが良かった。1対1に持ち込むイサクのランニング、ドリブルのコース取りの良さも素晴らしい。

 

'42 LEG 0-2 RSO⚽ オヤルサバル(アシスト:オラサガスティ)

トランジションから追加点。

ヤヌザイがイサクへスルーパスを送り、これが伸脚したS.ゴンサレスにカットされるも、奪ってから自陣エリア内付近で繋いだところのトラップ際にオヤルサバルが背後から寄せ、斜め後方、中央バイタルにフリーで立つオラサガスティに渡してパス&ゴー。自らはPAに突っ込む。オラサガスティは2タッチでオヤルサバルの足元に針の穴を通すようなリターン。オヤルは完璧なボールコントロールランウィズザボールのトラップ一つでレガネスCBーSB間を突破。追いすがるもう一人のCBの追跡に遭う前に2タッチ目でファーに流し込む。シンプルに上手くて美しい。

 

’59 ⚽ LEG 1-2 RSO J.ムニョス(ランジェロビッチ)

リコのヘディングでの前線への繋ぎがカットされてからの流れ。カットした右SBルビオは持ち上がり、リコの上がった裏、右サイド大外ライン際に構えるランジェロビッチにスルーパスパチェコーリコ間を抜く。ランジェロビッチはエリア右端から1タッチでファーポストに上げ、中央を固めるルノルマン、スビの奥から走りこんだムニョスがフリーでヘディング一発。サルドゥアが急いでマークに戻るも間に合わず。

マークを持たなかったスビメンディは周りの相手選手を確認するべきだったし、彼にライアンなり他の選手なり、コーチングでフリーのムニョスをケアするよう指示を送れれば良かった。クロスが上がる前の準備が緩すぎる。 なんにせよランジェロビッチのクロスは素晴らしかった

 

’69 ⚽ LEG 2-2 RSO J.ムニョス(ランジェロビッチ)

左サイドのスローインから、シセがエリア手前のJ.ムニョスに鋭い縦パス。コントロールして中央に持ち出すと鋭く右脚を振り、ニア下をぶち抜くゴラッソ

スーパーゴールなのに変わりはないが、ムニョスの前に2人いて間を抜かれたくなかったし、何より相手のハイプレスに圧されてミスパスからレガネスボールのスローインになり、流れが最悪だった。どっちがprimeraのクラブかわかりませんねえ

 

'73 LEG 2-3 RSO⚽ オヤルサバル(PK)

エースの重責を果たす。セカンドボールを拾ってエリア内で仕掛け、自ら得たPKだった。いつものホップして蹴る方法ではなく決め打ちで右へ。ある意味それすらフォームが違うんでフェイントになっているかもしれん。

◇所感

ソシエダ

・ライアン

グラウンダーでは良いパスが何本もあったがロングボールの精度は微妙、彼はセーブが光るタイプなのでOK 92分に鋭い読みからパラドン

・サルドゥア

組立ての場面ではリコより貢献。

・ルノルマン

彼自身のビルドアップ力が高いとは言えない分、やはりアリツかパチェコといったビルド巧者を相方に組んだ方がいいなと実感

・リコ

スピード豊かなランジェロビッチ相手に負けてはいなかった。ごついのに速いのだね。

・スビメンディ

相手がボールを収め切る前に出足の鋭いタックルをかまし、フィルター役として機能。

・メリーノ

スビがDFラインに落ちて3枚を形成する前でアンカーとして機能。時には受けてから素早くアタッカーに縦パスを射し、速い攻撃の起点になった。

・オラサガスティ

組立てへの貢献は勿論、積極的な上がりを見せ、ボックス内への走り込みやシュートなどチームに活力を与えた。プレスもガンガン掛けてくれたり、リコやオヤルサバルが上がった際の左サイドのカバーまでこなしてくれる彼は、技で勝負するタイプかと思ってたが、トゥリエンテスのようにハードなプレーもできるタイプなのだろう。最高じゃないですか

ヤヌザイ

持てばポゼッションの安定化、前線へのパス、対面のDFとの勝負などエース級の活躍。相変わらず好調、何故だか昨年より進化してるなあ。

セルフジャッジはほんとやめて。

・オヤルサバル

試合を通して凄いキレ。2得点ありがとう。レガネスDFラインの裏を突いたり中に入って間で受けた。後ろを3枚にしてリコを上げる分、内側でプレーする時間が多い、いつもの構成。

度々あったボール回収も光った。

・イサク

ドリブル突破と裏抜けで違いを作る。この人は縦パスを受けて前を向くのが本当に上手い。3本中2本止められた1対1は、次は決めたいね。

(途中出場)

ポルト

守備をこなしつつ、攻撃に元気に貢献。ワンツーで突破を図ったり、身体を入れてキープしながら体格で抜いていくいつものドリブルを披露。

・シルバ

ボールを落ち着けられる彼は貴重。ただ、チームはシルバが出ても収まりきらないくらいバタバタしていたが、緩和はされた。

・ジュワラ

キレのあるドリブルで左サイドを活性化。守備もかなりプレスにエネルギー使って走ってくれた。サンセの選手だけど、普通に戦力になっているのが凄い。

 

レガネス

・ビジャール

ラドンが光った。五輪代表にも選ばれているこの2枚目GKの反応の速さ、1対1の強さは特筆に値

・ルビオ

上下動命なSBではなく、中に入ってプレーしたり、パスの前に溜めを作ったりと器用なSBに映った。1点目の起点に。

・S.ゴンサレス、ブスティンサ

レガネスはハイラインを敷いてる時間が多いのであれだが、裏を取られる回数が少なくなかった。レガネスは最終ラインから繋いでくるが、特にブスティンサは持ち上がりなどビルドで力を発揮していた。

・キンティージャ

キックが良い。プレースキックでもクロスでも脅威。

・C.ドゥクレ

ハードな潰し屋と思って見ていたが、気の利いたパスも出していた。

・J.ムニョス

良いキックを持っている。足元上手い。逆足も巧いと思う。

・J.エラソ

広いエリアをカバー。組立ての時ピボーテの位置まで降りてくるこの人はIH相方のムニョスがトップ下タイプなら此方はメリーノのようなバランサー型の役割を負っているのかも。

・ランジェロビッチ

速い、右サイドからカットインしてくる。タッチの多いドリブルで、DFとしては足を出しづらい。2部のレベルにないぐらい優秀なサイドアタッカーだと思った。彼はオリンピアコスからローン加入中のセルビア出身の24歳、今後代表戦でも拝めるんでは。

・バウティスタ

裏を狙い続けた。果敢なプレスバックでソシエダDF陣や中盤に時間を与えず。

(途中出場)

・アルナイス

かなり戻って守備していた。

・パルド

長くは持たずシンプルに捌く。リズムを生んだ。どんなボールでも簡単にコントロールするので、レガネスが急いで攻める終盤に彼を経由して整えることが増えた。

シセ

守備のポジショニングが良く、ボールコントロールやキック、ドリブルまで上手い。バネもあるのでクイックな動きで簡単に往なす。この先が楽しみだと思った。ギニア生まれの20歳。

・N.ガルシア

良いカットがあった。シュートが肝心な場面で浮いてしまったりパッとしなかった。

92分の好機、自分で撃っても良かったんでは?

・B.ガルセス

すみませんがあまり観れてないです。

 

辛くも勝利。3点取れたのは素晴らしいけど、後半攻め込まれてポゼッションすらままならなかったのはいただけない。とは言え、この試合はメリーノやスビメンディ、オラサガスティらを中心に動きながらボールを引き出す動きが多く見られ、動的なボール回しが観れて非常に楽しかった。オヤルサバル、イサク以外にもゴールが生まれると尚良かった。負けが込んでいたので、1つ勝てたことを次につなげたい。Aupa real!