🚲Tour de France 2023 観戦初心者が書くプレビュー(2/3)~コースプロフィール編~🚲

前編ではロードレースという競技の概要を自分なりに記しました。あくまで今年のツール・ド・フランスに焦点を置いておりますので、ステージレースに偏ったものになっただろう事、ご容赦ください<(_ _)>

本編では、選手達がどんな道のりを舞台にレースを走るのか、という事を紹介したいと思います。色々詳細な情報がまとめて出ていますので、ここでは本当に軽く済ませます。
全体図、各ステージ(計21ステージ)のコースレイアウトについては、以下Tour de France公式アカウント(日本語版)のTweet添付画像及び以下J SPORTS社さんのWebサイトをご参照ください。

www.jsports.co.jp

 

見ていただくと分かるのですが、とんでもない山続きです…
この後今大会のコース雑感、出場選手から見る展望を書いていく前に、関連する基礎知識をざっくりと紹介しておきます。

ロードレース関連用語

ステージを表現する用語について

以下3種類に大別される。

平坦
いわゆるピュアスプリンターと言われる、平坦路のスプリントで最高速を出せるパワーが自慢の選手達の勝利が期待されるステージ。ゴール前でのスピードがものを言う。
山岳
きつい登り坂を含み、展開によっては総合順位が大きく動く。ただし、きつい登りがあってもその後下って平坦路を走ってゴールというレイアウトだと、登りで抜け出してもその後下った後、空気抵抗の影響を受けやすい平坦路で追いつかれ、タイム差をつけるに至らないというケースがよくある。ゴール前が登り基調の方が差がつきやすい。
クライマーとよばれる、登坂力自慢の者達が輝くステージ。登る力が勝負を分ける。
丘陵
比較的細かいアップダウンを含むステージ。いわば①と②の間とも言える。
クライマーが勝利を収めるほどのレイアウトでは無いが、登りに弱いスプリンターはゴール前に残れない場合がある。クライマーが差をつけるには至らず、ピュアスプリンターはゴール前の争いまでに遅れて絡めない→
登りもいけてスプリントも得意、という選手が勝利を収めやすい。

尚、平坦路はスピードが出るため、集団から抜け出して個人で走った時に空気抵抗を強く受ける→マークされた中では抜け出し、その後の独走が難しいためタイム差がつき辛い。タイム差がつき易いのはきつい登坂を含む山岳ステージ。斜度のきつい登り坂では、選手達自身の登坂力が登坂速度において支配的。空気抵抗もスピードが出る平坦路ほど影響を受けないので地力の違いによって差をつける事が可能。

また、山岳ステージと丘陵ステージは平坦路のように空気抵抗の影響をモロに受けないため、登り、下りの速さ/技術がタイムを分ける→場合によっては集団が逃げに対してタイムを詰め辛い→逃げ切り勝利が生まれる可能性が比較的高い

ツール・ド・フランスなどの大規模なステージレースでは、上3つのカテゴリー全てのコースを3週間にわたって選手達が駆け抜けていきます。
バラエティーに富んだコースに対応する為、総合優勝(累計タイム最短)者輩出を狙うチームは平坦路に強いアシスト、登坂に強いアシストと異なる脚質(:その選手の得意分野が何かを示すもの)の選手をスカッドに揃え、チーム全体でエースをサポートしていきます。

脚質に関する用語について

ざっくりですが、脚質の種類を以下見ていきます。
(ピュア)スプリンター
スプリンターとは、斜度がきつくない平坦路のゴール前で複数人によるスプリント合戦になった時、爆発的な加速力・最高速維持で勝利を狙える選手を指します。平坦ステージで勝負を狙う。
ピュアと括弧書きした理由は、登坂もある程度こなせて丘陵ステージでも登坂で遅れず、ゴール前のスプリント合戦で勝利を狙える選手を別の脚質で呼ぶからです。
これに対し、ピュアスプリンターとは登坂が苦手で、登りをある程度含むコースレイアウトだと終盤までに集団から遅れ、ゴールスプリントに絡めない恐れがある、平坦路スペシャリストを指します。ただ、その分平坦路におけるスプリント力に尖った性能を誇るので、強いピュアスプリンターと相対するチームは、登りでペースを上げてレース途中でふるい落とそうとする/足を消耗させる などの駆け引きを行います。

今大会の代表的選手:
M.カヴェンディッシュ(アスタナ)、J.フィリプセン(アルペシン)、D.フルーネヴェーヘン(ジェイコ)、F.ヤコブセンクイックステップ

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パンチャ―
前述していますが、ピュアスプリンターに対し、ある程度登りもこなせてゴールスプリントでも力を発揮する選手。丘陵ステージと非常に相性が良いです。勝ちパターンとしては集団の中で足を温存しても良いし、集団から抜け出しての逃げ切り勝利を狙う事も可能。スプリントが強い選手が狙えるものとして前編でポイント賞の存在を挙げましたが、近年の大会では、登り基調のステージでも中間スプリント、その後のゴールに絡みうるパンチャー系の選手が、ピュアスプリンターより全体で多くのポイントを稼ぎ出して賞獲得に至るケースが少なくないです。2010年代のP.サガン、近年のM.ピーダスンがその例たる選手達です。
また、逃げに乗れたり、平坦にも登りにも対応できるポリバレントな強みから、アシストとしてレース全般で活躍します。

今大会の代表的選手:
P.サガントタル)、M.ピーダスン(トレック)、M.トレンティン(UAE

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クライマー(総合系含む)
文字通り登りが強いステージ。総合優勝を争うには山での強さが必須条件。
括弧書きで総合系含む、としたのは、例えば一人で走るタイムトライアル(TT)の距離が長いステージレースでは、登りに特化して平坦路ではそこまで速くない”ピュアクライマー”が山岳ステージで稼いだタイム差をTTで失い、総合順位で後退する、というケースが見られますが、今大会のTTは1日だけで、それも登坂力が勝負を左右するコースレイアウト。従ってピュアクライマーと言える脚質の選手であっても総合順位を下げる要素が比較的少ないという点で総合系(:パンチャーでも厳しい登りに耐え、且つ平坦路も速く独走力も備えたオールラウンダー)をここに含めました。
山岳ステージで強力なクライマーが力を発揮すると、1日で数分以上の大差がつく事がざらに起こります。

今大会の代表的選手:
J.ヴィンゲゴー(ユンボ)、T.ポガチャル(UAE)、D.ゴデュ(グルパマ)、J.チッコーネ(トレック)...
※その他本当に多数。山岳偏重の今大会にあって、他の脚質に増して挙げ切れません。

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ルーラー
空気抵抗を受ける状況下でも一定のペースを刻み続けられるタフな選手。平坦ステージ(+丘陵ステージ)ではレース終盤まで、山岳ステージでは本格的な登りに入り、山岳アシストに仕事を引き継ぐまで黙々とチームを牽引します。中でもスピードに優れる選手は平坦基調のタイムトライアルでも活躍します。野球で例えると、試合を作る先発投手みたいなものと思っています。強い横風に晒される状況下では集団の隊列が斜めになり、分裂が起こりやすい。ルーラーのポジション確保、チームを引っ張り上げる力が鍵になる。また、スプリント合戦になるとパンチャー等に遅れを取りますが、独走力を活かして逃げに入り、勝利を狙う事もできます。

今大会の代表的な選手:
D.ファンバーレ(ユンボ)、J.カストロビエホ(イネオス)、I.ランパールト(クイックステップ

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今大会のコースについて

本題が遅くなりましたが、今大会のコースについて軽く触れていきたいと思います。
注目ステージ(抜粋計3)の特徴及びツール全体の概要が同一ページでチェックできる特集ページがありましたので、以下リンクを貼っておきます。本記事上方に張ったリンクの全ステージを網羅したステージ詳細ページ+下の見どころ解説ページの2つに基づいて言及する形で書いていきます。

www.jsports.co.jp

全体概要

見どころ解説にもあるように、例年にも増して登りが多いです。主要山岳エリアを全て通るという超山岳ボリューム大会に仕上がった結果、フランス一周というより、言わば”フランス山岳地帯横断レース”の様相を呈しています(笑)
総獲得標高56,200mを超える厳しい大会、当然総合優勝候補は山に強い選手達に絞られます。下の地図で示されるフランス本土の山岳地帯5つ全てを通過します。。

通過順に①ピレネー山脈(PYRÉNÉES), ②中央山塊(MASSIF CENTRAL), ③ジュラ山脈(JURA), ④アルプス山脈(ALPES), ⑤ヴォージュ山脈(VOSGES)。これを聞くだけでお腹いっぱいですねw

続いて、全21ステージの概観をざっと見ていきたいと思います。

◎第1週~休息日(1回目)
※便宜上、第〇ステージと書かず、〇日目と記します。この旨ご容赦ください。これは休息日を除いたレース(勝負を争う)何日目という意です。1~21日目までとなります。

1-3日目:バスク

ビルバオをスタートしてEuskadiを巡り、フランス側バスク(Iparralde)のバイヨンヌに至る道のり。初日、2日目は斜度がきつい登りを含み丘陵ステージにカテゴライズされています。ピュアスプリンターはゴール前まで粘れるか。特に初日は最大勾配15.6%という破壊的な登りを含み、パンチャー、クライマーによる争いが予想される。
3日目は多少のアップダウンを含むものの平坦路を走るステージ。スプリンターの熱いバトルが予想されます。

◎見どころ
初日にいきなり激坂クライムが待ち受けているという事で、初日から総合優勝を争う選手達の調子が問われるという勝負に特化したコース組み。
また、バスク地方の景観、チームプレゼンテーションでも大いに楽しんでいたバスク観客の熱は、冒頭から大会を盛り上げてくれること間違いなしです!!

4-6日目:ピレネー山脈

3日目に続き、4日目もスプリンターが輝く平坦ステージ。3日目よりもフラット、熾烈なスプリント合戦が見られそう。但し翌5日目にピレネー突入。早くも総合争いへ...5日目には超級山岳が登場し、6日目はタイム差が着きやすい山頂フィニッシュ(1/4)。1級コトレ・カンバスク(標高1,355m, 登坂距離16km,平均勾配5.4%)が勝負所。平均勾配的にはそこまでだが、この前にツールの名所・トゥルマレ峠を越えなければならない。えらいこっちゃ。

◎見どころ
個人的に5日目の各チームのレース運びが気になります。総合争いをするチームは山頂ゴールの翌日に向けて力を温存し、ペースを上げないか。そうなれば逃げグループにもチャンスが生まれて来る。個人的にはヴィンゲゴー、ポガチャルの力が抜けているので、総合を争えるオールラウンダーを複数抱えているバーレーン、イネオス辺りは誰かを逃げに乗せたり集団からアタックさせたりしても面白いのかなと思っています。そうでもマイヨ・ジョーヌを着れないぐらい、ユンボUAEは強い...。
とは言ってもまだまだ序盤なので、3週間競わなければいけない事で大きく動かないかもしれませんが。動いたら面白い。ポガチャル、ヴィンゲゴー以外の活躍も期待する外野だから言える事ですw

ピレネー山脈(PYRÉNÉES)

スペインとの国境沿い、イベリア半島の付け根を約430kmもの長さにわたって連なる雄大な山脈。サンティアゴ巡礼路も通るトレッキングの名所で、春夏には豊かな高山植物、秋には紅葉、冬にはスキー客をと四季を通じて多くの人を魅了する。

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7-9日目:南西部から中央山塊

7日目は平坦ステージだが、8日目は丘陵ステージ。細かいアップダウンが含まれ、ピュアスプリンターがゴール前に力を残すのは厳しいか。9日目は中央山塊へ突入し、ラストは超級ピュイ・ド・ドームを昇る山頂フィニッシュ(2/4)(標高1,415m, 登坂距離13.3km,平均勾配7.7%)。ここでの総合争いの結果、2週目にポジティブな気持ちで入れるチームはどこになるか。重要な一日になりそうです。

◎見どころ
この第1週、平坦ステージ、丘陵ステージをともに3日ずつ消化します。気になるのがポイント賞、マイヨ・ヴェール争い。ピュアスプリンター、パンチャーどちらが第2週に緑のジャージを引っ提げるのか。「登れるスプリンター」、ロット・ディスティニーのエースナンバーを背負うカレブ・ユワン辺りにも注目です。

中央山塊(MASSIF CENTRAL)

文字通りフランス国内中央部に位置する広大な山岳地帯。フランス語でMassif Central。ピュイ・ド・ドーム山を中心とする火山群。火山帯特有の赤茶けた火成岩と噴火活動が川をせき止めた事で生まれた散在する湖が織りなす風景は独特。

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(休息日1/2回目)

◎第2週~休息日(2回目)

10-12日目:中央山塊からジュラ山脈

10日目は休息日を挟んで、中央山塊を走る丘陵ステージ。2級山岳を含むなど獲得標高は高いが、ゴールに向けては下り→平坦というレイアウトの為総合は動かないかもしれない。逃げと集団の駆け引きも気になるところ。11日目はレース後半がほぼフラットの平坦ステージ、12日目はアップダウンが激しい、高低差図にするとギザギザな丘陵ステージ。逃げや再三のアタックなどを含むパンチャー達の目まぐるしい争いを期待。

◎見どころ
総合順位で大きく遅れてない選手の逃げ切りを許さなければ、総合順位は大きく動かないかもしれない。一方で特に10,12日目が逃げ切りが期待できるコースレイアウトという事で、マイヨ・ジョーヌを抱えるチームは集団コントロールアシストが大きく消耗する可能性もある。この辺り総合優勝を狙うチームがどう考えるかマイヨ・ジョーヌを手放す判断をする等)一つ注目。

ジュラ山脈(JURA)

ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏の西端、スイスとの国境沿いに南北に広がる山脈。「ジュラ」は森林を意味するラテン語に由来し、麓近辺は深い緑と水といった豊かな自然に恵まれている。

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13-15日目:ジュラ山脈からアルプス山脈(山岳ステージ3連戦)

13日目はジュラ山脈へ。再度やってきました超級山頂フィニッシュ(3/4)。当日の決戦の舞台、グラン・コロンビエ峠は標高1,501m, 登坂距離17.1km,平均勾配7.1%。あるあるですけど中間スプリントポイントが丘頂上手前という位置(標高800m弱)。スプリント(坂)とはこれ如何にw また、レース当日がフランス革命記念日という事で、フランス人クライマーの奮起に期待が寄せられます。
14日目、間髪入れず今度はアルプス(白目)。超級を下ってのゴールというのが山を得意としない選手達には唯一の救いか。しかしラストの超級の前に1級の峠を3回も越えなければならない...。そして中間スプリントポイントは何と山頂。悪趣味である。ステージ勝利にはダウンヒル能力が欠かせない。
15日目、ゴールは1級サン・ジェルヴェ・モン・ブラン(標高1,372m, 登坂距離7.7km,平均勾配7.7%)を登る山頂フィニッシュ。最後の1級だけを見れば他にもヤバい山は沢山あるが、この日の累積獲得標高はここまで最多の4,500m弱。休息日前とは言えこれは辛い。最後の1級の直前にある2級山岳アムラン、最大勾配17%ってなんすか?

◎見どころ
山山山。ここまで来ると、開幕当初はシャンゼリゼで総合表彰台に乗る事(最終総合順位が3位以内)を目標にしていた選手達の中で望み通りに試合が運ばず、ステージ勝利狙い or 山岳賞狙いに切り替える総合系ライダー達が出てきます。
前者のステージ争いであれば、集団内の総合順位争いで牽制が生まれた場合に逃げ切りやアタックが決まる可能性があり、山岳賞ならレース前半から積極的に逃げてピークハントに掛かる、というような積極果敢なアプローチに期待が掛かります。
是非とも、今年の総合決まっちゃったなー、という時にも、其々の目標に向けてひた走る選手達の戦いに注目してください!!

アルプス山脈(ALPES)

言わずと知れた中央ヨーロッパの大山脈。総延長は東西約1,200kmに及ぶ。ヨーロッパ各国に跨り、各地域をアルプスを水源とする天然水の河川で潤す。

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(休息日2/2回目)

◎第2週~休息日(2回目)

16日目:登りTT

山岳3連戦が終わっても総合勢が一息つけない個人タイムトライアル。レース後半が緩やかな登り基調になっていて、ゴールから2.5㎞ほど手前に位置する2級山岳・ドマンシーが最大の難所。登坂距離2.5㎞ながら平均勾配9.4%、最大勾配はなんと15%を超えるらしい。ここの攻略が秒差に表れそう。

17-20日目:アルプス山脈ヴォージュ山脈

17日目、ここに来てクイーンステージ。獲得標高は断トツの5,405m。。1級×2→2級と登り、最後は超級コル・ド・ロズ峠(標高2,300m, 登坂距離28.1km,平均勾配6%, 最大勾配24%)。30㎞弱も登らされるそうで...。さらにこの峠を超えた後下って、山岳飛行場へ登ってゴール(最大勾配18%)。実質5つ目の山頂フィニッシュと言えよう。言うまでもない鬼畜ステージ。歩くだけでもしんどそう。
18日目、カテゴライズは丘陵ステージだが、特に後半はほぼほぼフラット。山をもがき越えて来たスプリンターが栄誉を賭けて戦う舞台。登りが弱いスプリンターは最早足が残っていなさそうだし、登りに強いパンチャー達でもかなりの疲労がありそう。背景の濃いスプリント争い、感慨深ぇ...。
19日目:13日目に争ったジュラ山脈の麓付近、ジュラ県を舞台とする(カテゴライズ上は)平坦ステージ。ただコースレイアウトを見ると結構起伏に富む。18日目とカテゴライズが逆じゃないすか?と疑念を抱かせられる。アップダウンがスプリンターの足を削り、パンチャーによるゴール争いとなるか、スプリンターが意地を見せるか楽しみ。勿論翌日が最後の山岳ステージという事で、メイン集団が逃げを容認して逃げ切り勝利が生まれる可能性も多分にある。
20日目、ヴォージュ山脈を舞台とする正真正銘最後の山岳ステージ。133kmと短い距離に6つのカテゴリー設定山脈。ラストは1級プラツァーヴァーゼル(標高1.193m, 登坂距離7.1km、平均勾配8.4%)を通過後、フラットな道を8㎞ほど走り抜けてゴール。総合順位逆転を期す最後のチャンス、グランツール恒例だが、最終山岳ステージで逆転を目指して果敢にアタックを仕掛ける選手の姿が胸を打つ。

◎見どころ
例年以上に厳しいコースプロフィールの今大会、終盤には各チームのアシストの中にはリタイアする者、前日までの疲労で力を発揮できない選手が出てきます。そうした中では一層エースの実力が問われる。アシストの献身にリザルトという形で応えるエースの仕事、見どころでないわけが無いですね。

ヴォージュ山脈(VOSGES)

ジュラ山脈の北側に位置し、かつてのアルザス、ロレーヌ両地域を東西に分ける、南北に走る山脈。山麓の畑で育てられるリースリングなどから造られるアルザスワインは有名。ヴォージュ山脈が西からの湿った空気を遮り、アルザスワインのぶどう造りに一役買っているとの事。

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まとめ

しっかり目を通してみると、やっぱり今大会の過酷さはとんでもないです。通年の中でもビッグイベントのツール、皆今大会に向けて調整してきているとは言え、パフォーマンスを保ち続けるのは全く容易でないと思います。
また、各日の争いでは、前日までの疲労、翌日を見越した体力配分なんかもチーム戦術に大きく関わってきます。ロードレース中継の解説者の方はそうした細かい点にも言及してくれますので、是非色々な思いを巡らせながらツールという3週間の長い旅路を楽しんでください!