21-22 LaLiga 第12節 レアル・ソシエダ対アトレティック・クルブ(2021.10.31)
アノエタでのDerbi Vasco!雨天ながら37,066人と過去最多の観客動員
数を記録。選手、スタッフも沢山のレアリスタが来てくれて嬉しいだろね。
アトレティック・クルブはこの試合まで11戦で4勝1敗6分の8位。1敗はラージョ相手に喫したもので、バルサ、アトレティコ、ビジャレアルと力のあるチームとの試合を全てドローで乗り切っている。。バスクのチームとの試合はTxapela杯優勝というローカルタイトルを争うものでもあるので、その点でも強い気持ちで臨んで欲しい一戦。
◇先発紹介
ラレアルは初めて観る前3枚の並び。ヤヌザイ左はあんま観ないしイサク右WGに関しては初めてみる。故障明けのスビメンディが先発復帰。リコ初先発おめでとう!
GKはレミーロ。セルタ戦のパラドン連発でライアンを推す声もあっただろうが、ビルバオは前プレスきついからね、彼のビルド能力は見過ごせない。
ビルバオは結構いつもの面子と見える。レクエは右のイメージだが、左SBもやれるんだね。素晴らしい。ユーリが怪我してるからバレンシアガ1枚では厳しいしね。CHも何通りか組合せがあるが、縦パスの上手いこの2人を並べてきた。ベンセドールはいまやU-21代表の不動のアンカーになりつつある。
◇交代&構築変更
ラレアル
’65
①ソルロスOUT、ポルトゥIN
3トップはイサクが中央、ポルトゥが左、ヤヌザイが右に変わる。
’78
③シルバOUT、スベルディアIN
④リコOUT、アイエンIN
この交代で4-1-2-3→3-1-4-2。ゲバラは右のインテリオールに入り、ポルトゥがイサクと2トップ。3バックはこの日は右からスベルディア、アリツ、ルノルマンという並びに見える。
’85
⑤イサクOUT、ロベテIN
FWの交代。プレス要因?w 勿論ロベテの成長を期してというのもあるだろう。できればWGで観たいけどね。小兵FWが最前線中央張るには爆発的な加速、吸い付くボールタッチ、デスマルケなど抜きんでたものがないと難しいと思う。
’65
①#22ラウガルOUT、#8サンセIN
サンセはそのままラウガルと同じ2トップの右に。セカンドトップ的役割。
’79
②#18デマルコスOUT、#2ペチャロマンIN
③#7ベレンゲルOUT、#30ニコ・ウィリアムスIN
右SBと右SHをそれぞれ交代。ペチャロマンデビューおめ!! 昨季のサンセ(ソシエダB)のキャプテンです。スビエタ産の選手が1部のチームで出るなんて嬉しい限り。アトレティックの方が良い待遇を提示しての移籍なので、ブーイングも聞こえない。
’86
④#14ダニ ガルシアOUT、#3U.ヌニェスIN
◇プレースキック
ラレアル
・右CK:ヤヌザイ
・左CK:ー
・SFK:ー
・右CK:ムニアイン
・SFK:ムニアイン
◇攻撃
ビルド時、ビルバオ2トップはラレアルCBに密着してつかず、CBから距離を少しとり、アンカー番をするベンセドール+両SHの3人のラインと距離を近くに保つ。ラレアルがSBを経由して前進しようとすると、対面のSHに前方向を切られる他、FWも詰めてくる。工夫が無いとまんまとハマる。
また、ベレンゲルとムニアインの両SHは最終ラインからインテリオールのパスコースを切っている。普通ここまでやらんぜ笑 賞賛に値。当然ラレアル前線のマークはより厳しくなる。ビルバオの寄せの速いタイトな守備を支えているのは彼らかもしれんね。
また、中盤3枚に入った時のプレスバックが凄く、余裕をもってボールを持てる場面はあまりない。
スビメンディがDFラインに落ちて後ろ3枚にし、WBを高い位置に上げた時の方がポゼッションは安定していた。最近のソシエダは後ろ4枚でアンカーを消されると厳しい印象。両CBを開かせてSBの位置を上げるリスクはあまりとらない。
ビルバオ最終ラインはラインを高く設定。またラインが整っており、3トップは再三オフサイドを喰らった。
(25分頃~)
攻め口を変える。シンプルな工夫だが、ハマりやすいSBに敢えて出し、戻させてから展開することで、ビルバオSHはボールを持ったSBに寄せるので、SHを引きずり出してギャップを生む。SHを食いつかせてから展開することで中盤のプレスの圧を減らし、ボールが入れやすくなった。一度中盤やWGに当ててからレイオフでスビメンディを使うことで攻撃にバリエーションを出せた場面もあった。
アタッカーに前を向いた状態でボールを渡せるようになった。
(後半)
ヤヌザイ、イサクが左右を入れ替えてプレーする時間が多かった。また、ビルバオ2トップがそこまでスビメンディへのパスコースを切らなくなったため、底の位置の彼を経由することが出来た。
また、3バックにした後も後ろの数的優位や少し高い位置を取るWBを使うことでうまくボールを出せていた。インテリオールやWBが上がることで、カウンター以外にも攻め筋がある事を確認できた。オプションが確立できつつあり、何より。
◇守備
イサクがソルロスに並ぶ4-4-2ブロック。
このチームは4-4-2ながらビルド時はベンセドールがアンカーのように振る舞い、CBから受けて前を向いて最小タッチで前線にパスを入れる高速ボール出し。この流れでボールを出され、アタッカーにフリーで前を向かれるとラレアルはブロックを下げざるをえない。ベンセドールの視野の確保とビルバオ前線のデスマルケが成すシンプルながら必殺のサリーダデバロン。
◇得点
’57 ⚽RSO 1-0 ATH イサク③(PK)
PK獲得に至るプレーが良かった。イサクのサイドを変えるグラウンダーを受けるゴロサベルがワンタッチで右サイドに張ったヤヌザイに出し、止まらずにインナーラップでニアゾーン急襲。ヤヌザイは逆にマイナス方向に切り返し、中で待つソルロスにピンポイントで上げたことで、決定機を演出した。ソルロスのダイレクトはブロックに遭ったが、零れを拾ったメリーノが持ち出してシュートを試みたところにイニマルが足を出しPK。
イサクは跳ばずに中央でとどまったシモンのすぐ脇に強く蹴りこむ度胸を見せた。
’91 RSO 1-1 ATH⚽ ムニアイン②(直接FK)
レミーロのパンチングの当たり所が悪く後逸。パンチングはこの事故が怖い。小澤さんが翌週のLaLiga FREAKSでレミーロはたまにやらかす言うてたけど昨季は見なかったけどな。気に病まないでくれ。
◇所感
ラレアル
・レミーロ
ビルバオのサイド攻撃から、この男のハイボールへの強さがチームを守った。
あのパンチングはあかん。
・ゴロサベル
パス&ムーブで右サイドを活性化。上がるタイミングが良く、パスの受け手として機能。先制点の立役者の一人。
・アリツ
開始1分の無人のゴールを守ったタックルは値千金。地味に21分にも神がかったブロックを見せていた。
・ロビン
イニャキやラウガルに負けない強さは流石。カバーリングも完璧では。
・リコ
あんま目立たんが粘り強い守備で貢献。アイエンより体格に恵まれ当たりが強そうではある。と言っても今季アイエンほとんど競り負けないんだけどね。どんな努力をしてるんだろうか。一番成長している。慎重にプレーしていて特徴がわかるには至らず。悪いとこもそうなかった。
・スビメンディ
縦パスのレシーバーに対するタイトなマークや捌きで攻守に貢献。負傷明けを感じさせず状態が良さそうで安心した。
・シルバ
チームが結構強引に攻めていたので、シルバを経由してれば面白いのになあって場面がちらほら。速く攻めるのも悪くないけど。繋ぎも勿論うまいがシルバにはファイナルサードでの決定機に絡む仕事を彼にさせるように動けば得点も増えると思う。昨季前半戦はそれが出来ていたはず。今季はロースコアのゲームをなんとかものにする試合が多いが、裏を返せば盤石な勝利でもない。
・メリーノ
この日も縦横無尽に貢献。特に当たり負けしない守備は代えが効かない。最小タッチで素早く前線に繋いでくれる捌きも素晴らしい。おまけにこの日は先制点のPK獲得。
・イサク
右WGは勿体ない感じがする。ドリブル巧者だが、右サイドタッチライン際でのドリブルと中央でのドリブルでは全然違う。繊細なタッチが売りではないが、ボール一個分の隙からクロスを上げたりパスを出したりとか、そういう職人気質な細かいプレーに慣れているわけではない。後半やってた左WGの方が良かった。
あと、PK真ん中に蹴ってて怖かったw ヤヌザイの方が実績あるけど、早めにボール抱えてた笑 決めたからおk
・ヤヌザイ
右のイサクに対し、意外と悪くないヤヌザイの左WG。いつも以上にボールが吸い付いていたかも、ビルバオDFが飛び込むとギリギリで意外性のあるパスで逃れたりとファンタジーアを発揮。利き足サイドの方が身体を使ったキープはしやすいしね。彼によくある軽いボールロストが減った。
守備は微妙。ボールに強いプレッシャーを掛けるわけでも意識的に誰かへのパスコースを切るわけでもなく、ぼんやりしたマーク。後ろのナイスカバーに助けられるが、ラレアルで長い選手として何とかならんの?と愚痴りたくなる出来。
・ソルロス
何かのそのそジョギングしているのが気になる。コンディションが悪いのかもしれんが、ピッチに立っている以上は機敏に動いて欲しい。あんまいいパフォーマンスとは言えず。
(途中出場)
・ポルトゥ
走力で攻守に貢献。最後の10分は2トップの一角に入ったが、やはりデランテロだとサイズの小ささからボールが収まらないのが惜しい。圧倒的なボールスキルがあるでもなく、囲まれるときつい。チームも彼に当てようとするんでなく、サイドに流れたり、中盤に引いたり、裏に抜けたりで勝負させるべき。
・ゲバラ
運ぶドリブルや散らしで攻撃を組み立てた。87分に狙ったシュートも良かった。
無難にラインを揃えていた。CBも板についてきたかね。
・アイエン
良いマークや機敏なパス&ゴーなど、短い時間で存在感は示した。
・ロベテ
色々なところに顔を出しボールを引き出した。ポルトゥ、ロベテの2枚のプレスは良い。
90分間際、ムニアインを削ってFKを献上したのは彼。要らないチャージでしたな。
・シモン
PK以外あまりゴールを脅かされなかった。
・デ マルコス
彼のオーバーラップがあるから
・ジェライ
堅実な守備のみならず、隙あらばソルロスの脇から持ち上がる。逆に言えばラレアル前線は彼にもっと制限を掛けたい。
・I.マルティネス
ソルロスに負けない強さと速さ。インターセプト・パス出しも一流。1点目のPK献上はゴール前過ぎたからなあ。イサクの顔に伸ばした手がガッツリ入った2枚目は余計だった。
・レクエ
人に強い。まあこのチームで対人弱い人を探す方が難しいけど、それでもサイドで止め切る場面が多かった。ただ、攻撃はあまり怖くなかった。縦塞がれるとバックパスに逃げてくれる。速さはある。
・ベンセドール
組立ての要。どんどん縦に出すが取られない。判断力が良いのだろう。
・ダニ ガルシア
Box to Boxの幅広い活躍。運動量も顔を出すスペースの選び方も流石レギュラー格。
・ベレンゲル
彼自身が仕掛ける場面はそう多くなかったが、上がってきたデ・マルコスなど周囲との連携を使いながら右サイドを活性化した。良いクロスを何本も上げた。
キレッキレのボールタッチ。ビルバオが右から攻めるときは中央から右のヘルプまで自由に動き回るフリーマンとして振る舞い、前後半通して創造性を発揮。一回りで局面を変えてしまうターン、切り返しは圧巻。 この試合随一のファンタジスタ。
・R.ガルシア
35歳のベテランによる最高のプレスバック。
・イニャキ
何度か抜け出すもアリツに最後のところで潰された。早めに撃った方が良かったかもしれない。
(途中出場)
・サンセ
サイドに流れたりしつつ、2ライン間でうまくボールを引き出した。カウンターの場面ではキレのあるターンでメリーノにイエローを誘発。ドリブルとかゴールに向かう勢いはラウガル以上ですな。
守備でも精力的なプレッシングで貢献。途中投入の選手として素晴らしい働きですね。
・ペチャロマン
ヒヤッとするトラップミスがあったが、これから組立て能力にも長けたSBとして活躍してくれる片鱗は見せた。
・ニコ
ラレアルが5バックにし、守備ブロックの重心を下げたことでスピードを生かせる場面はあまりなかった。
前半イニャキに決定機が2つあったことを思えば妥当なドロー。ボールは出せれど、ビルバオ守備陣にきっちり潰され、好機を作れなかった。3バックが板についてきたのは収穫かと思うが、2トップ脇から前進を赦してたんで俺は5-4-1ブロックの方が好きですね。ムニアインにゴミ投げたファンはあり得ない。試合後レミーロを労わってくれた彼に向ける顔が無いね。