La Liga 第38節(20-21最終節!) オサスナ対ソシエダ
20-21シーズンも最終節。
ソシエダはベティス・ビジャレアルと勝ち点1差状況でこの一戦を迎える。三つ巴でEL2席(5位、6位)を争う。ベティスはセルタと、ビジャレアルはR.マドリーとのカード。オサスナ、ビジャレアル倒してたのが印象的。簡単にはいかないことが分かっちゃいたが、ベティスとビジャレアルの調子からして、この試合は勝つしかないと思って観戦開始。にしても本拠地かっこええ。
オサスナと言えばパンプローナ、サンフェルミン。日はまた昇る、最高峰のスペイン旅小説ですよ。主人公の潔い性格も好き。
この大一番にがっちがちのべスメンがそろう安心感よ...。これで負けるならしゃあない、とすら思う。最近消えがちなオヤルサバルがいるからベストじゃないなんて、そんなこと言わない言わない(エルチェ戦、右インテリオールで出てたあの試合、消えたオヤルサバルと題打って彼だけにフォーカスした記事を半分ネタ半分本気で心配して書こうとしてたのはここだけの話)。
(攻撃)
最終ライン4枚が開いてボールを回す。オサスナは4-5-1ライン。基本ソシエダCBが持ってる時はアタックにこない。スビメンディが5-1の間に立つが、CBが持ち上がると間に落ちる。4(DFライン)+1(スビメンディ)で組み立てるソシエダ。モンレアルは気持ち高めの位置を取り、それによりオヤルサバルが中に入る。左はゲバラやオヤルサバル、右はシルバがハーフスペースで受けようとするが、オサスナの中盤ラインと間を詰めるDFラインに狭くされ、なかなかここに差し込めない。それでも何度もボールを引き出すシルバはやはり役者が違うと感じた。一方ポルトゥはサイドに開く。ある程度運ぶ自由を与えられるも、カットインするとオサスナDFのチャレンジ&カバーによる通せんぼに遭うため、あまり自らの突破の場面は作れず。ただ、引きつけてプレーの引き出しの多いシルバに入れることで攻撃に貢献した。
ビルドアップの一つの形としてボールの扱いに長けたエルストンドが中盤ラインを引きつけ、エルストンド→スビメンディ→インテリオールとワンタッチで繋ぎ、バイタル受けを成功させる場面があった。試合を通じて何度も見られる場面じゃないが、このサリーダ・デ・バロンはソシエダの大きな魅力の一つだと思っている。
ボールは回せても中は締められ、またDFラインに人数を余すオサスナに対し、最前線のイサクに中々渡せない。たまらず30分過ぎ頃から再度に流れるイサク。代わってオヤルがトップの位置を埋めていた。敵に埋もれていたオヤルがやっと目立っていた。
スビメンディがDFラインに落ちると、ゲバラがアンカーの位置を埋め、3-1-4-2的になる場面あり。オヤルサバルが左インテリオールの位置に、ポルトゥが右FWの位置に入る。ここでもオヤルのボールを受けるアクションの少なさが目立ってしまう。
~オサスナのDFアクション~
1トップは基本人を担当しない。後ろの中盤ライン5枚がアタックに行った際、応援に向かう感じ。中盤ラインはソシエダDFラインのある程度の前進は許すが、ソシエダSBに入るとSHがアタックにくる。圧は弱め。5人のラインとしての連動は強く、いったん誰かが前にくるとSB→CBにパスを戻しても、CBには対面のインテリオールがアタックにくる。一方でオサスナ最終ラインの4枚は、 あまり前5枚と連動して前に来ない。→5枚ラインがハイプレスにくるとバイタルを大きく空ける。しかし、一旦スビメンディが前向きでボールを受けると、ボールへのアタックを捨てて5-4の圧縮されたミドルブロックを形成。
途中からソシエダの後ろ3(CB+スビメンディ)に対し、3-2-5の形でプレスにくる場面があった。ワントップ+両WGのバルハ・トーレスの3枚。
<後半>
1トップのガジェゴ+右インテリオールのオイエルが前2枚を形成する4-4-2ブロック基調が増えた。前からの圧力が増し、ソシエダはCB保持時の余裕が減った。
(守備)
割と4-2-3-1っぽく守る。スビメンディがゲバラと並び、シルバはトップ下の位置。イサクと逆サイドのCBにSHのオヤル・ポルトゥがプレスにいき後ろが連動するハイプレス。ハイプレスかます時は基本ゾーンでなく人につく。
シルバが出てイサクと1stライン2枚を形成し、4-4-2で守る時間もあった。これは今季よく見た形。
~オサスナの攻撃アクション~
左はSBのマヌ・サンチェスが高い位置をとる。左インテリオールのイニゴペレスはバランスをとって低めの位置をとる。右はオイエルが高い位置をとってくる。たまにSBのナチョビダルも上がってくる。
<後半>
チャンネルランが増加。このランニングを使った速攻でチャンスを何度も作った。ソシエダSBは高い位置までプレスにいくので、これにより生まれるギャップを突く形。ソシエダはゲバラ、スビメンディのカバーで対応。
’9 イサク抜け出し→逸機(オヤルと位置を変え左にいたポルトゥへのラストパスをカットされる)
中盤ラインの手前右寄りでフリーのゲバラ、左足でオサスナDFラインの背後へ浮き球。イサクがラインブレイクで抜け出し、CBの前に出てGKと1対1。あとは小見出しのとおり。ナチョビダルのクリアミス(膝付近に当たり上に跳ねたボール)→腕にヒットしてゴールラインを割る。ハンドじゃねえのか?腕で掻き出してなければポルトゥの奪回のチャンスがあった。不服。
45' L.トロOUT、モンカヨラIN。
アンカー同士。
54’ U.ガルシアOUT、ラマーリョIN。
負傷交代。スライディングした太ももにイサクのスパイクが入った?交錯。ラマーリョはアスレティック(お隣)ユース出身らしい。
’68 ガジェゴOUT、ブディミルIN。
CF同士の交代。ブディミルはボスニア出身、元クロアチアアンダー代表らしい。全然知らんかった。昨季はマジョルカで、今季はオサスナで2季連続2桁ゴールの男。
’73 シルバOUT、C.フェルナンデスIN。
故障離脱から6試合ぶりの復帰。CFDEZはイサクと横並びでなく、シルバ同様少し引いた位置に入る。
’81 CFDEZヘッド(逸機、ゴール左へ)
バイタル左で受けたスビメンディの浮き球にバイタルからオサスナ最終ライン裏に一気に抜けフリーでヘディングシュート。こういうのもできるとなると、彼が右インテリオールに入る時の期待値はオヤルの時より高くなる。
’81 オヤルサバルOUT、バレネチェアIN。
両SHの交代。気難しい顔でゆっくりピッチを後にするポルトゥと、速足でベンチ裏に消え、天上を仰いだ後何かを下に投げつけるオヤルサバル。オヤルは、パフォーマンスの出来のこともあるだろうし、EL出場権のかかった試合をスコアレスのままベンチに下がるエースの立場としての悔しさもあるだろう。
’85 OSA 0-1 RSO⚽ イサク←ヤヌザイ
PA左角のさらに左の位置からのFK。ヤヌザイはオサスナDF陣の背後を巻き、GK手前で弾むボールを蹴る。イサクが右足で合わせ先制。
’88 イサクOUT、R.ロペスIN。
来季はもっとロペスの出番が観れると嬉しい。CFDEZも右インテリオールが務まるとはいえ、プレーはセカンドトップ寄りである。シルバの正当後継者は彼しかいないと思っている。
<感想>
・エルストンドが削られて倒れこむシーンが何度かあった。とても心配。
・キケバルハ、怖い。オサスナアタッカーの中で一番キレていたかも。
・オヤルサバルはやはり、コンストラクターではなく、インベーダーだなあと思った。けなしてばっかで悪いが、守備網の間で いい位置取っててもボールが出てこない場面があった。そこは可哀想。この試合は得意のシュートの精度を欠いた他、ワンタッチパスやトラップもクロスも流れて単純に良くなかった。
・個人的にオヤルもポルトゥも中のレーンに入るときは高い位置に張ってることが多いんだけど、この時もっとボールを引き出す動きがあってもいいかなと思う。悪く言えば中盤以降と前線が乖離した、分断サッカーになっている。例えばバレネチェアにはその動きがある。
今季5位でフィニッシュしたのは11節~21節、秋口から2月のイサク固め打ちまで1勝しかできなかったことを考えるとできすぎた結果に思うが、(マジで降格してしまうかと思った。)勝ち点62フィニッシュはとてもpositiveな数字と思う。
MDか何かの記事でソシエダがリーズに去ったD.ジョレンテの後釜を獲らなかったことについて、Bチームから誰か使うからOK的なコメントを残していたが、結局待っていたのは昨年ピボーテの位置で見かけたスベルディアのフル稼働。Bでエルストンドと同じ右のCBを務めるアランバリやG.D.サラテを何故呼ばないのか。。言ってること違うやん。ピケらの離脱にもアラウホやミンゲサが台頭するバルサが羨ましいなあと思っていた。個人的にはアランバリやパチェコは、既にスベルディアやサニャンより見てみたくもある。今季はル・ノルマンが鉄人してくれたので何とかなったが、彼を使いつぶさないためにも、来季以降CBの起用は注目していきたい。
DFラインのてこ入れはあるか?(K.ロドリゲスの帰還により3人になる左SBは…)W.ジョゼの去就は?次にBから昇格するのは誰か?サニャンはチームに残れる?オフシーズンもなんやかんや気になる点は多い。
開幕までに選手紹介の記事をUPしたいなと思っています。いつも以上にざっくばらんに、自分なりに今季見た各選手の特徴をつらつら書いていきます!