21-22 LaLiga 第17節 レアル・ベティス対レアル・ソシエダ (2021.12.12)

ESTADIO BENITO VILLAMARÍNでの一戦。お客さん凄い歌ってる。ベティスの力強いイムノはラリーガフリークスのDerbi Sevillano特集回で紹介されてましたね。ソシエダとしては主力CBのアリツ復帰戦で連敗を止められるか。好調ベティス相手だが、年内残りリーグ戦2戦、できればどちらかで勝利を飾り、良い気分で年越しを迎えたい。

また、この試合のベンチ入りは見送られたがシルバとメリーノが練習復帰。チームが苦しい時期にこの2人の回復は明るいニュース。

◇先発紹介

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ベティスは4-2-3-1。この日のCHはグアルダードとギドロド。両SBの攻撃力には注意したい。特に今季好調のファンミ+A.モレノが組む左サイドは怖い。W.ジョゼ出てるやん!定着できると良いね。

ソシエダはいつもの4-3-3だが、この日はアンカーにスベルディア。自分は観れていないがEL・PSV戦もそうだったらしい。いつもアンカーに入るスビメンディは今日は一列前。個人的にそろそろトゥリエンテスが先発しても良いと思う。ピッチに立てば常にいいプレーを見せてくれる。今季いまいち調子の出ないポルトゥとバレネチェア、イサクの3トップにはここで良い働きを期待したい。

主審:サンチェス・マルティネス

◇交代

ベティス

’66

①#18グアルダードOUT、#14W.カルバリョIN

’83

②#8フェキルOUT、#11テージョIN

③#21ギドOUT、#4P.アコク

④#15A.モレノOUT、#33J.ミランダIN

⑤#7ファンミOUT、#28ロドリIN

 

*ラレアル*

’62 

①サルドゥアOUT、ゴロサベルIN

ポルトゥOUT、ヤヌザイIN

’74

③イサクOUT、ソルロスIN

スベルディアOUT、トゥリエンテスIN

⑤バレネチェアOUT、ナバーロIN

この中で良かったのはナバーロ。得点が必要な状況で積極的に攻撃を仕掛け、終了間際には惜しいシュートも放った。オフェンシブハーフの中で一番得点が期待できる選手。シルバが戻ってきて出番が減ってしまうかもしれないが、自ら仕掛けられるアタッカーは貴重、イマノルの信頼を勝ち得て欲しい。

 

◇攻撃

ビルドアップではジョゼ+フェキルの前2枚に対し、スベルディアかスビが2CB近くに落ち3枚で作りに行く時間が多い。その代わりSBを高い位置に上げ、WGが内側に入る。後ろから中に入ったWGやIHに出し、上がったSBまたは受けた選手より前につけ、手数を掛けずに深さを取りに行き速い攻撃を展開。

速い攻撃を展開することでスペースが残されているので、ポルトゥ、バレネの推進力が生きる。

ただ、WGが中に切れ込んだ時にギドに蓋をされる場面が目立った。抜群の立ち位置。カットインからシュートのうまみを消された。

魔の後半)

2-0にされてからは良い所なし。全体的に元気がなくなり、前半ボールが出せていたのがそれすらできなくなった。DFライン~中盤までは繋げてもそこから前進できず、ベティスDF陣を脅かす場面はほとんどなかった。楽しそうにベティコにチャントを歌われた。


◇守備

ソシエダはいつもの4-4-2のプレスでなく、ベティス最終ラインが持つときはマンツーマンのハイプレスで嵌めにいく。ベティスはGK+DF4人+ピボーテの一角の6人がビルド隊。これに対しラレアルは3トップ、オヤルサバル+スビorスベルディアの5人が捕まえに行く。ベティスはGKを使って+1人を確保し、大体WGがスライドしてCBについたところをロブパスでSBに出して逃れることが多い。

ハイプレスを抜けられるといつもの4-4-2or4-5-1ブロック。

◇得点

’13 ⚽BET 1-0 RSO A.モレノ②(アシスト:W.ジョゼ③)

ベティスはGKを交えた最後方からのビルドアップ。A.モレノが高い位置を取る反面、

そのスペースにグアルダードが斜めに落ちる。右WGのポルトゥはV.ルイスと落ちてきたグアルダードの2人を1人で見ることになり、ここで比較的自由なグアルダードにつけられる。余裕のあるグアルダードはルックアップし、ボールを受けに下がってきたファンミと裏腹に左大外裏のスペースをダイアゴナルランで突いたW.ジョゼを走らせるロングパス。

ラレアルはここで2つのミス。一つはレミーロの判断ミス。ジョゼが競り合いに勝つことを考慮していなかったのか飛び出して触れず、ゴールを空けてしまう。もう一つはA.モレノのマークミス+カバーの遅れ。サルドゥアはジョゼに食いついてしまい、マーカーのモレノを完全にフリーにしてしまう。誰かにマークを受け渡すでもなし...。もしくはジョゼに競りにいったルノルマンのカバーがいれば防げたかもしれない。

決めてになったのはレミーロの判断ミスだが、ベティスのダイナミックな攻撃がラレアルのマンマーク気味の守備をぶっちぎった素晴らしい場面だった。

 

’57 ⚽BET 2-0 RSO ファンミ❿(アシスト:A.モレノ③)

ポルトゥが前線に張っていて戻り切れてない場面、フェキルはそれを突いて左サイド大外でキープ。これに対峙するはサルドゥア1枚。ここ、オヤルなり他の中盤なりがヘルプにいけないもんか。フェキルの更に外を爆走するA.モレノ、2対1の数的不利。

A.モレノを使われ、サルドゥアとのスピード勝負を制した彼がゴール前にセンタリング。合わせたのはファンミ。クロスが上がるタイミングで少し下がり、マーカーのアイエンから距離をとる。上がったクロスに合わせて飛び込み、美しい跳躍から完全に空中戦を制し、叩き込む。先に落下点に入り、アイエンを十分に競らせなかった。競り合いに強いテクニシャンとかそれもう万能アタッカーだから。

なんつうか、この試合のベティスの勢いを象徴する一発。

 

’66 ⚽BET 3-0 RSO フェキル③(アシスト:W.ジョゼ④)

レミーロの低弾道のゴールキックが精度を欠き、センターライン付近でカナーレスに、胸で前方のジョゼにオープンに落とされる。ジョゼは右ハーフレーンでキープして溜めを作り、この隙に中央、左ハーフレーンをフェキル、ファンミが駆け上がる。ジョゼはミドルパスをフェキルに通し、エリア直前の位置で、胸トラップで前を向くフェキル。

ソシエダDF陣は兎に角彼の左足を警戒した守備。それとは裏腹にフェキルは3タッチ目で右足一閃、レミーロの右をぶち抜きく無慈悲な一発。

うーむ、ワールドクラス。

 

’79 ⚽BET 4-0 RSO A.モレノ②(アシスト:カナーレス③)

ま  た  お  前  か

モレノタッチライン際fullスプリントにジャストなタイミングでカナーレスからグラウンダーのスルーパス。ゴロサベルは反応が遅れ独走を許す。ゴロスから距離を確保したところでカットイン開始、悠々ペナ角から斜めにゴールに迫り、最後はレミーロとの駆け引きを制し、ファーのサイドネットに突き刺す。

もう沢山だ。

 


◇所感

ベティス

・ルイ シウバ

キックの精度もさることながら、蹴りどころの選び方も嫌らしかった。

・ベジェリン

球際の強さでバレネを封じた。経験の差か。

・バルトラ

味方との距離感、カバーリングが良かった。守備はそんな得意じゃないイメージがあったが、この試合は素晴らしい守備者だった。

・V.ルイス

バルトラとともに最終ラインを引き締めた。目立たないがビルドの時の気の利いた動きがえちえち。マーカーを引きずり、瞬間的にモレノへのパスコースを空ける。

・A.モレノ

大外を素晴らしいフリーランニングで突いて2得点1アシスト。化け物かな?気の利いたポジショニング、タイミングの良い動き出しをしてサリーダデバロンの終点としても機能。

・ギド

バイタルに蓋。フィジカリスタ。

グアルダード

1点目を演出。

・カナーレス

あまり目立たず。右サイドはベジェリンの方が目立っていたすらある。

・フェキル

流石のキープ力、ほとんど失わず前を向いてしまうスキル、身体の強さは脅威の一言。そして正確無比な左足でチャンスを拡大してくる。渡る前に潰したい。

・ファンミ

速い。自分で仕掛けてよし、周りを使って良し。球離れが良い。

・W.ジョゼ

独特な散らしが厄介だった。割とフリーマン的に振る舞いプレーエリアが広くよくボールに絡み、2列目のアタッカーを生かした。

~ラレアル~

レミー

ハイボール処理やDFライン背後を突く攻撃に対するの飛び出しで判断に迷ったり誤って危機を招いた。らしからぬ。

・サルドゥア

いつも低い位置でのプレーが多いが、ハイプレスにいくチームに合わせ、高い位置からプレスを行った。

・アリツ

いくつか素晴らしいカバーがあった。彼が居なければもう1,2点失っていたかも。

・ルノルマン

失点は彼のせいではない。いつも通り上質なパフォーマンス。

・アイエン

久々のリーグ戦先発。今季の彼にしては微妙だった。良くも悪くもないって感じの出来、1点目防げてたらスーパーだった。組立てで、溜めを作ってから意外性のあるパスを出して攻撃を彩った。

スベルディア

ここ1年ちょっとはずっとCBやってたのにピボーテとして抜群の動き。受ける動きと素く正確な捌きは惚れ惚れ。また、攻守に身体の強さが生きた。競り合いに強い選手が中央にいるのは助かる。無理が効く。

・オヤルサバル

攻撃よりチェイシングで貢献。後半、チームが苦しいときに活躍できると良かった。

・スビメンディ

前半は上手くパスを捌いたが、後半ベティス守備網に捕まり、あまり仕事をさせてもらえなかった。インテリオールであれば相手のギャップを突く動き直し、位置取りでどんな時もパスを捌いて欲しい。

ポルト

FWだったことを思い出した。ゴール近くで駆け引きの上手さから、数度チャンスを迎えた。

・バレネチェア

1対1はベジェリンに抑え込まれた。スピードも競り合いも向こうの方が上手。とはいえ、フェイントで往なしてから良いクロスを上げるなど、抜けないなりに貢献してくれる場面もあった。

また、ボールを貰う動きは素晴らしく、攻撃のスイッチを入れた。ただ、受けた後球離れが悪かったりパスが少し雑なのが勿体ない。

・イサク

エリア内の仕事より、チェイシングやポストワークで貢献。

 

今季のソシエダは失点の少なさと勝負強さで勝ち点を積み上げてきたが、この試合に関してはスコア通り情けなかった。モレノに2G1A、寧ろ先制点の後は警戒して抑え込んで欲しいんだが。3点に直接絡むSBって何?怖い。

一方前半は特にポルトゥを筆頭にチャンスを何度か迎え、最後の精度の欠如を露呈。かなり悔しい敗戦だが、今は一歩一歩改善を積み上げるしかないだろう。次節のビジャレアル戦は、クリスマス休暇を前にサポーターに勝ち点3を届けて欲しい。